【ラグビー】関東大学リーグ戦 対拓大 「絶対に落とせない試合」拓大の猛追かわし辛くも勝利!
関東大学リーグ戦
2017年11月18日(土)
御勅使南公園
関東学院大戦でのまさかの敗北から2週間。選手権出場、入れ替え戦どちらの可能性も残るといった気の引き締まる試合が続く法大。前半は法大ペースで試合を展開し、5トライを奪い35-14と圧倒した法大であったが、後半は一転、拓大のペースに流され4点差まで詰められたがなんとか逃げ切り、勝利を挙げた。
試合結果
トータル試合結果
42 |
35 |
前半 | 14 | 38 拓大 |
---|---|---|---|---|
07 | 後半 |
24 |
ポイント詳細
5/1 | T | 2/3 |
---|---|---|
5/1 | G | 2/3 |
0/0 | PG | 0/1 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:中村,奈良,萩原,中井,根塚洸/長利 G:萩原(6) |
※前半/後半
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 李承記 | 経3 | 大阪朝鮮 |
2 | HO | 川越藏 | 現3 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社3 | 東福岡 |
4 | LO | 山根陵 | 現3 | 大津緑洋 |
5 | LO | 増田和征 | 経4 | 京都成章 |
6 | FL | 吉永純也 | 経1 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社1 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 斉田倫輝 | 経4 | 仙台工業 |
9 | SH | 中村翔 | 経2 | 東福岡 |
10 | SO | 奈良望 | 社3 | 秋田工業 |
11 | WTB | 根塚洸雅 | 経1 | 東海大仰星 |
12 | CTB | 長利完太 | 経3 | 桐蔭学園 |
13 | CTB | 東川寛史 | 経4 | 東福岡 |
14 | WTB | 中井健人 | スポ3 | 筑紫 |
15 | FB | 萩原蓮 | 経3 | 東福岡 |
16 | Re | 大澤翔舞 | 営4 | 長崎北 |
17 | Re | 黒田圭汰 | 社4 | 報徳学園 |
18 | Re | 金子崇 | 社4 | 東福岡 |
19 | Re | 五反田拓巳 | 経4 | 法政 |
20 | Re | 竹内仁之輔 | 経2 | 法政 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経3 | 京都成章 |
22 | Re | 尾崎達洋 | 社4 | 桐蔭学園 |
23 | Re | 北島遥生 | 現4 | 常翔学園 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半38 | 李 | 黒田 |
後半38 | 東川 | 尾崎 |
後半38 | 中井 | 北島 |
リーグ戦 結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
9月10日(日) 15:00 | 流経大 | 浜川競技場 | ●49-52 |
9月24日(日) 15:00 | 東海大 | 秩父宮ラグビー場 | ●7-76 |
10月9日(月) 11:30 | 中大 | 上柚木公園陸上競技場 | ○47-21 |
10月22日(日) 11:30 | 大東大 | しらこばと運動公園陸上競技場 | ●14-29 |
11月3日(金) 11:30 | 関東学院大 | 上柚木公園陸上競技場 | ●38-40 |
11月18日(土) 14:00 | 拓大 | 御勅使南公園 | ○42-38 |
11月25日(土)14:00 | 日大 | 江戸川区陸上競技場 | – |
戦評
選手権出場に向けて負けられない戦いが続く中、法大は前回の関東学院大戦、試合終了間際の逆転負けで痛い敗戦を喫した。
そして今日迎えた拓大との対戦。昨年、法大は拓大に対し苦い経験をしている。リーグ最終戦、「選手権出場か、1部2部入れ替え戦行きか」という展開で臨んだ一戦だったが、接戦をものにすることはできず6年ぶりの入れ替え戦行きが決定した。今年は同じ過ちを繰り返さないために、いくつもの悔しさを胸に、一丸となってこの一戦に臨んだ。
関東学院大戦の季節外れの暑さとは一転、冬らしく肌寒い環境の中、試合は開催された。法大のキックオフで始まり、早速先制点の糸口をつかむ。前半4分、相手のパスのミスを逃すことなく5mライン付近からSH中村翔(経2)が素早い動きで中央へトライを決める。FB萩原蓮(経3)のゴールキックも決まり7-0。7分には軽快なパス回しから法大がペースをつかみ、SO奈良望(社3)が左サイドにトライ。18分には左へのラインアウトターンオーバーから相手にボールが渡ることなく最後は萩原がトライを決め、ゴールキック成功を含め21-0とリードを広げた。一方の拓大もここで引き下がらない。25分、法大のノックオンから拓大に流れが変わる。ハーフライン付近から林謙太(拓大)が激走を見せ、法大の選手を寄せることなくトライを決める。21-7と点差を縮められた法大だったが、PR土山勇樹(社3)らFW陣の強力なタックルで敵を跳ね除ける。33分にはルーキーFL山下憲太(社1)の確実なタックルで法大ボールとし、チャンスを広げる。WTB根塚洸雅(経1)からWTB中井健人(スポ3)にボールが渡り、華麗に抜け出し中央にトライ成功。37分には左中間ラックから中村翔からのパスを今度は根塚がボールを抑え込みトライ左端に成功。その間の萩原のゴールキックはすべて成功し35-7とする。
