【ハンド】平成29年度全日本学生ハンドボール選手権大会 一回戦 法政大32‐29名城大 激戦制し3年ぶり一回戦突破!明日、06年以来の三回戦進出を目指す!
平成29年度全日本学生ハンドボール選手権大会 法政大‐名城大
2017年11月3日(金)
いしかわ総合スポーツセンター
今年も4年生の最後の舞台となる全日本学生選手権(インカレ)が幕を開けた。一回戦の対戦相手は、秋季東海リーグ戦で優勝を果たした強豪校・名城大だ。かねてよりの課題である立ち上がりの悪さが懸念されたものの、試合のペースを握り32-29で見事勝利。3年ぶりの2回戦進出を果たした。
試合結果
トータル試合結果
32 法政大学 |
17 | 前半 | 16 | 29 名城大学 |
---|---|---|---|---|
15 | 後半 | 13 |
メンバー
背番号 | スタメン | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 得点 |
1 | GK | 深井亮太 | 理工3・浦和学院 | 0 | |
2 | CB | 山本晃大 | スポ健2・大分雄城台 | 2 | |
3 | ○ | LB※ | 山本祐輝 | 社会2・浦和学院 | 5 |
4 | ○ | RW | 竹野恭平 | 社会4・法政二 | 5 |
5 | PP | 斎藤航大 | 経済4・浦和学院 | 0 | |
6 | ○ | PP | 下條輝 | スポ健4・法政二 | 2 |
8 | CB | 福本直也 | 経済3・法政二 | 1 | |
9 | RW | 本田拓海 | 社会2・法政二 | 0 | |
10 | LB※ | 黛祐貴 | 経済3・富岡 | 0 | |
11 | LB※ | 沖山葉太 | スポ健3・法政二 | 0 | |
12 | ○ | GK | 仲村充 | 社会3・藤代紫水 | 0 |
13 | RB | 服部流征 | 経済2・高岡向陵 | 0 | |
15 | ○ | LB | 松岡寛尚 | 経済2・藤代紫水 | 8 |
18 | ○ | RB | 内門竜之介 | 経済4・鹿児島工業 | 4 |
20 | ○ | LW | 高間アミン | 経済4・富岡 | 5 |
※はDF専門での出場
戦評
立ち上がりは名城大にペースを握られ、開始5分で0-4。いきなり暗雲が立ち込めたが、6分に松岡寛尚(経2)が決めるとペースを取り戻し、その後も速攻を中心に得点を重ねていく。10分に竹野恭平(社4)が決めて5-5。序盤の出遅れを「その中でディフェンスは徹底すれば守れることなので、しっかりディフェンスで足を動かして緊張をほぐしていき、それで自分たちのペースに乗っていけたのが良かった」と振り返ったのは、この日大活躍の松岡。
相手エースの坂井龍之介に対しては前で当たることを徹底し、徐々にリズムを掴むと、11分に逆転に成功する。その後は一進一退の攻防となり、17分に9-10と逆転を許した法大は、スタメンGKの仲村充(社3)に代えて深井亮太(理3)を投入。直後に相手の速攻をストップし、再び逆転に成功すると、そこからは法大リードの展開が続いた。「今日はクイックリスタートを多用しまして、というのも相手のメンバーを変えさせないことで体力を奪おうという狙いがありました」(佐藤浩監督)。失点を喫してもクイックリスタートを講じる場面が多く、24分にはそのリスタートから福本直也(経3)のパスを受けた下條輝(スポ4)が今試合初得点。守備では深井が相手のシュートをことごとく止め、17-16と前半を1点リードで折り返した。
後半、高間アミン(経4)の連続得点で点差を2点に広げると、42分にも山本晃大(スポ2)、松岡の連取で25-21と4点のリードを得る。しかしその後、名城大にポストシュートを決められると、45分には山本晃が2分間退場を命じられ、厳しい戦況を迎える。息を吹き返した名城大がその後の4分弱で4得点を重ね、48分の失点で26-26。同点に追いつかれてしまう。
