【フィギュア】関東学生選手権 ルーキー小林諒真が表彰台獲得!男子は団体2位に!!
関東学生フィギュアスケート選手権大会
2017年6月2日(土)、3日(日)
東大和スケートセンター
渡邉直弥(通3)、宮田大地(文3)、山口萌々奈(通2)の棄権が発表された今大会。法大から4名の選手が出場し、ルーキー小林諒真が大学初の大会で表彰台に上った。また、男子1部団体ではルーキー2人で2位となるなど、底力を見せつけた。インカレに向け、団体戦においても期待が高まる大会となった。
試合結果
個人結果
クラス | 選手名(学部・学年) | 順位 | 得点 |
---|---|---|---|
男子7,8級 | 小林諒真(営1) | 3位 | 55.41 |
〃 | 小林建斗(文1) | 10位 | 45.34 |
女子6級 | 阿部芙弓奈(キャ1) | 9位 | 61.16 |
女子4級 | 加藤真美子(文3) | 11位 | 34.25 |
男子一部団体結果
順位 | 学校名 | 得点 |
---|---|---|
優勝 | 明治大学 | 71 |
2位 | 法政大学 | 21 |
3位 | 日本大学 | 16 |
戦評
大学では初、そして約2年のブランクを経ての大会出場となった女子6級の阿部芙弓奈。滑走前は緊張もあったと話したが、先輩や仲間たちの温かい声が心の支えとなった。「今までの試合は先生と一対一の緊迫した感じでしたが、リングサイドで声をかけてくださるとすごく心強い」と、これまでとの違いを感じ、強い気持ちで試合に臨んだ。
冒頭の2ルッツ2トゥーループを成功させ、上々の立ち上がりを見せる。その後2アクセルが決まらず本人は焦りを感じたと話したが、素早い修正でミスを最小限にとどめた。阿部は安定した滑りを見せ、転倒も無くジャンプを次々と成功。キレのあるステップを披露し、初戦としては上々の滑りを見せた。
得点は61.16で全体の9位。久々の実践で上位に食い込み、最先の良いスタートを切った。今後の課題はコンビネーションなど細かい部分を修正し、約2年のブランクにより失われた体力をもう一度付けていくこと。満足のいく最高の演技を氷上で見せ、2人の男子のルーキーと共に法大フィギュア部門に新しい風を吹かせたい。(岡崎祐平)
指先まで洗練された演技を見せた
法大入学後、初の大会出場となった男子7.8級の小林建斗。滑走前、緊張はしていたものの、楽しもうという気持ちも強かったと語った。
冒頭、3トゥーループ+3トゥーループのコンビネーションを降りた瞬間に足の感覚をなくしてしまう。その後も3フリップは回転不足、アクセルは得点にならず、得意としていたジャンプで得点を伸ばすことはできなかった。一方、スピンやステップは2つ目のスピンは無得点となってしまったものの、その他は足の不具合を感じさせないスピード感のある演技を披露。メリハリのある大人っぽさが溢れた演目に仕上げた。
得点は45.34で全体の10位。今回、小林(建)にとって力を出し切れなかった試合となってしまった。今後の課題としては、「レベルの高い練習を積む分、ちゃんとしたケアをしないと今回みたいになってしまうなと思った」と体作りの強化を語る。次こそは満足のいく演技を見せライバルの小林(諒)と共に表彰台に登ることを目指す。(下石川愛実)
演技後は笑顔を見せた
続いての登場となったのが、小林諒真。青と黒のグラデーションのかかった衣装をまとい、曲は『River flows in you』。ピアノの繊細なメロディーに乗せ、滑らかな滑りを披露した。一本目の3ルッツ+3トゥーループを華麗に着氷させると、続くイーグルから2Aも成功。最後の3Fはダウングレードを取られてしまうも、ステップ・スピンも最後までスピードを落とすことなく滑り切り、透明感あふれる演技を披露した。結果は55.41で3位。初出場の大会で見事表彰台に乗ってみせた。演技後、淡々としながらも「(3位は)素直に嬉しい」と結果を喜んだ小林(諒)。昨季女子世界王者であるエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)がSPで使用したこの曲をどのように仕上げてくるのか、シーズン開幕への期待がさらに高まる。まだあどけなさも残る笑顔を見せる小林(諒)の、大人の演技が見れるだろう。(阿部暁野)
滑らかで伸びやかな滑りは『River flows in you』の音によく合っている
