【硬式野球】東京六大学野球秋季新人戦 準決勝 対明大 河野 魂の42球!! 宿敵を撃破し、決勝へ
東京六大学野球秋季新人戦 準決勝 対明大
2016年11月2日(水)
神宮球場
準決勝の相手は春季王者の宿敵明大。打線は初回に打者一巡の猛攻で5点を挙げるもその後はなかなか追加点を奪えない。先発森脇は5回2失点と粘りをみせるも、2番手新井悠が無死満塁のピンチを招き、押し出し四球で失点。その後を受けた河野が失点もあったが、なんとか1点差に留める好救援。その後も明大打線を抑え、決勝進出を決めた。決勝の相手は慶大。若き法大ナインが10季ぶりの優勝に挑む。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明 大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 10 | 0 |
法 大 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 0 |
(明大)●高橋、伊勢、外尾-西野
(法大)○森脇、新井悠、河野-中村浩
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (3) | 向山 | 4 | 0 | 0 | 死球 | 二ゴロ | 見三振 | 空三振 | 空三振 | |||||
2 | (9) | 大西千 | 2 | 1 | 0 | 死球 | 四球 | 中前安 | 二ゴロ | ||||||
3 | (4) | 川口 | 2 | 0 | 0 | 投犠打 | 一犠打 | 一邪飛 | 二飛 | ||||||
4 | (7) | 中山 | 3 | 1 | 0 | 死球 | 空三振 | 中前二 | 三飛 | ||||||
5 | (5) | 原田 | 3 | 1 | 0 | 死球 | 二ゴロ | 左飛 | 一内安 | ||||||
6 | (8) | 舩曵 | 4 | 1 | 0 | 空三振 | 遊飛 | 右前安 | 見三振 | ||||||
7 | (6) | 相馬優 | 4 | 1 | 3 | 右中間三③ | 一ゴロ | 空三振 | 空三振 | ||||||
8 | (2) | 中村浩 | 4 | 3 | 1 | 中前安① | 三内安 | 空三振 | 右中間安 | ||||||
9 | (1) | 森脇 | 2 | 1 | 0 | 右前安 | 見三振 | ||||||||
1 | 新井悠 | 1 | 0 | 0 | 空三振 | ||||||||||
1 | 河野 | 1 | 0 | 0 | 空三振 | ||||||||||
計 | 30 | 9 | 4 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | |
森脇 | 5 | 91 | 21 | 5 | 4 | 1 | 2 |
新井悠 | 1 | 41 | 9 | 3 | 1 | 3 | 2 |
河野 | 3 | 42 | 11 | 2 | 3 | 0 | 0 |
計 | 9 | 174 | 41 | 10 | 8 | 4 | 4 |
ベンチ入りメンバー
11 | 森脇(経2=掛川西) | 2 | 川口(人2=横浜) | 33 | 西山(法1=市和歌山) |
14 | 新井悠(営1=折尾愛真) | 3 | 原田(法2=春日部共栄) | 35 | 安本(営1=静岡) |
15 | 髙氏(文1=立命館慶祥) | 5 | 福田光(人1=大阪桐蔭) | 1 | 大西千(営2=阪南大) |
18 | 内沢(キャ1=八戸工大一) | 6 | 向山(営2=法政二) | 8 | 舩曳(キャ1=天理 |
19 | 河野(文2=法政二) | 7 | 吉岡(営2=智辯学園) | 37 | 中山(人2=履正社) |
21 | 上條(キャ2=市立川越) | 23 | 橋口(人2=高鍋) | 38 | 宮下(社2=法政二) |
20 | 鎌倉(法2=日本文理) | 24 | 斎藤卓(社2=大宮西) | 39 | 毛利(法1=愛工大名電) |
27 | 中村浩(営2=多良木) | 25 | 佐藤(営2=法政) | ||
32 | 小川(人2=明誠学院) | 26 | 相馬優(営1=健大高崎) |
戦評
準決勝は春季新人戦の王者明大との一戦に。春季新人戦、そしてリーグ戦の雪辱を果たすことができるか。もう1つの法明戦が幕を開けた。
