【ラグビー】第7回関東大学春季大会 Bグループ 対日大 組織的ディフェンスが機能‼ 相手の攻撃封じ込め開幕2連勝‼
第7回関東大学春季大会 Bグループ
対日本大学
2018年5月13日(日)
法大ラグビー場
春季大会初戦の中大戦に快勝し、最高のスタートを切った法大。2戦目の相手は同じ関東大学リーグ戦1部に属する日大だ。昨季は日大に勝利し、大学選手権出場を決めた法大。秋に向けて是が非でも勝利をつかみ取りたい試合は早々に法大が先制トライを決める。一方ディフェンスは組織で機能し、日大にゲインラインを切らせることは少なく、2トライに抑えて52-12で快勝。これで、同一リーグ相手に2連勝という最高のかたちとなった。
※掲載が遅くなり申し訳ございません。
試合結果
トータル試合結果
52 |
21 |
前半 | 0 |
12 |
---|---|---|---|---|
31 | 後半 |
12 |
ポイント詳細
3/5 | T | 0/2 |
---|---|---|
3/3 | G | 0/1 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:山根雄、山下憲、斉藤/古屋(3)、中村翔、斉藤 G:金井(3)/金井(3) |
※前半/後半
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 稲田壮一郎 | 社1 | 中部大春日丘 |
2 | HO | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
3 | PR | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
5 | LO | 山根陵 | 現4 | 大津緑洋 |
6 | FL | 大澤蓮 | 現1 | 長崎南山 |
7 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 斉藤大智 | 現2 | 黒沢尻北 |
12 | CTB | 有田闘志樹 | 経1 | 鹿児島実業 |
13 | CTB | 山根雄矢 | 経3 | 尾道 |
14 | WTB | 奈良望 | 社4 | 秋田工 |
15 | FB | 古屋優樹 | 経3 | 城西川越 |
16 | Re | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
17 | Re | 李承起 | 経4 | 大阪朝鮮 |
18 | Re | 後藤久貴 | 人3 | 高鍋 |
19 | Re | 中村海斗 | 社1 | 日本航空石川 |
20 | Re | 粟飯原舜 | 経2 | 法政二 |
21 | Re | 隠塚翔太朗 | 経1 | 東福岡 |
22 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
23 | Re | 高橋達也 | スポ1 | 目黒学院 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半16 | 稲田 | 李 |
後半20 | 大澤 | 粟飯原 |
後半26 | 川越 | 濱野 |
後半30 | 奈良 | ジョーンズ |
後半35 | 中村翔 | 隠塚 |
後半40 | 山根陵 | 中村海 |
〃 | 菊田 | 後藤 |
〃 | 古屋 | 高橋 |
関東大学春季大会Bグループ 法大の今後の日程と結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
4月29日(日) 12:00 | 中大 | 法大ラグビー場 | ○47-28 |
5月13日(日) 13:00 | 日大 | 法大ラグビー場 | ○52-12 |
5月20日(日) 13:00 | 早大 | 早大上井草グラウンド | – |
5月27日(日) 12:00 | 筑波大 | 法大ラグビー場 | – |
6月3日(日) 13:00 | 日体大 | 日体大健志台グラウンド | – |
戦評
日大との一戦は法大のディフェンス陣が90分間機能し、52-12で法大が見事勝利を収めた。
前半6分、自陣22mラインからSH中村翔(経3)が飛び出し、CTB有田闘志樹(経1)とつなぎ、LO山根陵(現4)が先制トライ。金井大雪(経4)のゴールも成功し、チームを勢いに乗せる。続いて9分、法大はハーフウェイから細かくパスをつなぎ、ルーキーFL大澤蓮(現1)のトライで14-0。小雨が降り始めた24分、敵陣10m付近でのスクラムから、SH中村翔、SO金井へと渡ったボールをWTB斉藤大智(現2)が沈め、21-0。以降、天候の悪化に伴い、ハンドリングで苦戦し無得点に終わるが、ディフェンスが機能し無失点で切り抜け前半を終える。
スクラムは順調だ
