【フェンシング】第68回関東学生フェンシング選手権大会 4・5日目 男子エペ&女子サーブル個人・団体~ 女子サーブルはベスト4、男子エペはベスト8に泣く…個人戦では福島が連覇!中村は準優勝!
第68回関東学生選手権大会
2016年10月17日(月)、10月18日(火)
駒沢オリンピック公園体育館
関東学生選手権大会4日目は男子エペ・女子サーブル個人戦、5日目は男子エペ・女子サーブル団体戦が行われた。個人戦では福島が連覇を果たし、中村が準優勝に輝いた。一方団体戦では女子サーブルがベスト4、男子エペはベスト8敗退とともに昨年より成績を落とす苦い結果となった。
試合結果
個人戦成績
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子エペ | 中村豪 | 人3 | 準優勝 |
伊藤寛高 | 営3 | ベスト4 | |
塩原智輝 | 生2 | ベスト32 | |
敷根章裕 | 法2 | 3回戦敗退 | |
敷根嵩裕 | 法1 | 2回戦敗退 | |
女子サーブル | 福島史帆実 | 法3 | 優勝 |
服部妃冬未 | 法1 | ベスト32 |
団体戦成績
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子エペ | 中村豪、伊藤寛高、塩原智輝、菊池智大 |
準々決勝●39-45日大 |
ベスト8 |
女子サーブル |
福島史帆実、真田玲菜、服部妃冬未 |
準々決勝○45-43早大 準決勝●39-45日体大 3位決定戦●29-45東女体大 |
ベスト4 |
男子エペ個人戦
男子エペ個人戦には法大から7人がエントリーし、その内シードの中村豪(人3)を含めた5人が2回戦以降に進出した。
敷根崇裕(法1)は1点差で惜敗し2回戦敗退、敷根章裕(法2)は3回戦敗退となる。塩原智輝(生命2)はベスト8進出を賭けた4回戦で白熱した戦いを繰り広げるが、13-14から最後はドゥーブルとなり、こちらも1点差で明暗が分かれた。
昨年より大躍進を果たした伊藤
ベスト8に残ったのは中村と伊藤寛高(営3)。ともに準々決勝を盤石の戦いで勝ち上がると、続く準決勝では同校対決となる。同期ということもあり、練習や公式戦で何度も戦って手の内をわかり合っている2人は「難しいことは考えずやりたいことをやろうと思った」(中村)と準決勝といえども気負い過ぎることなく戦った。序盤から中村がリードするが、「今回こそ勝ちたかった」と伊藤も負けじと食い下がる。終盤は激しい攻防となるが、終始試合を先導した中村に軍配が上がった。
同校対決は中村の勝利
伊藤が回った3位決定戦は中大の水口紘希との戦いとなる。相手が攻めてくるのを待つというプランを立てたが、「足が動かなかった」と相手の勢いに飲み込まれ10-15で敗れた。
中村が進出した決勝戦の相手は日大の山田優。こちらも序盤から相手のペースで進む。第2セットに入り切り替えて臨むも、巻き返しはならず、準優勝で大会を終えた。
2年連続で決勝の舞台に立った
中村は2年連続の準優勝に悔しさをみせたが、来月にはインカレの舞台が待つ。この悔しさを次のステージで力に変え、雪辱を果たしてほしい。(向井知優)
女子サーブル個人戦
女子サーブル個人戦には昨年の関東女王である福島史帆実(法3)、服部妃冬未(法1)が出場。服部は1回戦プールを勝ち抜きシードで3回戦へ駒を進めた。しかしその3回戦は慶大の福島涼香に4点を先取され、苦しいスタートとなる。その後も主導権を握られ思うような試合ができぬまま敗退した。
初の関カレは厳しい結果に終わった服部
一方で、連覇を狙う福島は快調に勝ち上がる。3回戦では相手を3点、準々決勝では2点に抑える圧倒的な力を見せつけた。そんな福島だが、準決勝では「相手に合わせてしまった」と、今大会初めて1点を奪い合う展開となる。それでも5-5から先にシーソーゲームを抜け出し、決勝戦へ進んだ。
