【陸上競技】第92回東京箱根間往復大学駅伝競走 往路 序盤の出遅れが響き、総合19位で明日の復路へ
第92回東京箱根間往復大学駅伝競走 往路
2016年1月2日(土)
東京・大手町~神奈川・芦ノ湖
2年ぶりの箱根路に待っていたのは厳しい現実であった。2年ぶりに出場を果たした法大は序盤から大きく出遅れる。なんとか5区で最下位を脱したが、総合19位で往路をフィニッシュ。目標としていたシード権獲得は厳しいものとなってしまった。
試合結果
往路成績
順位 | 大学名 | 記録 |
---|---|---|
優勝 | 青山学院大 | 5時間25分55秒 |
2位 | 東洋大 | 5時間28分59秒 |
3位 | 駒澤大 | 5時間31分15秒 |
4位 | 山梨学院大 | 5時間33分24秒 |
5位 | 早稲田大 | 5時間34分17秒 |
6位 | 日本大 | 5時間34分28秒 |
7位 | 順天堂大 | 5時間35分39秒 |
8位 | 東海大 | 5時間35分45秒 |
9位 | 帝京大 | 5時間36分36秒 |
10位 | 拓殖大 | 5時間37分42秒 |
以上10大学がシード権獲得圏内 | ||
11位 | 城西大 | 5時間37分42秒 |
12位 | 東京国際大 | 5時間38分06秒 |
13位 | 日本体育大 | 5時間38分12秒 |
14位 | 中央学院大 | 5時間38分19秒 |
15位 | 神奈川大 | 5時間40分36秒 |
16位 | 中央大 | 5時間41分06秒 |
17位 | 明治大 | 5時間41分08秒 |
18位 | 上武大 | 5時間44分37秒 |
19位 | 法政大 | 5時間45分54秒 |
20位 | 大東文化大 | 5時間48分48秒 |
OP | 関東学生連合 | 5時間39分01秒 |
※関東学生連合はオープン参加のため順位はつかない。
個人結果
区間 | 名前 | 記録 | 通過順位 | 区間順位 |
---|---|---|---|---|
1区 | 足羽純実(現3) | 1時間05分20秒 | 20位 | 20位 |
2区 | 有井渉(社4) | 1時間12分45秒 | 20位 | 20位 |
3区 | 中村涼(経4) | 1時間06分09秒 | 20位 | 18位 |
4区 | 坂東悠汰(スポ1) | 57分42秒 | 20位 | 15位 |
5区 | 細川翔太郎(経2) | 1時間23分58秒 | 19位 | 13位 |
戦評
法大の2年ぶりの箱根路は厳しいものとなった。1区から足羽純実(現3)が大きく出遅れ、2区以降も差を縮められず最下位をひた走る展開に。5区の細川翔太郎(経2)が順位を1つ上げたが、目標とするシード権、10位の拓大に大差をつけられ、19位で往路を終えた。
「1区が全てでした」 坪田智夫駅伝監督は往路を振り返った。予選会で好走し、エースとして1区に臨んだ足羽だったが、区間記録に迫るハイペースのレース展開に翻弄される。序盤はなんとか食らいつくも、8キロ手前から遅れ始める。そのまま差は広がっていき、トップ通過の青学大から4分近く離され、最下位で2区の有井渉(社4)へ襷リレー。苦しいスタートとなる。
「花の2区」を任された有井はなんとか前を追っていきたいところであったが、前方の選手が見えない状態での単独走が強いられる。途中で脱水症状に陥り、大きくペースダウン。平塚中継所での繰り上げスタートも不安視される中、なんとかトップと9分8秒差で襷を中村涼(経4)へ繋げた。
2区有井も後れを取り戻せず
エントリーメンバーで唯一の箱根経験者である中村も、この悪いながれを止められない。「力不足だった」と悔やむ中村は、主力級の選手が揃う3区でも差を詰められず、区間18位。依然として最下位で4区へ突入する。
4区を任せられたルーキー坂東悠汰(スポ1)はペースの上がらない上武大との差を詰め、追い付くことに成功。ラストで離され、順位に変動はなかったものの、8秒差まで追い上げる。区間15位ではあったが、来季以降につながる走りとなった。
坂東から襷を受け取り、箱根の山へ挑んだのは細川。一時は上武大と並び、さらに前を行く大東大に追い付いたが、上武大・森田に突き放されてしまう。最後は大東大を振り切り、総合19位で往路のゴール地点、芦ノ湖にフィニッシュ。区間13位という結果に細川は満足していないが、明日の復路へつなぐ走りとなったはずだ。
山登り5区へ挑んだ細川
目標としていたシード権の10位拓大とは8分12秒差と、非常に厳しい往路となった。だが坪田監督は「あくまでシード権が目標」と語る。箱根駅伝はまだ100キロ以上残っている。それぞれの選手が力を発揮し順位を押し上げることでシード権は見えてくる。明日の復路で奇跡の挽回を見せてほしい。(佐々木岳)
監督、選手コメント
坪田智夫 駅伝監督
―今日の総括を
1区が全てですね。うちのエースが区間20位になってしまって、力のないチームなので連鎖してしまうのは仕方がないのかなと。2区、3区も前が全く見えない状況だったので、なかなか厳しかったです。
