【フィギュア】第10回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 兼 第89回日本学生氷上競技選手権選考競技会 Aクラス女子、男子ともにインカレへの出場権獲得!!
東日本学生選手権
2016年10月15日(土)〜16日(日)
東大和スケートセンター
ジャンプの精度を上げつつある渡邉
試合結果
個人結果
クラス | 選手名(学部・学年) | 順位 | 得点 |
---|---|---|---|
女子Aクラス | 藤澤亮子(文3) | 7位 | 73.91点 |
女子Bクラス | 山口萌々奈(通1) | 31位 | 38.47点 |
男子Aクラス | 宮田大地(文2) | 5位 | 95.34点 |
〃 | 渡邉直弥(通2) | 10位 | 89.06点 |
団体結果
女子Aクラス
大学名 | 順位 | ポイント |
---|---|---|
東洋大学 | 1位 | 66点 |
早稲田大学 | 2位 | 55点 |
札幌大学 | 3位 | 47点 |
慶應義塾大学 | 4位 | 46点 |
日本大学 | 5位 | 41点 |
法政大学 | 6位 | 22点 |
男子Aクラス
大学名 | 順位 | ポイント |
---|---|---|
明治大学 | 1位 | 28点 |
法政大学 | 2位 | 15点 |
岩手大学 | 3位 | 14点 |
北海道大学 | 4位 | 13点 |
学習院大学 | 5位 | 11点 |
慶應義塾大学 | 6位 | 8点 |
※団体結果は上位6校を掲載
戦評
最初の登場は藤澤亮子(文3)。前回のブロック大会から構成を変え、ジャンプの難易度を上げて演技に臨んだ。冒頭の2ルッツを綺麗に着氷すると、続く3ルッツは惜しくも2回転に。しかしそこから3トゥーループ、2アクセルを丁寧に決めていく。得意のスピンではそのポジショニングの美しさに大きな拍手が起こる。後半も全てのジャンプをきっちりと成功させた。今大会もコンビネーションジャンプはあえて回避。東日本選手権までにジャンプの成功率を高め、コンビネーションを組み込んでいくという。大人の演技でしっかりと存在感を見せた藤澤。結果は7位。これからどれだけジャンプの調子を上げられるかが、全日本出場への鍵となるだろう。
東京選手権から難易度を上げ挑んだ藤澤
女子Bクラスで大学入学後、大会初出場となった山口萌々奈(通1)。本人は「氷に乗る前は緊張もあった」と話したが、練習中に先輩とのアイコンタクトを取ってリラックスして笑顔も見られた。曲はダニエル・リカーリの「ふたりの天使」。アメリカの元フィギュアスケーターのジョニー・ウィアーが振り付けと衣装デザインを担当した。白く透明感のある衣装は彼女の魅力をさらに引き出した。中盤、曲にマッチしたステップシークエンンスを見せ、観客の目を惹きつけると、フライングキャメルスピンも華麗に成功させる。最後はレイバックスピンで美しく締め、31位で初出場の大会を終えた。ジャンプが上手く跳ぶことができなかったという反省点もあったが、「高校時代の演目を観衆の前で滑走できたことが良かった」と笑顔で話す。普段はシンクロナイズドスケーティングで活躍する山口。演技に磨きをかけるため、今回のシングルでの滑りは彼女に大きな成長の糧を与えたに違いない。
山口はステップでは音と合わせられるように気を付けていると語った
男子クラスA、宮田大地(文2)が12番滑走で登場した。FSは今シーズンからの新プログラム、「パールハーバー」。冒頭、4トゥーループに挑戦するも転倒。その後もジャンプでは3度の転倒、3フリップを単独で2回跳んでしまい大幅に減点されるなど、精彩さに欠けたものとなった。しかし宮田の強みは、スケーティングだ。ステップの場面では、彼の一蹴りで大きく伸びるスケーティングと、長い手足を使った動きに目を奪われた観客は少なくないだろう。複雑な表情で演技を終えて、結果は95.34点で5位。表彰台を逃し宮田は「練習不足だった」と振り返った。次戦、東日本選手権は全日本選手権への切符をかけた勝負所となる。オフシーズンから試行錯誤しながら積んできた練習は決して無駄にはならないはずだ。自分自身のために、満足のいく演技をしてほしい。
