【ラグビー】関東大学リーグ戦 対中大 前半苦しむも、後半躍動!!4年生の活躍光り、開幕戦を見事勝利で飾る
関東大学リーグ戦
2018年9月16日(日)
長野Uスタジアム
関東大学リーグ戦1部が16日長野Uスタジアムなどで開幕した。法大は中大を43-10で下し勝ち点4を獲得した。前半を12-10と僅差で折り返すと、後半は中村翔(経3)などのトライなどで突き放し、中大をノートライに抑えた。MOM(Man Of the Match)には後半積極的なゲインをみせたWTB中井健人(スポ4)が選ばれた。なお法大の他に大東大、東海大、流通経大が順当に勝利を収めた。
法大は24日(12時30分キックオフ)に上柚木陸上競技場で専大と対戦する。
16日の関東大学リーグ戦1部
法 大 43―10 中 大
大 東 大 53―21 専 大
東 海 大 47― 7 拓 大
流 通 経 大 29―26 日 大
試合結果
トータル試合結果
43 法大 |
12 | 前半 | 10 | 10 中大 |
---|---|---|---|---|
31 | 後半 | 0 |
ポイント詳細
2/5 | T | 2/0 |
---|---|---|
1/3 | G | 0/0 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:山下憲(2)/中村翔,吉永,金井,塩見,呉 G:金井/金井(3) |
※前半/後半。公式試合記録による
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 稲田壮一郎 | 社1 | 春日丘 |
2 | HO | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
5 | LO | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
6 | FL | 吉永純也 | 経2 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 橋本陸 | 社2 | 東京 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 萩原蓮 | 経4 | 東福岡 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社4 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 長利完太 | 経4 | 桐蔭学園 |
14 | WTB | 中井健人 | スポ4 | 筑紫 |
15 | FB | 根塚洸雅 | 経2 | 東海大仰星 |
16 | Re | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
17 | Re | 後藤久貴 | 人3 | 高鍋 |
18 | Re | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
19 | Re | 大澤蓮 | 現1 | 長崎南山 |
20 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経4 | 京都成章 |
22 | Re | 奈良望 | 社4 | 秋田工 |
23 | Re | 井上拓 | 社3 | 御所実業 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
前半26 | 萩原蓮 | 井上拓 |
後半12 | 濱野 | 川越 |
後半12 | 根塚洸 | 奈良 |
後半40 | 稲田 | 後藤 |
後半40 | 土山 | 菊田 |
後半40 | 吉永 | ジョーンズ |
後半40 | 中井 | 根塚聖 |
関東大学リーグ戦1部 法大の試合日程と結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
---|---|---|---|
9月16日(日)12:30 | 中大 | 長野Uスタジアム | ◯43-10 |
9月24日(月)12:30 | 専大 | 上柚木陸上競技場 | |
10月6日(土)14:30 | 拓大 | 秋葉台公園球技場 | |
10月20日(土)14:00 | 日大 | セナリオH三郷 | |
10月28日(日)14:00 | 大東大 | 秩父宮ラグビー場 | |
