【バスケ】リーグ戦直前インタビュー~目指すは「全勝昇格」~
2017年8月30日(水)
法政第二高等学校
悲劇的な3部降格から1年。2部昇格、そしてその先の1部昇格に向けた戦いが始まる。今回は1部、2部、3部を全て経験し、今季の精神的支柱となる3、4年生から3人ずつをピックアップし、インタビュー取材を行った。
【リーグ戦概要】
今季の3部リーグ戦は来季からのリーグ再編成に伴い、従来の3部上位2校と2部下位2校の入れ替え戦ではなく、3部上位4校の自動昇格となる。さらに、今季から選手の育成を目的とした関東学連主催のDevelopment League(通称Dリーグ)が発足し、法大からは10人の選手が、1~3部の育成選手とリーグ形式で対戦する。
選手インタビュー
植村哲也(文4)・戸堀勇吾(文4)・柳川知之(法4)
―現在のチームの雰囲気、ご自身のコンディションについてお聞かせ下さい
植村:チームとしては、合宿でいろんなチームと試合を重ねて勝つ試合が多かったので、リーグ戦につながるかなとは思いますけど、どうしても気を抜く時間帯があるので、しっかり意識統一をしてのぞむべきですし、僕自身としては、今までポイントガードをやってたんですけど、合宿から2番ポジションで点を取りにいくということを要求されたので、今までと違うポジションでつかみきれない部分もありましたが、徐々に慣れてきました。点を取るのは得意なので、自分の長所として出していきたいです。
戸堀:去年のように1人が38分出たりとかではなく、プレータイムがシェアできてるのはいいことだと思います。あとオンオフの切り替えが大事だと思っていて、それは個人の課題でもあります。
柳川:僕が見る限りはみんながのびのびとやれてるのがいいと思います。ただ細かいミスが出てしまう部分があって、それは負ける原因にもつながるので、そういうところを意識していけばいいんじゃないかと思います。
―柳川選手は昨季、コーチから激しく叱責される場面も見られました。今季はのびのびとプレーすることができているのでしょうか
柳川:その分個人の責任が大きくなりました。僕は今試合に絡んでいませんが、長いリーグ戦中何が起きるかわからないので、何かあったきにしっかり出てプレーできればいいと思っています。
―リーグ戦では最上級生である4年生のメンタルが重要になってくると思います。それぞれチームの中でどういった役割を担っていきたいですか
植村:リーグ戦での僕らの敵は油断や慢心だと思います。Bリーグを経験した下級生もいますし、そういった自信が油断にならないように声かけしていかなければいけないのと、リーグ戦はどの大会とも違う雰囲気なので、下級生中心のチームのうちは経験してきた僕らが試合の入りなど大事な局面をリードしていくのが大事だと思います。
戸堀:去年もそうですけど、気持ちの浮き沈みが大きくなってしまう場面があるので、もし負けてしまって気持ちが落ちてしまったときに沈むことがないように、常に精神的支柱になっていけたらと思います。
柳川:4年生としてベンチに入れさせてもらってるので、さっき言ったように何か起きたときに自分の役割が果たせたらいいと思っているのと、後輩が多く出る試合が続いているので、後輩に声かけをして少しでも助けになれたらと思っています。
―戸堀選手、柳川選手は昨季インサイドとして、ほぼフル出場されていました。今季はプレータイムが限られることが予想されますが、コート上ではどういったプレーで貢献していきたいですか
戸堀:個人的に外でうろちょろしてしまう場面が多くなっているんですが、もしミスマッチになれば、確実にインサイドで点を取れるようなプレーができたらと思います。(―外でのプレーが多くなっている理由は)ガードのドライブが増えて、外でスペースを広げる場面が増えたからだと思います。
柳川:今年は去年のローポストに入れるかたちよりは、流れの中でピックを使っていくかたちが多いのですが、僕は去年のローポストから攻めるというのが抜けきれてなくて、迷ってしまう流れを悪くしてしまう場面が多いかなと思うので、ピックからシュートやパスをするということを迷いなくしたいです。あと2部よりも小さい選手が多いので、リバウンドで圧倒していきたいです。
―昨季多く見られたローポストからの1on1中心のオフェンスは柳川選手としてはやりづらかったのでしょうか
柳川:コーチ陣にやれと言われてやっていたので、そういった意味で今考えたら楽だったのかもしれません。でも今年は自分で何をやりたいかは自分で決めるということで、去年とのギャップに少し混乱してしまいました。本当は4年生でそんなことはあってはいけないんだとは思うんですけど。合宿では後輩たちがピックをうまく使っていて頼もしく思えた部分もあるので、自分は後輩たちができなくなったときに自分のできることをしてフォローができればと思います。