後半、敵陣に進攻した法大は、10mラインで中村翔がボールを拾い、FB古屋優樹(経3)がトライ。28-0とする。後半12分、CTB有田から始まった横の展開で相手をかわし、パスを受けたSH中村翔がトライ。その後、続けざまに2トライ1ゴールを許し35-12と日大に追い上げられる。流れを取り戻したい法大は、同34分、自陣10m付近での日大のパスをFL山下憲太(社2)がインターセプト。FL山下憲からパスを受けたFB古屋がトライし、42-12とする。同40分には敵陣5m付近、ピックでゲインした法大はSH隠塚翔太朗(経1)からLO山根陵とつなぎ、FB古屋が本日3本目のトライを決め、47-12。FB古屋はハットトリックを達成した。同45分には敵陣22mラインでのスクラムから、SH隠塚、SO金井、CTB有田、LO山根陵が鋭いパスでかいくぐり、WTB斉藤が本日2本目となるトライで52-12。ここでノーサイドとなり、40点差を付けて快勝した。
トライを決めたFL山下憲
今回活躍したFWのPR稲田壮一郎(社1)やFL大澤蓮(現1)、BKのCTB有田は1年生。彼らの活躍はけがで欠場した上級生の穴を埋めるだけでなく、その定位置を奪う勢いだ。課題であった外国人選手への対応は複数人の鋭いタックルが刺さり、仕事をさせなかった。FWのディフェンスは機能し、島津久志監督は「BK陣含め15人全員前に出れた」と満足そうに振り返った。20日に行われる次戦、他リーグの強豪・早大を相手に、法大はどのようはラグビーを見せてくれるのだろうか。早大上井草グラウンドで行われる戦い含め、今後とも目が離せない。(椛沢はるな)
The Featured Hoseirugby Player
山根陵(LO,現4)(今大会初出場。帰ってきた4年生LOがディフェンスで体を張り続ける)
今までとは一味違う法政ラグビーが見れた試合だった。今までの法政ラグビーといえば、どちらかといえばBKの方が目立つ試合が多かった。だが、今日の試合は違った。FWの前に出るディフェンスで相手に連続攻撃をさせないシーンが多くあった。中でも前に出るタックルが印象的だった選手が山根陵(現4)だ。今大会は就活もあり試合に出場できていなかった。今回の試合が今大会初スタメンとなったが大きな存在感を示した。「タックルは個人的な課題だ」と言っていたが、この試合を見る限りは大きな武器になりうる。
ひと月ほど前に行われた日大との練習では押されていたというスクラムも日々の研究で低くなり、安定していた。「『法政といえばFW』と言われるくらい頑張りたい。」という山根の言葉通り、今年の法政ラグビーはFWにも注目して応援してほしい。(岡田一希)ボールを持つLO山根陵(中央)。ディフェンスで貢献した。
監督インタビュー
島津久志 監督
―見事開幕2連勝となったが
皆意識してやってきたので、先週よりもさらに良くなった。前は選手たちが意識しても、出来ない部分があったが、今日はそれ以上のことができたりしたので、良かった。
―前半は相手をノートライで抑えられたが
ディフェンスは「前に出よう」と言っているが、その意識を全員持ってをみんなやってくれた。先週は少しばらついていたが、今日は全員出来たから、ノートライという結果になった。
―後半も良かったが、法大の選手交代後の失点もあったことは課題か
選手交代したからトライをとられたというより、疲れのなのかな。フィジカル部分が落ちてきて、そのようなことも見受けられたが、チームでは『2トライ以内に相手トライ数を抑える』ことがディフェンス面の目標。その目標を達成できたのでよかった。
―特にFWのディフェンスがよくて、相手にゲインラインを切らさなかったことが勝因か
そうですね。FWだけじゃなくて、BKも本当に良かった。15人全員で『前に出る』ということをしっかりやってくれた。
―今日に向けて特別やった練習は
いや、特にこの試合に向けてというか1年間こういうふうに『ハイプレッシャーをかけよう、前に出てプレッシャーをかけよう』とやってきている。それが先週、今週と良くなっている。来週、再来週とさらにどんどん良くなっていくと秋にいい結果につながると思う。
―日大には外国人選手が2人いたが、抑えたが
抑えたというより、前半はちょっと外国人がボールを持った瞬間、みんなひよっちゃったことがあったから、ハーフタイムに(苑田)HCにも発破をかけられて勢いになった。今年からは3人外国人選手が出場できるから、2人の外国人選手にあんなにひよっているようではまだまだ。外国人選手だろうが構わずに全員で前に出るようなプレッシャーをかけられれば、自ずと結果がついてくる。
―BKは1フェーズでビッグゲインが生まれて、そのままトライという場面が多かったが
そうですね。みんないいコースどりで入って相手ディフェンスを突破してくれた。あとは見極めですよね。自分で勝負するところとパスを放る見極めがもっとできてくれば、もっとレベルがあがっていく。
―今日はFL山下憲太(社2)選手が攻撃時にウィングの位置でポジショニングしていたが、狙いは
あれはチームの戦術ですね。
―LO塩見伊風(社4)、LO山根陵(現4)など4年生が復帰してきているのは明るい材料
