【準硬式野球】東京六大学準硬式野球春季リーグ戦 対立大2回戦 今季初の2連勝で4つ目の勝ち点を奪取!2年連続春の覇者へ!優勝の行方は最終戦へ
東京六大学準硬式野球春季リーグ戦
対立大2回戦
2019年5月12日(日)
早大東伏見グラウンド
第1戦を勝利し迎えた立大2回戦。先発のマウンドには春翔一朗(経1)がマウンドに立った。打線は初回から敵失などで好機をつかみ先制に成功。3回にも土倉徳(社4)の適時二塁打で追加点をあげる。前カードに続き完封ペースで投球を続けていた春ではあったが、8、9回に2失点とまたしても完封勝利を逃した。しかし、チームは2連勝で勝ち点4を奪取。最終戦へ向け勢いづく結果となった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 7 | 8 | 0 |
立大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 12 | 3 |
(法大) 〇春−乘松
(立大) ●泰道、竹生、大森、松原ー坂井、村口
二塁打:土倉(3回)
盗塁:堀江(1回)、佐々木、鎌田(3回)、堀(8回)
併殺:鎌田(4)-大石智(6)-土倉(3) (7回、9回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 堀江悠介(経2) | 健大高崎 | 4 | 1 | 1 | 0 | .271 |
2 | (6) | 大石智貴(経4) | 静岡 | 4 | 0 | 0 | 0 | .438 |
3 | (9) | 佐々木勇哉(社4) | 花巻東 | 5 | 1 | 0 | 0 | .244 |
4 | (4) | 鎌田航平(社3) | 鳴門 | 3 | 0 | 0 | 0 | .205 |
4 | 海津裕太(社4) | 日本文理 | - | - | - | - | .000 | |
5 | (3) | 土倉徳(社4) | 遊学館 | 4 | 1 | 2 | 0 | .250 |
6 | (7) | 堀皓貴(社4) | 鳴門 | 3 | 2 | 0 | 1 | .350 |
7 | (8) | 中川大輔(社3) | 日大三 | 3 | 2 | 0 | 0 | .359 |
8 | (2) | 乘松幹太(現4) | 新田 | 2 | 0 | 0 | 0 | .219 |
9 | (1) | 春翔一朗(経1) | 静岡 | 2 | 1 | 1 | 1 | .250 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
春 | 9 | 12 | 5 | 2 | 2 | 2.74 |
戦評
今季前半戦は全カードで第3戦までもつれ込むも勝ち点を得てきた。今カード立大戦は幸先良く第1戦で勝利。「2連勝して勝ち点を取ろう」と堀皓貴(社4)が試合前に全員の前で語るほど、勝利へ懸ける想いは強かった。
想いはかたちになった。立ち上がりから好機は法大に訪れる。初回、1番堀江悠介(経2)が中前安打で出塁すると、2番大石智貴(経4)の犠打で送り1死二塁に。続く3番佐々木勇哉(社4)の打席で、初球が投げられたと同時に堀江が盗塁を図る。相手捕手が刺殺を狙ったものの、悪送球となりこの間に堀江が生還。相手守備の綻びにつけ込み、先制に成功した。
3回には大石智が敵失で出塁すると、佐々木が内野安打で出塁。無死一、三塁の得点圏に走者を置く。4番鎌田航平(社3)の内野ゴロの間に大石智が本塁を狙うも、アウトに。1死一、二塁と依然として走者を置いたまま、5番土倉徳(社4)が打席に立つ。土倉が2球目のボール球を見送ったのと同時に、走者がスタート。重盗塁を成功させ、1死二、三塁と足を絡め好機を取り戻す。土倉はこの好機を逃さなかった。3球目を芯でとらえ、打球はきれいな弧を描き中越適時二塁打に。「第1戦から振れていたので、タイミングが合えば飛んでくれると思った」(土倉)。試合の流れを引き寄せる貴重な一打を放って見せた。
4回にも春翔一朗(経1)の中前適時打で1点を追加すると、6回には再び、相手守備の乱れにより得点を得る。先頭の6番堀皓貴(社4)、7番中川大輔(社3)が連続安打で出塁する。続く8番乘松幹太(現4)の犠打を相手投手が三塁へ送球するも、大きく逸れ悪送球に。この敵失の間に堀、中川大が生還。さらに堀江の中犠飛を含め、この回だめ押しの3点を追加した。
春はいつも通りテンポの良い投球で7回までを無失点。完封勝利が目前まで迫ったものの、8回に2死から3者連続で安打を放たれ、1失点。9回にも先頭から出塁を許しここでも1点を失ったものの、最後の打者を三振でしのぎ、勝利。2連勝で立大から勝ち点を奪った。
今季リーグも終盤に差し掛かる。2年連続春の王者へ。新緑芽吹く東伏見のグラウンドで、再び歓喜の胴上げなるか。完全優勝へ向け、あと一息だ。
(記事:梅原早紀、写真:村井美咲)
2打点と活躍を見せた土倉
Pickup Player!~西村勇輝~
今季リーグ戦期間中では、対戦カード終了時に、法大準硬式野球部の選手特集を行います。第4回目の「Pickup Player!」では、今季既に5勝目をあげている西村勇輝(経2)選手にフォーカスしました。ぜひ、ご一読下さい!
