【準硬式野球】東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対立大2回戦 これぞ主将、エースの意地!松田が延長11回143球を投げ抜き完投勝利!
東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対立教大学2回戦
2014年10月12日(日)
法政大学多摩グラウンド
負ければ今季最終戦となる大一番。ここでリーグを終わらせないために先発のマウンドには松田があがった。主将としてこの1年間チームを引っ張り続けた男は気持ちのこもったピッチングを見せる。9回を投げ終え、延長戦に入っても球威は衰えず、終わってみれば143球を投げ11回2失点。そこにはチームを背中で鼓舞するエースの姿があった。
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 6 | 1 |
立 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 |
(法大)◯松田(1勝2敗)-山路
(立大)●中川-奥山
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (7) | 中村 聖弥(経2) | 5 | 0 | 0 | 0 | .186 |
2 | (9) | 内川 慶一(経2) | 4 | 2 | 0 | 1 | .316 |
3 | (8) | 福井 寛(社2) | 4 | 1 | 0 | 1 | .364 |
4 | (6) | 橘 廉(社3) | 5 | 2 | 2 | 0 | .196 |
5 | (4) | 落合 大泰(法4) | 5 | 0 | 0 | 0 | .167 |
6 | (2) | 山路 脩平(経4) | 5 | 0 | 0 | 0 | .175 |
7 | (5) | 萩原 幹斗(社1) | 4 | 1 | 0 | 0 | .227 |
8 | (3) | 永田 直(経2) | 4 | 0 | 0 | 0 | .302 |
9 | (1) | 松田 知行(経4) | 4 | 0 | 0 | 0 | .111 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
松田 | 11 | 5 | 7 | 3 | 2 |
三塁打:内川(1回)、橘(1回)
二塁打:橘(11回)
併殺:2
残塁:5
リーグ戦経過(10/12現在)
法政 | 早稲田 | 明治 | 立教 | 慶應 | 東京 | 試合 | 勝 | 負 | 引 | 勝点 | 勝率 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 | ー | ●● | △●● | ●◯ | ●● | ○○ | 11 | 3 | 7 | 1 | 1 | .300 | 5 |
早 | ○○ | ― | ○○ | ●○● | ○○ | 9 | 7 | 2 | 0 | 3 | .777 | 1 | |
明 | △○◯ | ― | ●● | ○△△○ | ○○ | 11 | 6 | 2 | 3 | 3 | .750 | 2 | |
立 | ◯● | ●● | ○◯ | ― | ○●○ | ○○ | 11 | 7 | 4 | 0 | 3 | .636 | 3 |
慶 | ●● | ○●◯ | ●△△● | ●◯● | ― | ◯◯ | 14 | 7 | 5 | 2 | 3 | .583 | 4 |
東 | ●● | ●● | ●● | ●● | ●● | ― | 10 | 0 | 10 | 0 | 0 | .000 | 6 |
戦評
負けてしまうとこの試合が法大の最終戦となる一戦。なんとしても1勝1敗のタイに戻したい法大は初回からチャンスを作る。2死から2番内川が右中間を破る三塁打でチャンスメイク。さらに、この日3番に入った福井の打席において相手ピッチャーのワイルドピッチで内川が先制のホームを踏む。福井も四球で出塁すると4番に入る橘の適時三塁打で追加点、相手の不安定な立ち上がりを攻めて2点を先制する。
法大の先発は松田、4年間の集大成としてマウンドに上がる。初回は三者三振に仕留めるなど、こちらは完璧な立ち上がりで3回までパーフェクトに抑える。しかし5回、一死から四球とヒットでピンチを招くと犠打で2死二、三塁とされる。続く1番打者には4球目を捉えられると、打球はライトの頭を越される適時二塁打となり同点に追いつかれてしまう。それでも、今日の松田はこの回以外はまったく危なげなかった。8回には味方のエラーで得点圏に走者を背負い、監督らがマウンドに集まる場面があったが、「エースなんだから、ここを踏ん張ってくれ」と女房役の山路に言われ、気合を入れ直した松田。ここは三振、二ゴロに打ち取り、粘りの投球で凌ぎきり打線の援護を待つ。
勝ち越したい法大打線は、立ち直りをみせた相手投手に苦しむ。5回からは4イニング三者凡退で淡白な攻撃が目立つ展開に。9回に先頭の橘が相手のエラーで出塁し、無死二塁のチャンスを作るも落合がバントミス、山路も一ゴロに倒れるなど、好機を生かせずに試合は延長戦へと進む。
