【バドミントン】第69回全日本学生選手権 女子 個人戦 最高成績は単複ともベスト16で幕を閉じる
全日本学生選手権 個人戦
2018年10月15日(月)~18日(木)
ハンナリーズアリーナ
女子はシングルスに7選手、ダブルスに4ペアが出場。今大会でラストインカレとなる勝俣莉里香(営4)は、表彰台が期待されたが単複ともベスト16で敗れる結果に。しかし、勝俣を含めた4年生3人は、「力を出し切った」と晴れやかな笑顔で会場を後にした。
試合結果
シングルス
選手名 | 結果 |
---|---|
勝俣莉里香 | ベスト16 |
東久留望 | ベスト16 |
伊東佑美 | ベスト32 |
岡部天 | ベスト32 |
柳井咲耶 | ベスト32 |
清水一希 | 2回戦敗退 |
甲斐妃美子 | 1回戦敗退 |
ダブルス
試合 | 結果 |
---|---|
勝俣・工藤ひな子 | ベスト16 |
伊東佑美・清水一希 | ベスト32 |
鈴木優香・今野聡子 | ベスト32 |
甲斐・山口萌 | 2回戦敗退 |
戦評
シングルス
1回戦には5選手が出場。初のインカレとなる山口萌(人1)はフルゲームとなるも、無念の途中棄権となった。また最後のインカレとなる甲斐妃美子(人4)も強豪校選手に粘り強く食らいつくも、ストレートで敗れた。
甲斐妃美子選手
2回戦には6選手が登場。清水一希(人3)が今大会の王者、筑波大の香山未帆に屈し敗退となったものの、5選手が3回戦へと駒を進めた。
迎えた3回戦では下級生が苦戦を強いられる。団体戦でも活躍した岡部天(国2)は関西の強豪選手である野田千遥にフルゲームの末敗れる結果に。インカレ初出場の柳井咲耶(国1)も粘りを見せたものの敗退。昨年はインカレで悔しい思いをした伊東佑美(営3)もあと一歩及ばずここで姿を消した。一方エースの勝俣莉里香(営4)は貫禄を見せつける。ストレートで相手を破り、難なく4回戦に進出した。また東久留望(法3)は肩を痛めていたが、その痛みを感じさせないはつらつとしたプレーでストレート勝利。
岡部天選手
ここを勝つと全日本総合予選への出場権を得られる4回戦。勝俣は日体大のエース池内萌絵と対戦。秋季リーグは勝利している相手だけに勝利が期待される。しかし試合が始まると池内がキレの良いプレーを連発。鋭い強打やコートを広く使う多彩なショットで勝俣を圧倒。なすすべなくストレートで勝俣の最後のインカレは幕を閉じた。
法大最後の希望は東。筑波大の大関伶奈と相対する。第1ゲームは接戦となるも意地を見せつけ、東が奪取した。しかし大関も譲らず第2ゲームを奪われる。迎えた第3ゲームでは必死のプレーを見せるも相手のショットに対応しきれず、惜しくも4回戦敗退という結果に終わり、初の全日本総合出場とはならなかった。
東久留望選手
最高成績がベスト16と厳しい結果に終わったが、ひとつひとつのゲームの内容は濃く、それぞれの成長を感じさせるものであった。来季からは単複ともエースとしてチームの支柱を担ってきた勝俣が引退となるため、さらに下級生の真価が問われることとなるだろう。法大女子の新たな1年が始まろうとしている。
ダブルス
女子ダブルスには4組が出場。全ペアが2回戦へと進む。2回戦では甲斐・山口ペアが敗退するも3ペアが落ち着いたプレーを見せ、3回戦へと進出。しかし、3回戦では苦戦を強いられる。鈴木優香(国3)・今野聡子(人2)ペアは龍谷大のペアと対戦。格上との対戦となったが、今野が果敢にスマッシュを打ち込み、鈴木も前衛から難しいレシーブを集めていく。第1ゲームを奪ったものの、あと一歩及ばずフルゲームの末、敗戦。試合後、鈴木の目からは悔し涙があふれた。
