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【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 第7週 対東大1回戦 東大に歴史的敗戦 ナインぼう然、優勝の可能性も消滅

硬式野球

【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 第7週 対東大1回戦 東大に歴史的敗戦 ナインぼう然、優勝の可能性も消滅

東京六大学野球春季リーグ戦 対東大1回戦
2015年5月23日(土)
神宮球場

今季最終カードの東大戦。優勝への望みをつなぎたい法大だったが、誰もが予想だにしない結末が待っていた。一進一退の攻防の末延長戦に突入すると10回、守備の乱れから2点を献上。反撃も及ばず、94連敗中だった東大相手に痛すぎる1敗を喫した。

morikawa
森川が三振に倒れ、まさかの敗戦を喫する

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 H E
東 大 0 0 0 0 2 0 0 2 0 2 6 7 0
法 大 0 1 0 0 0 0 3 0 0 0 4 9 0

(東大)山本俊、三木、宮台、○柴田―喜入
(法大)森田、玉熊、川名、宮本幸、●菅野(1敗)―鎌倉、中村、森川

 

打撃成績

打順 位置 選手 打率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1  (8)  田中   5   1   0  .294 左飛  中飛      ニゴロ    遊内安  ニゴロ     
2  (5)  川口   3   0   0  .429 中飛    左飛    遊ゴロ           
  H 金子凌 1 1 0 .333             右前安      
  R 大崎 0 0 0 .333                    
  1 川名 0 0 0 .000                    
  1 宮本幸 0 0 0                    
  H 米田 1 0 0 .000                 空三振  
  1 菅野 0 0 0                    
3  (6)  佐藤竜   4   2   2  .297 四球    投飛    中前安    左中間三②    三ゴロ   
4  (9)  畔上   3   0   0  .105 一直    四球    左飛    死球    空三振   
5  (3)  柴田   4   2   1  .290   左中間二  右飛      右前安  右犠飛①      中飛 
6  (7)  蔵桝   4   0   0  .351   左飛    ニゴロ    捕犠打  右飛      遊ゴロ 
7  (4)  若林   4   2   0  .394   中飛    左前安    遊ゴロ    死球    中前安 
8  (2)  鎌倉   0   0   0  .000   四球                 
  H 原田 0 0 0 .231       四球            
  2 中村 1  0  0 .167           空三振        
  2 森川 1 0 0 .222               投犠打   空三振 
9  (1)  森田   2   1   1  .300   中前安①    三併             
  1 玉熊 0 0 0 .000                    
  H 金藤大 0 0 0 .429             四球      
  R 中川 0 0 0                    
  5 皆川 1 0 0 .227               捕邪飛    
     34  9  4                     

 

投手成績

  球数 打者 防御率
森田   5   79   21   4   4   2   2  4.10
玉熊   2   24   6   0   3   0   0  3.14 
川名  0 2/3   16   5   1   0   2   2  3.00 
宮本幸 1 1/3 18 4 0 2 0 0 3.86
菅野 1 34 8 2 1 1 2 13.50
10 171   44   7  10   5   6 

 

ベンチ入りメンバー

10 畔上(キャ4=日大三)  34 鎌倉(法1=日本文理)  35 川口(人1=横浜) 
 12  菅野(キャ1=小高工)   1  若林(営4=桐蔭学園)   36  金藤大(キャ3=西武台千葉) 
 14  宮本幸(営2=富山一)   2  皆川(キャ4=西武台千葉)   6  蔵桝(営4=広陵) 
 16  玉熊(法3=北海)   8  佐藤竜(法4=作新学院)   7  田中(法4=愛工大明電) 
 19  川名(営4=安房)   9  金子凌(キャ3=日大三)   29  清水二(法2=中京大中京) 
 21  森田(営1=富山商)   23  原田(法1=春日部共栄)   31  米田(営3=智辯学園) 
 37  上條(キャ1=市立川越)   24  兼子(法4=鎌倉学園)   38  中川(経3=法政二) 
 27  森川(営3=桐蔭学園)   25  柴田(文3=東邦)     
 32  中村(営1=多良木)   26  大崎(法2=智辯学園)     

 

リーグ戦結果(5/23現在)