前半はこの点差で終了したいところだったが、再開後39分に拓大の速攻によりトライとゴールキックを決められ35-14で折り返す。
FB萩原は高いゴール成功率を誇る
メンバー交代することなく迎えた後半。島津久志監督は後半の戦いを「相手に合わせてしまうような部分が要所要所にあった」と振り返った。開始間もなくノックオンで相手に好機を与えてしまう。前半でもノックオンのような小さなミスが度々見受けられた法大。後半になってそのミスが得点に多く繋がってしまう。後半5分、拓大のキックパスがゴール前を転々とし呆気なくトライを決められる。7分は再び相手のボールとなるが、中村翔がボールを取り返し、広くスペースを使ったパスで最後はCTB長利完太(経3)が左端に抜け出しトライ成功。一時42-21とダブルスコアで点差を広げたものの、12分法大のノックオンで相手にボールが渡り、コラプシングによるアドバンテージからさらに拓大のチャンスが拡大。リズムを完全に崩されトライを決められる。
その後、一進一退の攻防が繰り広げられるが、ここまで堅実な守りを見せていたLO増田和征(経4)が24分、相手への危険なタックルによりシンビンと判定され10分間の退場を命じられる。14人でのプレーとなった法大への代償は大きかった。26分、その流れで左中間ラックから拓大が左端にトライを決め、ゴールキックも成功。42-35と点差を詰められる。1トライ1ゴールで同点というこの場面。29分、相手の反則で法大はペナルティーゴールを選択。キッカーはここまでゴールキックをすべて成功させていた萩原だったが、蹴ったボールはわずかにポールの外側へ。確実に決めて点を稼ぎたい場面でまさかの結果となってしまった。
再び一挙同点のピンチを背負った法大は、度重なるノックオンで窮地に陥るが、相手の反則を誘うなど14人体制で追加点を許さない。増田が復帰し、流れを取り戻したいところだったが、反則から拓大にペナルティーゴールを決められ42-38。4点差とされ一気に緊迫感が高まる。前回の試合も終了10分前でまさかの3トライを決められるという屈辱を喫しただけに、選手たちのこれ以上の失敗を繰り返してはならないという気持ちが前に出ていたように感じた。
後半の40分が終了しロスタイム、拓大のパスが上手く繋がりゴールへ抜かれそうになるが、No.8斉田倫輝(経4)が最後の力を振り絞って執念のタックル。自チームのボールとして最悪の展開を回避した。主審の笛が鳴り試合終了。最後までリードを相手に渡すことなく10月9日以来の中大戦以来2勝目を挙げた。
次戦は日大との対戦となる法大。日大は法大と拓大の試合前に開催された関東学院大との試合で勝利を収めている。昨年よりも非常に力を付けていると感じさせるようなプレーで、次戦は法大の脅威となる事は必至だ。選手権の切符をつかむことができるか。島津監督は「最後の最後の正念場。チーム一丸となってやってくれれば結果はついて来ると思います」と話した。
いざ大阪へ。彼らの全身全霊を注いだ集大成のプレーに全てが懸かっている。(岡﨑祐平)
インタビュー
島津久志監督
ーなんとか逃げ切り勝利を収めました
なんでいつもこう、流れが変わってしまうのですかね。前半の流れのままやってくれれば良かったんですけど、流れに乗り切れないところがまだ弱さなのかもしれませんね。
ー前半の流れがよかった要因は
関東学院大戦の時にミスばかりしていたので、そこをしっかり修正しようということが前半はきっちり出ていたので、その流れのままいけばもう少し楽な試合展開だったと思いますね。ゴール前でノックオンをしたり、そういったところできっちり得点を重ねることで自分たちが楽な試合展開が出来ればもっと試合の流れは変わっていたのかなと。こういうところがまた弱さに繋がるのでしょうね。
ー拓大というチームに対して意識していた部分は
ワイドに構えてくるということが分かっていたので、14番と外人を気をつけようと言っていたのですが、結局14番の方に前半もやられたりとか、要所要所で抜かれたりというのはあったので、キーマンを抑えようというところで抜かれてしまったところはしっかり修正していかないといけないですよね。
ー後半は拓大ペースで試合が運ばれ、思うように出来ていない印象でした
相手に合わせるような部分が要所要所でありましたよね。 前半はボールをキープし続けてということをずっとやってきたので、そこはきっちりできていたのですが、後半は要所要所のミスのせいで自分たちで流れを呼び込めなかったという感じでしたよね。
ー前の試合に続きシンビンを与えられた選手が出ましたが
悪い流れの時に1人減ったということでより悪い流れになってしまいました。そこで悪い流れを食い止めて、また上がっていくといった時に、さらに悪くなってしまいましたからね。
