【テニス】全日本学生テニス選手権大会 3日目 男子シングルス2・3回戦、男女ダブルス1・2回戦レポート
全日本学生テニス選手権大会
男子シングルス2・3回戦、男女ダブルス1・2回戦
2014年8月21日(木)
岐阜メモリアルセンター
大会も3日目に入り、中盤に差し掛かった。今日の試合で男女単複ベスト16のほとんどが決まる。法大勢も生き残りをかけ、強豪相手に食らいつくことはできたのか。
試合結果
男子シングルス2回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○* | 塚越雄人(経2) | 6-3,1-6,6-3 | 中村侑平(関大) |
*昨日第2セットまで行われた続き
女子ダブルス1回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 水沼茉子(スポ4)・江見優生乃(社1) | 6-1,6-3 | 多田莉夏・首藤みなみ(日大) |
男子ダブルス2回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 中島佑介(スポ3)・塚越雄人 | 6-3,7-5 | 三田圭輔・神保徹(金沢大) |
○ | 松森裕大(社4)・大友優馬(スポ3) | 6-4,6-4 | 七野優祐・日下大暉(中京大) |
○ | 杉本椋亮(社3)・山田晃大(社2) | 6-2,6-2 | 西村守人・藤井佑介(広経大) |
○ | 小林理久(スポ3)・長田和典(スポ2) | 6-1,6-3 | 矢野雄祐・賀川拓也(福大) |
女子ダブルス2回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 水沼茉子・江見優生乃 | 6-3,6-3 | 金子真理子・入江真子(専大) |
男子シングルス3回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 大塚拳之助(経4) | 3-6,6-2,6-1 | 上原伊織(甲南大) |
○ | 杉本椋亮 | 6-1,6-1 | 上杉哲平(近大) |
● | 小村拓也(経3) | 4-6,1-6 | 権大亮(慶大) |
○ | 大友優馬 | 6-2,6-1 | 竹元佑亮(関大) |
● | 塚越雄人 | 2-6,6-0,5-7 | 大和田秀俊(中大) |
戦評
昨日セットカウント1-1で中断し本日に持ち越された塚越と中村(関大)との一戦(2回戦)。まずは塚越がサービスキープし大事な第1ゲームを奪う。その後、ゲームを奪い合い3-2となると、迎えた第6ゲームで塚越がブレイクに成功。ここで波に乗った塚越は6-3でこのセットを締め、二日に渡った熱戦を勝ち切った。
男子シングルス3回戦では、杉本・大友が危なげなく4回戦に駒を進める。主将の大塚は春の関西王者である上原(甲南大)との対戦。第1セットは、「やりにくい」と感じさせた相手の緩急をつけたテニスに苦戦し3-6で落としてしまう。しかし、見極めを大事にしていった2セット目以降、大塚がリズムを取り戻してくる。第2セットを6-2で奪うと、ファイナルセットも圧倒。疲れからか、足が動かなくなった相手を翻弄し、最後は相手のバックアウトで試合終了。関西王者に主将が意地を見せた。
これで3人がベスト16に進出し、残る二人(小村、塚越)も続くかと思われた。小村はライバル慶大のレギュラー格である権との対戦。ベースライン上でのラリーの応酬となるも、先に小村がミスしてしまう展開が目立つ。第5ゲームで先にブレイクを許し直後にブレイクバックをするも波に乗れず第1セットを落とす。第2セットも思うようなテニスをさせてもらえず1-6。春関ベスト4がまさかの3回戦敗退に終わった。午前中に2回戦を行い、この日2試合目となった塚越もセットカウント1-1で迎えたファイナルセット、5-3とリードし尚且つ塚越のサービスゲームという有利な状況だったが相手に粘られ落とす。これで一気に流れは相手にいき、そこから連続でゲームを奪われついに相手のマッチポイントまでいき最後は二本挽回するも、塚越の打った球がネットにかかり万事休す。2年連続のベスト16入りはならなかった。
女子ダブルス(水沼・江見ペア)は、午前中に1回戦が行われ危なげなく完勝。午後に行われた2回戦ではシード選手との対戦。「自分たちの持ち味は出せた」(水沼)と、水沼のストロークと江見のポーチボレーが要所で決まり、見事ストレート勝ち。
男子ダブルスの2回戦では、すべてのペアが快勝。松森・大友ペアは「硬かった」と松森が話すも、要所要所でボレーやサービスが決まり6-4、6-4とまとめる。杉本・山田、小林・長田両ペアも実力の違いを見せつけ、最後、塚越がこの日3試合目となった中島・塚越ペアの試合は第2セットが競った展開になるも、中島の豪快なサーブやリターン・塚越の正確なボレーが際立ち勝利。全ペアがベスト16入りを果たした。
男子シングルスでは、各大学のシード選手が次々と敗れていく波乱の展開が続いている。単複ともに、ベスト16以降の戦いはとても厳しく、まったく予想不可能な展開になってくるだろう。自分を信じて、一つでも上に。インカレも後半戦へと進んでいく。(渡邉大地)
試合後の選手のコメント
大塚拳之助(関西王者相手に主将の意地をみせた!)