―植村選手は今季のピック主体のスタイルにはどういう印象をお持ちですか
植村:ピックを使うことで、去年のようにパスが止まることがなくなってアウトサイドでフリーで打てることが多くなりましたし、練習試合での得点も去年と比べて30点近く上がっていると思います。そういう意味でも、ある意味軽いオフェンスができているのでやりづらさは感じないですね。ドライブできないとか、みんなが横を見ちゃうことがないので。ただセンター陣がローポストでやりたいっていう声があるということは、そういう時間帯も必要だと思うので、そういうオフェンスの緩急とかは経験してきた僕が後輩のガードに伝えられたらと思います。
―能力は高いがまだ荒さも見られる下級生ガード陣を植村選手はどうコントロールしていこうと考えていますか
植村:最近思うのは、本当に優れたガードだとは思いますけど、ターンオーバーが多いかなと。僕も下級生のとき散々ターンオーバーしたんですが、それは経験の少なさでくるものだと思うので、このリーグ戦でのターンオーバーが多くなるということは考えられます。ガードがボールを持つ時間が長くなるのは悪いオフェンスなので、ボール離れを早くするのがターンオーバーの減少につながると思うので、そこは僕がこの3年間でミスしてきたところを伝えるだけ伝えて、あとは任せるしかないです。
―そういった点ではやはり、ポイントガードができないことはもどかしいのではないですか
植村:そうですね。合宿中は気持ちが乗らない部分がありました。ガードは経験が全てだと思うので、最後のリーグ戦を下級生に任せることは多少なりとも不安はありますが、全力でサポートできればと思います。
―1部リーグを経験した者として、下級生にどういったことを伝えたいですか
植村:昨季2部を経験して、1部との違いで感じたのは、1部の選手は練習からかなりの競争を勝ち抜いてきていて、1つのミスで試合に出られなくなるとかそういう場所でプレーしている選手だと思うので、一つひとつのプレーの覇気が違うなと思いました。その点僕らはレギュラーの選手が試合中気を抜いたりとかもあるので、そこは今から練習でなおしていくべきところだと思います。
戸堀:スター性のある、バスケットのレベルの高い選手が多くて、伝えたいことと言ったら、間違いなく全チーム法政より強いから心してかかった方がいいということですかね(笑)。
柳川:2部もそうでしたがフィジカルが強かったというのが1番で、簡単にはじき返されたりするので、もっとつぶかり合いに慣れておけば、1部でもやりやすくなるんじゃないかと思います。
―最後に改めてリーグ戦での目標をお願いします
植村:リーグ戦で全勝というのはもちろんなんですが、今年は2部のチームと順位決定戦があるので、そこを入れ替え戦だと思ってやりたいです。僕らがここまできてしまったのは入れ替え戦が全てなので。失ったものを取り返すには2部のチームに勝たなければいけないので、そこをしっかり戦いたいと思います。
戸堀:バスケ人生最後なので、満足して終わるというのが個人的目標で、下級生にとっては2個上のディビジョンまで見据えた試合ができれば、また強い法政が再建できると思います。
柳川:バスケは学生で終わるので、そこで悔いを残さないようにしたいのと、僕は試合に多く絡む立場ではなくなっているので、自分ができることを考えてそれを実行していきたいと思います。
金剛鉉(文3)・竹内悠貴(法3)・玉城啓太(法3)
―現在のチームの雰囲気、ご自身のコンディションについてお聞かせ下さい
金:試合はリーグ戦のメンバーとDリーグのメンバーに分けてるんですけど(金はDリーグのメンバー)、Dリーグの方もやろうという雰囲気になって、監督の方も士気を高めてくれてます。「こっちはこっちでかんばろう」という感じで盛り上がってます。
竹内:合宿の10日間でディフェンスなどの意識が高まってきて調子はいいです。合宿中、リーグ戦のメンバーとDリーグのメンバーで紅白戦をしたりして、Dリーグのメンバーに僕ら(リーグ戦のメンバー)が負けたりすることもあって、チーム内でお互いが向上できていてとてもいい雰囲気でできていると思います。
玉城:自分はけがしていて最近チームに加わったのですが、チームの状況はDリーグの方しか分からないんですがいい雰囲気だと思います。
―Dリーグでは上位リーグのチームとも試合ができるとのことですが、Dリーグのお2人(金、玉城)のモチベーションも高いのではないでしょうか
