【馬術】大会直前! 網重、最後の大会への心境語る
2015年11月20日(金)
法政大学練習場
とうとう明日に迫った、第52回関東女子学生馬術競技大会。今大会では、ここまでチームを支え、けん引してきた主将の網重志保(経4)にとって最後の大会となる。唯一の4年として1年間チームをまとめてきた思い、そして競技人生最後の大会に臨む胸の内を語った。
コメント
網重志保 主将
―全日本を終えて3週間ほど経ちました。今改めて振り返って
大きい大会の重圧にのまれていたと思います。そのせいで、いつもの調子が出せなかったな、という後悔はあります。
―大会後、2頭にどんな言葉をかけましたか
ジュピターはやることをやってくれて「ほんとうにありがとう」と。法永には「ほんとうにごめんね」しか言えなくて…。ひたすらニンジンを与えていました(笑)
次の女子自馬(関東馬術女子競技大会)も、本当は出るつもりではなかったんです。でも(全日本の)結果が結果だったので、もう一回最後にリベンジしたいなと。それで出場を決めました。
―他の女子選手も今大会で引退するんですか
この大会で引退するのは結構珍しいかもしれないです。全日本が終わって代替わり、という大学の方が多いですね。
―今大会に出場される4年選手は、他にいらっしゃいますか
それが今(11月20日)のところいなくて。友達に聞いても「いや、出ないよ」と言われてしまって。
―心細いですね
そうですね。でもそこは「自分は自分」で。やるべきことはやろうかな、と。
―障害の高さは
110㌢です。(全日本の130㌢と比べ)低くなってしまうんですけど、リラックスしてできればいいと思います。
―ご家族の方には「これがラストだ」ということは伝えているのでしょうか
はい。兄が二人いるんですけど、1番上の兄が「日曜日、休みとれたから見に行く」とか言ってて(笑)。「(来なくて)いいよ」と(笑)
―ご家族の方は、網重選手が馬術をしていることに何と言っていますか
「朝早いね」くらいですかね。私が馬に乗っているのは、たぶん写真くらいでしか見たことがないので、「馬術すごい」というよりは「朝早くて大変そう」ということの方が印象に残っているんだと思います(笑)
―今大会には三浦里菜選手(経2)、大川空選手(文1)も出場されるそうですが、馬はそれぞれ違うのですか
はい。同じ馬を使ってはいけない、というルールがあるので。
―それでは、調教の追いつかない馬も出てくるのでは
下級生にはでき上がった馬に乗ってもらう、ということはありますね。その中でも、何かつかんでくれればいいなと思います。その代わりに私たち上級生が入賞できるように。見本になるような走行、演技をしたいと思います。
―西野雄貴選手(社2)のように大学から馬術を始めた選手も、大会に来ることはあるのですか
選手だけでは試合は運営できないので、大学始めの子も来ています。試合の雰囲気を味わってもらうのもありますし、ちょっと手伝ってもらうこともあります。特に今は人数が少ないので、試合にまわらなくなったりするのは嫌ですし、結構連れて行っています。
―選手間の指導はどれくらいの頻度で
選手同士の都合が合う時にやっています。大会が近いときはマンツーマンで教えたりもします。基本は「練習馬」といって、大人しくて従順な馬に乗せて練習しています。でも試合が近くになると、たまにしか乗れない馬に乗せます。そういう練習のときには上手くいかないこともあって、少し嫌になってしまうことがあるんですが、そこは何とかモチベーションを保ってもらいたいです。一番難しいですけど。(教える側としては)それをちゃんとしていかないと、という使命感はあります。
―「馬場馬術がメインアリーナで行われる」とお聞きしました。網重選手はドレッサージュでのほうが得意ですが、それを聞いて
結構「まじかー」感はあるんですけど(笑)、全日本の時もジュピターは落ち着いていたので、それを信じてやるしかないですね。
―緊張したときの対処法は
ひたすら他大学の友達のところへ行ってくだらないお喋りをしたりして、意識を違う方向に向けることがほとんどです。
―それでは順番は大きく影響してきますよね
大分しますね。個人的に最初の方は嫌いですが、かといって最後の方だと緊張感がなくなってしまうので。くじ運ですね(笑)。中盤でも、「この順番だから、これくらい運動させて、障害飛ぶのにはこれくらい時間がかかるから、このタイミングで馬を出そう」というのを考えるんですよ。
―逆算しているんですね
はい。でもなかなかうまくいかなかったりもするので、そういうことも考えると、最初の方が設定しやすいのかな、とも思ったりするんですけど…。でも他人の走行も見たかったりするので、矛盾してしまうところはありますね。
―最後の試合に向け、意気込みをお願いします。
プレッシャーとか、自分の心に負けずに、「最後なのだ」という自覚を持って、今までやってきたことを全部出し切って、後悔無く馬術人生を終わらせたいです。
練習風景
柏村晋史 監督
―網重選手に初めて会ったのはいつですか
就任してきた年です。同じタイミングで法政に入ったので、監督1年目の時の1年生ですね。
―1年次の網重選手の印象は
彼女は1年の時に関東大会で優勝しているんですよ。それは快挙でしたね。「スポーツ推薦の選手として頑張ろう、結果を出そう」という意欲は強かったですね。インターハイでも結果を残していましたし。
―同じ「1年目」として感じた部分は
1年生ながら試合で結果を出す、という姿勢が素晴らしいですし、部活の中でも「上級生に負けない」という強い気持ちがありました。頼もしかったですね。
―上級生ですごい選手はいましたか
網重が1年のときの4年が、日本で入賞するくらいの選手がいましたね。そういう選手にも影響を受けて、関東や全日本で結果を出すことに意識を向けていたんだと思います。
―3年間、同期がいない中奮闘していた網重選手に、メンタル面でなにかアドバイスをされたことは
選手主体でやっているので、私の前で弱音を吐くことは全くなかったです。本人はひとり苦しかったと思うんですけど、監督や部長、総監督の側から見ると、よく頑張っていますし、チームもよくまとめてくれていると思います。自分に厳しい選手なので、その中で「ここはこうしないといけないな」と思うこともあると思います。でも何より、大学生であることの基本である学業と、部活動を完全に両立している。それを下級生にまで浸透させている。このことの功績は計り知れないです。
―最後の大会を迎える網重選手へメッセ―ジをお願いします
次の代のことは考えずに、自分の目標を達成してほしいですね。この時期はまさに集大成なので、気合が入っていると思います。悔いの残らないようにしてほしいです。
大会情報
大会名:第52回女子学生馬術競技大会
日程:11月28(馬場馬術競技)、29日(障害飛越競技)
会場:日本中央競馬会馬事公苑
出場予定選手:網重、三浦、大川
フォトギャラリー
- 最後の大会を迎える網重
- 網重とジュピター
- 相棒・法泳とのツーショット
- 次期主将の出田