―今日の試合を振り返って
第1セット3-6でとられて、相手のサーブもストロークも緩急をつけて打ってきたので、やりにくいなっていう思いがありながら第1セットやったんで落としてしまったなっておもうんですけど、2セット目からは打てるボールと打てないボールを自分の中で見極めてやろうと、それだけ考えてやったら意外と自分のリズムとかタイミングが合うようになって、ボールも入るようになって6-2、6-1というスコアでまとめられたかなって思います。
―相手のライジング気味の球に苦労しましたか
あまり相手が溜めて引っ張ってくるタイプの選手じゃないので、どちらかというとスライス打ったり、スピンをかけたり、そういうタイミングが早いボールを打ってきたりとか、いろんなことをしてくるので、やりにくかったです。
―相手は春の関西王者でした
強かったですね。やりにくかったですし。でも、積極的に前に前に出てボレーを決めていければチャンスはあるなって思ってやってました。
―ベスト16ですね
去年よりは1つ多く勝てているのでいいかなって思いますけど、もっともっと上を目指しつつ、目の前の1戦1戦を自分らしくやれればなって思います。
―今日の試合は楽しめましたか
楽しかったですよ(笑)「楽しく楽しく」って自分の中で言い聞かせてやってましたので。でも最後5-1とかになった瞬間に早く勝ちたいなとか少し緊張しちゃったんですけど、そこも「取られてもいいから楽しく楽しく」って言い聞かせてやりました。
―今年の夏に強化してきたことは
テニスコートが改修工事で空いていないので、一般のコート借りたり、他の大学さんにコート借りたりしてやってるんですけど、やっぱり限られた時間の中でやるっていうのがすごく難しくて、あまり練習出来なくて。それで夏合宿は、試合があまり出来ていなかったので、試合を多くやったりトレーニングを多くしたりして、良いコンディションで入れるように、それを目的に臨みました。
―明日の試合に向けて
無理しないで、自分が今できることを考えて、明日の調子の中でできることをやるのが一番大切だと思うので、それをやっていきたいです。
小村拓也(ミスが相次ぎ、惜しくも敗れる)
―今日の試合を振り返って
すごくプレッシャーを感じていて、力が入ってしまって思うようなプレーができず、ミスも増えてしまって、今日の敗因は自分のミスが多くなってしまったのが一番です。
―プレッシャーの原因はなんですか
春関でいい成績(ベスト4)残せて、相手は春関でそこまで勝っていなかったので向こうからは思いっきりくると僕が思ってしまうプレッシャーや自分の中でベスト4の自覚があるのがプレッシャーでした。
―第1セット、ブレイクバックしていい流れがきたと思いましたが
そこ(ブレイクバックの後)は相手が少しだけペースを変えて、つないでつないでのボールを増やしてきて、それに対して僕のミスが増えて流れが戻されました。どんどん攻めようしてもミスにつながって、流れをもっていけなくて、ペースを変えられたことで自分の流れを止められてしまいました。
―普段は冷静な小村選手がイラつく場面が目立ちました
相手のボールがフレームショット気味できて、それを我慢出来ず、「なぜ遅いボールを決められないんだ」「なぜミスにつながるんだ」とかイライラしてしまって、そうやってイライラさせるのも相手の作戦だったと思いますし、そこで冷静にいつも通りできなかったのが敗因につながりました。
―相手はリーグ戦でも対戦する慶大・権選手でした
リーグ戦になるとインカレと違って気持ちの勝負になるので「勝ちたい」という気持ちが強くて、イライラとか調子悪いとかプレー云々よりも精神的な部分が大きいのでひたすら「チームのために1勝挙げられれば」の思いなので。インカレとは違う、みんなで戦っていきます。もしリーグ戦で当たったら勝つ自信はあります。
―合宿で強化してきたことはなんですか
体の線が細いのでしっかり食事をして動いて、ファイナルいっても自分のプレーが出来るように、ってことを合宿でやってきました。(この試合は)上手くできないというかそんな展開の戦いの前に自分がミスをして悔しいです。
―3年目のインカレを振り返って
3年目で大事な時期でしたけどまだ終わっていないので、リーグ戦に来年の春関、インカレ。まずは次のリーグ戦に向けて頑張ります。
―現状の課題はなんですか
さっき言った遅い球に攻めきるとか守りきるとか、中途半端になっていたので、そこを直せば勝てるようになると思うのでやっていきます。
―リーグ戦への意気込みをお願いします
リーグ戦は今まで9勝1敗で、1年目は全部勝って、2年目は早稲田の今井(慎太郎)だけに負けたので、今年は1年目同様、5勝0敗で終われるように頑張ります。
松森裕大・大友優馬ペア(夏関準Vペアは完勝発進!)
