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【硬式野球】東京六大学野球2023秋季リーグ戦 慶大3回戦 上州男の意地と意地!白熱の投手戦はスコアレスドローに 勝負は4回戦へ!

東京六大学野球2023秋季リーグ戦 慶大3回戦
2023年9月25日(月)
神宮球場

前日の2回戦を制してこの3回戦へ望みをつないだ法大。この日の先発としてマウンドに上がった法大・篠木健太郎(営3=木更津総合)、慶大・外丸東眞の群馬県出身右腕が共に好投。篠木が10回無失点、外丸が11回無失点と白熱の投手戦を繰り広げた。その後は両校の救援陣も無失点で12回を終えたため、連盟規定で0-0の引き分けとなった。


10回154球無失点と力投した篠木

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 H E
慶 大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0
法 大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0

(慶大)外丸、谷村—宮崎
(法大)篠木、尾﨑、塙、吉鶴ー𠮷安
[本塁打]
慶:
法:

打撃成績

打順 位置 選手 打率 出塁率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1 (5) 武川 5 0 0 .238 .333 中飛 中飛 遊ゴ 投ゴ 投ゴ
2 (8) 中津 5 1 0 .353 .400 二ゴ 一ゴ 中安 三振 三直
3 (6) 今泉 5 1 0 .313 .500 ニゴ 二ゴ 右飛 左安 三振
4 (3) 内海貴 5 0 0 .095 .174 左飛 中飛 ニゴ 右飛 三振
5 (9) 5 1 0 .400 .450 左2 一ゴ 中飛 二飛 遊ゴ
6 (4) 松下 4 0 0 .364 .364 右飛 遊ゴ ニゴ 中飛
7 (7) 西村 3 1 0 .333 .375 三振 中安 遊ゴ
H 姫木 1 1 0 .167 .167 中2
R7 鈴木照 .000 .000
8 (2) 𠮷安 4 0 0 .263 .333 ニゴ 遊ゴ 遊飛 投直
9 (1) 篠木 3 0 0 .000 .000 三振 ニゴ 三振
1 尾﨑 .000 .000
1
H 浜岡 1 0 0 .000 .000 一ゴ
1 吉鶴 .000 .000
41 5 0 .240 .314

 

投手成績

球数 打者 防御率
篠木 10 154 35 5 13 1 0 2.79
尾﨑 0 2/3 21 4 0 0 2 0 4.15
0 1/3 10 2 1 1 0 0 0.00
吉鶴 1 13 4 0 0 1 0 0.00
12 198 45 6 14 4 0 2.44

 

ベンチ入りメンバー

10 今泉颯太(法4=中京大中京) 32 中西祐樹(法1=木更津総合) 35 浜岡陸(法2=花咲徳栄)
1 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) 3 内海貴斗(人4=横浜) 2 鈴木大照(文3=明徳義塾)
11 山城航太郎(キャ3=福岡大大濠) 5 真鍋駿(文4=広島商) 9 浦和博(キャ4=鳴門)
13 塙雄裕(法4=常総学院) 6 高原侑希(法4=福井工大福井) 33 西村友哉(法3=中京大中京)
17 武冨陸(営4=日大藤沢) 23 品川侑生(文2=三重) 34 姫木陸斗(人3=日大藤沢)
18 篠木健太郎(営3=木更津総合) 24 武川廉(人3=滋賀学園) 36 中津大和(営3=小松大谷)
21 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) 26 藤森康淳(営1=天理) 39 大沢翔一郎(法3=上尾)
22 田所宗大(キャ3=いなべ総合) 28 石黒和弥(法2=高岡商)
27 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) 29 松下歩叶(営2=桐蔭学園)

戦評

晴天の下、秋風吹き抜ける穏やかな気候のこの日、慶大との3回戦が行われた。

1回戦同様に法大・篠木健太郎(営3=木更津総合)と慶大・外丸東眞のエース対決となったこの1戦。土曜日の1回戦では2回途中降板となった篠木も「チームに迷惑かけた分をピッチングで表現しようと思って投げました」と前回登板のリベンジに燃えた。

この日の篠木は慶大打線を寄せ付けなかった。3回途中まで1人の走者を出さない圧巻の投球。何度も雄叫びを上げて気迫の投球を見せる。3回に一二塁間の深いところを抜けて初安打を許すも、1番・吉川海斗を三振に切って取り中軸へと回さない。
5回には先頭打者を内野安打で出塁させるも、犠打を試みた後続に犠打すらさせない。そのまま走者を一塁に釘付け、この回も0点で抑えると、続く6回には1死から1番の吉川に安打を許したが、ここから中軸を担う2番・廣瀬隆太、3番・本間颯太朗を打ち取るとさらにエンジン全開。7、8、9回は1人の走者も出さずに片付ける。中でも9回はこの日4度目の対戦となった上位打線を3者連続に切って取る圧巻の投球だった。

安打を出しても揺るがない

しかし、打線は外丸東眞の前に攻略の糸口を見いだせない。得点圏に走者を進めたのは2回に浦和博(キャ4=鳴門)が二塁打を放った1度のみ。5回と6回にもそれぞれ1度安打が飛び出すも、後続が続かず。それでも9回、「なんとか塁に出ようと粘り強く打てた」と今泉颯太(法4=中京大中京)が必死に食らいついて8球目を左前へ。サヨナラの走者を出して打順は4番の内海貴斗(人4=横浜)に回ってきた。ファーストストライクを積極的に振りぬくも、逆風のせいか、上がりすぎたのか、右飛に倒れてこの回も0-0の均衡は崩れない。

安打を放った今泉

「自分がやってきたことに自信はあるので、自分を信じよう」。延長戦に突入しても篠木は腕を振り続けた。三振と三邪飛で2人を打ち取り、2死までこぎつける。しかし、ここから二塁打を打たれてこの日初めて二塁に走者を背負う。さらに続く打者は歩かせ気味の四球で2死一、二塁とした。しかし、篠木は崩れなかった。8番・齋藤快太の打球を三塁手・武川廉(人3=滋賀学園)が大事に掴んで本塁を踏ませない。

10回13奪三振の力投で1回戦のリベンジ!

