ラグビー
【ラグビー】春季大会直前‼ 飛躍の2年目に挑む 島津久志監督インタビュー
昨季は2年ぶりの選手権出場を果たした法大。そして、その法大を就任1年目で導いたのが島津久志監督だ。チームの雰囲気を劇的に変え、人望も厚い島津監督は就任2年目の現在のチームをどう見ているのか。勝負の秋に向け、選手権出場の枠が1枠減った厳しい今季に立ち向かう島津監督に話を伺った。
※インタビューは4/1に行ったものです。
勝負の2年目に挑む島津監督
インタビュー
島津久志監督
―新チームの状態は
良いチームになってるんじゃないんですかね。みんな、今年は(上下関係を)フラットにしようと取り組んでいる。だけど、和気あいあいとしたサークルではなく、一定の規律を保つような関係で取り組もうとしてる。4年生が文句を言わずに、グラウンド係を取り組んだりとかしてるので、チームの雰囲気は良いですね。
―4年生は文句は言わなかったのか
冗談で「俺ら四年生だから」とか言うが、行動ではちゃんと示してくれている。過去が悪いとは言わないが、体育会を押し通してやっていた部分があった。それを少しずつ変えて、「自分たちでどうにかしていこう」という気持ちが芽生えてくれば、もっと良い方向に変わってくる。
―23名の新一年生に期待することは
のびのびとプレーしてほしい。一年生の仕事も減らした部分もあるので、その分ラグビーに集中してほしいですね。
―就任1年目で法大を2年ぶりに選手権出場に導いた。就任2年目で指導方法を変えるのか
僕自身はないかもしれない。年度毎に変えてもしょうがないし、1年目に僕が言い続けた「意識を切り替えよう」ということが選手たちに定着しつつある。もう少し足りない部分もあるが、変える部分を選手たち自身で自発的に取り組んでいる。その行動を僕らが後押ししながら、間違ったところを修正していけばいいかなと思います。
―今季は主将・副将制ではなく、リーダー制にしたが、その理由は
実は、去年からリーダー制にしよう思っていた。でも、去年は当時の四年生が主将制にこだわっていたため、彼らの意見を尊重した。今年の四年生にリーダー制を相談したら彼らは受け入れてくれた。主将というと、『チームを一人で引っ張っていくこと』になる。リーダーの場合『周りを巻き込んでやっていこう』という気持ちが生まれてくると思うので、僕はリーダー制の方がいいかなと思っていたのでよかった。
―川越藏選手(現4)も「リーダー制は責任を一人で背負い込まなくてすむ」と言っていた。リーダー制の利点の一つか
そうですね。一年生と同じでプレー以外の『主将の仕事』で、プレーに集中できないとかならないように、お互い皆で補えれば、チーム力も上がるかなと思う。
―クラブリーダーの三人に期待することは
自発的に考えて取り組んでほしい。当然プレーの部分は僕らが教えていくが、プレー以外のことに関しては、その場その場で正しい判断が出来るようなチーム、判断を間違った選手がいれば、僕らではなく選手同士で補い成長してほしいという意味を込めて、川越、長利完太(経4)、木村啓人(社4)の3人をリーダーにした。
―木村選手は寮長を兼任しておりますが、チームのサポートを重視して、クラブリーダーになったのか
いやいや。当然プレーも期待している。たまたま、去年は副寮長だったので、寮の方も支えてもらいながら、プレーヤーとしても頑張ってほしい。
―グラウンドリーダーを多く選出した理由は
各学年でも考えることがあるだろうし、下級生が上級生に意見を言って良いわけだから、学年のなかで意見をまとめて言うリーダーや、グラウンドのなかで下級生が頑張ってるんだから、俺たちも頑張るぞみたいな鼓舞できる組織。お互いに尊敬する気持ちが芽生えるように取り組んでいってほしい。
―戦術についてですが、今年もBK中心の『展開ラグビー』ということになるのか
そうですね。FWのセットプレーも安定してきたが、まだ強豪校を押せなかった部分もある。去年のBKのプレーとFWのセットプレーを確実に成功させる。そして、去年はスタミナが切れて、前半良くても後半逆転されたということもあったので、その辺を修正しながら、今年はやっていければいいかな。京産大戦の前半20分までのプレーを80分間続けられるようなプレーをする。
あとは、ディフェンスですね。タックルの成功率が良くないので、成功率を上げれるようにしたい。
―「スタミナ切れ」というと、昨季の流経大、京産大戦のようにあと一歩及ばなかった試合が多かったが
だから、そういうことですね。取りこぼしないように。(選手権出場は)3位までだからね。1校減ったこともあるので、選手権出場できるためにはディフェンスがカギですね。外国人選手同時出場枠も1人増えるしね。
―外国人選手同時出場枠が今季から2人から3人に増えた。外国人選手が在籍するチームと戦うことが多い法大にとっては不利な状況となったのか
結局は自分たちのプレーがどれだけできるか。アタックだけでなく、ディフェンスを強化してディフェンス自体が自分たちの持ち味のプレーだとなれば、それを試合で出せばいいだけになる。みんながアタックとディフェンスのシステムを理解してプレーすれば、勝てない相手ではない。
―春季大会のチームの目標は
当然勝ちにいくこともそうですし、自分たちのプレーがどれだけできるのか。そして、春季大会後には帝京大と練習試合ができるので、今まで連覇している日本一のチームにどれだけ通用するのか。そこで出た結果を踏まえて、夏合宿で自分たちのプレーを確認して秋に挑みたい。
―去年の春季大会はグループCだが、今年はグループB。早大など実力校と戦うが、重要となる試合は
いや、5試合全部重要です。さっきも言ったけど、自分たちのプレーをしっかりして最後帝京大戦でどれだけ力がついたか確認していきたい。
―今強化していることは『FWのセットプレーの強化』と『ディフェンスのタックルの成功率を上げること』、そしてそれが『80分続けられるようにすること』ですね
そうですね。
―今年の目標は
ここずっと口にすらしてこなかったのかな…(苦笑)。『日本一』ですね。去年は一切口にしてなかったし、その前も「日本一」と言いながら選手が本当に真剣に考えてるのかなというような感じだった。去年やってきたことが選手なりにも感じるところがあるのではないかな。選手からも『日本一』という言葉が聞こえてきている。当然日本一を目指しつつ、まずは春季大会5戦全勝で乗り切れるようにしたい。
―キーマンをあげるとしたら
去年の4年生が抜けたポジションを補うような選手が出てきてほしい。特にNo.8とかね。竹内仁之輔(経3)、ケガから復帰した塩見伊風(社4)、川越とかスクラムの中心になりますしね。金井大雪(経4)や中井健人(スポ4)とかね。だから、4年生かな。彼ら含め4年生には本当に頑張ってほしい。
―BKは東川寛史(平29年度卒)選手が卒業したが、ほぼ主力選手が残っている。かなり期待しているのか
そうですね。その穴も奈良望(社4)が埋めてくれることもあるだろうし、ジュニアジャパン(TIDキャンプU20)に選ばれた根塚洸雅(経2) にも期待しています。
―最後にファンに向けて一言お願いします
本当に面白いチームになっていると思います。ぜひ、期待しながら、応援してください
(聞き手:藤原陸人)
満開の桜を背景に意気込みを語ってくれた島津監督
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- 春季大会ではどのような指揮をみせるのか