11月10日(土)11:30 | 東海大 | 秩父宮ラグビー場 | |
11月25日(日)11:30 | 流通経大 | 秩父宮ラグビー場 |
戦評
勝負の秋は長野から始まった。中大には春季大会の初戦で対峙し、47-28で下している。しかし、前半は中大のモールやキックに苦戦を強いられた。
前半10分、敵陣のスクラムからフェーズを重ね、FL山下憲太(社2)がゴールライン右隅に先制トライを決める。SO金井大雪(経4)がゴールを決め7-0。同13分には敵陣ゴールライン手前で中大が右ラインアウトをミス。そのボールをSH中村翔(経3)が奪うと隣にいたFL山下憲にパス。ディフェンスラインがそろわなかった中大を振り切りトライを奪った。しかし、その後は中大ペース。自陣に釘付けになり、2トライを奪われ、12-10で前半を折り返す。
前半攻撃する法大FW陣
内側を攻めすぎていた反省からハーフタイムで「外を使おう」と指示した島津久志監督。後半、その指示が功を奏す。
後半5分、SO金井がゲインするとサポートにまわったSH中村翔がパスをもらいそのままトライ。同22分には敵陣ゴールライン約10m離れた位置でスクラムを獲得。WTB中井健人(スポ4)がSH中村翔からSOの位置で直接ボールをもらい、ゴールライン手前までゲイン。最後はFL吉永純也(経2)がトライを奪った。同25分には相手のキックオフのボールを奪うとWTB中井、FB奈良望(社4)、SO金井と内側にパスし、SO金井がノーホイッスルトライ。試合の大勢を決めた。さらに同33、40分にはLO塩見伊風、CTB呉洸太(ともに社4)がダメ押しトライを決め43-10でノーサイドを迎えた。
初戦を勝利で飾った法大。後半はスクラムで圧倒し、BKのスムーズなボールの供給につなげた。次戦は今季1部に昇格した専大との対戦。「一戦必勝で自分たちのベストゲームを更新できるように頑張りたい」。CTB長利完太(経4)クラブリーダーは力強く語り、試合会場を後にした。(藤原陸人)
スクラムは後半中大を圧倒した
The Featured Hoseirugby Player
中井健人(グラウンドリーダー,スポ4,WTB)
(けがから見事な復帰でMOM!法大を勝利に導いた後半の走り)
後半22分、拮抗した展開が予想されたゲームを法大に手繰り寄せたのは2週間前にケガから復帰したという中井健人(スポ4)のサインプレーからだった。
スクラムから直接ボールを受けた中井は、華麗なステップからビックゲインを見せ、その後の吉永純也(経2)のトライを演出。トライを取りあぐねていたチームに勢いをつけた。春先の関東大学春季大会にはけがで欠場、復帰するもすぐにけがをしてしまい長期間プレーできなかった。7月に行われた帝京大との練習試合も「復帰したがバテバテだった」と本来のプレーができなかった。しかし、リーグ戦本番でしっかりと結果を残した。後半25分にもライン際を独走しトライにつなげた。「流れを変えようと思い、自分にボールが来るようにサインを出した」。中井の強い気持ちが流れを変えた。
前半の苦戦に対して後半は敵チームをゼロ封。今シーズンも法大のスピードスターから目が離せない。(岡田一希)
MOMに選ばれる活躍をみせたWTB中井
監督&リーダーインタビュー(共同記者会見より抜粋)
島津久志監督、長利完太(経4,CTB,クラブリーダー)
―ゲームの印象は
(島津監督):自分たちが目指しているラグビーが後半30分以降出来ていたので、試合後にも(選手たちに)言ったんですけど、その流れを前半からできるようになればなと思います。 (長利)開幕戦ということで、硬くなっていたんですけど、後半のような法大が目指すFWのアグレッシブなアタックや、展開ラグビーが後半から出来ていたが、全然まだ成熟できていないチームだと思います。練習をしっかりして、次の試合に臨みたいです。
―後半劇的にプレーが良くなったがハーフタイムで言ったことは
(島津監督):自分たちがやろうとしている外に展開するラグビーを目指していたにも関わらず、前半は内で勝負していた部分がありました。「もう少し外を使おう」と言った結果、後半の流れ(に繋がった)。あれが僕たちの目指すラグビーだと思うので、「外に外に展開するように」と指示をしました。
―長利選手がハーフタイムでBKに話したことは
(長利):1本目(のトライで)うまくエリアを取り、敵陣に入ってトライを取れました。そこで、簡単にエリアを取って攻撃しようと選択をしてしまい、相手な攻撃やキックで自分たちのペースがつかめなかったです。「まずはボールを保持して、いつもの展開ラグビーに切り替えて積極的な攻撃をしていこう」と話しました。