ー昨年の拓大のイメージだとFWのチームというイメージでしたが
FWでゴリゴリ来るチームでしたね。今年は試合前から拓大の試合を全てみて研究をしてきて、やはりさっき言った14番の選手が切り込んできますし、ワイドに攻撃をしてくるので、ケアしていこうと対策はしていました。
ー選手権と入れ替え戦の両方の可能性が残るという点で昨年と同じ流れですが
次の日大戦まで、まだまだ成長することもできると思うので、そこを彼らなりにしっかり考えて1週間やってほしいですね。 4年生もこれで負けてしまったら終わりですから。有終の美を飾るためにも、4年生を中心にちゃんと考えてくれればと思いますね。
ー監督として残り1週間どう過ごしますか
もう彼らを信じるしかないですね。今までやってきたことを。さっき、苑田(右二ヘッドコーチ)も常に100パーセントを出してやっていこうということを選手たちに伝えていましたが、100パーセントを出し切れるかどうか、彼らを信じるだけですね。
ー次戦勝って選手権へ。意気込みを
最後の最後の正念場で。ラッキーと言ったらあれですが、まだ幸いチャンスは残っているわけですから、そのチャンスを生かしきれる様に彼らを信じて頑張るしかないです! もうチーム一丸となってやってくれれば結果は付いてくると思いますから。行きましょう、大阪に。
土山勇樹(社3,PR)
ー今日のコンディションはいかがでしたか
今週自分はフルで練習に復帰したんですけど、体力的には問題は無かったんですけど、スクラムの場面で相手のスキルの方が上で、自分が後に回ってしまった部分があったので、そこをまた来週スクラムを修正していきたいと思います。
ー前回の試合は出場されませんでしたが、今日に向けてはどんな練習をされてきましたか
しっかり自分のスクラムやラインアウトでの自分の仕事を成功させようと思って練習してきました。
ー拓大にはどんな印象がありましたか
拓大はセットプレーの練習をしっかりしてきていて、そこのスキルが深くて自分たちより上だったので、自分たちのスキルも高められるようにやろうと思いました。
ー前半はリードを広げていく展開となりましたが、ゲインなどで注意したことはありますか
しっかりボールをまずキャッチして、自分の前で相手に当たるというのをしっかり意識していました。
ー後半はシンビンで14人での戦いになるなど苦しい展開が続きましたどういったことを思いながらプレーしていましたか
14人になっても自分のスクラムの姿勢を意識して組むようにするしかないと思っていました。
ー今日の試合で良かったプレーヤーは誰ですか
吉永や山下憲は結構タックルに行っているイメージがありました。タックルができないと負けていたと思うので、そこは譲れない部分だと思います。
ー監督とはどんなお話をされましたか
勝ったことは良かったけど、来週の試合まで1週間しか無いので、そこで突き詰めて練習していこうという話がありました。
ー次回に向けてご自身とチームの目標をお願いします
勝つというのは大学選手権に出るための大前提で、その上で勝つためにスクラムとかFWの仕事をして、個人としてもスクラムの姿勢を80分していきたいと思います。
真摯なプレーでチームを引っ張る頼もしい存在だ
根塚洸雅(経1,WTB)
―試合を振り返って
前半はミスがありながらも自分たちのペースでいい試合ができたと思います。それを後半はできなくて相手の流れに流されたのは反省点です。
―後半流れが悪くなった原因は
自分たちがターンオーバーしたときや相手のミスボールを奪ったときに我慢できず、ポールキープができなかったことで相手に渡してしまったことです。後半は相手が攻める時間が長く、相手の流れに飲まれた部分もあると思います。
―いつも悪い立ち上がりが良くなりましたがチームで考えていたことは
ラスト2戦は絶対に勝たなければいけない中で、入りの10分が試合の流れを決めると思っていました。入りの10分は普段の練習の中でも意識していた部分です。
―相手の14番の濱副慧悟選手に突破を許す場面が多かったですが、マッチアップした印象は
相手のキーマンが14番で外に振って攻撃してくると思っていたのでディフェンスで切る練習はしてきました。それでも後半は14番にボールを持たれてしまったことでゲインやトライを許す場面があったので、もっとプレッシャーを掛けることはできたと思ってます。
―自身のプレーは
体も動いていて、周りも見えていました。体の調子も良く、タックルもいつもより踏み込めていたので、今日は良かったと思います。
―次の日大戦に向けて
次の試合に勝つか負けるかで選手権に行けるかどうかが決まってくるので、自分たちのプレーをしっかりして、接戦ではなく圧倒して勝つことを意識して次の試合まで練習していきたいです。
攻守ともに力強いプレーを見せ続けている
フォトギャラリー
プレーや声で存在感を発揮する奈良
今日も低く鋭いタックルで見せ場を作った吉永- 中村の先制トライで流れを呼び寄せた
- 先制トライで駆けつけ歓喜する選手たち
- 持ち前のフィジカルを生かしゲインを切る増田
- 敗戦からの2週間、東川主将の存在は大きかったはずだ
- ボールを受け取り華麗なステップでトライへ導いた中井
- 後半唯一のトライを奪った長利