「延長戦になるっていう意識はなくて、一点でも多く取って勝つことを考えていました」(山本祐)。ここ2年間、僅差での初戦敗退が続いていた法大ハンド部。同じ轍は踏まなかった。同点で迎えたセットディフェンスで完璧な対応を見せ、名城大をパッシブ間際に追い込んで耐え抜くと、タイムアウトを経て主将の内門竜之介(経4)がカットインから得点し27-26。55分に再び追いつかれたが、その後のピンチを再出場となった仲村がスーパーセーブ。相手LBの引っ張り下へのロングシュートを、右足でなんとか掻き出した。その後の攻撃で、竹野がサイドシュートを成功。30-29とリードを奪い、続くディフェンスで仲村が再びセーブ。
残りは2分を切り、法大のセットオフェンス。粘り強く間を攻めたものの名城大も必死で耐え、パッシブの宣告まで残り僅かまで追い込まれる。ここで内門が強引にシュートを打つと、相手のブロックした球が松岡の所にこぼれ、確実に決めて31-29。続く名城大のオフェンスは、チャージングにより失敗。残りは30秒ほどとなり、ここで法大がタイムアウト。「30秒あれば2点入るスポーツですので。リーグ戦でもありましたが、何をすべきなのか整理しました」(佐藤浩監督)。試合のクローズを徹底させ、最後は山本晃が相手GKの股下を抜く技ありの一発。32-29での勝利で、3年ぶりとなる初戦突破を決めた。
明日の相手は中部大となった。「9m(ライン)の外のシュートだったら全部エラーにみたいになると思うので、今日とはタイプが真逆です。」(松岡)。機動力が特徴の名城大とは、また違った展開が予想される。最後に二回戦を突破したのは2006年。勢いそのままに躍進できるか。(下田朝陽)
監督・選手コメント
佐藤浩監督
―3年ぶりの初戦突破となりました。
トーナメントなので、1点差であっても勝てば良しという試合でした。
―特に序盤は苦しい試合でしたが
終始自分たちのペースで試合をできませんでした。特に序盤はそれを象徴するような展開でしたね。そこから巻き返せましたが、離しきれなかったという部分では相手の執念を感じました。それに少し気後れしてしまった所もあったかなと思っています。
―相手のセットオフェンスに対しての対応は
引くと2番のセンターに、ミドルで打たれるというのがチームとしての見解でした。彼には高く出て、そこでのパスミスを誘ったり、ほかの選手に勝負させようと考えていました。誤算だったのは、2番以外の選手にアンダーハンドから多く失点してしまったことです。ああいったシュートは苦し紛れのものですので、正直な所、GKに防いで欲しかったなとも思います。
―どのような準備をして臨んだ一戦だったのでしょうか
とにかく一回戦を勝つことが重要で。とにかく名城大に勝つことだと。徹底的に研究をして試合に臨みました。2番の選手を守るのもそうですが、今日はクイックリスタートを多用しまして、というのも相手のメンバーを変えさせないことで体力を奪おうという狙いがありました。結果的にはその作戦はうまくいかなかったかなという印象です。その辺りの反省点を踏まえて、明日どうするべきなのかを話しました。
―4年生が要所で活躍していましたが
サイドからもバランスよく決めてくれましたし、竹野などはすごく良かったと思います。逆にフローターのロングが入らなかったのが苦しくなった要因かなという感じです。研究されていたことに対して、少し真っ向勝負しすぎましたかね。それを利用すれば良かったですが、熱くなったのか、個人でシュートに持ち込むような場面が増えてしまいました。
―最後のタイムアウトの意図は
30秒あれば2点入るスポーツですので。リーグ戦でもありましたが、何をすべきなのか整理しました。確実に試合を終わらせるためにGKも前に出して7人にしましたし、逆に得点して試合を決めることができたので良かったと思います。
―遠方での試合ですが、試合以外の部分で要求していることは
コンディションが難しいので、その部分ですかね。ボールを使った練習もできていませんでしたし、そういった意味で今日はハンドボールができない場面が多くありました。そういった面は来年以降の反省になりますが、こちらでももう少し準備をして臨めればと考えています。