  早大 慶大 法大 明大 立大 東大 試合 勝点 勝率
――    ○○   ●○○   ○△○   ○○  10  .889 
  ――  ●●   ○●○   ○○   ○○  .667 
 ●●   ○○  ――  ○○   ●○○   ●  10  .600 
 ○●●   ●○●   ●●  ――  ○   ○○  11  .455 
 ●△●   ●●   ○●●   ●  ――  ○○  11  .300 
 ●●   ●●   ○   ●●   ●●  ―― .111 
 

戦評

 その瞬間、一塁側が静まり返った。94連敗中の東大に敗れ、早慶戦を待たずして優勝戦線からの離脱となった。

 法大の先発は森田駿哉(営1)。初回こそ三者凡退、2奪三振で終えるも2回はピンチを背負うなど、やや不安定な立ち上がり。一方の打線は2回、5番柴田圭輝(文3)が左中間へ二塁打を放ちチャンスメーク。その後2死一、二塁の場面で9番森田が低めの変化球を捉えると、打球は二塁手の横を抜ける適時打となった。自らを援護する初打点で先制に成功する。

 4回表、楠田創に投手の足元を抜けるヒットを放たれると、山田大成、田中朗士に続けて送りバントを決められ2死三塁のピンチ。森田が喜入友浩に対する初球をミットから大きく外すと、捕手の鎌倉航(法1)がすかさずマウンドへ。この一呼吸が功を奏し、喜入を二ゴロに打ち取る。その裏、7番若林晃弘(営4)が中前安打で出塁。8番鎌倉に代わった原田寛樹(法1)の四球もあり1死一、二塁。先程の打席では適時打を放った森田だったが、今度は併殺打に終わってしまう。

 嫌な流れが漂い始めた5回、山本俊の打球は中前へ。阿加多優樹に四球、長藤祥悟の犠打で1死二、三塁の大ピンチ。迎えた2番飯田裕太に投じた3球目はホームベース手前で大きく弾み捕手・中村浩人(営1)の後方へ転がり、その間に2者が生還。法大ベンチはファールかと抗議するも判定は覆らず、リードを奪われてしまう。

 1点を追い逆転を狙う法大は7回、代打の切り札金藤大喜(キャ3)を打席へ。四球で出塁し代走に中川翔太郎(経3)を起用したが、まさかのけん制死。それでも1番田中彪(法4)、代打の金子凌也(キャ3)が連続安打でチャンスを作ると、「ビハインドでも楽しめていた」という3番佐藤竜が左中間へ走者一掃の適時三塁打を放ち、逆転に成功。柴田も犠飛で続き、この回3得点で再び主導権を握る。

 ところが8回、3番手川名健太郎(営4)の制球が定まらない。先頭の長藤、飯田に四死球を与え、山本克志に進塁打を許すと、1死一、二塁で楠田が犠飛を放ち、1点を返される。続く山田には右中間を破られる一打を浴び、まさかの2失点で試合は振り出しに。直後のチャンスも9番皆川普(キャ4)、1番田中彪(法4)が相次いで打ち取られてしまう。

 9回で勝負を決することはできず、延長戦へ突入。異様な雰囲気が漂う中、10回のマウンドを任されたのは菅野秀哉(キャ1)。何としてでも0で抑えたい法大だったが、長藤祥悟、飯田裕太に連打を浴びると山本克の犠打で1死二、三塁に。東大を後押しする声援がこだまする中、4番楠田の打球を若林晃弘(営4)がつかみきれず、本塁送球を試みるも適時野選で1失点。続く山田も一塁手・柴田による同様の野選で重い2点を献上してしまう。追い詰められた法大打線は柴田叡宙の緩急の前に安打が出ず、2死。若林が意地の安打を放つも、森川大樹(営3)は早々に追い込まれ、4球目にバットはむなしく空を切った。

 東大に2010年秋以来の勝利を献上し、優勝が絶たれた法大。しかし、立ち止まっている時間はない。今季チームは目の前の1勝のために、日々辛抱しながら前へと進んできた。主将・畔上翔(キャ4)は試合後「悔しさをどういう方向に向けていくかがチームの力」と語った。残された試合に、法大のプライドを取り戻すことができるだろうか。(伊藤華子)

