【陸上競技】第20回日本学生ハーフマラソン選手権 福田が大幅自己ベストの63分台でチームトップ!
第20回日本学生ハーフマラソン選手権
2017年3月5日(日)
陸上自衛隊立川駐屯地滑走路、国営昭和記念公園及びその外周道路
箱根シード校として臨んだ今大会。箱根出走メンバーの出場はなかったものの、これまでハーフで苦しんできた福田が63分台でチームトップ、印西ハーフを制した矢嶋も3秒差で続くなど箱根を走れなかった選手たちの好走が見られた。
試合結果
結果
順位 | 選手名 | 記録 |
---|---|---|
33位 | 福田兼士(経2) | 1時間3分59秒 |
35位 | 矢嶋謙悟(経2) | 1時間4分2秒 |
56位 | 鈴木亮平(経2) | 1時間4分29秒 |
68位 | 磯田和也(法3) | 1時間4分41秒 |
99位 | 狩野琢巳(社2) | 1時間5分7秒 |
112位 | 大畑和真(社2) | 1時間5分22秒 |
124位 | 松澤拓弥(社1) | 1時間5分32秒 |
139位 | 阿部泰久(理工2) | 1時間5分43秒 |
219位 | 増田真也(社3) | 1時間6分30秒 |
231位 | 坪井慧(経1) | 1時間6分35秒 |
282位 | 増田将也(経3) | 1時間7分9秒 |
291位 | 緒方喬平(経3) | 1時間7分13秒 |
365位 | 増田蒼馬(経1) | 1時間7分57秒 |
372位 | 兒島陽生(スポ2) | 1時間8分1秒 |
420位 | 岡原仁志(経1) | 1時間8分30秒 |
458位 | 田上鷹弥(経1) | 1時間8分52秒 |
戦評
ユニバーシアードの選考大会ということもあってか各大学の主力が軒並み出場する中、法大からは箱根を走れなかったメンバーが出場。チームとしての底上げが期待された。 レースは先頭集団が最初の5キロを14分25秒で通過するハイペースの展開。法大勢は最初から先頭集団につかず自分のペースで終始レースを進める。「流れに乗ることができた」と全体33位の63分台で福田兼士(経2)がゴールすると、矢嶋謙悟(経2)、鈴木亮平(経2)、磯田和也(法3)も後半ペースを落とすことなく64分台でまとめ、層の厚さを見せつけた。出場を果たせなかった箱根から「地道な練習をやってきた」と鈴木が語るように各々が泥臭く練習した成果を発揮した。その中でチーム2番手の記録を残した矢嶋は「チームトップで走らなければならなかった」と悔しさをにじませ、「箱根で戦える選手になる」と覚悟をあらわにした。
今季は箱根、出雲、さらには全日本出場の可能性も望める法大。坪田監督が「4年生の穴を埋めていかなければいけないメンバー」と話すように今大会のメンバーに対する期待も大きい。ここから学生3大駅伝を沸かす新たなニューヒーローの誕生が待ち遠しい。(濱口隆太)
監督・選手インタビュー
坪田智夫監督
―今大会の総括を
今回は中堅というか、箱根を走ったメンバーがいなくて、これから4年生の穴を埋めていかなきゃいけないメンバーなので、良かった悪かったはあるんですけれども、全体としてはまずまず、経験できたので良かったかなと思います。
―箱根のシードを獲得したことで本大会の位置付けは
予選会を考えなくていいというところでは違ってくるんですけれども、ハーフの各大学が集まってガチンコで勝負できる大会っていうのはなかなか経験できないので、そういった意味では大きく変わることはないと思います。
―今日出場した選手にはどのような指示を
特に細かい指示はしていません。数少ないハーフの1本なのでしっかりアピールするようにっていうだけはしました。
―その中で、ハーフは苦しい走りが続いていた福田選手がチームトップの63分台でしたが
タイムは他の大学はより良いので、特に評価っていうのは難しいんですけれども、チーム内というところで、なかなか2年生は良くて、箱根のメンバーに絡んでいない福田がチームトップを取ったことによって、競争意識みたいなものが生まれるので、これは非常に大きいかなと思います。
福田兼士
―レースを振り返って
自分が予定していたラップタイムやレースプランよりもいい感じで走れたので良かったと思います。全体的に流れに乗れている感じでした。
ー気温が少し高かったですが影響は
特にはなかったですね。苦手意識はないので。
ー序盤から積極的にいく走りが印象的でしたが
付いてる選手が落ちてきたら前に行こうという意識はして走りました。
ー1時間3分59秒のタイムはご自身では
正直、今の自分の中では十分な結果だと思います。
ー練習を積めた状態でレースに臨めたのでしょうか