加藤真美子(通3)にとって、編入試験を経て法政の一員として初めて臨んだ公式戦となった。加藤は初めてチームメイトの声援につつまれながら、リンクに立った。
柔らかな雰囲気の曲調、動きで加藤の舞台は幕を開けた。最初のジャンプは目標としていたダブルフリップだったが着氷に失敗し、転倒してしまう。しかし、その後は気持ちを切り替えて計7回のジャンプを成功させた。ジャンプの好調さと裏腹にスピンは思うようにいかなかった。「軸がぶれてしまった」と振り返るレイバックスピン、回転不足と判定されてしまったフライングキャメルスピンに対し、加藤は悔しそうな表情を浮かべた。
加藤の順位は4級11位。目標としている5級昇格にはダブルジャンプの成功とスピンの精度の向上が欠かせないだろう。中でもダブルアクセルという大きな目標を達成できるか。今後の加藤の成長から目を離せない。(高野茜)
柔らかな演技を披露した加藤と、それを見守る選手たち
選手インタビュー
小林建斗
ー今日を振り返って
緊張はしていたんですけど、楽しもうという気持ちがありました。動き自体は悪くなくて、最初の3回転-3回転も綺麗に跳んだんですけどそのあと降りた瞬間に足の感覚がなくなってしまいました。僕は試合でなかなかアクシデントをしたことがなかったので、足の感覚がなくなりすごい焦ってしまって。もう普通に跳べないって思ってそこから何も出来なくなってしまいました。多分メンタルが弱いとかじゃなくて、単純に試合に臨むための体作りが今回はできていなかったんじゃないかなと思います。これまでスケートをこれだけやってきたのに今頃こんなことやるなんて本当に情けないなと思い反省しています。
ー周りの方からの声は何かありましたか。
みんな法政だけでなく他の大学の先輩とか同期とかも「足大丈夫?」と心配してくれました。やっぱりなんかそれを言い訳にしたくないんですけど実際、準備できてなかったのは自分だから悔しいですね。絶対にその足のことがなければ、動き自体も良かったしアクセルも滑れていたのでいい演技できたはずなんですけど、非常にもったいないなと思いました。
ージャンプの他に、スピンはいかがでしたか。
スピンもしっかり取りこぼさないようにやったつもりだったんですけど、2つ目のスピンがなぜかわからないんですけど、点数がなくなってしまいました。そこはちょっと原因がわからないんですけど、ただ他の2つのスピンはちゃんと回転するとこ気をつけてここでちゃんと点数稼がないとなと思って慎重にやりました。
ー今後の目標は体力作りの他に何かありますか。
そうですね。やっぱりトリプルアクセルの練習をしていて、その分体の疲れもとても前より多くなるし、ちゃんとケアをしないと今回みたいになるんじゃないかと思いました。特に今回の入賞なんかは本当に(小林)諒真のお陰でできたことだと思うし、僕は正直今回はなにもできなかったので、ちゃんとお互いライバルとして切磋琢磨しながらもっと2人で上を目指して行けたらなと思っています。
小林諒真
―今日の演技を振り返って
あまり調子が上がらない中で、3回転+3回転が跳べたのと、演技的にはまとめられたのが良かったかなと思っています。フリップが跳べなかったのでそこが決まればもうちょっといい点数が出たかなとは思います。
―最後のフリップが失敗した要因はありますか
先生にも言われているんですけど、もともと体が歪んで跳んでいるので、それを直して習得しなくちゃいけないとは思います。
―3位という結果はどのようにとらえていますか
初めて出た大会で3位になれたというのは嬉しいです。
―大学の大会の雰囲気はいかがでしたか
普通の試合とちょっと違ったので、結構不安とかもあったんですけど楽しくできました。普通の試合は観客席で応援とかしてくれるんですけど、関カレはリンクサイドで応援してくれるので、いつもと違う感じでした。
―『River flows in you』という曲にイメージすることはありますか
ピアノで結構切ないような感じなので、あんまり元気とか明るい感じじゃなくて悲しい感じを出せたらいいなとは思っています。
―今後の課題をお願いします
ノーミスをすることがSPでは大事だと思うので、できるようにしていきたいと思います。
―今後に向けて
まだシーズンも始まってないので、良いプログラムを皆さんに見せられたらなと思います。
