【フェンシング】全日本フェンシング選手権大会 最終日 ~男女フルーレ個人戦~ 男子は敷根崇が準優勝!!西藤が3位に輝いた。女子は真田がベスト8へ
全日本フェンシング選手権大会
2016年12月4日(日)
駒沢オリンピック総合公園体育館
全日本選手権個人戦最終日。男女フルーレが行われた。男子は2回戦に大石がロンドン五輪銀メダリストの三宅諒(セイコー)に劇的勝利を挙げ、西藤は昨年王者藤野大樹(岩手県体育協会)に勝利。1年生二人が準優勝まで勝ち進み、敷根崇はインカレ優勝者松山(早大)に敗れるも準優勝!女子は柳岡、真田が今大会準優勝東莉央(和歌山北高校)に敗れるも、ベスト16、8入りを果たした。
試合結果
種目 | 出場選手 | 成績 |
---|---|---|
男子フルーレ | 敷根崇裕(法1) | 準優勝 |
西藤俊哉(法1) | ベスト4 | |
大石利樹(法4) | ベスト8 | |
野口凌平(営2) | ベスト16 | |
敷根章裕(法2) | 2回戦敗退 | |
女子フルーレ | 真田玲菜(キャ4) | ベスト8 |
柳岡はるか(法4) | ベスト16 | |
梅津春香(国文1) | ベスト16 | |
伊藤理那(文3) | 2回戦敗退 | |
緒方渚(国文4) | 2回戦敗退 |
男子フルーレ戦評
男子フルーレは大石利樹(法4)、野口凌平(営2)、敷根章裕(法2)、敷根嵩裕(法1)、西藤俊哉(法1)という法大が誇る5人の選手が出場。予選、1回戦は全員が順当に勝ち上がった。
三宅(セイコー)に勝利し雄叫びを上げる大石
しかし、続く2回戦。野口、敷根嵩は圧勝したものの、敷根章が今大会王者となった松山恭助(早大)に敗戦。西藤は1本勝負までもつれる接戦となるが、気迫で勝ち星を得た。そして、学生ラストイヤーの大石の前には強敵が立ちはだかる。その相手とはロンドンオリンピックのメダリストである三宅諒(セイコー)。序盤は相手にペースを握られ、焦りを感じさせる仕草を見せる。第2セットに入ったところで2-7という点差だったが、3点目を奪うと流れを引き寄せ、鮮やかな剣さばきから次々と得点を重ねる。8連取で10-7と逆転に成功。もちろん相手も黙ってはいられず3連取で同点とするが、12-12から迫力のアタックで3連取した大石が歓喜の勝利を手にした。
大石VS野口の対決は大石に軍配が上がった
西藤は昨年王者藤野に勝利を挙げた
3回戦。敷根嵩と西藤は安定の戦いで勝利。大石と野口は同校対決となった。野口が先制点を取ると、そこから中盤まで一進一退の展開が続く。しかし、徐々に大石がペースを掴んで点差を離していく。野口は反撃のチャンスを得られず、15-9で大石がベスト8に名乗りを上げた。
準々決勝には法大から3人もの選手が登場。西藤は終始リードを守り切り快勝。淡路卓(仙台城南高等学校)と対戦した敷根嵩は序盤からビハインドを背負っての展開となる。苦しい中でも11-11と並ぶと、執念の4連続得点でベスト4入りを決めた。大石は鈴村健太(岐阜県立大垣南高等学校)と対峙した。立ち上がりから相手のペースとされ、着実に点差を離されていってしまう。結局追い上げは叶わず、ベスト8で大石の全日本個人戦は幕を閉じた。
追い上げを見せるも叶わず
準決勝で西藤は松山と対戦。いきなり4連取されると、後ろに引いてしまう場面が多く見られ、さらに6連取を許してしまう。思うように自分のフェンシングができないまま敗れてしまった。
敷根嵩は大石を破った鈴村との戦いに挑んだ。先制点こそ取ったものの、相手優勢で試合が進む。それでも少しずつ追い上げ、同点に並ぶとそこからは拮抗。第2セットに入っても11-11と均衡は崩れない。だが、敷根嵩が4連取でこの状況を抜け出し、15-11で決勝の挑戦権を得た。
インカレと同様松山(早大)と決勝戦で対峙する
