【フェンシング】第65回全日本学生フェンシング王座決定戦(サーブル) 変わらぬ強さを王座でも発揮、男子はリーグに続き2冠目! 女子は悔しさ残る3位
学生王座決定戦(サーブル)
2015年6月7日(日)
大山崎町体育館
リーグ戦では男女ともに優勝に輝いたサーブル陣。男子は圧巻の全勝優勝、女子は苦しみながら接戦を勝ち続けての優勝とリーグ戦では対照的であったが、2冠目を狙う大会となるこの王座ではどのような戦いを見せてくれたのだろうか。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子サーブル | 安藤光平(法4)、大崎葵一(営3)、高橋優作(法2)、佐藤篤志(営2) | 準決勝○45-24朝日大、決勝○45-28中大 | 優勝 |
女子サーブル | 栗本ひかる(社4)、福島史帆実(法2)、奥田彩野(文1) | 準決勝●41-45朝日大、3位決定戦○45-34専大 | 3位 |
男子戦評
春のリーグ戦で優勝し今年も学生タイトル4冠の期待がかかる男子サーブル。メンバーは安藤光平(法4)主将を筆頭に大崎葵一(営3)、高橋優作(法2)、佐藤篤志(営2)のリーグ戦優勝メンバーで初戦の相手朝日大を迎えた。
序盤から勢いに乗る法大は、4セット終了時点で20-7と大差でリードを奪う。5セット目でピストに上がった佐藤が連続得点を許す場面も見られたが、続く6セット目で安藤の剣が猛威を振い30-18とすると、最終セットも安藤が落ち着いた試合運びで一点しか奪われることなく、45-24のダブルスコアで力の差を見せ勝利を収めた。
そして迎えた決勝戦の相手は春リーグで10点以上の差をつけ勝利した中大。1セット目にピストに上がった大崎が中大のエース曽我啓介(中大)に連続得点を許しリードを奪われるが、続く2セットで安藤が逆転に成功。ここから試合は完全に法大の流れに。5セットで高橋が曽我から5点を奪う活躍を見せると、8セットで大崎は一点も奪われることなく40-25で最終セットへ。バトンを受けた安藤は安定したプレーで最後もしっかり締め45-28で圧勝し同大会2連覇を成し遂げた。(竹内大将)
(左から)高橋、佐藤、大崎、安藤
女子戦評
関東学連1位の女子サーブル。悲願の王座制覇に挑んだ。
準決勝の相手は関西学連2位の朝日大。リーグ戦では幾度も接戦を戦い、優勝した女子サーブルだが、この試合も序盤から拮抗した試合となる。第4セットを終えて20-18と一発勝負の王座らしい緊張感が漂う。しかし第5セット、1年生の奥田が苦しむ。高校時代はフルーレの選手であった奥田。サーブルという競技ではまだつかみ切れていないものもあるのか、プレーに迷いも見え21-25と捲られてしまう。続く頼みの福島も23-30と差を広げられてしまう。そしてキャプテンの栗本の第8セット。28-35と主将として、少しでも差を縮めて最終セットの福島につなぎたい場面だったが、3得点をいきなり奪われる。その分を返すも32-40リードを詰めることができず「ロースコアで抑えなければいけなかった」と栗本は悔いを残した。7点のビハインドで迎えた最終セットは福島がピストへ。苦しい点差ではあるがタイムアップのないサーブル、福島に期待がかかった。するといきなり4連取を奪い4点差まで詰め寄る。相手の出足も鈍りだし、逆転勝利への光も垣間見えた。しかしきわどい判定もあり、連続得点を奪うことができず41-45で敗戦。福島の追撃も届かず優勝を逃した。
3位決定戦はリーグ戦で勝利している専大との対戦。この試合では第3セットで栗本が15-10とリードを奪うと、その後は法大が優位に試合を進めた。福島と奥田も危なげないプレーで得点を重ねていく。終盤に差を詰められるも45-34で快勝を収める。優勝は逃すも3位の座を勝ち取った。