決着は11回表だった。福井が今日初安打となる右前安打で出塁すると、「ヒットは打とうと狙った」と今季不振に苦しむ4番・橘の適時二塁打で福井が生還し、ついに勝ち越した。続く落合の遊ゴロの間にもう1点を追加し、この回貴重な2点を追加した。その裏はここまで137球を投げている松田が続投。「最後の意地」と最後は中飛に仕留めてエースが143球の熱投で完投勝利を挙げた。
最終カードの立大戦を1勝1敗とし、次戦が泣いても笑っても最終戦となる。「勝って終われるように」と橘、「自分たちの野球ができる喜びを噛みしめながら」と松田。4年生が引退を迎える1戦で、法大の準硬式野球部の意地、集大成を見せてもらいたい。(渡邉大地)
監督・選手のコメント
本間隆弘監督
―今日の試合を振り返って
やっと、と言いますか。白星やっとのことで掴んだな、ということにほっとしています。本当に松田がよく粘って投げてゲームを作ってくれたのが大きかったですね。
―松田選手の投球について
今日は特に不安定な部分がなく安心して任せられました。終盤「握力どうだ」とマウンドあがったときに聞きましたけど、そこで一回行ったとき以外はベンチ帰ってきても、体もキレてきただろうってのもあって、延長入ってもボールはきていたのでそのぐらいですね。試合は任せられて、相手ピッチャーも投げ続けていましたので根負けしないように、やっぱりキャプテンとして、相手より先に降りない、そんなつもりでやっていました。
―8回裏に一回、マウンドへ行きましたがそのときは
あの時はですね、正直もう事前に山路と前のイニングで打ち合わせして、終盤ということもあって、スコアリングポジションに(走者が)いったら、松田の交代もあって、ボールがきている、きていないとかは捕手の山路が一番よく分かっているので、イケるかどうかの確認ですね。次のバッターとの相性やその辺を見て、最後はとにかく松田に踏ん張ってもらおうということですね。
―打線では橘選手にようやく一本出ました
昨日も色々サインミスがあったり、本来の4番ではないので色々試したい部分もあったんですけど、昨日のことでマイナスを引きずっている部分を見受けられたのですけど、今日はああいう形(決勝適時打含む2安打2打点)で形を作ってくれましたので、明日以降も上手く機能してくれると本人もいい効果出るんじゃないですかね。とりあえずやっとの一言ですね。
―勝っても負けても4年生にとっては最後のゲームですが、どのような試合をしたいですか
松田であり、落合であり、安本に山路、試合出るのはそのメンバーになると思うんですけど、やっぱり最後は今日の松田じゃないですけど、最後の最後まで粘って、取り組む姿勢で下級生に頑張って何かを残してほしい、それだけやってくれれば勝敗は、勝ち点は欲しいですけど、それ以上に最後に食らいつく姿勢、それを見せてくれればいいですね。スタメンで出ている落合、山路であったり、投手もですけど、周りを鼓舞して盛り上げる姿勢を出せば、おのずと結果に繋がると思います。よくやってくれてる4年生ですしそこは心配していないです。機会があったら天海(貴裕:社4)とか杉本(篤史:社4)とか、制服で応援している吉田(陵:社4)だったり、最後まで試合出れない中でついてきたメンバーもいるので、ベンチに入れなかったメンバーが自分たちの代わりに頑張っている、ことを伝えるようなプレーをしてもらいたいです。
松田知行(143球を投げ11回完投勝利)
―延長11回投げ終わった今の率直な気持ちをお願いします
とりあえず勝てて良かったです。
―今日の試合を振り返って
自分たちのモチベーションとして立教の優勝をつぶすぐらいしか正直なかったので、今日勝利して立教の優勝がなくなって、目標達成ではないですけど、モチベーションになりました。5位という順位は確定していましたが、キャプテンとして勝てたのは良かったですし、チームの状態も悪くはなかったと思います。
―今日は負ければ引退というとてもプレッシャーのかかる中での先発でしたが
今までお世話になった人たちや今日見に来てくれた人たちがいっぱいいましたし、そういった中で、正直いつもより緊張していたんですけど、ゲームをつくることだけを考えて、しっかり山路の構えているミットにいい意味で何も考えずにしっかり投げるだけだと思って投げていました。
―今日の自分のピッチングの総括をお願いします
初回は出来過ぎぐらいのピッチングで、自分でもこわいぐらいだったんですけど、自分のフォアボールから失点したので、本当にいらない点だったと思います。あそこだけ悔いが残ります。あとは自分なりに踏ん張れたと思います。
―今日は延長戦まで143球を投げ完投しましたが
最後の意地ですかね。最後のカードの先発だったので、気持ちで投げました。
―8回裏のピンチの場面で監督がマウンドにきましたが、どんなことを言われましたか
替えるか替えないかという話でしたが、山路が(投げるように)推してくれて、エースだからここ踏ん張ってくれと言われて、引き締まったというかしっかり投げないと、って思いました。