その裏の攻撃では代打で送り込まれた姫木陸斗(人3=日大藤沢)が強烈なライナーで中堅手の頭上を破って二塁打とするも、8番・𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭)が放った打球を外丸も執念で離さなかった。投直で3つ目のアウトを取られてまだ0-0は変わらず。

今季初安打の姫木は塁上で喜びを爆発させた

11回から継投に入るも、2番手・尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)が2死から2つの四球を与えると、加藤重雄監督が早めの継投で塙雄裕(法4=常総学園)にスイッチ。塙はいきなり安打を打たれて満塁とされるも、最後は宮崎恭輔を落ちる球で空振り三振に切って取った。

塙が連日の好救援!

12回に登板した吉鶴翔瑛(営3=木更津総合)は慶大が送り込んだ右の代打陣に対して1つ四球を与えるも無失点で抑えた。法大の負けがなくなって迎えた12回裏の攻撃。3番から始まる好打順だったが、慶大2番手・谷村然の前に2者連続の三振に倒れると、最後は浦が遊ゴロに倒れた。0-0の引き分けに終わり、決着は明日の4回戦へともつれ込んだ。

(記事:皆川真輝、写真:嘉藤大太)

クローズアップ:篠木健太郎『勝ちたい一心 覇気溢れる気迫の投球』

3戦目にも連れ込んだ法慶戦の先発は剛腕右腕の篠木健太郎(営3=木更津総合)だ。

篠木は慶大1戦目にも先発したものの、四球が絡む失点によりチームは負けてしまった。調子が上がらない中、厳しい内容であった。

そして迎えた3戦目。勝ち点を取るためにも絶対に負けられない試合だ。篠木は「同じ相手に負けたら男じゃない」と気合を入れ、マウンドに立った。初回から三振を取るピッチングで3人で抑える圧巻な姿を見せた。初戦の配球とは違い、持ち前のストレートだけではなく、春から投げ始めたフォークなど変化球を多用し、慶大打線を翻弄した。

打線の援護がないまま9回。すでに110球を超えているのにも関わらず、ギアをさらに上げ、150キロをマーク。3者連続三振を奪った。初回よりも明らかに球の伸びやキレが増しているように感じる投球であった。

延長に入っても篠木はマウンドに立つ。1人目を三振に抑えた次の1球目、なんとこの日最速の152キロを叩き出した。勝ちたい一心で投げたと力の籠った投球で初めて一、二塁に走者を背負うも、無失点で切り抜けた。

篠木は10回154球13奪三振という素晴らしい結果で見事一昨日のリベンジを果たした。法大のエースとして篠木は止まることはない。今季も覇気満々たる雄叫びが神宮に響き渡る。

(高橋芽唯)

選手インタビュー

今泉颯太 主将

―今日の試合を振り返って
引き分けという形で試合を決めきれなかったのは悔しいですがまだ明日もあるので心と身体をリフレッシュさせていきたいと思っています。

―9回には粘っての安打がありました
流れが悪かったのでなんとか塁に出ようと粘り強く打てた結果だと思います。

―明日どういった攻撃をしていきたい
一球一打に拘って初回から隙のない攻撃をしていきたいと思います。

―明日への意気込み
勝ち点取ります!

篠木健太郎 選手

―今日の試合に入るにあたり、何か意識されたことは
同じ相手に2回負けたら男じゃないと思って、チームに迷惑かけた分をピッチングで表現しようと思って投げました。

―今日の調子は
良かったです。

―延長に入られた時どのようなことを考えられましたか
自分がやってきたことに自信はあるので、自分を信じようと思いました。

―10回にはこの日の最速152キロを出されました。あの時はどのような気持ちで
勝ちたい一心です。

―154球13奪三振無失点の内容をご自身で振り返って
勝ちに導けなかったのですが、0で抑えられて良かったです。

―次戦の意気込み
勝ち点取ります!

姫木陸斗 選手

―今日の試合を振り返って一言お願いします
篠木を筆頭に投手陣が0で抑えてくれたことに対し決めきれなかったなという悔しい気持ちが一番です。

―打席へ向かう時、どんな気持ちだったでしょうか
なんとか篠木に勝ち星をあげたいと思い打席に立ちました。

―今季初安打を振り返って
素直に嬉しい気持ちもありますが試合を決める一打にはならなかったので悔しい気持ちの方が強いです。

―外丸投手の球を実際に打席から見たご感想をお聞かせください
実際に初戦と三戦目で二打席立たせていただいて制球力が高くいいピッチャーだなという印象です。

―明日への意気込みをお願いします
明日は総力戦になると思うのでチームの勝ちに自分がどう貢献すべきか一球一球気持ちを抜かずに頑張ります!

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