【フェンシング】全日本フェンシング選手権大会(団体戦) 最終日 ~男子サーブル&女子エペ~ 男子サーブルは宿敵に敗れるも表彰台に上る!女子エペはベスト4入り!
全日本フェンシング選手権大会
2016年12月25日(日)
伊予三島運動公園体育館
愛媛の地で3日間に渡り開催された全日本選手権。最終日には男子サーブルと女子エペが行われた。男子サーブルは順当に勝ち上がるも、準決勝で宿敵・日大に惜敗。3位決定戦では勝利を収め、3位に輝いた。女子エペは準決勝でインカレ王者の日大に敗北を喫すと、3位決定戦でも早大に完敗。表彰台に上がることはできなかった。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子サーブル | 大崎葵一(営4)、高橋優作(法3)、柳嘉亮(文2)、星野剣斗(営1) |
準決勝×39-35 中大 3決○45-39 A |
3位 |
女子エペ | 池田五月(文4)、村上久美(国文2)、富永恵美(法2)、前田友菜(文1) |
準決勝×28-45 日大 3決×33-45 早大 |
4位 |
男子サーブル戦評
男子サーブル団体には、大崎葵一(営3)、高橋優作(法3)、柳嘉亮(文2)、星野剣人(営1)が出場した。
初戦の愛媛クラブ戦。法大の選手たちは相手を全く寄せつけない。1周目の高橋が5-0と完ぺきなスタートを切ると、その後も破竹の勢いで得点を重ねる。終わってみれば、45-10と圧倒的な強さで勝利し、準々決勝に進んだ。
準々決勝は愛工大との対戦。ここでも法大は終始相手に流れを渡さずに、完勝。45-21というスコアで準決勝に進出する。
迎えた準決勝は中大と対戦。これまで順調に勝ち進んできた法大だったが、ここでは序盤から苦戦する。中盤まで相手にリードを許す展開となったが、星野が流れを変えた。18-20と2点ビハインドの場面でピストに上がると、7点奪って一気に逆転、そのあとを受けた大崎もリードを守り終盤に入った。しかし中大も一歩も引かない。6連続得点を奪うなどして、再び勝ち越す。後がない状況でピストに上がったのは大崎だった。逆転すべく、ひたむきに相手に向かっていく。華麗な動き、技でその差を詰めるも一歩及ばずに敗戦。決勝進出とはならず、3位決定戦へと進んだ。
迎えた3位決定戦、表彰台をかけてAと対戦した。Aは法大OBである新井弘太(24年卒)、荒井俊樹(24年卒)、安藤光平(28年卒)のチーム。法大は序盤から得点を先行させ、法大のペースで試合を進める。途中逆転されるとすかさずこの試合リザーブに回っていた大崎を投入。大崎はすぐさま逆転し、勝利への手綱を一気に引き寄せた。そのリードをしっかりと守り、法大は45-39で勝利した。
男子サーブル団体は3位という結果に。大崎以外の出場メンバーは全員チームに残る。レベルアップして表彰台の頂に立つ日はそう遠くはないだろう。(増田卓巳)
女子エペ戦評
女子団体エペには池田五月(文4)、富永恵美(法4)、村上久美(国2)、前田友菜(文1)が出場した。
この種目、法大はシードとして2回戦からの登場。初戦となった大垣共立銀行戦は危なげない試合を見せ勝利。順調に準々決勝に駒を進めた。
準々決勝の相手は同志社大学。序盤は積極的な攻め見せてリードを奪うが、逆転を許す展開に。嫌な流れだったが2周目の村上が一気に流れを引き寄せた。すかさず3連続ポイントを奪い同点に追いつく。その後いったんは勝ち越しを許すが、4連続ポイントを取り一気に逆転。最高の形で次につなげるとそのままリードを守り、見事な逆転勝利。45-40と接戦を制して準決勝へと進んだ。
迎えた準決勝、日大戦。準々決勝同様、粘りの戦いを見せたいところだったが、大きな壁が立ちはだかる。一周目でリードを許し、その差を徐々に広げられる苦しい展開に。流れを変えたい法大は1年生の前田を投入し、逆転を狙った。すると前田は5ポイント奪うなど奮戦、続く村上も7ポイントを奪い意地を見せた。しかし相手の手堅い戦いの前についに逆転はできず、決勝戦に行くことはできなかった。