宮田はジャンプの転倒が相次いだ
今大会では最終滑走となった渡邉直弥(通2)。「シルク・ドゥ・ソレイユ」の曲にのせて、冒頭のジャンプの3ルッツでは、惜しくも両足での着氷。続く3フリップでは転倒してしまう。その後のコンビネーションジャンプは着氷したものの、得点は伸びない。しかしその分をカバーするように、ステップでは体を大きく使って曲の壮大さを表現。観客を惹き付けた。後半のコンビネーションジャンプで減点されてしまう場面もあったが、1つ1つの要素を丁寧にこなし、得点は89.06。結果は10位となった。最終滑走という緊張がある中で、前回よりも内容的に良い演技ができたという渡邉。ジャンプの精度も上がっているということから、次の大会ではより一層華麗な滑りを見せてくれることだろう。
最終滑走で登場した渡邉
以上の結果から2年連続で男子団体は2位に輝き、女子もインカレ出場枠を確保しインカレへと繫げることができた。しかし、間をおかずに11月頭には東日本選手権が控えている。こちらは今大会と違い出場者が大学生と限定されていないだけに、より厳しい戦いとなる。東日本選手権に向け力強い言葉を口にする彼らが、勝負の時に向け短い間でどれだけ演技に磨きをかけられるか。そして、全日本への切符を手にするのはいったい誰なのか要注目だ。(梶山麗・安藤優花・阿部暁野・岡崎祐平)
選手コメント
藤澤亮子
-演技を振り返って
この前のブロック大会が終わってから、東日本に向けて構成を変えました。6分間と公式練習で決まったループをダブルじゃなくトリプルにはしたかったんですけどパンクしちゃったのでそれがちょっと悔しいです。
-パンクしてしまった原因は
タイミングが早かったかなと思います。
-2Aは2本とも成功させました
シーズン入ってだんだん苦手意識とかはなくなっているので、それが良かったかなと思います。
-コンビネーションジャンプについて
綺麗に跳べたジャンプにつけたいんですけど、練習でもなかなかジャンプははいってないので。まだどこにつけようかなという状況ですね。今日みたいにパンクしちゃうと、ダブルがダブったりするじゃないですか。だからなかなか入ってないですね。まだだから何も決まってないです。
-山口選手の印象は
すごい明るいので、女の子だけど盛り上げてくれるような。ありがたいですね。女の子少ないので。部としても雰囲気は凄くいいと思います。個人個人の時間もしっかり持ちながら、集まるときはいい雰囲気は持っていると思います。
-インカレ出場決定となりました
インカレは去年入賞まであと一歩だったので、入賞は目指したいなと思います。
-次に向けて
東日本はショートもノーミスを狙っていくことと、フリーは今日挑戦したものをもっと練習して仕上げて。ショートもフリーもパーフェクトじゃないと全日本は難しいと思うので、仕上げられるように頑張ります。
山口萌々奈
-今日のコンディションは
少し調整が間に合わなくて、申し訳ないなと思っています。体はここ最近だと一番動いていたんじゃないかなと思います。
-シンクロと両立している山口選手。違いは感じますか
シンクロだと「この音にはこのステップ」という完全に決められたものがあるのですが、スケートにはジャンプやスピンなどが入ってきて、「この音でこういう技をする」という確実なものが無くて、難しいと言えば難しいと思います。皆で演技をするのと、自分一人の力で氷を蹴って滑るのは感覚的にも全然違うというのが今日久しぶりに滑って思いました。
-今日の曲に対する思い
高校一年生が一番最後に滑った試合だったんですけど、その時はSPだけの出場でFSのこの曲を滑ることが出来なくて、はじめて皆さんの前でお披露目できてよかったなと思います。
-振り付けはどういう風に考えられましたか