試合は1回に大きく動く。1、2番がともに死球で出塁。3番川口凌(人2)の送りバントで無死二、三塁とすると捕逸で1点を先制する。 続く4、5番も死球で出塁し、1死満塁のチャンス。打席には昨日の試合で3打点の相馬優人(営1)を迎える。明大先発の髙橋裕也の2球目にうまくタイミングを合わせると、右中間への適時三塁打に。その後も8番中村浩人(営2)の中前適時打で1点を追加し、打者一巡の5得点で明大を圧倒した。
法大の先発は、森脇一樹(経2)。初回に1死一、二塁のピンチを招くも無失点で切り抜けた。3回と5回には安打を浴びるも、それぞれ1失点と最少失点に抑え先発投手の役目を果たした。 6回からは新井悠太朗(営2)が登板。昨日の好投とはうって変わり、7回に先頭打者に安打を打たれると一気に苦しいマウンドになる。制球が定まらず、押し出し四球で1点を献上して無念の降板に。無死満塁の場面でマウンドへ上がったのは河野太一朗(文2)。 だが、いきなり安打を浴び、この回2点目を追加されてしまう。しかし、持ち前の強気なピッチングと味方の好守で後続を打ち取るとスタンドからも大きな声援が飛んだ。河野本人も「頭をよぎった」と振り返る逆転満塁本塁打を浴びた立大2回戦から確かな成長を見せた。
追加点を得られず苦しい状況の中、初回の5得点を守り逃げ切った法大。宿敵明大からの勝ち星はチームにとっても大きな自信となったはずだ。明日の決勝は慶大との対戦になる。「強い法政」復活の第一歩へ。必ずや優勝してみせる。(下河辺果歩)
クローズアップ
河野太一朗 (付属校出身の意地をみせた剛腕 憧れの神宮で歓喜を)
『ピッチャー、河野』。7回無死満塁と絶体絶命の場面でその名がコールされた。河野は期待を一心に背負ってマウンドへ向かった。2点リードの場面。これまでの法大はこのような場面で何度も逆転を許してきた。厳しい展開が予想される中、投球練習を始めた。
河野自身にも苦い経験がある。今季の立大2回戦。2点リードの場面で登板。立大の佐藤竜彦に2球目を捉えられると、打球は無情にもスタンドへ消え、逆転の満塁本塁打に。この一撃で勝利、勝ち点はおろか自力優勝をも逃すこととなった。その後のリーグ戦で神宮のマウンドに立つことはなかった。しかし、河野は強くなって神宮に帰ってきた。昨日の立大戦では9回に登板。無失点で試合を締めた。
「立大戦が頭によぎった」と語った河野。今日も先頭打者の山本恵汰に適時打を浴び、1点差に。ここから持ち味の気持ちの強さを見せつける。後続を2者連続の内野フライに打ち取ると最後は気迫のストレート。見逃し三振でこのピンチを凌ぎ、ガッツポーズを見せた。「しっかり抑えられたので成長できたと思う」と振り返った。そのままこの試合を締め、勝利に貢献した。
付属の法政二高の出身である河野。最近は付属上がりの選手が少ないと言われている中、希望の星となるだろう。付属校から憧れの神宮へ。OBの期待も大きい付属校の選手。優勝という歓喜を迎えるために河野の二高魂が法大を突き動かす。(石川大悟)
選手コメント
河野太一朗 投手
ー今日の投球を振りかえって
無死満塁で2点差だったので、2点以上あげないつもりで投げました。
ー1失点について
取られ方もゴロでショートの頭を超える打球で流れが相手にいきそうだったので、焦りはありました。
ーその後どのように気持ちを切り替えましたか
まだリードしていて、最低同点までという気持ちでプレッシャーを背負うことなく投げられたので良かったです。その後アウトとって気持ちが楽になりました。ある意味吹っ切れてよかったです。
ー中村選手とはどのような話を
打たれてもいいから思いきって来いと。
ー立大戦で満塁本塁打を打たれていましたが
やっぱりブルペンで投げていて、次行くぞと言われた時に状況が満塁で、立大戦が頭をよぎりましたけど、そこでしっかり抑えられたので成長できたのかなと思います。
ー新人戦で結果を残していますが
リーグ戦とは違ってスタッフが学生コーチの方で、非常にやりやすいので恩返ししたい、胴上げしたいという気持ちでやっているので、まず今日勝てて良かったです。
ー春に負けた明大戦ですが
試合前から明治には勝とうと言われていたので、勝てて良かったです。
ースタンドの応援について
チーム一丸となってやっていくので、心強かったです。
ー付属校出身ですが
最近は付属校の選手があまり出てこないので、向山が結構出ているので2人で引っ張っていきたいです。
ー高校時代について
大学に上がれば法政と決まっていたので、神宮は憧れの場でした。
ーピンチの場面で抑える気持ちの強さの要因は
自分に自信を持って、反骨心をもってやることです。
ー明日への意気込みを
優勝しか狙ってなく、明日負けたら意味がないので、何が何でも明日勝ちます!