阿部芙弓奈
ー演技前のコンディションはいかがでしたか
割と調子は良くて、滑走前は落ち着いてできたかなと思ったんですけど、ちょっと早まってしまっていたので焦りました。
ー大学生活初の大会となりましたが緊張は
復帰して滑り始めてから2カ月ちょっとで、それで2年くらい大会に出ていないので緊張はあったんですけど、転ばなかったので良かったです。
ー衣装にこだわりはありますか
昔使っていた衣装をそのまま大きくしてもらったんですけど、着るときにお花を広げて、結構そこがお気に入りです。
ー滑走前、法大の選手の皆さんが見守っていましたが、どんな言葉をかけられましたか
「頑張ってね」と言われて手を握ってくださって、今までの試合は先生と一対一とかで緊迫した感じでしたが、リンクサイドでこう声をかけてくださるとすごく心強いです。
ー今日の滑りはとても安定しているように見えました。振り返っていかがですか
6分間練習で上手くいったダブルアクセルが最初決まらなくて、そこで焦ったんですけど、本番で降りられたので、コンビネーションとかが少し抜けちゃっているんですけど、上手くまとめられていたので良かったです。
ーステップも綺麗にまとまっていましたね
東大和は標高が高いみたいで、いつも滑っているリンクより疲れたように感じて、ステップで足がフラフラしそうになったんですけど、滑り切れて良かったです。
ー反省点は最初のダブルアクセルなどでしょうか
それもありますし、着地が両足になってしまったところがあったので、もう一度ジャンプを正確にしていきたいと思います。
ー次回に向けての意気込みをお願いします
次は、今回はコンビネーションが2本くらい抜けてしまっているので細かいところもしっかりできるように、あとはステップとかをしっかり踏めるように体力をつけていきたいと思います。
加藤真美子
ー今日の演技を振り返って
今日はいつもできるスピンを失敗してしまったのでとても悔しいです。レイバックでも軸がぶれてしまったり、フライングキャメルもぐらついってしまったりしました。回転数が足りなかったので悔しいです。スピン以外では目標にしていたダブルフリップうまく降りることができなかったです。そのあとはシングルジャンプが残っていたのでいつも通り落ち着いて跳びました。
ー今日の試合は緊張しましたか
全然しなかったです。法政のみんなが「頑張ってね」って声をかけてくれました。今までは1人でやっていたので他の部員がいなかったんですよね。だからみんなの応援があたたかく感じました。
ー『Reflection from Moolan』を選曲した理由は
キム・ヨナ選手(韓国)のエキシビジョンを見てとてもいいなと思ったのでこの曲にしました。私のコーチは自分の好きな曲を滑ってという方針なので自分で選びました。
ーシンクロとの兼ね合いは
今までシングルをメインでやってきました。短大で部活でも1人だったんですけど1年生の時に青山学院大学のスケート部に入れてもらおうか考えていて見学に行きました。そこでシンクロやっている人がいてその人に誘ってもらいました。シンクロがすごく楽しくてそっちのチームに入ったので結局シングルとして青学のチームには入らなかったです。
ー法政の選手と元々面識はありましたか
私は新横浜のスケートリンクで練習しているんですけどそこで小林諒真くんも練習していたので知っていました。同じチームなんですけどクラス、級が違うので一緒に滑る機会はあんまりなかったです。でもお互い面識はありました。
ー編入生として3年生で法政のスケート部に入部すると決めた時のお気持ちは
みんな7.8級だったので大丈夫かな、と思って不安でした。でもみんな穏やかでとてもいい雰囲気です。
ーこれからの目標は
私は5級に向けてフリーを残しているのでフリーを受かるために5種類のダブルジャンプをプログラムに入れていけたらいいなと思っています。まずは5級を取得したいです。昔練習していたダブルアクセルをまた跳べるようにしたいなと思っています。
フォトギャラリー
- 3位入賞となった小林(諒)
- 完成度の向上が非常に楽しみなプログラムだ
- 1本目のジャンプで会場を沸かせた(小林建)
- トラブルに見舞われながら最後まで滑り切った
- 復帰戦とは思えない動きを見せた阿部
- 最後まで丁寧に滑り切った
- 女性らしい演技が魅力の加藤
- 長い手足を活かしたスピンで会場を沸かせた