【陸上競技】第101回日本選手権リレー競技大会 「表彰台に乗り続けなければならない」チームが厳しい結果に
第101回日本選手権リレー競技大会
2017年10月27日(金)~29日(日)
日産スタジアム
リレーの日本一を決める今大会、3連覇中の4継は予選敗退、1、2年生のオーダーで臨んだマイルも6位に沈み、非常に厳しい結果となった。
試合結果
種目別結果
種目 | ラウンド | 組 | 選手名 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|
男子4×100mR | 予選 | 1 | 平山裕太(経3) | 40秒06 | 4着 |
勝瀬健大(社2) | |||||
小林圭介(経3) | |||||
川辺隼也(スポ3) | |||||
男子4×400mR | 予選 | 3 | 樋口一馬(経1) | 3分9秒24 | 2着 |
江藤拓都(経2) | |||||
高田一就(スポ2) | |||||
伊深愛生(スポ1) | |||||
決勝 | 樋口 | 3分9秒13 | 6位 | ||
江藤 | |||||
高田 | |||||
伊深 |
戦評
大会3連覇中の男子4×100mRは大瀬戸一馬(平28年度卒=現安川電機)、長田拓也(同=現富士通)の二大エースが抜け厳しい戦いが予想されていたが、ディフェンディングチャンピオンとしての意地を見せたいレース。1走の平山裕太(経3)が4番手でつなぐと、2走はシーズン後半に調子を上げてきた勝瀬健大(社2)。関東インカレ以来の2走だったが、「自信がついてから初めて」のエース区間で先頭に引けを取らない走りを見せる。3走の小林圭介(経3)がコーナーの出口に差し掛かった時点では3番手につけていたが、4走の川辺隼也(スポ3)とのバトンパスが1回ではまらず。ここで4番手に順位を下げると追い上げも届かず。40秒06はチームのシーズンベストであったが、プラスでの決勝進出には0秒08及ばなかった。
男子4×400mRは日本インカレからオーダーを2人変更して臨んだ。予選では1走の樋口一馬(経1)が外側のレーンながら後半も粘りの走りで3番手につけると、2走の江藤拓都(経2)は大会6連覇を狙う早大との先頭争いを展開する走りをみせバトンをつなぐ。3走の高田一就(スポ2)も早大に食らいつき、着順で決勝進出できる2位でキープして迎えたアンカーは伊深愛生(スポ1)。後続の順大に迫られるも、最後の直線で振り切り2着でゴール。無事に決勝進出を果たし、タイムは全体で2番目となった。
大雨の冷え込んだコンディションの中行われた男子4×400mR決勝。予選と同じオーダーで臨んだ決勝。 レース序盤から先頭争いから遅れてしまい、2走の江藤がバトンを渡した時には6番手と厳しい展開に。 3走の高田、4走を走ったルーキーの伊深が必死に前を追うも順位を上げられず6位に終わった。 2走を走った江藤が「エース不在」というように流れを変えられる選手がいないことが顕著に現れた。 優勝した東洋大はオリンピックにも出場したウォルシュジュリアンジャミィ。2位の早大にも大エース加藤修也。互いにエースが躍動をみせチームに結果をもたらした。 法大は上級生がけがやコンディション不良で急遽組まれた1、2年生の若いチーム。来年を見据え、早急にエース台頭が求められる。(小島雄太、濱口隆太、渡辺拓海)
監督・選手インタビュー
苅部俊二監督
―まずは4継について、バトンミスもあった中で40秒06というタイムでしたが
失敗した中でっていうよりも、ああいうことがあっても決勝には残らないといけないし、ディフェンディングチャンピオンなので、3連覇しているので、今回メンバーは変わったとはいえ予選落ちっていうのはあまり喜べない結果なので。満足はしていないですね。
―勝瀬選手は関東インカレ以来の2走でしたが好調ゆえの起用でしょうか
調子を見てですね。あと1走も考えたんだけれども平山を1走に使うっていうことで。あまり平山の調子が良くなくて、バトン練習ができていなかったので、今までやってきたところで、練習を少なくするために今回の走順にしたっていう感じですね。