中村浩人 捕手
ー今日の試合を振り返って
接戦にはなると思ってたので、接戦の中で勝てたのは大きなことだと思うので、それを明日も継続してやっていければいいと思います。
ー先発の森脇投手について
いつも通りの森脇で、しっかり自分がリードすることを考えてました。しっかり低めにコントロールしていたので、森脇らしい投球で試合を作ってくれたと思います。
ー自身の適時打を振り返って
代わり端でもう1点欲しい場面だったので、結果を恐れず思い切り振ることだけを考えました。
ー河野投手について
マウンド上がったときは持ち味のまっすぐを自分目掛けて投げてほしいのと強気にきてほしいこと言いました。真っ直ぐが良かったですね。
ー新人戦ではどのようなリードを心掛けてますか
しっかり投手をリードすることと、チームが勝てばそれで良いので、守備に重点をおいています。
ー今日は猛打賞でした
昨日は全然結果出ていなかったので、ヒットが出で良かったかなと思います。
ー決勝について
絶対勝ちます。
相馬優人 内野手
ー今日の試合を振り返って
内容はどうであれ、勝てたことに大きな意味があると思うので勝ててよかったです。
ー今日の相手は春の新人戦で敗れた明大でした
新人戦だけじゃなくてリーグ戦でも負けているので、そういう意味で絶対に勝とうという気持ちはありました。
ー1回には見事三塁打を放ちました
いかに少ないチャンスの中で1本を出せるかだと思うので、その打席はすごい気合をいれて入りました。
ー相手の先発投手は制球が乱れていましたが、どのように合わせましたか
自分はそんなに打つ選手ではないので甘い球がくるだろうなと思っていたので特に意識はせず、いつも通り打席に入りました。
ーチームの雰囲気は
下級生ということもあり、ベンチに入るのも初めての人も多くて、みんな楽しんでやってるので本当にチームにとっていい雰囲気でそれがいい流れにつながっています。
ー終盤は投手陣にとって苦しい展開となりましたが、どんな声掛けをされていましたか
あの場面では本当に「気持ちを強く持ってるか」というような言葉をかけていて、自分にもそれを言い聞かせていました。
ー同じく1年生で共に6番7番を務めている舩曳選手とは何か話をされましたか
行きの電車も一緒に来ていて、舩曳が「お前が後ろにいるから俺は初球からどんどん振っていく」というのは言っていたんで、いい信頼関係ができていると思います。
ー決勝に向けての意気込みを
優勝しかずっと考えてないし、ここまで来れたので優勝だけを狙って頑張っていきたいと思います。
フォトギャラリー
- リーグ戦の雪辱を果たした河野
- 先発森脇は5回2失点と粘投
- 2試合連続で適時打を放った相馬優
- 2戦連続の殊勲打を放った相馬優はガッツポーズをみせた
- 中村浩は適時打を含む猛打賞の活躍
- 2試合連続で救援登板した新井悠
- 押し出し四球などを与えてしまい悔しい結果に
- 気迫の投球で明大打線をねじ伏せた