迎えた決勝戦は、敷根章、西藤を下した松山。序盤から1点を取り合うシーソーゲームが展開される。中盤には相手にペースを握られてしまいそうになるが、必死に食らいつき12-12とする。積極的な姿勢で攻め込むと連続で得点し、14-12で先に優勝へ大手をかける。だが松山の冷静なアタックが連続で決まり14-14。インカレと同じ展開で、結末は一本勝負に託された。緊張感のある空気の中、審判の声と同時に勢いよく伸ばした剣先。しかし、それは惜しくも相手には当たらず、1点差で悔しさの残る準優勝となった。
それぞれの選手が数多の強敵を破って勝ち上がった経験は、今後の成長や自信に大きく関わってくるはずだ。個人戦ではあと1歩届かなかった全日本のタイトルだが、団体戦こそはタイトルを獲得し、常勝軍団がまた新たな伝説を作り上げることだろう。(向井知優)
女子フルーレ戦評
昨年ベスト4に入った真田玲菜(キャ4)を筆頭に強者揃いの女子フルーレ。真田の他には、ナショナルチームでも活躍する柳岡はるか(法4)、伊藤理那(文3)、緒方実奈海(法2)、梅津はるか(国文1)という5名の選手が出場した。全員が無事に予選を通過し、トーナメント戦に臨む。1回戦も真田、柳岡、梅津は相手を4点以下に抑える圧勝。伊藤と緒方は1点を争う激戦を制し、見事に全員がベスト32入りを決めた。
日をまたいだ2回戦。真田はここでも快勝。梅津は中盤まで競ったものの、最終セットに6連続得点で抜け出し15-11で勝利した。緒方は新人戦優勝者の森千絢(日大)と対戦。相手のペースに飲み込まれ、8-15で昨年と同じベスト32敗退となった。柳岡と伊藤はここで激突。立ち上がりから終始柳岡が主導権を握り、同校対決は15-4で柳岡に軍配が上がった。
尽力するも及ばず
ベスト8を賭けた3回戦。柳岡は東莉央(和歌山北高校)と対戦し、先制から3連取と優勢に試合を進める。しかし、第2セットに入ると相手の積極的なアタックで1点差に追いつかれてしまい、7-9と遂に逆転を許してしまう。2点ビハインドで迎えた第3セットも相手のペースは変わらず。その上、9-13となったところで柳岡に異変が起きる。足をつってしばらく立ち上がれなくなってしまい、試合は中断。なんとか立ち上がり再開したものの、連続得点され、ベスト16で敗退した。
真田VS梅津の対決
もう一つの法大選手のカードは、今季幾度も見ることとなった真田と梅津の同校対決。序盤から真田が連取で上級生の力を見せつければ、梅津も負けじと4連取。互いに近い距離を保ちながら激しい応酬が続くが、状況を変えたのは真田の鮮やかなアタックから生まれた4連続得点。この点差を最後まで守り切った真田が、15-9と後輩をはねのけ勝利した。
真田も全日本準優勝者相手に果敢に攻めるも敗北を喫した
迎えた準々決勝は、柳岡が敗れた東との対戦となった。3連取からスタートするも、その後得点は停滞。その間に相手はテンポ良く8連続得点を挙げ、一気に差をつけられてしまう。なんとか巻き返したい真田は徐々に得点を取り返し、12-13と1点差にまで詰め寄ったものの、前に前にと攻め込む相手のペースを崩すことができず12-15で敗れ、自身の昨年のベスト4という結果には届かなかった。
昨年の好成績には届かなかったものの、出場選手全員が全日本大会でベスト32に入ったことは来年に向けさらなる飛躍を感じさせた。法大として臨む個人戦は今季最後になるが、まだ5冠を目指す団体戦が残っている。最強の法大を支えてきた真田や柳岡ら4年生の集大成に期待が懸かる。(向井知優)
フォトギャラリー
- 全日本の舞台で準優勝を飾る
- 4年 柳岡
- 4年 真田
- 1年 梅津
- 4年 大石
- ベスト4入りを果たした 西藤
- 準優勝に輝いた 敷根崇
- 将来を担う1年生2人