―続いてマイルについて、3年生の片山雄斗(スポ3)選手が起用されませんでしたが
けがですね。
―1、2年生で構成されたオーダーで、法大としてのシーズンベスト(3分9秒15)を上回るタイムを記録しました
まあシーズンベストが遅いので、満足していないですね。彼らの力だったらもっといけるので。シーズンベストでもいいタイムではないです。
―アンカーで起用された伊深選手は100mから400mまで幅広くこなせる選手ですが、今後リレーとしてはマイルが中心でしょうか
まだわかんないですね。4継もやるかもしれないし、短いのもいけるので。足に不安があるので、今後の起用はちょっと考えないといけないかなっていうのはあります。
―個人種目では100m寄りか、400m寄りかというのはあるのでしょうか
一応いま200mで考えているので、100m寄りでも400m寄りでもないですね。
―リレーチームの今後の課題を
今後はもう課題は満載で、まずは個々の走力を上げるしかないですね。弱いですね今は。本当に力がないに尽きますね今回の結果は。もう1ランク2ランク力を上げていかないとだめだと思います。今のところで甘んじているようなチームではないし、選手ももっと上を目指せるポテンシャルを持った選手たちなので、このレベルで喜んでいるようだったら来年は厳しいと思うので。今回(マイルは)入賞しましたけど、去年とかおととしはもっともっと上位に入っているし、うちはいつも表彰台に乗り続けるチームでなければいけないので。それを考えると今回の結果を我々、選手含めてしっかりと受け止めていかないといけないなと。今回の結果は厳しく受け止めています。
勝瀬健大
―惜しくも予選敗退となりました
(エントリータイムでの)ランキングが最下位だったので、惜しいところまでいったっていう成果はあったんですけど、バトンが最後3走から4走のところでごちゃっとしちゃったんですけど、今までで1番良かったので、タイムで全カレや日本選手権リレーの標準を切れたので最低限のラインを切ったかなという感じはあります。
―1組目は比較的レベルの高い組となりましたが
自分は組をあんまり見ないので。とにかく自分の走りを今回やればいいかなという感じで、2走の中でよく走れるようになればいいかなという感じだったので、そしたらつながると思いますし。バトンが法政はしっかりしたバトンなので、とりあえず1人1人の走力が結構だめなので、1人1人が良くなればちょっとずつつながってくるかなと思います。まずは自分がしっかり走れるようにっていうことを意識しました。
―2走での出場でしたが
関カレでやってたんですけど、関カレの時は全然走れてなくて、全カレと新人戦とタイムが上がってきて、自信がついてから初めての2走だったので、楽しみではあったんですけど、9レーンだったのであんまりわからなかったです。
―関東新人の話が出ましたが、得意の100mのみならず200mでも優勝を果たしました
200mは昔から適当に出てたまに結果をぼちぼち出すこともあって、あんまり出たいとも思ってなかったんですけど(笑)。でも「出たくない出たくない」と言いながら、当日になって200mを観るとやっぱり出たかったなってなることが多かったので、来年関カレ、全カレは100mと200mで戦っていきたいので、そのためにタイムは残したいなと思って出たんですけど、予選が1番(感触が)良くて。20秒いけるかなと思ったんですけど、ちょっと大雨と疲労で。
―100mの持ちタイムはチームトップですが、今後エースとしてのビジョンは
10秒4じゃまだエースって言えるほどでもないですし、自分としては関大戦があるのでここでしっかりベストを出そうと、この試合で本数も少ないのでいい刺激にもなって、関大戦に持っていこうかなと思っていて。10秒3くらい出して気持ちよく(今季を)終われたらなっていう感じです。あと来年入ってくる予定の子が速くて、自分が下の立場になっちゃうので、まずは最低で10秒3は出していきたいなっていう感じです。