 

クローズアップ

佐藤竜一郎(法大の守備の要 課題克服を誓う)

 同点の10回、球場全体が東大を後押しする異質な雰囲気の中、緊迫の試合を決してしまったのは守備の乱れだった。「負けるべくして負けました」。佐藤竜は試合をそう振り返った。

 前カードの早大との首位攻防戦でも守備からリズムを失っての敗戦。「取れるアウトをしっかり取ること」を課題にして空き週期間に取り組んだが、結果には結び付かず。噛み合わないチームの現状に副将、センターラインを担う佐藤竜は人一倍責任を抱え込んでいるに違いない。

 現在の課題として「守備のミスをしないこと」と再び強調した佐藤竜。今季に残された試合はあとわずか。課題克服の先に、秋へのリベンジを誓う。(井手一樹)

 

r.satoh

 

試合後の監督・選手のコメント

青木久典 監督

―まさかの敗戦となりました
申し訳ないです。本当にすみません。その一言に尽きます。

―優勝へは一つも負けられない状況でした
その中で今日みたいに勝ちを拾われるということで、優勝戦線で勝ち残れないのが現状だということです。チームとして弱いところですね。

―選手たちに固さを感じる場面が随所に見られたように思えます
固くなったときに一気に3点取って、少しほぐれたかなとは思ったんですけどね。その後の投手陣が踏ん張りきれずに野手たちも固くなってしまったというか、固くさせてしまったなと思います。

―5回を終えて1点ビハインドという展開でした
野球をやっていればこういった展開は多々あると思うので、固くならずにどっしり、地に足をつけてやりなさいと伝えました。

―集中打で逆転した直後の8回、川名投手の立ち上がりに四死球が誤算だったでしょうか
2ストライクまで追い込んだところでですからね。投手責任者でもありますし、しっかりやってもらいたいという気持ちはあります。

―その裏の攻撃では1死三塁の場面で得点を奪えませんでした
皆川には仕事として犠飛もあるぞ、ということを伝えたのでフライを打ちにいったと思うんですが、力み過ぎて捕邪飛になってしまいましたね。軽打でいっていればということもありますが、紙一重の差だと思います。

―ベンチ入りの投手を減らした布陣で臨みましたが
(これまでは)8人入れていたんですけど、6人で勝ちにいこうということです。野手も4年生がしっかりやってくれているので、その子たちにもベンチ入りさせてあげたいという思いがあったので。

―結果的には延長戦に突入した場面で経験の少ない投手に託す形になってしまいました
もちろん戦力として考えていた投手たちです。菅野は明日の先発も考えていて、力のある球を投げますから十分やってくれるとは思っていました。

―東大の勢いに屈することとなりましたが
ああいう展開になると、力の差うんぬんではないものが出てきますから。向こうも勝ちたいという気持ちがいつも以上にあったと思いますし、その意味では受けに回ってしまったということです。

―早慶戦を待たずして優勝の可能性が消滅しました
自分たちで優勝の芽を摘んでしまったということが悔しいです。ミーティングでもそういう話をしました。

―明日に向けて
優勝はなくなってしまいましたが、最後はうちらしい野球と言いますか、これまで勝ってきたものがあると思うので、それももう一度見つめ直してやっていきたいと思います。

 

畔上翔 主将

―敗戦を受けて
悔しいですね。

―痛かったプレーは
どれかと言われても分からないです。断定はできないですね。

―9回を終えて4-4でしたが、どのようにとらえていましたか
点の取られ方が良くなかったです。粘り強さを出していかなければいけなかったのですが、できませんでしたね。

―その良くない点の取られ方というのは
投手が四死球から打たれることです。一番良くないパターンですよね。

―10回は2度の野選による失点でした
それも良くはないのですが、そこに至るまでの過程がまず良くなかったです。あれだけ流れが悪ければ守備にも守りにくさはありますよね。

―1年生が多く出場しました。声を掛けられたりは
声は掛けてはいませんが、1年生はよく頑張ってくれたと思います。

―優勝がなくなってしまいましたが、次の一戦に向けて
この悔しさというのは、忘れるに忘れられないと思うし、忘れる必要もありません。この悔しさをどういう方向に向けていくかがチームの力だと思います。「良い方向に」と言ってしまえばきれいごとで終わってしまいますが、また強くなる方向に向けていきたいと思います。