鈴木優香(左)・今野聡子ペア
今年ペアを再結成した伊東・清水は龍谷大のエースペアである野田・毛利未佳と対峙した。苦戦が予想されたものの、二人のコンビネーションの良いプレーが炸裂。1ゲームを奪い金星を予感させる。しかし相手はかなりの実力者。スピード感あるプレーで徐々に追い詰められていく。最後は地力の差を見せつけられ惜しくも敗れた。エースダブルスの勝俣・工藤ひな子(国4)はリズミカルな攻撃で2-0で4回戦へと駒を進めた。
伊東佑美(左)・清水一希ぺア
迎えた4回戦では、法大女子ダブルス最後の希望として全日本総合出場を狙う。相手は今大会の優勝ダブルスとなった明大のエースダブルス上杉夏美・鈴木成美ペア。ここまで1年間チームを引っ張ってきた4年生ペアの意地を見せたいところであったが、立ち上がりは厳しい展開となり、1ゲームを先取されてしまう。続くゲームでは二人の息の合った攻撃と粘り強いデフェンスで点を重ねていく。このゲームを奪い、勝負は3ゲーム目へ。なんとか勝ち切りたいところではあったが、相手の気迫に押されミスする場面が増える。このまま流れを変えられず惜しくも敗戦。ベスト16で今大会を終えることとなった。ダブルスでも全日本総合出場はかなわなかったものの、力を出し切った2人は笑顔で会場を後にした。
勝俣(左)・工藤ひな子ペア
エースダブルスが今大会で引退する法大。来季結果を残すためには新戦力の台頭が至上命題である。各々が今大会で見つけた課題と向き合い、さらなる飛躍につなげて欲しい。(大平佳奈)
選手インタビュー
勝俣莉里香・工藤ひな子ペア
ーダブルスはベスト16という結果でした
勝俣:ベスト8に入りたかったですね。
工藤:鈴木・上杉ペアとは2戦やって2敗していたので、苦手な相手というのはありました。でも今日は勝ちたかったです。
ー勝俣選手はシングルスもベスト16でしたが
勝俣:直近の試合で勝っていたので、いけるかなと思ったたのですが、私が調子悪かったというより向こう(池内萌絵=日体大)がキッレキレで取れない球がいっぱい来ました。
ー最後のインカレを振り返って
勝俣:結果だけ見たら全然ダメだったのかもしれないですが、全体として個人戦負けた人も善戦をしていた人がいっぱいたし、みんな頑張っていたので、そんなに残念がって下を向くことでもないかなと思います。
工藤:団体は、今までと変わらずベスト8で終わってしまったので悔しかったです。個人戦は自分の中では1番いい結果が出たので良かったんじゃないかと思います。
ー4年間を振り返って
勝俣:4年目が1番楽しかったです(笑)。
工藤:本当にね(笑)。
ー勝俣選手はご家族の方がいつも応援に駆けつけていましたが
勝俣:本当にどこまでもついてきてくれて、私でもすごいなと思うくらいで。多分私のお母さんのこと知らない人いないんですよ(笑)。それくらいすごい来てくれるから、最後勝てなかったのは申し訳ないですが、ずっと応援してくれたのですごくありがたいなと思います。
ー工藤選手は、感謝を伝えたい人はいますか
工藤:大学までバドミントンを最後までやらせてくれた親や、宮監督や、吉岡さんです。自分が腐らずにサポートしてくれたことに感謝しています。
ー勝俣選手、最後に全日本総合への意気込みを
勝俣:ミックスしかないのですが、相手に迷惑をかけないようにしっかり練習します!