アメリカに行かせていただき、その際にコーチのジョニー・ウィアーさんに振り付けをしてもらって、ジョニー・ウィアーさんも初めて選手の振り付けをするという事で、すごく一生懸命考えてくださって、素敵なプログラムになりました。
-衣装は
衣装もジョニー・ウィアーさんのデザインで、それを日本のデザイナーの方に作っていただきました。
-演技前、笑顔が見られましたが、藤澤選手や他の選手たちにどのような言葉をかけられましたか
とりあえず落ち着いて滑ってという事と、大学の試合なのでそんなに出来を気にすることなく楽しく滑ってという事を話してもらって、すごく気持ち的に楽に滑ることができました。氷に乗る前はすごく緊張してたんですけど、氷に乗って先輩方とアイコンタクトを取って、今までの試合とは違ってリラックスして滑ることができました。
-演技の中で華麗なステップが非常に印象的だったのですが、細かな動きに心がけていることは
なるべく小さい音でも拾って、ステップの音と動きを合わせられるように心がけています。
-回転不足のミスがありましたが、動揺はありましたか
元々練習で飛べていたジャンプではなかったので、しょうがないかなとは思っていたのですが、やはり演技が終わって落ち着いてからもうちょっと出来たのかなという後悔がありました。
-今日の演技から見えた、これからの課題はありますかこれからも法大で試合に出させていただくと思うのですが、とにかく先輩方についていけるように、またこれから入ってくる後輩たちにも情けない姿を見せずに、法大の選手として胸を張って滑れるように調整して、皆さんに演技を見せたいです。
宮田大地
-演技を振り返って
練習不足でしたね。
-6分間練習から、不調な様子でした
ちょっと風邪気味かなという感じでした。
-転倒と氷の感触に関係は
いや、無いですね。練習不足です。
-演技直前、コーチから言われたことは
オフシーズンに4回転の練習をずっとしてきたので、色々試行錯誤して先生と作ってきて、その決め事の確認ですね。ここはしっかり押さえていこうみたいな。
-練習での4回転の成功の確率は
日によりますね。体の調子が良ければ、決まるし。同じことをしても決まる日と決まらない日がある。まだまだだなという感じですね。
-11月には東日本選手権が控えていますが、どう切り替えますか
そうですね、もう練習しかないなという感じです。
-スロバキアで行われたオンドレイ・ネペラ杯はいかがでしたか
ダメダメでしたね。参加しただけで終わりましたね、点数も去年と全然変わらなかったですし。成長してないなと感じました。
-オンドレイ・ネペラ杯、今日の試合とFSの演技後は苦しげな表情でしたが
きついというよりも、何やってるんだろうなという感じです。
-収穫は
悔しい思いをしたので、練習をたくさんしてきたつもりだったんですけど、してきたつもりで終わっちゃったので。もう1回先生とどんな練習をしていかないといけないのか話し合って決めていこうと思います。
-印象に残った選手は
セルゲイ・ヴォロノフ選手(ロシア)です。SPが同じグループで練習が一緒だったんですけど、練習では絶対4回転跳ばないんですよ。2トゥーループと3トゥーループだけ確認してて、本当に跳べるのかなっていう感じなんですけど本番だけピタっと決めて、ダブルとトリプルだけで感覚確認してかっこいいな!って思いました。あとは貫禄がありましたね皆。
渡邉直弥
フォトギャラリー
- ジャンプの精度を上げつつある渡邉
- 演技直前、ハイタッチを交わす藤澤
- 東京ブロックから成長した演技をした藤澤
- 女子Aクラス表彰式
- 山口は笑顔で大学での初舞台に挑んだ
- プログラム「ふたりの天使」を初披露した
- 美しいスピンで演技を締めくくった(山口)
- 渡邉は柔軟性のある動きも武器だ
- 細やかな表現で観客を魅了(渡邉)
- 宮田はFSでは戦争からの平和を表現したいと語る
- 4回の転倒、ジャンプで苦しんだ(宮田)
- 苦しげな表情を見せたが、しっかり最後まで滑り切った(宮田)
- 男子Aクラス個人表彰式
- 男子Aクラス団体表彰式