身長183センチの長身。時速140キロ後半を度々計測する直球を投げ込んだかと思えば、スライダーやツーシームなどの変化球を多彩に操り打者を料理する。柔と剛を兼ね備えたハイブリッドエース、それが背番号13番、西村勇輝(経2)だ。
北陸の雄、新潟県の日本文理高校出身であり、高校3年生の夏に甲子園の土を踏んだ。法大入学後はその経歴に恥じぬ活躍を披露。1年生の春から多くの試合に登板し、将来のエース候補として名乗りを上げた。2年生となった現在は、カード頭を任されるエースとして法大投手陣の柱となっている。順風満帆と言ってもいいようなここまでのキャリアだが、思い出すのは3月、同じ関東六大学の明大相手に3-4で初戦敗退した、関東選手権の記憶だ。「昨年で卒業した先輩方に引っ張っていただいたおかげで、とてもやりやすかったですが、自分は一人一人の打者に投げるのに精一杯でした」と昨季と関東学生選手権での投球を振り返る。恵まれた体格、飄々(ひょうひょう)とした性格。ピンチでもマウンドではいつも顔色一つ変えない彼だが、自身の投球に満足をしていたわけではなかった。
臨んだ今季リーグ戦では圧巻の投球を披露。6試合に登板しチームトップの5勝、防御率2.05の内容(5月12日現在)で圧倒し、今や法大投手陣の顔へと成長した。新球種の存在も大きい。「カウントをとれるボールがほしくて」とオフシーズンに習得したのはカットボール。直球に近い球速から鋭く変化する新兵器が、投球の幅を増やした。またこだわりを見せるのは1試合を投げきること。今季は先発すると完投する試合がほとんどだ。西村自身の中にも、エースとしての自覚と自信は芽生えつつある。
目標にする選手を聞くと、こぼれた言葉は「あまり目標としている選手はいないです」。しかし、「チームを勝たせることができる投手になりたいです」と続ける。エゴイスティックさが垣間見える西村らしい言葉だ。理想とするのはいつだって進化した自分。我が道を切り拓く右腕の未来は、きっといつだって明るい。
(記事:磯田健太郎)
今季投手陣の大黒柱となった西村
監督・選手インタビュー
本間隆洋監督
-立大戦を振り返って
本当に学生が一丸となって頑張ってくれたという一言に尽きると思います。
-今カードは投手陣の活躍が光ったが
この2試合に関しては何も言うことがなく、投手と言いますかバッテリーが試合を作ってくれたと思います。その点については大変感謝しています。
-走塁に関する指示は
走塁においては私の判断です。現状として、やはり打線がまだ弱いと思います。特に上位打線についてはなかなか調子が上がってきていないことが懸念材料だったので、とにかく塁に出たら足を動かしていこうという判断をしました。
-今季後半戦を2連勝というかたちで終えられたことについて
弾みがつくという意味では本当に大きなカードだと思いました。個人的にもとてもうれしく感じています。
-堀主将とお話されたことについて
やはり、投手陣について話をしました。バッテリーの出来が試合の結果の7、8割を左右すると思っていました。そういった点では前カードの東大戦が良い刺激になりました。やはり、いかなる相手であろうとバッテリーが上手くいかなければ試合の流れも上手く運ぶことができません。ですから、投手陣の調整や誰と登板させるのかということについて、とても神経を使って考えました。今日も本当は2連勝で勝利したいということで、今までは西村(勇輝)を第2戦ではベンチ入りさせてはいなかったのですが、第1戦に続きベンチ入りしてもらいました。
-今カード2連勝によって優勝も見えてきました
はい。しかし、今日のミーティングで昨秋の話をしました。昨秋も勝ち点は4までつかんだのですが、勝率が届かずに優勝を逃しました。ですから、昨秋のことを思い出し最後まで気を抜かないようにと学生たちに話しました。本当に最後まで、目の前の一戦を確実に勝利するという意識で臨んでいけば結果につながるのではないかと思います。
-最終戦に向けて意気込みをお願いします
勝つしかないです。2連勝で今季を締めたいです。頑張ります。
堀皓貴(完全優勝を目指す主将)
-今日の試合を振り返って
このリーグはまだ2連勝で終わらせたことがなかったですし、今後の早稲田戦も見据えて2試合連勝して勝ち点を取ろうと朝のミーティングから話していました。そして何とか達成できました。
-立大の印象は
勢いのあるチームですが、法政としても苦手意識はなかったので、自分たちのやるべき事をすれば結果はついてくるとは思っていました。
-今日も2安打を放ったが、打撃好調の理由は
リーグ戦序盤は調子が悪かったのですが、チームメイトの佐々木(勇哉)からアドバイスをもらってからは調子がいいので、半分は佐々木のおかげかもしれません。
-今季は盗塁も多く記録しているが、それはチームでの先の塁を狙う意識が理由か