―今日の試合を振り返って
松森:大会3日目だったんですけど僕の初戦だったので、出だしが一人だけ硬かったかなと。
大友:内容はそんなに良くはなかったのですけど、まあ6‐4、6‐4という結果でそのくらいにまとめられたので、初戦としては良かったかなと思います。
―内容があまり良くなかったというのはどのあたりでしょうか
大友:そうですね、単調なリターンミスだったりサービスゲームでのダブルフォルトだったり、あとはチャンスボールのミスだったりというのがあって。結構ポイントが拮抗する場面が多くて主導権を握れなかったというのがあったので。
―調子はいかがですか
松森:まあ良くはないですね。
大友:じゃあ、僕は悪くはないです(笑)
―大友選手は昨日今日のシングルスの試合はいかがでしたか
大友:それほど調子が良かったわけではないのですが、まあ一方的な展開で両方とも勝てたので。具体的な内容は良かったと思います。
―今大会男子シングルスはシード選手が続々と敗退していますが
大友:同じシード選手として負けてしまわないように、シードを守りつつ、シード以外に負けないように。僕のところは第5シードと第1シードが敗退してるので、そこをちゃんと勝ってベスト4にいって、次も最後もその次も勝って勝ち続けたいです。
―インカレに向けてどのような練習をしてきましたか
松森:夏関での疲れがあったので、それをとりつつハードコートに慣れるということをやったかなという感じです。
大友:ダブルスは特にスーパータイブレークにいくと一本が重いので、サインミスやノーサインでポーチにいくとかがあるんですけど、それをちょっとなくそうという話はしました。ちゃんとサインはするようにして、スーパータイブレークでも戦えるように準備したいです(笑)
―松森選手は最後のインカレですね
松森:勝つなら優勝したいです。中途半端なところで負けるのだったら最後までしっかり自分のベストを尽くしてやりきりたいです。悔いを残さないように頑張ります。
―インカレの目標は
松森:優勝です。大友は単複優勝でしょ?
大友:違います!(笑) 楽しくテニスすることです。
松森:あ、僕も本当はそうです。
大友:一つ一つちゃんとやらないとダメなので。とにかく頑張ります。
中島佑介・塚越雄人ペア(ナイターの打ち合い制す)
―今日の試合を振り返って
中島:塚越がシングルスの方ですごく長い試合をして本当に疲れていたと思うんですけど、あんなに長い試合をした後によく頑張ってくれたと思います。
―塚越選手は今日3試合ありましたが
塚越:そうですね、シングルスでちょっと体力を使ってしまって結構ダブルスはしんどかったんですけど、中島さんが後ろで動いてくれて僕が動けない分をカバーしてくれたので、勝てたのかなと思います。
―シングルスはファイナルセットはあとワンゲームというところまでいきましたが
塚越:そうですね、5-3で自分がサービスキープをすれば勝てるという状況で、自分の中で早く勝とうとしてしまって、本来のテニスができなかったです。自分の走ってつなげるテニスではなくて攻めてエースを取りにいこうとして、そこでミスがでてしまって。結果的に負けてしまったのかなと思います。
―昨日からフルセットの試合続きですが疲労はたまっていますか
塚越:帰ってトレーナーさんにしっかりみてもらおうと思います。まあでも、トレーニングもしてきて長時間の試合でもきちんと動けたというか、ちょっと足にはきちゃったんですけど、プレーはしっかりできていたので。他大の人で足がつってしまった人もいたんですけど、自分は最後までプレーができたのでトレーニングしてきたのも実になっているかなと思います。
―ダブルスは接戦でしたが気持ちが切れませんでしたね
中島:塚越は本当にしんどかったと思うんですけど、ずっと集中切らさずにやってくれていたので良かったです本当に。
―塚越選手とは反対に中島選手は待ち時間が長かったですね
中島:ちょっと体動かないかな、と思ったんですけど、結構うまく時間を待つことができたので、今日の試合もすごく体が動いて。もっとやりにくくなるかなと思ったんですけど、案外やりやすくて結構良いプレーができましたね。
―お互いサービスとリターンが重要となりましたが調子の方は
中島:調子は良かったですね。悪くはなかったです。
―明日に向けて
中島:明日の相手は、今年本番の試合で二回負けているので。三度目の正直というか、今度こそもう負けないようにしっかり塚越と話し合って頑張ります。
塚越:中島さんも言ってるんですけど、春関夏関と連続で負けていて、その時は競れないまま負けてしまったので。今回はもう負けたくないのです。シードもつけてもらったので、中島さんと明日までにしっかり話し合って勝ちたいと思います。
水沼茉子・江見優生乃ペア(第8シードを破り、ベスト16進出!)