4年生は就活とかで忙しいが、就活が落ち着いてきて復帰してきてくれる。練習が正直できていない部分もまだあるなかで、あれだけ試合でプレーができているので、4年生が合流して、もっとチームにコミットできるようになってくると、彼ら自身も、もっとレベルアップにつながる。チーム力アップにもなる。
―その4年生がいない穴を1年生が埋める活躍をみせてくれた
いや、埋めているというより、良いライバルというか4年生が戻ってきたときに、出場できるのかと思うくらい稲田(壮一郎、社1)もしっかり力をつけてきている。競争がさらにチーム力アップに繋げないといけない。
―これで同じリーグ戦所属の中大、日大に連勝。良いスタートが切れたが
良いスタートが切れたんじゃないかなと思いますね。早大、筑波大、日体大と名門で強いところと試合があるので、楽しみは楽しみですよね。
―来週は2連敗(5月13日の試合前まで)と調子はよくないと言いつつも伝統校の早大が相手ですが、対策は
やることは一緒ですよ。『早大だからどうこうというより、しっかり自分たちのプレーを貫き通す』ということを1週間しかないがやれるように。ただ、今日はケガ人があまり出なかったこともよかった。
―最後、早大戦に向けて一言意気込みをお願いします
さっき言ったとおり、先週より今週は良かったので、『今週より来週良かった』となるようにしたい。選手たちにも言ったが一歩一歩レベルアップしていって、7月に行われる帝京大戦でどれだけ通用するか。そして、最終的には秋に結果を残せるようにということで途中段階だが、自分たちができることを100%やれるようにしたい。100%やったことでまた新たなスタートラインとなって、さらにレベルアップできる。自分たちのプレーをどれだけ貫き通せるかということが一つの鍵だと思う。期待してください。
選手インタビュー
山根陵
―久しぶりの試合だったが
最近就職活動でなかなかラグビーだけに打ち込むっていうのは難しかったんですけど、久々に試合に出て試合勘を良い意味で取り戻すことができました。また去年からやって来たことが試合に出せたので個人としては良かったなと思います。
―タックルについて
個人的にタックルが課題なので引いてしまうと相手のFWが強いと分かっていた。後ろに仲間がいるので『外されても良いから』という気持ちで前に出てディフェンスをしました。
―ダブルタックルが多い印象だったが
チームのディフェンス練習で2対1だったり3対1での練習を春からずっとやって来たので今日の試合で出せたかなと思う。
―ゴール前のディフェンスについて
あらかじめゴール前での日大はサイドアタックがあると聞いていたのでそこは「FWで負けちゃいけないな」とみんなで意思統一できたので良かった。
―スクラムは昨年より低さが感じられたが
日大と一ヶ月前にやった練習では結構押されていたスクラムはまだまだ発展途上ですが、今日の試合ではそのときより低く組めていた。もっともっと研究すれば改良の余地があるのではないかなと思う。
―これから続く試合に向けてFWで意識すること
FWが前に出ないとなかなか盛り上がらないので『法政といえばFW』と言われるくらい頑張りたい。
有田闘志樹(経1,CTB)(春季大会初出場。1年生ながら、攻守で躍動)
―今日の試合を振り返って
アタックでもディフェンスでも、常にプレッシャーをかけるというところで、相手に何もさせなかったところが良かった点だと思う。
―課題点は
雨が降ってきてから、ハンドリングの部分でノックオンしてしまった。次の試合からは、天候に関わらず雨が降ってきても対応できるようなプレーをしていきたい。
―初の公式戦となりました
高校ラグビーと違って、大学生は体格が良い。それに比べると自分はすごく痩せているので、飯を食べて体を大きくして対抗していきたい。
―果敢にタックルする姿も目立ちました
下に入るタックルが自分の強みなので、それは続けていきたいと思う。
―BKの雰囲気は
自分は1年生なんですけど、4年生とかにも、学年関係なく優しくしてもらえて、教えてもらいながらやっています。
―具体的なアドバイスはありましたか
CTBを一緒にやっている山根雄矢さん(経3)は、自分がまだ理解できていないところを、詳しく優しく教えてくれてます。とても助かっています。
―法大を選んだ理由は
高校時代の九州大会で、苑田HCから声を掛けてもらって、法政ラグビーについて調べたら、自分が大学でしたいラグビーと、すごく噛み合っていた。「ここでやりたいな」と思った。
―自身の持ち味は
大きい選手に対しても、ひざ下に入るタックルです。しっかり入って、「一発で止められたらいいな」と思う。
―今後に向けて意気込みを
けがをしている4年生とかにも負けないように、自分の強みを生かして、頑張っていきたい。
フォトギャラリー
- トライで喜び合う選手たち
- FL山下憲は前半にトライ
- 先制トライのCTB山根雄
- 日大の攻撃を封じ込めた
- WTBの仕事を果たした斉藤
- 1年生CTB有田は攻守で奮闘
- 果敢に攻めるFL大澤
- セットプレーも安定していた