金:今年がはじめてらしいので、絶対優勝しようということでやってます
玉城:強いチームとできてやりがいがあるなという感じです。
―稚内で合宿をされたということですが、テーマなどはありましたか
竹内:チームの士気を高めるということで、最終日の2日前ぐらいの夜にバーベキューをやったり、次の日の午前中は山を走ったり野球をやったり、みんなで楽しもうという感じでした。チームは分かれてるけど、去年に比べて壁はないって感じですかね。
―過去2年間でついてしまった負け癖は、今季解消されましたか
金:去年は試合の前から負ける雰囲気があったんですけど、今年はそんなことなく、最初からみんなで勝ちに行こうぜという感じなので、負け癖はないですかね。
竹内:合宿中の練習試合もほとんど勝ってて、去年よりは勝ちにこだわってやってるかなという印象です。去年はどう怒られないようにやるかとかを考えてしまっていたのですが、今年は勝つことだけを考えて全員が一つになっているという感じです。
玉城:去年と比べたら勝ててると思いますが、関東の格上のチームには勝てていないので、そこをなんとかできたらいいなと思います。
―竹内選手はプレシーズン好調ながらも、故障でトーナメントに出場することはできませんでした。悔しい思いをしたのではないですか
竹内:でもけがしていい準備期間になったかなと思います。外からチームを見ることもできたし、ウエイトもできたので。充実してました。
―玉城選手は昨季主にシックスマンとして活躍しました。スターティングメンバーとベンチスタートのどちらがやりやすいですか
玉城:ベンチからですかね。(―その理由は)特にないですけど、流れを変えるという意味ではかっこいいかなと(笑)。
―この世代は1部~3部のリーグを経験した世代となります。特殊なキャリアだとは思いますが、その点をどうお考えですか
金:一部でやっているときにまさかここまで落ちるとは思ってなかったです。でも、1部2部3部ときて、そこからまた2部1部と上がっていくというのは他の大学では絶対できない経験ですし、プラスにとらえるしかないかなと思っています。
竹内:1年生の時に少し試合に絡ませてもらって今年からまた出させてもらえるということで、この2年間いろいろありましたが、なかなかできない経験なので、この状況を楽しんで、自分にできることを考えていきたいと思います。
玉城:入れ替え戦は普通の試合と違って緊張感も違って、一番経験を積めるところだと思っているので、自分的にはプラスに考えています。毎年入れ替え戦になっていますが、そこで自分が成長できればいいと思っています。
―1部リーグを経験した者として、下級生にどういったことを伝えたいですか
金:1部と2部では激しさも違うし、2部と3部でも激しさはかなり違うと思うので、もし自分たちが最後1部に上げられたら、一生落ちないチームをつくってほしいと思います。
竹内:メンタル面でもフィジカル面でもタフさが必要だと思っていて、苦しい時間帯にどれだけ体を当てられても負けない力とか、ディフェンスも2部と1部では全然違うので、メンタルとフィジカルとディフェンスの3つのタフさが必要になってくると思います。
玉城:外から見ててどこもチームもすごいなと思ってたんですけど、今の下級生も1部でやっていけると思うので、自分たちが最後上げて1部でやらせてあげたいと思います。
―最後に改めてリーグ戦での目標をお願いします
金:リーグ戦メンバーはDリーグのメンバーと試合したときは競ったりするんですが、リーグ戦ではそんなことのないように、圧倒的に勝ってほしいですね。
竹内:試合に出てる上級生が少ない中で、自分が上級生としてスタートで声を出してリバウンドを積極的に取ったりして、流れをつくって下級生がやりやすい環境をつくっていきたいです。
玉城:自分も(リーグ戦メンバーに)加わったらチームに合わせられるようにがんばります。
フォトギャラリー
- 台頭する下級生の陰に隠れがちな上級生だが、各々自分なりのやり方でチームを支える(左から戸堀、植村、柳川)
- 金、玉城は発足初年度Dリーグへ、竹内は故障明けから満を辞しての復帰(左から金、竹内、玉城)
- 植村は自らの豊富な経験を後輩ガードへと継承する
- 昨季はハッスルプレーでチームを支えた戸堀。今季も「精神的支柱」として君臨する
- 柳川はチームオフェンスの転換に戸惑いつつも、「自分のできること」でフォローする
- 金はDリーグでの戦いとなるが、モチベーションは高い
- プレシーズン好調だった竹内には大きな期待が寄せられる
- Dリーグでの開幕となる玉城だが、リーグ戦でもその爆発力を見せたいところ