―その場面で自分から投げるとは言いましたか
継投は本当に難しくて、投げているピッチャーはどうだと聞かれるとみんないけると言いますが、もちろんいけましたが頑固に居座るつもりはなかったので、替えるなら替えるでいいですけど、俺はまだいけると伝えました。
―今日は味方の守備も安定していましたが
本当に守備に助けられて、いいプレーがなかったら何点取られていたかわからないので、すごく助かりました。
―打線についてですが、初回に先制しましたがその後は追加点を奪えない中での投球でした
このリーグ戦、打線の調子があまり良くない中で、初っ端にああやって2点取れたのは大きくて、それで自分もちょっとは気楽に投げることができました。それ以降の0の並んでいる状態から、バッティングの調子自体はあんまり良くなかったですが、点をあげなければ負けることはないので、今日の勝ちは守備からつながったと思いました。
―延長戦でチームが2点を取りましたが、その後のマウンドはどういった気持ちで臨みましたか
楽な気持ちで投げていました。2点あるし、点を取られても1点までなら大丈夫だったので、プラスの気持ちというか、ただ自分の悔いの残るような球は投げないように全力で投げていました。
―次の試合は勝っても負けても最後の試合となりますが
本当にいろんな人に感謝して、その感謝の気持ちをプレーで返せればいいかなと思います。
―次戦へ一言お願いします
明日は勝っても負けても順位は変わらず、正直消化戦と言われているかもしれませんが、本当に自分たちの野球ができる喜びをかみしめて大事にやっていこうと思います。
橘廉(不振にあえぐ4番は決勝の適時打を放つ)
―今日の試合を振り返って
今日は何がなんでも勝つ勢いでみんなで気合い入れてやりました。
―11回の決勝の適時打について
今まで全然打てていなかったので、うれしい気持ちと打てて良かったという気持ちですね。ヒットは打とうと狙っていたので、高めのストレートだったと思うんですけど、上手くいって良かったです。
―リーグ戦の後半は4番を任されていますが
結果を残せていないので、申し訳ないです。
―意識していたことは
1回1回バッティングフォームだったり、守備の形だったりを「何が違うんだろう」って考えながらやっていたんですけど、今日になってやっと掴めたかなって思います。
―結果が残せていないことに関して、原因は何だと思いますか
フォームが違うのか、自分でもあまり見当たらないです。
―それでも今日の最後の当たりは橘選手らしい当たりでしたね
そうですね。これでバッティングは掴めたかなと思います。でも守備はエラーしてしまうところがあるので、そこを確実にしないといけないですね。
―今日後ろで守っていて松田投手の投球はいかがでしたか
粘り強くて、3ボールになったときもしっかり抑えていましたし、テンポが良かったので守りやすくて、気迫を感じました。
―次の最終戦に向けて
必ず、勝ち点を取って勝って終わりたいです。
内川慶一(本日2安打で打率は3割台に)
―今日の試合を振り返って
接戦で延長戦までいって苦しい展開だったんですけど、最後に粘り勝ちできて良かったです。負けたら4年生にとって最後の試合になってしまうので、順位は変わらないですけど絶対に勝とうという気持ちでした。
―初回に先制のきっかけとなる三塁打を放ちましたね
昨日打てなくてチームに迷惑をかけたので今日はとにかくコンパクトに強く振るということだけを考えて打席に立ちました。
―松田選手のピッチングを後ろで見てて感じたことは
松田さんはピッチャーをしながらキャプテンという責任感の中でプレーされていて、チームを引っ張るピッチングをしてくれて頼もしかったです。
―ライトのファウルフライを滑り込んで捕るというファインプレーもありましたね
松田さんが頑張って投げていたので、自分のところに打球が飛んできたら絶対にアウトにするつもりで必死にプレーしました。
―打率3割に乗りましたが
前半はしっかり打てて3割をキープできていたのに早稲田戦からヒットの数が減って、調子も下がりぎみだったんですけど、また3割台に戻せたことは良かったと思います。本当は3割3分3厘打てれば良いんですけど最低でも3割は残したいなと思っています。
―ここ最近1点を争う接戦が続いてますが
1プレー1プレーで勝負が決まると思っているのでどの場面でも絶対に集中力が切れることのないようにプレーしたいです。
―勝っても負けても次の試合が今年最後の試合になりますが
今年1年、チームとしての結果を出すことはできませんでしたが最後は1年を締めくくるという意味で良い形で終われればいいなと思います。次も打ってチームに貢献したいです。
フォトギャラリー
- 完投勝利を収めた松田
- 143球目を気迫溢れる表情で放った松田
- 背番号‶10”は最後までマウンドを守った
- 延長11回の熱戦に終止符を打つ勝ち越し適時二塁打を放つ橘
- 適時打を放ち塁上で笑顔を見せる橘
- 内川は初回三塁打を放ち、チャンスメイク
- 今季初めて3番を打った福井は勝ち越しの起点となる安打を放った
- 勝ち越しのホームを踏んだ福井は笑顔でナインのもとに駆け寄る