―今日の試合を振り返って
水沼:1回戦は勝つことができて、2回戦はシード相手で強い相手でしたけど自分たちの持ち味が出せたと思います。
江見:1回戦は先輩方がインカレ予選で戦った相手で自分も最初緊張がありましたけど、茉子さんが引っ張ってくれて私も思いっきりできたので、その流れで2回戦、第8シードでしたけどいい流れでできました。
―この暑さの中、連戦となりましたね
江見:最初の試合で暑さには慣れたので、逆によかったです。
水沼:そうですね。(慣れたおかげで)2回戦の方が足が動けていたのでよかったです。
―2回戦は第8シード撃破となる見事な戦いぶりでした
水沼:少しは意識したんですけど春関、夏関と第1シード(西本・池田ペア(慶大))に当たっていたので、それに比べると、っていうのがあったのでシードはシードですけど思いっきりプレーできました。
江見:意識はしていなかったんですけど、シードに勝っても次勝たないと意味がないので次勝って、ベスト8に入りたいです。
―江見選手は初めてのインカレですが雰囲気はいかがですか
高校と違って簡単にミスしたり、試合を放り投げたりする人がいなくて、大学生なので一球一球真剣ですごいです。
―4年目である水沼さんは初めての出場となる江見選手に何かアドバイスはありますか
元々高校から強い選手なので、インカレでも上を目指せるし、今回シングルスは予選で負けましたけど、ダブルスは残っているので、ダブルスだけでももっと上にいって、上で戦う雰囲気を味あわせてあげたいので一緒に頑張ります。
―合宿含めて春からやってきたことを教えてください
水沼:ダブルスに関しては春関からペアを組み出して日が浅いので、一戦一戦自分たちの形をどう作っていくか、練習中もどういう形がいいか話し合って、それが今になって噛み合ってきたと感じます。シングルスは春から成績が落ちてきて、レベルが上がっていく中で勝負強さを磨いていかないといけないと思ってます。
江見:高校からダブルスが好きだったんですけど、春の時はダブルスで上のボールに対してスマッシュを打ち込めなくて、茉子さんに任せていたんですけど「どんどん打った方がいい」って言われてから、ミスを恐れないでロブやスマッシュをどんどん打ちにいって、打ちにいってからはポイントが増えてきたので、そこを強化しています。
―今後への目標、意気込みをお願いします
水沼:ダブルスは昨年もですけどベスト16で止まっているので、今年はそれ以上いけるように一戦一戦戦っていきたいと思います。
江見:明日の試合に勝ってベスト8に入りたいです。そしたら第2シード(林・梶谷(早大))と戦えるのでそこまでいきたいです。
フォトギャラリー
- 大塚は関西王者を倒し、ベスト16入り!
- 大塚のフォアハンド
- 小村はミスに泣き惜しくも敗れる
- 小林(左)・長田ペアは力の差を見せつけた
- 息の合ったプレーを見せる杉本(右)・山田ペア
- 松森(左)・大友ペアもベスト16入りを決めた!
- 中島(右)・塚越ペアは好調さをアピール
- 水沼(右)・江見ペアもシードを撃破