甲斐妃美子
ー団体戦を振り返って
秋リーグ優勝していたので、優勝したかったなあという思いはあります。でもこのチームで戦えたので悔いはありません。
ー法政の戦いとしてはどういった点が足りなかったのでしょうか
向こうは勢いがあったので、秋リーグに比べて最初の入りで押されてしまった部分がありました。リーグ戦の時とは少し違う展開になってしまいましたね。
ー個人戦についてもお聞きします。まずダブルスを振り返って
春リーグで一度当たっている相手なのですが、その時と同じような展開になってしまいました。前半リードしているのに一転シーソーゲームになってしまって、最後取りきれなくて…という展開になってしまって。悔しかったです。
ー1年生と4年生のペアは珍しいと思いますが、何か意識した部分など
引っ張っていかなきゃという意識はあったんですけど、引っ張るというよりも(山口選手は)すごく上手な子で、自分をしっかり持っているんです。ちょっとダメになったときに気持ちで引っ張っていってあげられたらなと思ったんですが、自分が至らなかったですね。
ーペアを組んできた山口選手に伝えたいことなどは
本当に上手だと思うし、これから2年生になって結果を出してほしいと思うので、今年はダメでしたが、来年は誰と組んでも引っ張っていくぞという気持ちで頑張ってほしいです。
ー個人戦シングルスでは敗戦後の悔しそうな姿が印象的でした
ダブルスばかりやっていてシングルスは4年間離れていたんです。最後に(シングルスで)出られただけよかったかなと思ったんですけどね。小学校のときはずっとシングルスで全国で上位を取れていたので、出しきれなかったかなと思いますし、もうちょっと練習できていればなと思いました。
ーその悔しさの原因にはやはり今大会が最後の公式戦であるという思いもあったのでしょうか
ありましたね。バドミントンは2歳から始めたので、もう20年間くらいやっているんです。「ああ本当に終わっちゃうんだな」と思いました。
ー最後のインカレを終えて今どういったお気持ちですか
バドミントンをやらせてくれた両親に感謝していますし、色々な人にお世話になりました。宮さん吉岡さんをはじめ、OBさんにも支えてもらって、先輩にも後輩にも恵まれて、本当に4年間よかったなと思いますし、20年間バドミントンをしてきて辛かったですけど、楽しかったですね。今までやってきてよかったなと思いました。
ーこの1年はどんな1年でしたか
最後はペアも変わって、チーム全体で揉めたこともあり、4年生ということでプレッシャーを感じることもあったのですが、そのなかでずっと戦ってきたことで精神的にも強くなったと思います。インカレの団体戦は出られませんでしたが、春リーグや東日本、秋リーグは出場することができましたし、国体では山口と今野の3人でミニ国体に出られて、楽しかった一年でもありました。それから後輩もすごく頑張ってくれて。楽しかったですね。
ー最後に後輩へのエールをお願いします
今年は4冠したかったですが、出来ずにひとつしか取れなかったので、来年は自分たちのチームらしく、最後はインカレで頑張ってほしいなと思います。
東久留望
ー個人戦を振り返って
やっぱり自分の決め球がないところとか、攻めきれない部分が今回の負けにつながってしまったのかなと思います。もう1歩勝ち進むためには攻めきる力が必要だと思うので、春リーグまでにそこを伸ばしていきたいです。
ー法大女子勢の中で1番良い成績を残しました
組み合わせが良かった部分が1番かなと思うのですが、ここまで残れたということには自信持っていきたいなと思います。
ー来年からは4年生となります
来年は自分たちが最上級生になるのですが、今までは引っ張ってもらっていて、それについていくとい感じだったので、4年生を筆頭に下を引っ張っていけるように頑張りたいです。
ー秋リーグは肩の調子が悪かったと聞きましたが、現在の調子は
秋のリーグからしたら大分良くなったのですが、まだ完治はしていないので、まずは肩を完治できるように治療します!
ー最後に今大会を総括して
団体戦では、1試合目に不甲斐ない試合をしてしまって最後の龍谷大戦に出られなくて。団体戦も個人戦もただ粘るだけじゃ勝てないなということをすごく痛感したので、春に向けてもっと頑張らないとなと思いました。
フォトギャラリー
- 山口は1年生ながら単複とも出場するも、途中で足を痛めてほろ苦い結果に
- 手足のリーチを生かしたサーブが冴えわたった清水
- 敗退が決まり、肩を落とす甲斐に声を掛ける宮監督
- シングルスでは4回戦で、宿敵・池内(日体大)に敗れた勝俣
- 来年は上級生として、チームをけん引する立場となる伊東
- インカレ初出場で善戦した1年生の柳井
- シングルスではチームの支柱となっている東は、ベスト16でチーム1位タイの成績を残した
- 来年から上級生となる岡部は、確実なシングルスの1本となることが期待される
- 今年で解散となる甲斐(左)・山口ペア
- エースダブルスの勝俣(左)・工藤ペアはベスト16で今大会を終えた