―1区はスタートからかなりハイペースの展開でしたが
ある程度考えてはいました。速くなるかもしれないし、遅くなるかもしれないと話していました。ただ速くなった時は2年前もそうだったのですが、少し引いて離れてからレースを組み立てるようにと話していました。ですが、行くところまで行ってしまって、出し切って離れてしまっているので、どうしようもないですね。
―序盤の区間を重視してきた中で1、2、3区で大きく出遅れてしまいました
1区は10番くらいで来て、2区は20番は悪すぎますが、15番前後は仕方ないかなと思っていたので、悪い流れが連鎖してしまったと思います。
―2区の時点で繰り上げもあるのではと言われていましたが
最後は声をかけました。繰り上げが危ないよと。
―3区の中村選手はエントリー変更で入りましたが
最初から変更の話はしていたので、アクシデントがあってとかではないですね。
―4区には1年生の坂東選手を起用されました
最初から坂東は入れる予定にしていたので、この悪い流れの中で良く走ったのではないかなと。こんな大きな舞台は初めてですし、悪い流れの中でも頑張って走っていたので、良く走ったと評価しています。
―5区の細川選手の走りについては
2度ほど下見に行っていましたし、ある程度計算はできていたのですが、コンディションなのか、最後伸びなかったですね。結果的には区間13位ですけど、タイム的には2分くらい悪いですね。
―万全の状態であればもっと上を狙えたということですか
細川は万全の状態だったので、流れもあったのか、焦りもあったのか。彼も大きな舞台を経験していない面もあるので、そういったところも出たのかなと。やはり駅伝は流れとよく言いますが、その良い部分も悪い部分もあったのかなと思います。
―この往路のエントリーの意図は
流れが大事なので、うちの1、2、3番目に良い選手というか、力のある選手を並べました。しっかり10人で襷を繋いで、シードに絡みたいなと思っていたのですが、その目論見が1区の5キロくらいで崩れてしまいました。ここから上げていくのは難しいと思うのですが、まずは1つ1つ順位を上げて、明日あるので頑張りたいと思います。
―今日の往路で目標としていたシード争いが厳しいものとなりましたが
ただ、それを諦めてしまったら走れなかった選手や予選会で負けたチームの選手たちに申し訳ないので、最後まで諦めず残りの5区間走って、大手町まで帰りたいと思います。
―明日の目標は
あくまでシードが目標です。大差はついていますが、1つ1つ順位を上げていくことが来年のチームにもつながっていくと思うので、あくまでシードを目標に頑張りたいと思います。
足羽純実
―初の箱根路はいかがでしたか
力の差が大きく出てしまったと思います。
―1区は好記録が生まれたように強い選手ぞろいでしたね
周りの結果は見られてないのですが、入りからかなり速くて周りと自分との差を痛感しました。
―1区を走るにあたり坪田監督からはどのようなことを伝えられましたか
展開が読めないということもあって、柔軟な対応ができるようにと言われていましたが、あのレベルの展開は最初から歯が立たなかったので、実力差が大きかったなと思います。
―レース中に少し足を引いているのではと言われていましたが
あまりにも速いペースで、あのレベルに付いていける練習ができていなくて、スピードに体が付いていけなかっただけです。
―この経験をどう生かしていきますか
自分の全てを見直すきっかけになりました。ここから這い上がっていきたいです。
―あとはチームメイトを応援するだけですね
僕が言えることではないですが、まだまだここから自分の結果を気にせず頑張ってほしいです。
中村涼
―走り終えての感想は
単独走でもいけるように、ずっと準備してきたのですが、今回は後半が思うように走れなくて、納得できる走りができなかったです。
―調子は
けがの影響もなくて、だいぶ調子も良かったので、自分の力不足を感じました。
―当日エントリー変更での出場でしたが
もとから3区走る予定で準備していて、当日にどこか違うところでアクシデント起きた時に、一応他の主要区間も走れるようにということで補欠スタートでした。3区を走るということは、予定通りした。
―目標タイムは
設定は65分前後でした。
―他大の主力がそろう3区でしたが
自分自身も法政の主力として強い気持ちを持って、今回挑んだのですが、主力として情けないなという風に感じています。
―最下位で襷をもらいましたが
監督からも指示があったのですが、最下位だからといって、すぐにがっと突っ込むのではなく、設定された自分の走りを心がけろと言われたので、その面では落ち着いて入れたと思います。
―4年生同士での襷リレーになりましたが
まずは襷が繋がったことでほっとはしているのですが、有井と僕と、法政の主力が情けない走りをしてしまった点では、チームに申し訳なく思っています。
―繰り上げスタートの可能性もありましたが