迎えた決勝戦。序盤は一進一退の様相を見せるが、時間を使いながらも素早いアタックから得点を挙げる福島に流れが傾く。第2セット開始早々から一気に点差を広げ、このまま優勝かと思われたが、「決まらない技をやり続けてしまった」と少しの冷静さを欠いた隙に追い上げを許してしまう。13-10から14-14。冠は一本勝負に託された。独特の張り詰めた空気が続くが、最後は「下がったら負け、絶対に折れない」と確固たる信念で前に攻め続けた福島のアタックが決まり、連覇を果たした。
連覇を決めた福島
持ち味のスピードをあえて抑えて臨んだという今大会。新たな武器を手に入れた女王は、もう誰にも止められないだろう。(向井)
男子エペ団体戦
男子エペ団体は東北学院大との初戦となる。第1セットから中村が5連取を奪い幸先の良いスタートを切る。続く塩原、伊藤も順調につなぎ、第4セットには菊池智大(社3)を起用。その菊池も失点を1に抑え、チーム全員の力で初戦を快勝した。
8セット目は追撃を許す
追い上げを見せるも惜しくも届かず
迎えた準々決勝戦は試合前から一つの山場としていた日大との戦いとなる。第5セットで相手の山田に5連取を取られピンチに。しかし、第6セットで中村が徐々に追い上げ2点差まで戻すと、塩原も気を吐き積極的な姿勢で続々とアタックを決める。4点のリードを生み出し法大としてはこのまま逃げ切りたいところだったが、強豪の日大がそれを許すはずもなく第8セットで次々とポイントを奪われ再逆転されてしまう。2点ビハインドで最後回りを担うのはエースの中村。前日の個人戦決勝と同じ対戦となるが、ここでも相手のペースに巻き込まれ思うように試合を展開できない。最後まで苦しい状況を抜け出せないまま39-45で敗れ、ベスト8で敗退した。
チームの戦い方ができていなかったと振り返った男子エペ陣。昨年とは大きくメンバーが変わったことも大きかっただろう。今後はさらにチームとしての戦略を確立させ、リベンジを誓う。(向井)
女子サーブル団体戦
女子サーブル団体は福島、服部、真田玲菜(キャ4)の3人で挑むが、初戦から厳しい幕開けとなる。第1セットから相手の早大優位で試合が進み、法大にとっては厳しい状況が続く。37-40で始まった第9セット。福島が一気に同点まで追い上げると一進一退の状況となるが、その均衡を破ったのは福島だった。3連取で大手をかけると、45点目を先に奪い、準決勝進出を決めた。
果敢に攻め込む福島
日体大との戦いとなった準決勝は第1セットから福島が力を発揮し4点リードで回すが、その後は徐々に点差を離されていってしまう。第7セットで10点以上の差がつくと、さらにその差は開くばかりだ。第8セット終了時点で26-40の法大だったが、ここでエースの福島が立ち上がり第9セットで怒濤の追い上げを見せる。スピード感のある鮮やかな剣さばきからこのセットだけで12点を量産する活躍をしたが、序盤に開いた点差はあまりにも大きく39-45で敗れた。
3位決定戦では相手に大きく突き離された
気持ちを切り替え3位入賞をかけて挑んだ3位決定戦の相手は東女体大だ。序盤はリードをとる場面もあったが、すぐに逆転されその点差は開いていくばかりだった。チームの最後の砦である福島さえも準決勝のときのような気迫を感じられず、29-45で3位の座を逃しベスト4で大会を終えた。(向井)
選手コメント
伊藤寛高
―個人戦を振り返って
最初の1回戦のプールは緊張してあまり動けていなかったんですけど、2回戦に勝ってからは少し勢いがついたのかなと思いました。
―昨年のベスト32から大きく躍進しましたが、その要因はどこにあると思いますか
去年は足を使うプレーではなくて、どうしても剣の操作だけに頼ってしまうプレーでした。相手の早いアタックに反応できずに取られてしまうことが多かったので、今回は足を使って相手のアタックを切れるように意識しながら試合に臨みました。