上尾ハーフの時よりはだいぶ練習は積んで出ることができました。
ー冬季練習ではどのようなトレーニングが中心なのでしょうか
ロングインターバルが多いですね。それが結構力になってると思います。あとは満遍なくやっている感じです。
ー今回の飛躍の要因は
調子が上向きだったこととレース全体として流れがよく、集団で走ることができたことですね。
ースピードに加えてスタミナもついた印象でしたが
今まで後半遅れていたところが改善されている感じはありますね。結構しっかりまとめられたので力がついたなという感じはあります。
ー学年としては2年生の力が目立ちますが刺激になっているのでしょうか
だいたい毎週のように試合があるので、そこでみんながいい結果を出しているので、自分も結果を出さないといけない意識はあります。
ー今後主要な大会として関東インカレがありますが
5000㍍で出場したい気持ちはあります。
ー今季は法大が学生3大駅伝に出場する回数が確実に増えますが
基本陸上競技は個人競技ですけど、駅伝だけはチームなので自分1人の力だけでなく全員で戦えると思うので、自分もその中の1人で大きな役割を果たせられたらなと思います。
ー今大会は法大の主力選手の出場はありませんでしたが、チームトップでゴールしたことで自信がついたのでしょうか
大学に入ってからはチームトップとかになってなかったので、素直に嬉しかったです。ただもっと他大学の選手と勝負したい気持ちがあるので、そのへんはまだ満足できてないです。
ーこれから上級生になって引っ張る立場になりますが、今年の目標は
やはり箱根駅伝に出場したいです。
スピードランナーの福田がついにハーフで結果を出した
矢嶋謙悟
―今日の走りを振り返って
15キロくらいまで動きも良くて、予定通りの走りでした。しかしその後、少しずつ脚が進まなくなり、苦しい走りになってしまったと思います。
―総合順位は35位、チーム内順位は2位という個人成績について
目標タイムである63分台を出せるような身体の状態だったが、出せなかったことが悔しいですし、チーム内ではトップで走らなければならないならない立場だった。トップで走れなかったのは本当に悔しいです。
―それでも自己ベストを1分5秒更新しましたが
ハーフを走ったのは今日で3回目でした。1回目は1年生のときに経験もなにもなくて良くなかった。2回目は、2月の印西ハーフでした。序盤がスローペースだったことや風もあるという悪条件のなかで、タイムは悪かったです。身体の状態を考えると63分台で走れると思ったので、63分台で走れずに悔しいです。
―印西ハーフは優勝しましたが
前にいる選手に付いていき、ラストスパートをかけて勝ちました。内容もあまり良くなかったので、素直に喜べない優勝ですね。
―今日の調子は
印西ハーフで力を出し切ったので、終わってから今日までの3週間は、疲労感が残ってました。しかし、練習はかなり出来ていたのでコンディションは悪くなかったと思います。
―今日のコンディションについて
自分の予想よりも朝から日中にかけて気温が上昇して、暑いなとは思ってました。
―箱根前の12月の取材ではトラックの方がハーフマラソンより得意という話を伺いましたが、今も苦手意識はありますか
トラックの方が得意だなという思いはありますが、ハーフでも走れる力はついてるのではないかなと思います。
―今年の箱根駅伝は体調不良で走れませんでしたが
引退された4年生とは仲良くさせてもらって、練習でも引っ張ってくれる本当に尊敬できる先輩でした。その先輩たちと襷を繋げなかったことはとても悔しいです。
―同期の坂東、土井、東福各選手の活躍は刺激になりましたか
そうですね。箱根の悔しい思いは、箱根でしか晴らせないと思うので、この1年はその悔しさを噛み締めながら練習していきたいです。
―ということは今年の目標は箱根に出場することでしょうか
箱根に出場するだけでなく、チームの順位に貢献したいです。箱根で戦える選手になることが目標です。
―最後に意気込みを
これから、トラックシーズンが始まりますが、今までのロードレースとは違ったレースになると思います。しかし、結果をしっかり残していきたいなと思います。
体調を崩して箱根を走れなかった矢嶋はチーム内2番手でゴール
鈴木亮平
―レースを振り返って
状態があまりよくはなくて、最後の公園内は厳しくなると思っていたので最初から攻めを走りをして最後どれだけ粘れるかだと思って走りました。
―自身の状態については
印西ハーフを3週間前に走った疲労もありましたけど、その前からいろんなとこが痛くなったりするのが続いていて、印西の後も状態を上げようとはしましたけど、上げきれずに臨んだ形ですね。
