【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 対東大戦展望

硬式野球

【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦対東大戦 展望

東京六大学野球春季リーグ戦
2019年4月13日(土)
神宮球場

 昨季、悲願の12季ぶり六大学制覇を果たした法大野球部。連覇に向けた戦いが、明日13日より幕を開ける。初戦の相手は東大。小林大雅、辻居新平といった投打の軸が昨年から健在しており、決して侮れない相手だ。『開幕カードに弱い』という印象は昨季で払拭した法大。連覇に向け今季も開幕カードを連勝で取り、勢いをつけたいところだ。

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第1戦の先発が予想される小林大雅

予想スタメン (※成績は昨季)

法大

打順 位置 選手(学部学年=出身校) 打数 安打 本塁打 打点 打率
1 (8) 舩曳海(キャ4=天理) 3 1 0 0 .333
2 (9) 宇草孔基(営4=常総学院) 57 19 2 7 .333
3 (6) 福田光輝(人4=大阪桐蔭) 25 5 0 1 .200
4 (3) 伊藤寛士(文4=中京大中京)
5 (7) 毛利元哉(法4=愛工大名電) 11 2 0 0 .182
6 (5) 安本竜二(営4=静岡) 3 0 0 0 .000
7 (4) 相馬優人(営4=健大高崎) 51 17 0 5 .333
8 (2) 渡邉雄太(キャ3=いなべ総合)
9 (1) 三浦銀二(キャ2=福岡大大濠) 15 1 0 0 .067

 

 東大

打順 位置 選手(学年=出身校) 打数 安打 本塁打 打点 打率
1 (9) 梅山遼太(3=四日市) 13 6 0 1 .462
2 (6) 笠原健吾(3=湘南) 45 10 1 3 .250
3 (8) 辻居新平(4=栄光学園) 39 12 0 2 .308
4 (7) 岡俊希(3=小倉) 32 4 1 5 .125
5 (3) 武隈光希(3=鶴丸) 5 2 0 1 .400
6 (5) 山下朋大(4=東海) 24 2 0 0 .083 
7 (4) 新堀千隼(4=麻布) 30 2 0 0 .067
8 (2) 大音周平(2=湘南) 1 0 0 0 .000
9 (1) 小林大雅(4=横浜翠嵐) 13 3 0 0 .231

 

主な投手陣

法大

選手(学部学年=出身校) 試合 勝利 敗戦 投球回 自責点 防御率
朝山広憲(法4=作新学院) 5 0 1 4 1/3 3 6.23
内沢航大(キャ4=八戸工大一)
石川達也(キャ3=横浜) 9 3 0 14 1/3 1 0.63
柏野智也(営3=広陵)
鈴木昭汰(キャ3=常総学院)
高田孝一(法3=平塚学園) 7 1 0 31 1/3 13 3.73
三浦銀二(キャ2=福岡大大濠) 8 3 1 49 2/3 11 1.99

 

 東大

選手(学年=出身校) 試合 勝利 敗戦 投球回 自責点 防御率
小林大雅(4=横浜翠嵐) 9 0 5 43 2/3 27 5.56
宮本直輝(4=土浦第一) 6 0 0 17 2/3 6 3.06
坂口友洋(4=日比谷)
平山皓太(3=栄光学園)
奥野雄介(2=開成) 4 0 0 2 1/3 6 23.14 
柳川貴宏(2=富山中部)

展望

 球春到来。昨季、悲願の12季ぶり六大学制覇を成し遂げた法大の連覇に向けた戦いが明日、13日より幕を開ける。

 初戦の相手は東大。プロ注目の辻居新平や下級生の頃から守備の要として出場を続けている新堀千隼、投手では昨年一年間を通して先発のマウンドに立ち続けた小林大雅など、戦力は昨年と比べても遜色がない。2年前に悪夢を味わっているだけに、開幕から緊張感のある試合になることは間違いないだろう。

 まずは、東大の野手分析に入る。前述したとおり、東大打線の軸となるのはプロ注目の辻居だ。2季連続で打率3割を達成しており、歴代の東大野手の中で最高といっても過言ではないレベルにあるのがこの辻居である。昨年はトップバッターとして活躍し、明大の森下暢仁からは先頭打者本塁打を放っている。その長打力には警戒しなければならず、今季はクリーンナップを打つことが予想されるだけに、辻居の前にいかにランナーを出さずに勝負できるかが一つの鍵となるだろう。

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プロ注目の辻居

 また、もちろん東大打線で警戒しなければならないのは辻居だけではない。浜田一志監督が語る今年の東大打線は『2トン打線』。今季の東大は長打力が強化されている。その中で浜田監督が「伸びている」と語るのが武隈光希だ。3月30日に行われた新日鐵住金かずさマジックとの試合では中越え2ランを放っており、神宮のバックスクリーンに飛ばせるほどのそのパワーは警戒しなければならない。また、通算で3本の本塁打を放っている新堀、2本の本塁打を放っている岡も中軸に控える。四死球、失策で走者を出し、本塁打で還されるという最悪のパターンだけは避けたいところだ。

 次に投手だが、第1先発として明日の登板が濃厚となっているのが副将の小林大雅だ。直球は130㌔台に留まるが、制球の良さは六大学でも随一。六大学選抜にも選ばれている実力持ち主であり、調子に乗せると危険な印象だ。長いイニングを投げ切るスタミナも持ち合わせており、去年の春は早大相手に1失点完投、秋には明大相手に2失点完投を果たしている。しかし、今季の東大の鍵は『継投』にある。昨年、ビッグイニングを作られるケースが多かった東大。一気に畳みかけられる前に早めの継投が考えられている。オープン戦を通して、東大は『勝利の方程式』の完成に尽力したのだ。リリーフとして主に考えられるのは宮本直輝と奥野雄介。法大ビハインドの状態でこの2人がマウンドに上がる状況はできれば避けたいところだ。

 「東大戦は、異様な雰囲気がある」と語るのは副将の清水俊作(文4)。『試合の流れ』がかなり重要になることは選手たちも十分承知の上だ。その中で、いかに自分たちの力を普段通り発揮することができるか。『個』の力は間違いなく上。再びの『結束』で開幕カードを奪取し、連覇に向けた連勝街道を突き進む。

(山﨑有馬)

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