―二回戦に向けて
相手を今から研究するのも限界がありますし、自分たちのプレーに集中することを意識して戦います。相手はプライドだったり、気持ちを出して戦ってくると思いますので、そういった部分に負けずに頑張ります。
深井亮太
―相手のチームの印象は
ビデオで見て「2番の選手がキーマンになる」という話をしていて、2番の選手を徹底的に守っていたんですけど、そのほかの選手にもシュートを打たれてしまっていたので、他の選手にもっと気を付けていれば点を押さえれたのかなと思いました。対策としては相手にシュートを打たせないで、前に当たろう、という話はしました。
―好パフォーマンスの要因は
全く手ごたえがありません(笑)。キーパーは調子の良い・悪いの波が激しいポジションなので。今日は調子が良くても明日はどうなるかわかりませんし、4年生ともっと長く試合をしたいという気持ちが根底にあるので、この調子のままいきたいですね。
―インカレに向けて強化してきたことは
特別にしたことはないです。いつもの練習をいつも通りに毎日こなしました。
―インカレを迎えてみて
今、3年生なんですけど1、2年目はシーソーゲームの初戦を惜しいところで落としてきたので、今年は初戦の壁を超えて実力を出し切って勝てたので本当に嬉しいです。
―二回戦にむけて
いつもリーグで戦っている東海大が相手ではなく中部大になるんですけど、戦ったことがないですし、高校時代のチームメイトがいるわけではないので未知の相手だと思います。中部大対東海大の今日の試合のビデオを撮ったので、それを見てみんなで話し合って勝ちに行きます。法大としては中部大のキーマンをビデオで探していきたいです。それで、キーマンがどこのポジションなのかとか、その人にシュートを決めさせないように中心に話し合っていきます。
松岡寛尚
―今日の試合を振り返って
最初の入りは、全国大会の初戦ということでがちがちになることが多くて、案の定がちがちでした。でもその中でディフェンスは徹底すれば守れることなので、しっかりディフェンスで足を動かして緊張をほぐしていき、それで自分たちのペースに乗っていけたのが良かったと思います。
―1得点目は松岡選手が決められました
あまり意識はしていませんでしたが。今日もスタメンで使ってもらえて、試合に出られていない4年生から背中を押してもらいました。しっかりと決めようと思っていました。
―今日も接戦となる展開でしたが
接戦は接戦でも流れがいい状態だったので、みんな気持ちに余裕があったと思います。接戦でも慌てずに自分たちのペースでできたことが良かったと思います。
―意識してプレーしたことは
どんどん打ちにいって、ディフェンスが自分に寄って来たらほかの人に(ボールを)さばいて周りを活かすという事を意識していました。
―タイムアウト中はどのような話を
会場が広くて声とかが響かないので雰囲気が悪いように見えるというか、声が届かないことがあるので、タイムアウト中は作戦というよりは雰囲気を良くしようとずっと声を掛け合っていました。
―相手は東海リーグ1位の強豪でしたが対策は
センターの2番がうまい選手で、その人に当たれば結構(相手チームの)流れが悪くなると聞いていました。3枚目とか2枚目でその人にバチバチと当たって相手を焦らせて、流れをつくらせないようにしました。今日の試合は最初から最後まで自分たちの流れの中でできたと思います。
―3年ぶりの初戦突破となりました
そのことはもう意識していました。今トレーナーをやっている渡辺(貴大)さんという人が、ちょうど4年前に名城に負けたというのがあって、OBの方にも名城を倒してくれと言われていました。やっぱり1回戦負けだとインカレに来た意味がなくなるので、勝ちにこだわっていました。
―リーグ戦を終えてからの練習は
リーグを終えてからインカレの間は、期間がそんなに長くないので、新しいことをやるというよりかは、今までやってきたことの精度を上げることを意識してやっていました。リーグとかでは1点差とかで負ける試合が多くて、やっぱりそれは決めるところで決められていないからというのが課題だったので、とりあえず一つ一つのプレーの精度を上げていくことを意識してきました。