―攻撃の枠組みや「本当はこうしたらボールがまわるのに」と思うことは
(長利):基本的には練習のときから外側のアタック、空いているスペースにどんどんボールを運んで、自分たちのテンポにしていくというところです。
―けが人の復帰、特に4年生のBK陣の存在は今日の試合でも大きかったですね
(島津監督):そうですね。長利含め、4年生がこのチームを引っ張っていってくれるので、4年生の復活はチームに大きいですね。
―中井選手(健人=スポ4)が良いところで良い走りがありましたがチームにどういう影響があったか
(長利):BKの強みであるバックスリー(※①)が自由に走れる。健人以外の根塚洸雅(経2)、萩原蓮(経4)という強いランナーがチームにはいるので、そういう選手にボールを渡すことで良い流れができる。そういう意味で、中井には今日は助けられました。
―FWのスクラムは後半圧倒していた。要因は
(島津監督):(相手が)ばてたからなのかな…。でも僕らは僕らでスクラムを低く組もうと、「エイトマン、5㎝」ということをよく言ってます。「8人で固まって、ひざ下5㎝でしっかり組もう」と。それを後半ずっと続けられた結果がああいう結果につながったと思います。
―大学選手権の出場枠が1つ減ってますが、どうやって取りにいきたいか
(長利):選手権の枠が一つ減ったのと、外国人選手同時出場枠が1つ増えました。自分たちは外国人選手のようなパワフルな選手はいない分、自分たちは今日の後半のようなアグレッシブなアタックや、ディフェンス強化も春季大会終わってやってきたので、粘り強いディフェンス、積極的なアタックをして選手権に出たいと思います。
―専大戦までに直したい反省点は前半のようなプレーをなくすことでしょうか
(島津監督):そうですね。あとはタックルが上にいく選手とかもいたので、反省すべきところは反省していきたいです。
―BKの収穫と課題は
(長利):収穫は競った試合でも自分たちのラグビーに持ち込めて勝ちきることができたところです。修正点は空いてるスペースにアタックが出来なかったこと。その持ち込み方もパス数が少なかったり、サインで相手を動かしてゲインするのかというところで、まだまだ日本一のBKを目指すには程遠いプレーだったので、専大戦までに改善して、良いパフォーマンスができるように頑張りたいです。
―専大戦に向けて意気込みを一言お願いします
(島津監督):反省すべきところはあったんですけど、良い流れも出ているので、その流れのまま最後の流通経済大戦まで維持し続けながら、試合できればいいなと思っています。(長利に顔を向けながら)頑張ってやっていきましょう(笑)。
(長利):自分たちは日本一を目指しているので、落とせない試合が続きます。自分たちの力を100%出さないと昨季みたいに勝てないので、一戦必勝で自分たちのベストゲームを更新できるように頑張りたいです。
※①バックスリー…両WTBと最後方のFBの3人の総称。
選手インタビュー
中井健人
―MOMについて
今日は僕じゃないですね(笑)。フロントロー(※②)がMOMですね。まあでも取れたことは素直に嬉しいのでこれからももっと頑張っていきたいです。
―後半22分のプレーについて
あれはスクラムが押せてなくても自分が行くサインだったのですが、スクラムを押してくれたことでだいぶゲインすることができたかなと思います。
―後半25分のプレーについて
あのプレーは自分が流れを変えようとおもって、自分のところにボールが来るようにサインを出したので結果トライにつながって良かったです。
―中大の失点を10点に抑えたが
2トライ取られるのは想定内だったのですが、前半に取られたっていうところで流れをつかみきれなかったので、前半の失点を一本に抑えられればもう少し点差を広げられたかなと思います。
―春シーズンのケガについて
帝京で一回復帰したんですけどバテバテで何もできず、同志社戦も開始10分でケガしてしまってうまくいかなかったんですけど、ここ2週間復帰してスピードトレーニングやフィットネスもけが人メニューで頑張ってきたのでうまく適応できるようになったかなと思います。
―日本一という目標に向けて
まずはあと三勝して大東に挑戦して勝てればリーグ戦優勝が見えて来ると思うので専修、拓大、日大を落とさずに自分たちがチャレンジャーの気持ちを持って頑張りたいです。
※②フロントロー…スクラムを最前列で組むPR・HOの3名の総称。
後半、FL吉永のトライをアシストするビッグゲインを見せたWTB中井(中央)