例年に比べて得点力が劣るチームであるということは自覚していて、それでは例年通りの攻撃をしていても点が入らないと考えているので、先の塁を狙う意識は大事にしています。そこでやっぱりチームリーダーが姿勢を見せていかないと、とは思っているので、それが盗塁の多さにつながっていると思います。
-前半戦を振り返って
完全優勝を目指してここまでやってきて、あと1カードでそれが達成できるので、しっかりと準備をして後半戦頑張りたいです。
-堀主将から見て、今季はどのようなチームか
春からのオープン戦で他の大学と試合をして、関東選手権では明治大学さんに負け、チームの状態はあまり良くないと思っていました。しかし、そこから打順を組み替えて攻撃の工夫だったり、チームのことについてだったりを、学生幹部の大石(智貴)や乘松(幹太)と話し合って、その結果このような状況になったのは良かったなとは感じています。
-チームは好調だが、課題を挙げるとしたら
上位打線が当たってないことですね。まだ空き週があるので、うまく調整をして、上位打線に元気を取り戻してもらえれば、法政の打線全体の隙がなくなるのではないかなと考えています。
-優勝も見えてきたが
関東学生選手権で負けてからここまで来ましたが、ここまでやれるとは自分自身は思っていなかったので、ほっとしています。ですが、ここで終わりではないので全日本を決めるまで気を抜かず、あと1カードチーム全員で一つになって頑張ります。
土倉徳(3回に2打点をあげる活躍)
-今日の試合を振り返って
自分たちの勝利パターンに上手く持っていくことができて良かったです。
-チームの勝利パターンとは
先制点を取って、守備で無失策を心がければ、追加点を取れるようなイメージです。いつでも好機を作ることができ、今日は特に得点を重ねることができて良かったです。
-3回には2打点をあげました
第1戦からバットがしっかり振れてはいたので、タイミングを合わせれば勝手に飛んでくれるとは思っていました。打てて良かったです。
-今季5番打者として心がけていることは
毎打席、単打でいいから出塁しようという気持ちでやっています。本塁打とか打てるような打者ではないと自分では思っているので、外野の前や、運よく右中間や左中間に落ちてくれればという風に意識して打撃は練習しています。低い打球を意識しています。
-今季前半戦を終えて
今季一番初めに取材してもらった時に、無失策複数安打を毎試合の目標としていたのですが全然達成できていないのが現状です。個人としては全然力を発揮できていないのですが、チームは徐々にいい方向に歩んでいっていると思います。守備も攻撃も良いかたちになってきているので最終戦も継続できると思います。
-最終戦へ向けて意気込みをお願いします
最後のカードこそ、目標を達成します!頑張ります。
春翔一朗(今季3勝目のルーキー右腕)
ー今日の試合を振り返って
今日は最初から最後まで自分の投球ができましたが、8、9回で自分の詰めの甘さが出てしまいました。今季は終盤に失点することが多いので、そういう課題を痛感した試合でした。
ー今日で3勝目となりました
勝利はピッチャーにしかつかないのですが、自分1人で勝ってるわけではないと思っています。野手に感謝しながら投げていますし、3勝目とか4勝目とかは自分には関係ないと思ってます。
ー優勝に向けて大事な場面での先発だったが
先輩には優勝がどうのこうのとかは言われてなくて、この1戦、この1回、この1球に集中しろと言われていました。優勝は意識しないでチームの勝利に貢献するだけです。
ー9回で無死満塁のとき、タイムをとっていたがそこで話していたことは
大石(智貴)さんや海津(裕太)さんは普段から可愛がってもらっています。あの場面では何点取られてもいいと言われていました。(もし打たれても)併殺を取るからという頼もしい言葉をかけていただきました。それで思い切って投げることができました。
ーリーグ戦中盤から抑えられるようになったが、意識の変化などはあったか
初戦の明治戦は練習試合などでは投げたことがなく、いきなり本番だったので試合勘とかがすごく鈍っていたのですが、少しずつ(調子が)上がってきて、今の結果になっているのではないかと思います。
ー最終戦に向けて意気込みをお願いします
1戦目を任せられるか2戦目かはわからないのですが、どこかでチャンスがあると思うので、与えられた役割を全うしたいと思います。
フォトギャラリー
- 3回に適時二塁打を放った土倉
- 2安打と調子を上げてきている佐々木
- 鎌田の打球は惜しくも中飛に(7回)
- 初回から安打を放った堀江
- 二塁打を放った春
- 今季3勝目をあげた春
- 9回のピンチに話し合うバッテリー
- 2打点と活躍を見せた土倉