 

佐藤竜一郎 副将

―優勝の可能性がついえる敗戦になってしまいました
優勝争いというより、こういう戦いをしていたら…。たとえ今日勝って優勝したところで全日本では勝てないし、悔しいです。

―今日の試合では、自分たちの野球ができなかったように見えました
攻撃面でも点を取れるところが取れなかったり、無死2塁の場面で簡単にフライを打ち上げていたので打線になっていなかったし、3点を取って逆転した後の守備で四死球を出して無死1、2塁の場面を作ったりという場面があったので、今日勝てたとしてもそれはたまたまだと思います。負けるべくして負けました。

―東大戦の独特の雰囲気が影響していたのでしょうか
東大戦はここ最近では一番プレッシャーのかかるカードでした。相手も1勝を目指して、毎回が優勝決定戦のような、1勝を勝ちに来るモチベーションでぐいぐい来るので、やりづらさがありました。ですが今日負けたのは、チームの中で油断があったと思います。

―一時逆転となる適時三塁打を打ちましたが、狙い球を絞っていたのでしょうか
そういうわけではないです。思い切ってタイミングが合えば全部振ろうと考えていました。

―今日の適時打を含め、今季を通して勝負強い打撃が目立ちます
(チャンスの場面では)モチベーションが上がります。打ったらヒーローというか、打席では楽しむように打席で心掛けています。今日もビハインドでしたが楽しめていました。その心掛けが結果につながっていると思います。

―前回の早大戦から空き週のオープン戦を含め、チームではどのような課題に取り組みましたか
取れるアウトをしっかり取ろうということと、監督もおっしゃっていましたが打線になっていなかったし、早大戦では自分たちの自滅もあったので、もう一度修正して空き週に時間をかけて練習してきましたが、駄目でした。

―現在のチームの課題を挙げるとすればどのような点ですか
これは投手だけの問題ではないですが、点を取ってからの失点が多いように感じます。打撃というのは打てない時もありますが、いかにディフェンスで無駄な失点をしないかという部分が大事だと思います。守備のミスをしないことですね。

 

川名健太郎 投手

―まさかの敗戦となりました
逆転してもらった次の回の登板だったので、しっかり抑えなければいけない局面でした。不甲斐ないピッチングをしてしまい、申し訳ないです。

―敗戦と同時に優勝の可能性もなくなりました
東大に連勝することが優勝の条件だったのに、そこで勝ち切れなかったことは情けないです。

―球場は東大を押す雰囲気の中での投球でしたが
球場の雰囲気は気にならなかったです。自分で作ったピンチだったので、打ち取るために集中していました。

―試合後のミーティングでの監督からの言葉について
今日の試合は負けたけれど勝ち点を落とした訳ではないので、明日あさってと連勝して勝ち点を取ってリーグ戦を終えようと言われました。

―明日に向けて一言
勝つことが絶対です。その中で自分も貢献したいです。

 

菅野秀哉 投手

―試合を振り返って
接戦だったんですけど、負けて悔しいです。

―ご自身の投球を振り返って
無失点でいかなきゃいけない場面だったので、失点してしまって残念です。

―先輩方から声を掛けられる場面もありましたが
先輩たちからしっかり声を掛けてもらって、落ち着いて投げることはできました。

―球場の雰囲気はいかがでしたか
東大側の雰囲気がすごくて、アウェー感がありました。

―優勝の可能性がなくなってしまいました
勝ち点はしっかり取りたいと思っているので、あと2戦しっかり戦って2勝できるようにしたいです。

―次戦に向けて意気込み
しっかり抑えて、勝ち点を取れるようにしたいです。

 

森田駿哉 投手

―投球を振り返って
今日は特に言うことはないです。

―優勝の可能性が消滅してしまいましたが
優勝はなくなってしまいましたが、明日以降も試合があるのでしっかりとやっていきたいです。

―課題となった部分は
やはり最後まで投げきらないと駄目だと思います。

 

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