―今後に向けて意気込みを
来年は本当にがっちりと、2走でもどこ走っても安心して観れるなっていう感じの選手になって。今日も関学の多田(修平)さんが、周りも普通に速いんですけど、あの人が飛び抜けて速くて、あの人で勝負が決まってるなっていう感じだったので、自分がすごく強くなって、リレーを引っ張れるようになりたいです。ちゃんとした力のあるエースになれるように頑張ります。
江藤拓都
―決勝のレースを振り返って
予選は流れよくレースを行えたのですが、決勝は速いチームが集まったということもあって、前半から置いてかれてしまって勝負できずに終わってしまい、チームとしての力は発揮できなかったかなという印象でした。
―結果については
1、2年生の若いチームで初めて臨んだ割には、予選は4位通過。決勝に進めたのはよかったと思います。 ただ、個人の力がまたまだ通用しないなという印象でした。
―今回は来年を見据えてのメンバー編成だったのでしょうか
いや、上級生がけがをしてしまったり、コンディションがあがらなかったりで、急遽臨んだ感じです。
―個人の走りについては
予選はいい走りだったのですが、決勝は置いてかれてしまったこともあって、焦りなどが見えてしまいました。結果としては、自分の走りが出来ず、悔しさが残るレースとなりました。
―決勝では、優勝した東洋大、2位の早大に約2秒離されてしまいましたが
実力としては、この通りだと思うのですが、チームとしてエース不在なのはとても大きいことだと思います。個人のシンプルな走力でも差が大きいと思うので、そこを埋められるようにしたいと思います。
―来年の目標は
個人としては、関カレ、全カレで入賞できる選手になること。チームとしては上の大会で優勝できるようにしたいと思います。
高田一就
―レースを振り返って
(バトンを)もらった位置があまり上位ではなかったのですが、4走が1年生だったので良い位置で渡さなければいけなかった中で、順位を上げることもなく下げることもなく渡してしまったのは反省です。
―雨の中でのレースでした
雨の中の方がチャンスはあると思っていたので、それほど影響はありませんでした。でも、実力のあるチームは雨の中でも実力を発揮していたので、自分たちはまだまだ実力不足だなと思います。
―予選を振り返って
(予選では)タイムが良かったので良い位置を狙えるかなと思ったのですが、悪いレース展開になってしまいました。
―インカレからメンバーが変わりましたが
エースの片山さんが怪我で出ることができなくなってしまったので、急遽僕が入りました。メンバーを変えた中でもインカレよりもタイムを上げていたので、来年再来年と順位を狙えるようにしていきたいです。
―ハードルとの兼ね合いに関しては
400mハードルの選手でもマイルに絡んでいけるようにならないと本種目の方もレベルアップできないと思うので、400mハードルの選手でもマイルに絡んでいきたいです。
―チームとしての走りは
1走が1年生で、タイムは良かったのですが順位を上げることができませんでした。2走は江藤が頑張ってくれたのですが、下位でレースを展開してしまったのもあり、上位に食い込むことができませんでした。
―この大会での目標は
まず決勝に残るということです。予選では決勝に残ること、決勝では表彰台に上がることが目標でしたが、決勝に残れたのは良かったと思います。
―次の大会に向けて
次は本種目の400mハードルで出るのですが、シーズンラストの試合なので来シーズンにつながるような走りだったり、今シーズンは大した結果を残せなかったので、最後は内容の良いレースをして終わりたいです。
フォトギャラリー
- 乱れた3走、4走間のバトンパス
- アンカーで追い上げるもかなわなかった川辺
- 予選では早大に迫る走りを見せた
- 終盤、必死にバトンを突き出す樋口
- 樋口からバトンをもらい駆け出す江藤
- 急きょ起用されたが健闘を見せた高田
- 上位から離されてのフィニッシュとなった伊深
- ゴール後、結果を待つ選手たち