―レース展望については
最初は速いペースで入って、15キロまではいいペースで行けてましたけど、その後は一気に疲れが来てしまったのが課題です。
―自身より上位だった福田選手や矢嶋選手については
矢嶋は昨年もずっと同じようなレースができていて、僕がずっと意識している存在だし、印西でも3秒差で負けてたので勝ちたかったですけど、力の差は感じました。 兼士は昨年は走れなかったり、ハーフを苦手としている面もありましたけど、しっかり結果出してきたので、やっぱりまだまだ僕も練習していかないと、差は広がるだけだと思いましたね。
―2月上旬に行われた印西ハーフについては
印西は直線10キロを往復して帰ってくるレースで、前半は風がものすごく強くて、スローで進んでしまい、入りは32分ぐらいで、このままではダメだなと思って、折り返したときに、僕が出てその後は3分ペースで刻んで、後半は30分ぐらいにできたので、タイムは全然ダメですけど、収穫ある内容でした。
―箱根が終わってからどういった練習をしてきましたか
距離を踏みなおしたり、地道な練習をやってきました。 走りの動きなどはまだ噛み合ってないので、力を伝えられるように、補強を増やすことを個人的にやってきました。
―新主将に就任した鹿嶋(隆裕、経3)選手について
鹿嶋さんは今状態悪くて練習で引っ張るのは厳しいですが、やっぱりすごい責任感が強くて頼れる存在だし、優しくて後輩も接しやすいと思うので、今は精神的な柱でもありますね。でも本当の力はある方なので、これから状態を上げて背中でも引っ張ってくれると思います。
―今年への意気込みを
昨年は1年目に比べたら手ごたえのある1年でしたけど、春は全然結果が出なかったり、秋ももうちょっとタイム出せたかなと思うので、今年3年目となるので主力となって3大駅伝だったりでチームに貢献できるような走りをしたいと思います。
ロードに適性を見せる鈴木がチーム内3番手で続いた
磯田和也
―今日のレースを振り返って
予定よりもだいぶ速い入りで不安はありましたが、臆せずそのまま突っ込むことのできたレースだったと思います。足がつったり腹痛を起こしたりとアクシデントの多い日でしたが、なんとか自分なりにはまとめられたかなと。点数で言うなら70点くらいですね。
―どのようなレースプランを
大体5km15分10秒を目安にイーブンで刻んでいって、後半徐々に上げていくというプランが理想でした。
―しかし実際には設定よりも速い、積極的なレース展開となりましたが
下級生たちが自分よりもどんどん前に行くのを見て、負けられないなと。オーバーペースということは承知していたのですが、先輩の意地というのが勝ってしまいましたね。しかし最終的には、その積極性が結果に繋がる形となったので、今日のレース展開については後悔していないです。むしろ良かったと思っています。
―昨シーズンから下級生に勢いがありますが、磯田選手から見たチームの雰囲気は
自分たちの世代で箱根を走ったのが細川だけということで、非常に不甲斐なさは感じていたのですが、それと同時に新4年生が奮起する良いきっかけにもなりました。今の新3年生は特に力があるので、それを中心としてチームが回っている気がします。下は「追いつけ追い越せ」の精神で、上は「後輩に負けていられるか」といった感じで。緊張感があっていい雰囲気だと思います。
―昨季は箱根メンバーから外れてしまう悔しい結果となりましたが
故障なく練習は積めていたのですが、それがなかなか結果に繋がらない苦しいシーズンでした。昨季は焦りもあってか精神的にやられるレースが多かったのですが、今季に入ってからは上手く吹っ切れることができ、目の前のレースに集中出来ているなと実感しています。なので今年こそはという感じです。
―磯田選手にとってのラストシーズン、どのようなものにしていきたいですか
まずは箱根を走ることが第一で、それに向けて4年生として何が出来るかをしっかりと考えていくシーズンにしたいと思っています。自分自身もまだまだこれからの存在だと思っているので、積極性を忘れず、自分なりの形でチームに貢献していきたいです。
磯田は2年ぶりに自己ベストを更新
フォトギャラリー
- スピードランナーの福田がついにハーフで結果を出した
- 体調を崩して箱根を走れなかった矢嶋はチーム内2番手でゴール
- ロードに適性を見せる鈴木がチーム内3番手で続いた
- 磯田は2年ぶりに自己ベストを更新
- 昨秋のトラック種目に続きハーフでも自己ベスト連発の狩野
- 大畑は2週間前の印西ハーフから2分以上タイムを縮めた
- 法大の1年生の中で最上位に入った松澤
- 阿部はトラックシーズンでの3000mSCにも期待がかかる