準決勝の試合後は敗戦のショックもうかがえた選手たち。しかし切り替えて3位決定戦では勝利した。それでも選手たちにあるのは消化不良の思いだろう。苦しい状況で流れを持ち込むことができなかった自身のプレーに「自分が不甲斐ないです」と語った栗本。自身も初めての王座で優勝はならなかったがインカレでは借りを返したい。そして同じく今回は悔いの残るプレーとなった奥田だが、チームの底上げには彼女の成長が求められる。秋に向けて奮闘し、チームを盛り立ててほしい。福島の変わらぬ勝負強い活躍にも期待だ。連覇のかかる関カレ、インカレでは頂点を目指す。(高津勇佑)
朝日大戦の第8セット、悔しがる栗本
選手のコメント
安藤光平
―優勝という結果について
(中大戦は)点差的には余裕があったのですが、内容はあまり良くなくて、まだもっと改善できるところがあるかなと思います。
―その改善点とは
実力差のわりに4本まで取ったあとに相手に1本、2本無駄に取られているのが良くなくて、みんな5本目でプレーを変えてしまう癖があるので、そこを直せばもっと楽に勝てたかなと思います。違う技を試すのではなく、最後まで気を抜かずにプレーすべきですね。
―王座2連覇のプレッシャーは感じましたか
2連覇のプレッシャーと言うよりは、(学生タイトル)4冠の方がプレッシャーでしたね。過去の記録より今後のことの方が気になりました。
―試合前チームの目標は
リーグ戦で実力差があることは分かっていたので、いつも通りやることで特別な話し合いもしてないです。
―今の目標は全日本で勝つことですか
全日本で勝ちたいですが、今回みたいに上手くいくとも限らないので、そこまでは考えてないです自惚れになっちゃうので。
―下級生の働きはどうでしたか
高橋はまだ団体戦慣れしてない中でそれなりに頑張っていたと思います。佐藤は2回戦で凄く頑張ってくれました。
―次の関カレに向けて
だいぶ期間が空くのでしっかり合宿とかで体つくりをして、これまで見つけた課題を埋めていこうと思います。
栗本ひかる
ー敗れた朝日大戦を振り返って
アップから皆調子も良くて、良い感じで試合に臨めたのですが、試合では緊張して焦ってしまった部分がありました。リーグの反省でもあったスピードを合わせるということも、対応が遅くなってしまっということもありました。初戦の1回り目の時に私が焦ったプレーをしてしまったので、福島、奥田にそれがつながってしまったというのが、自分が感じている反省点です。あと点数を取っても、その分取られすぎてしまったということがありました。ロースコアデ抑えなければいけないところを五分五分にされてしまったというところ、そこをもう少し頭を使ってプレーしていたら違っていたと思います。
ー朝日大という関東の大学ではないチームとの対戦でしたが、その分やりにくさというのがあったのですか
法政と朝日の間で定期合宿のようなものがあって、何度かやったことはありました。その時に下級生チームで自分たちにもどこか安心していた部分があって。でも勢いが相手にはありましたね。あと、その先の専修、中京を見過ぎてしまっていたのかなと個人的には思います。
ーそれでも最終セットの福島選手をはじめ諦めない姿勢を出すことができたのではないでしょうか
自分の最終セットでも五分五分で回してしまって。その後の福島の頑張っている姿を見て本当に自分が不甲斐なかったですね。もっと後輩にやりやすい場面を作れたのではないかなと。それとリーグの時から思っているのは自分が少し頼りすぎているのかなとも思いますね。
ー3位決定戦ではしっかりと勝利を収めました
うーん、でも優勝したかったです・・・。
関カレに向けて、個人も団体もあるので切り替えて頑張っていきます。練習のためではなく、試合のための練習をしていきたいと思います。
表彰式後の出場選手たち
フォトギャラリー
- 決勝で活躍が光った大崎
- 高橋は団体メンバーに定着
- 2年生佐藤も出場
- キャプテンの栗本
- 最終セットで追い上げるも及ばなかった福島
- これからの飛躍に期待のかかる1年生の奥田