山下憲太(社2,FL)(苦しかった前半に2トライの活躍。90分間攻守にわたり活躍)
―今日の試合を振り返って
前半が結構苦しくて、自分たちの練習してきたラグビーができなかったです。それを変えようと、後半入りを大事にしたんですけど…。後半の途中でトライが取れるようになったのを前後半の入りにやれたら、もっと楽に試合が出来たのではないかと思います。
―前半の先制トライを含む2トライの活躍でしたが
先制のトライはゲインした選手のサポートに回ろうとしたときに、前にスペースが空いていたので、もらってそのままいった「皆のトライ」です。2本目はミスから自分が反応出来たところが良かったと思います。
―前半苦戦した原因は
後半セットプレーでリードできて楽になったので、前半体力あるうちに、FWのセットプレーでプレッシャーを与えられたら良かったかなと思います。
―ハーフタイムで話したことは
「もっとFWがいかないと、今の点差じゃ全然日本一になれないよ」と。後半藏さん(川越=現4,クラブリーダー)が入って変わりました。
―どのように変わりましたか
気持ちや、声とプレーで引っ張ってくれるので、藏さんは皆の精神的支柱のような存在ですね。
―開幕戦ということで緊張は
緊張はなかったですね。春季大会の早大戦でけがして、3ヶ月くらいラグビー出来なくて、トレーナーからも「起爆剤になれ!」と言われていました。「やるしかないな」と思いました。
―具体的にけがの箇所は
左足のひ骨の脱臼で、手術するかしないかを自分で選べたんですけど、「ギブスで固定だけだと、再発する可能性がある」と言われて、秋を目標に頑張りたいなら手術を勧められて、合わせるために手術しました。
―リハビリで苦労したことは
足のけがだったので、とにかく走らされたことです。毎日計5キロ近くダッシュやインターバル走をしました。夏合宿中もひたすら走りました。けがしてかなり瘦せてしまったんですけど、けがして2ヶ月過ぎて筋トレできるようになって体重も増えて、今は最高体重(98㎏)になりました。
―今日はリハビリの成果が出ましたかね
今までだったら、足がついていかないことも、走り込みのおかげで足がつらなくなりました。足も太くなって良かったですね。
―収穫は80分間走り切れたことですか
そうですね。あと一度きれいに飛ばされたこともありましたが、体負けをしなかったことですかね。
―一方で今日の試合の課題は
ディフェンスですね。アタックは出来ていたが、ディフェンスが試合の勘が戻ってないです。いつもなら(相手との距離を)つめれるところを見てしまったりする場面がありました。そこは実践に近い練習を積み重ねるしかないですね。
―昨季1年生で出場したときと比べて、心境の変化は
1年生のときより全然余裕が出て、試合中声をかけたり、かけられたり、フラットな関係で試合が出来ていて、1年生のときは委縮してしまった部分もあったんですが、今年はないですね。
―秋リーグ戦の目標は
選手権出場を目指しているので、最初の4戦(中大、専大、拓大、日大)全勝して、あとの3戦(大東文化大、東海大、流通経済大)に勝てればいいなと思います。
―外国人選手同時出場枠が3人になりました。FLとしてどうとらえているか
外国人選手は一人で止めようとしたら弾かれます。昨季はダブルタックルを練習しながら通用しなかったので、一人で倒せられるように頑張ります。
―専大戦に向けて一言お願いします
専大は戦ったことがなくて、情報もないので、試合のビデオをしっかり見て、今日の課題となった最初の入りを克服していきたいと思います。
前半この試合自身2本目のトライを決めるFL山下憲
フォトギャラリー
- MOMに選ばれる活躍をみせたWTB中井
- 校歌を歌う長利クラブリーダーなどの選手たち
- 前半で交代となってしまったWTB萩原蓮
- こちらもけがから復帰し、FBで出場した根塚洸
- LO塩見は4年生の意地をみせ果敢にアタックした
- HO濱野は献身的なプレーをみせた
- 前半この試合自身2本目のトライを決めるFL山下憲
- SH中村翔新グラウンドリーダーは後半トライを決める
- LO安達はセットプレーなど攻守にわたり活躍。勝利に貢献
- 後半流れを法大に引き寄せるトライを奪ったFL吉永(中央)
- SO金井のトライに盛り上がる法大BK陣
- 後半、FL吉永のトライをアシストするビッグゲインを見せたWTB中井(中央)
- SO金井はトライもゴールも決める大活躍
- ノーサイド後健闘をたたえ合う両校の選手たち
- 勝利した選手たちを一人一人ねぎらう島津監督