なんとか襷だけは繋がないといけないなと思っていたのですが、自分は祈ることしかできなかったので、早く来てほしいという思いで待っていました。
―1年生の坂東選手への襷リレーになりましたが
1年生なので、特に気負おうことなく、初めての箱根という場を楽しんで走ってほしいなという思いで襷を渡しました。
―襷を渡すときに何か声をかけられました
僕もきつかったので、「いけー」くらいしか言えなかったです。
―今回のメンバーの内、唯一の箱根経験者でしたが
前回、個人の区間としては良かった方でした。そんなに高い壁ではなかったのですが、それを自分で勝手に高い壁にしてしまって、それを超えるのに中々苦労したというか、結局超えられませんでした。2回目という思いは持っていなかったのですが、前回良い走りをしたというのが壁になっていたと思います。
―経験者として、何かチームへ声掛けなどはしましたか
20キロ声援が途切れない大会は全国探しても箱根くらいだと思うので、そういう場を楽しんでいこうと話しました。
―前回との違いは
前回は勢いだけで走っていて、何の不安もなかったというか、走れるイメージしかできていませんでした。ですが今回は自分に壁を感じ、自分で不安要素を作ってしまったと思います。
―レース中の監督からの声掛けは
これで法政としての試合は最後なので、最後に出し切ろうと言っていただきました。
―それを受けて、感じたことは
最後なのでとにかく出し切って、体力を残すことなく、走りきろうと強い思いを持って走りました。
―走り終えていかがですか
結果が悪いので納得はできないのですが、悪い中で自分の力が出し切れたと思います。
―残りの選手にむけて
まずは楽しんでほしいです。このようなスタートにはなったのですが、とにかく諦めず、前を追って1つでも上の順位を目指していきたいと思います。
―4年間の競技生活を振り返って
1年生の内から予選会などを走らせていただいていたのですが、なかなか思うような結果が出せなくて、最後このような結果に終わってしまい、悔いの残る4年間でした。
―佐藤主将や中西主務も今大会で引退になりますが
2人ともチームになくてはならない存在です。終わってお互い笑いあえるような結果でゴールしたいです。
―今後の競技予定は
大阪ガスの方で、競技は続けさせていただく予定です。箱根で大学の陸上生活は区切りになるのですが、ここから練習を積んで、今は弱いですが、どんどん強くなっていけるように、上を目指していきたいと思います。
坂東悠汰
予定では56分から56分30でいくようにと監督から指示が出ていました。結果は57分40秒くらいで、予定より1分遅くなってしまったんですけど、前にいた上武大さんの背中をしっかり追えばお前の力なら大丈夫だと監督さんにも声かけてもらっていました。ラスト10キロ過ぎくらいから追いつく形になって、ラスト3キロのところでいったん追いついたんですけど、離されてしまったのでそこがまだ力不足だったかなと思います。
体は結構動いていて調子は良かったんですけど、海沿いの方で風を受ける形になってしまって、スピードが少し失速してしまいました。
一番距離が短いということもあって、自分のスタミナ的に走りやすかったです。ラスト15キロ超えてからが勝負だと言われていたので、そこから粘ることを意識して走りました。
初めての箱根駅伝だったんですけど、沿道の応援の方々の声援のおかげで途中粘れたというのもありましたし、そういうのがすごく力になりました。良い経験になったのでまた来年につなげていけたらいいなとおもいます。
今走っている5区の細川さんは山に自信があると伺っているので、一つでも順位を上げて欲しいです。僕は順位を上げられませんでしたが、詰めることができたので、復路の選手にも、最後まで諦めず前を向いて走って欲しいです。
細川翔太郎
やっぱり力不足だと実感しました。もう少し練習を積まないと勝てる場所ではないというのは分かりました。あとは観客が凄かったです。
いつもよりも1時間程長く眠れましたし、悪くはなかったです。むしろ良い方でした。
特になかったです。緊張しやすいので、アップの時は”我慢する場所”だとしか考えていませんでした。
以前ケガをしてから足と腕の振りや腕周りを筋トレで鍛えるようにしていました。あとは坂ダッシュとかです。本来なら夏の合宿中に坂や山の練習をしたかったのですが、(積めなかったので)そこが悔やまれます。また1年積んでいこうと思います。
まだ練習が足りなかったですね。やっぱりケガをしては駄目ですね、ケガはしたくないです。
焦らずに行こうと言われました。
上武大学の人にもう少し付いていけばよかったのですが、出来ず申し訳ない気分でいっぱいです。ここから頑張ってください。
フォトギャラリー
- 5区で往路のフィニッシュテープを切る細川
- 大手町をスタートする足羽ら
- エース足羽は大きく出遅れた
- 2区有井も後れを取り戻せず
- 2度目の箱根となった中村
- 山登りの5区へ挑んだ細川
- ゴール後倒れ込む細川