準決勝で敗れた法大は早大との3位決定戦に進んだ。序盤はリードしていたものの途中相手に逆転されてしまう。26-36、10点ビハインドの中、ピストに上がったのは4年生の池田だった。「悔いを残さないように」という強い気持ちを持って戦いに臨んだ。決して勝負を諦めない攻めの姿勢、それを後輩たちに背中で語るように全力で相手に向かっていく。そのプレー1つ1つは4年間の集大成、そう感じることができた。池田は奮戦し7得点を奪ったがチームは45-33で敗れた。逆転することはできなかったが、池田の戦いへの姿勢は後輩たちに受け継がれることだろう。
こうして女子エペ団体はベスト4という結果で幕を閉じた。これをもって池田は引退。全国制覇という目標は後輩たちに託された。(増田卓巳)
選手コメント
大崎葵一
―今の気持ちは
最後表彰台に上がれたのはいいんですけど、やっぱり悔しいですね。
―3位という結果に納得は
してはいるんですけど、負けたのがインカレで勝った相手(中大)だったというのもあって。練習不足だったというのと、余裕を持ちすぎたところもありました。不完全燃焼ですね。
―今季を通して中大は大きな壁でした
強いとは思うんですが、個人としても負けるとは思わないし、あとはチーム力の問題だなと。中央はチーム力も高いので。そこで負けたかなという感じはしました。
―3位決定戦について
相手が全員大学の先輩っていうのもあって、みんな知ってる人だったので。自分も最後だったですし、思いきりやろうと。逆にすっきりして終わることができました。
―サーブルの後輩3人(高橋・柳・星野)は
みんなまだ伸びしろがあると思います。もっと練習して、来年は勝てるように頑張ってほしいですね。全員そんな感じです。みんな全然うまいので。
―来年のサーブルチームはどのようなチームになると思いますか
突出して強い人がまだいないと思うんですけど、チーム力で勝っていけるチームに頑張ってなってくれたらいいと思います。
池田五月
―今日の試合を振り返って
結果は4位でしたけど悔いはないです。次のみんなががんばってくれればいいな、と思います。
―最後どのような気持ちでピストに上がりましたか
絶対に逆転するという気持ちもありましたし、最後の試合で悔いを残したくなかったのでとにかく思い切ってやろうという気持ちでがんばりました。
―4年間を振り返って
法政のフェンシング部に入って本当によかったと思うし、そこでいろいろな先輩や後輩に出会い、自分自身も成長することができたので、フェンシングを続ける場所が法政でよかったと思います。
―最後涙ぐむ場面もありましたが
OBの方から「4年間おつかれさま」と言われて、走馬灯のように思い出して「ああ、辛かったな」って…。
―今後はどうされますか
来年からは食品メーカーに勤めてフェンシングはやらないつもりでいるんですけど、仕事を通じて何か法政大学フェンシング部に還元できたらいいなと思います。
―女子部の後輩に向けて
リーグ、関カレは取ったけどインカレ、全日本、王座は悔しい結果となったので来年はその三つを取る勢いで頑張ってください。
総評
3日間で2種目が優勝、1種目で準優勝、1種目が3位、残り2種目も表彰台という好成績を残した法大。全日本の大舞台で法大フェンシング部の歴史をまた一つ築き上げた。また、男子フルーレはグランドスラムを達成。今季負けなしでシーズンを終えた。また、成長著しい下級生の存在が光った今大会。来季以降も彼らの力をもって勝ち続けることができるか。常勝軍団として来季、また新たな歴史が刻まれることに期待したい。
団体戦総合成績
種目 | 結果 |
---|---|
男子フルーレ | 優勝 |
女子フルーレ | 4位 |
男子サーブル | 3位 |
女子サーブル | 準優勝 |
男子エペ | 優勝 |
女子エペ | 4位 |
フォトギャラリー
- 最後までプレーでチームを引っ張った池田
- 最後までエースとしての役割を全うした大崎
- 一回り目で流れを作った星野
- 村上のプレーに沸くベンチ
- 逆境での村上の強さがチームを救った
- 富永の力は今後の女子エペチームに必要不可欠だ
- 男子サーブルメンバー
- 女子エペメンバー