―今大会の意気込みは
初戦が東海リーグの王者で、ここで勝てば波に乗っていけると思っていて、今日はいい雰囲気で勝てたのでこのままの流れで2回戦、3回戦と勝って優勝まで行きたいです。
―金沢での過ごし方は
結構自由です(笑)。昨日とかは開会式まで時間があったのでみんなでお昼ご飯を食べに行って、夜も各自で先輩とかとご飯を食べに行きました。
―何を食べましたか
焼き肉を食べました。(海鮮ものは)まだですね。生で食べてあたったら怖いので控えています(笑)。
―明日の対戦校は中部大となりました
今日の相手の名城大はあまり背が大きくなく、足を動かしてバチバチ当たってくるチームだったんですけど、明日の中部はでかいので結構(プレスのラインを)引いてくるんですよ。9m(ライン)の外のシュートだったら全部エラーにみたいになると思うので、今日とはタイプが真逆です。でもやることは変わらないので、ディフェンスを守れば勝てると思います。今は3年ぶりに(インカレ)で勝って気が抜けていると思うので、しっかりとミーティングで引き締めて、自分たちがやることをやって勝ちたいと思います。
山本祐輝
―今日の試合を振り返って
今日はディフェンスメンバーとして出場しました。最初は緊張もあって動きが固かったんですけどだんだん法政らしさが出てきたから勝つことができたと思います。いいゲームだったと思います。
―2度目のインカレでしたが
普段の会場はどこかの大学なんですけど今日は会場が大きくて少し緊張しました。観客席からの応援とかも大きな体育館だと聞こえないのでそれも緊張につながったんだと思います。
―前半、パスカットから得点していましたが
ビデオで分析していたんですけど、相手は自分たちから近い場所でプレーしていたのでカットしたら点につながると思ってました。
―相手のセットオフェンスについて
2番の選手がボールをよく回していたので、厚くディフェンスしなくちゃいけないかなと思ってました。パスが本当にうまくてどこにパスが行くか分からなかったので迷ったところもありました。
―警戒していたのは坂井選手でしたか
そうですね。自分の目の前にいたので徹底的にマークしようと思っていました。
―接戦でしたが延長戦は意識されましたか
延長戦になっても法政の本来の力が出せていたと思うんですけど連戦になるということを考えたら早めに決着をつけたいと思ってました。延長戦になるっていう意識はなくて一点でも多く取って勝つことを考えていました。
―昨年のインカレから変わったところは
去年は1年生として出ていて先輩にくっついてばっかりで自分の足で立てていなかったような気がします。今年は先輩のサポートをしながら後輩らしく堂々とプレーできたかなと思います。
―金沢での過ごし方は
昨日は4年生と金沢ぶらりしました。体を動かしながら。あとはメンバーとホテルで話したり。でもちゃんと早く寝ました(笑)。
―インカレで引退する4年生への思いは
自分は4年生の半分しか法政にいないのに信頼して出してれくます。特にキャプテンの内門(竜之介)さんにはたくさん試合で使ってもらっているのでその気持ちに応えないといけないと思いました。
―次戦の対中部大戦にむけて
個人的な話になるんですけど、関東ブロック代表として全日本総合選手権に出て中部大学に負けてしまったんですよ。今回、対戦することができるので浦和学院時代の借りを返したいなと思います。チームとしては一勝できたので、いい流れに乗って中部大に勝てたらいいなと思います。
フォトギャラリー
- 内門は主将として最後のインカレに臨む
- 献身的なプレーでシュートチャンスを作った下條
- 前半終了間際からのプレーとなった山本晃
- 山本祐はパスカットからの速攻で存在感を示した
- 高間は華麗なスピンシュートで観客を魅了した
- 竹野は決勝点を記録した
- 仲村は終盤に好セーブ連発
- 終了と同時に歓喜の輪ができた