―準決勝は中村豪選手との同校対決となりましたが
豪とは昔から時々当たっては必ず負けていたので、今回こそは勝つつもりで臨んだんですけど負けちゃいましたね。
―とても楽しそうでしたね
実際…楽しかったと言えば楽しかったですね(笑)。同校対決もベスト8入ったくらいからやりたいと思っていたので、できてよかったです。
(中村豪)1年半ぶりくらいに公式戦で当たって、すごい成長していたので焦りましたね(笑)。普段の練習でも一緒にやっているので難しいこと考えずにやりたいことをやろうと思って楽しくやりました。
―3位決定戦では実力者の水口選手(中大)との戦いになりましたが
単調なアタックで行くと必ず突かれてしまうので、相手がアタックに来たところを待って突くというかたちにしようかなと思っていました。ただ、足が動かなかったし手のスピードも遅くなってしまったので、疲れもありましたけど、本当に実力差が出てしまった試合だったなと思いました。ボコボコにされましたね。
中村豪
―団体戦を振り返って
1回戦は点差に余裕が出たので普段出番のない選手も出ることができて、それでしっかり差をつけて勝てたので良かったと思います。日大戦は、一人ひとりとして見れば良かったんじゃないかと思うんですけど、チームとしては流れに波があったかなと思いますね。チームとしてもっと試合を組み立てていかないといけないなと感じました。
―日大戦のプラン
向こうのエースの選手のときにどこまで我慢できるか、抑えられるかがポイントだと思っていました。なるべく失点をなくしたり、ドゥーブルで差をつけられないようにしたり。点差をいかにつけられないかが大事だとは思っていたんですけど、やっぱり受け身になりすぎていた部分もあるのかもしれないし、そう簡単にはいかなかったですね。
―今大会は3年生中心のチームとなりましたが
今年先輩たちが抜けて、2人は今年から試合に出る機会ができているんですけど、やっぱりずっと一緒に練習してきた2人と試合に出られるのは心強いです。一緒に同じ舞台に立ててうれしいですね。
―インカレに向けて
今回優勝された山田先輩(日大)は、昨年は出ていなかったので今年出場されたら優勝候補になると思うんですけど、食らいついていけるように頑張りたいです。
福島史帆実
―連覇を果たした個人戦を振り返って
準決勝までは自分から全部仕掛けられていたしミスもなかったんですけど、準決勝で疲れちゃったので、もっと体力をつけないといけないなと思いました。
―準決勝で疲れてしまったという原因は
相手どうこうというよりただ勝手に疲れちゃっただけです。
―決勝までは快調に勝ち進んでいる印象でしたが
点差はあったんですけど…。例えば、準決の試合とかちゃんといっていれば入ってたと思うんですけど、相手に合わせた入りをしてしまったりして良くなかったなと思いますね。
―決勝戦で追い上げを許してしてしまった原因は
私がパラードという技をミスしてしまっているのに何度も同じやり方で点を取ろうとしてしまったんですけど、14-13になって向こうが下がると思ったのでしっかりつなげてアタックにいけたのは切り替えられて良かったかなと思います。
―一本勝負での心境は
下がったら負けだと思ったので、疲れてはいたけど私は絶対に折れないぞと思って前に出ましたね。
―連覇が懸かった試合ということでプレッシャーはありましたか
プレッシャーはないんですけど、優勝したいなとは思っていました。
―ここまで取り組んで来たことは
私はいつもスピードで頑張っちゃうタイプなんですけど、スピードじゃなくて戦術で勝てるようになりたいと思って練習してきました。今日もあまりスピードに頼らないようにしようと思って心がけていたので、途中までできていたんじゃないかなと思います。
フォトギャラリー
- 個人戦入賞の3人
- 3年 福島
- 3年 中村
- 3年 伊藤
- 2年 塩原
- 1年 服部
- 3年 菊池
- 大会後の集合写真