【テニス】2019年度関東学生テニストーナメント大会 男子ダブルス準々決勝 楠原・岡垣組は4強入りならず…ベスト8で春関を終える
2019年度関東学生テニストーナメント大会
2019年5月6日(月)
早稲田大学東伏見テニスコートほか
関東学生トーナメント大会(春関)。準々決勝進出を決めたのは楠原悠介(経4)・岡垣光祐(経3)組だ。第1セットを奪うも、第2セットでは前セットよりも勢いを落としてしまう。スーパータイブレークをものにできず敗戦。ベスト8で姿を消した。
男子ダブルス準々決勝
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
● | 楠原悠介(経4)・岡垣光祐(経3) | 6‐4,4‐6,5‐10 | 千頭昇平・白石光(早大) |
戦評
法大から唯一春関準々決勝まで勝ち残った楠原悠介(経4)・岡垣光祐(経3)組。準々決勝は早大の千頭昇平・白石光組との対峙となった。
第1セット第1ゲームから試合の流れは楠原と岡垣に訪れる。幸先良く第1ゲームをブレイクすると、第2ゲーム以降は粘り強いプレーを見せる。第7ゲームでも楠原が鮮やかなボレーを決め、2回目のブレイクに成功。その後の岡垣のサービスゲームをブレイクバックされてしまったものの、6-4とセット先取に成功する。
「第2セットから少しミスが増えてしまった」(楠原)と語ったように第2セットでは苦戦を強いられる。雨雲が空を覆い、少し風が強くなる一方で両者のファーストサーブは不安定な状態に。それでも楠原がコートのオープンスペースにボレーを打ち込むなど考え抜いたプレーを披露。しかし、第4ゲームでブレイクを許すと、修正は難しく第8ゲームもブレイクされてしまう。第2セットを4―6で落とし、勝負はスーパータイブレークへともつれ込んだ。
スーパータイブレークも苦しい展開だった。「相手の千頭選手がギアを上げてきた」と試合後に楠原が語ったように、徐々に点差は開いていく。スーパータイブレークを落とし、敗戦。ベスト8で姿を消した。
昨年男子ダブルスで優勝を成し遂げた法大。今大会の結果は確かに、昨年に比べると物足りなさを感じるものだったのかもしれない。しかし、「これからの暑くなっていく時期にどのような練習を積めるかが大事」と植村直己監督も語るように今後の成長の糧をつかんだ大会となった。悔しさなしに喜びは得られないのかもしれない。夏はもうすぐそこに迫っている。
前衛で構える楠原と岡垣(左)
NEXT STAR☆~中川舜祐~
炎天下の岐阜県で繰り広げられた昨年度の全日本学生選手権(インカレ)。先輩である藪巧光(経4)・岡垣光祐(経3)組が準優勝と輝かしい成績を残した中で、当時1年生だった中川舜祐(社2)は『荷物番』として岐阜の地にいた。まっすぐ真摯な目で勝ち進む法大の先輩選手たちのプレーを見つめていた中川は、半年以上の月日を経てひと回りもふた回りも成長し、春関で大きな飛躍を遂げる。活躍の前触れは、関東学生新進選手権(新進)から訪れていた。予選から勝ち上がり、本戦に出場。1回戦ではリーグ戦主力メンバーに名を連ねる蓮見亮登(明大)に最終セットまで粘り強く戦う。1回戦敗退に終わったものの、確かな手ごたえと存在感を示した。
「今回、格上の選手が相手でも戦う姿勢を一番見せていたのは中川だった」(植村監督)と語るように、強い気持ちで一試合ずつ取り組む姿に誰しもが一目置いている。中川にはこの『強い気持ち』だけがあるわけではなかった。新進前には一週間ごとに今の自分が取り組まなくてはならないことを紙に書き出し、限られた練習時間をどのようなメニューを行っていくべきかを可視化した。現段階でできること、できるようになった強みは試合に表れた。フォアハンドを得意とする中川は練習でも手出し、球出し、ラリーと段階を踏み、練習。少しでも迷いが生じたときは手出しの球を打つことに戻り、練習を積み重ねた。
このようにして試行錯誤を続け、挑んだ春関。二次予選を勝ち抜き、迎えた本戦では3回戦で2月の新進で敗れた蓮見と再び対戦し勝利すると、続く4回戦でもシード選手を打破。紙に書いて模索していたことは、いつしか自分のプレーとして実戦に生きていった。
「見えない努力を重ねる」という言葉があるが、限られた時間の中で見えないものを模索していくには限界があるだろう。中川がしたように、自分の『最も優先するべきプレー』を考えることが、今大会の飛躍につながったのかもしれない。「本当に自分が頼りにできるプレーは、自分が最も自信があるもの」(植村監督)と語ったように、強みを生かした中川は今大会確かな強さを示して見せた。およそ一年前、岐阜の地でずっと外から眺めていたインカレのコートに今年は立つ。成長著しい中川の今夏に注目だ。
予選から勝ち上がり8強入り果たしてみせた中川
監督・選手コメント
植村直己監督
-今大会を振り返って
シングルスでは3回戦進出者が4人でました。シード選手以外の成長も著しかったです。中川がずいぶんと強くなりました。昨年は予選の決勝で負けてしまったのですが、こうして一年経ってレベルアップしてこの大会に臨んでくれました。新進では負けてしまった明治の選手と3回戦で対戦しましたが、最終セットまで粘り勝ちました。技術面で自分のプレーを改善してきて結果を残せたことが素晴らしいと思います。高清水・佐野組も、相手ペアの棄権ではありましたが、格上の選手と試合ができたことも収穫になったと思います。
-新進、春関を経て収穫は
今回は入賞こそできませんでしたが、昨年が出来すぎていたような気もします。先ほど集合の時に4年生が話をしていたのですが、昨年は春関の結果から徐々に以降の結果が落ちてしまいました。今年はその反省を生かしてここから上がっていかなければならないので、この結果を次に生かそうと思います。良かった点も、反省点もあるのでここから3か月徐々に暑い時期にはなってきますが、トレーニングを積み直していくべきだと感じます。
-本戦前に「戦う姿勢を見せて欲しい」とおっしゃっていたが
その点はですね、もう少し他大学の選手たちから学ぶべきことがあると思います。やはり少し引き気味になってしまったり、疲れを見せてしまったりしました。その点、シード選手に勝利した中川の姿勢はやはり良かったと思います。その後も最終セットまで戦い抜く気持ちも見せました。ただ、準々決勝以降はまだ経験したことがない舞台だったので、今後は体力の強化は必要です。柚木の試合もプロの試合のような打ち合いだったので、非常に応援をしていた下級生の刺激になりました。柚木にとっても、強い選手たちと戦うことでまだまだ自分のプレーを見直すことができまだまだ伸びていくのではないかと思います。
-インカレへ向けて選手たちに伝えたこと
「思っているだけではダメなんだ」ということを伝えました。きちんと良かったこと、だめだったことを書き出して、練習に生かすようにしないといけません。苦しいトレーニングの中で、自分の長所を伸ばし夏に向けて頑張って欲しいです。自分の欠点はオフシーズンに直していけばいいので、ピンチの時に自分自身が一番得意なものを持ってこれから練習をして欲しいです。そして実践で試して挑んで欲しいなと思います。
楠原悠介・岡垣光祐組
-準々決勝を振り返って
楠原:昨日の試合を観た限り、自分たちとやりやすい相手だなという印象を持っていました。前半はそういった心の余裕というものがあって自分のプレーが出来ていたのですが、第2セットから少しミスが増えてきてしまいました。そこで立て直せなかったところが今後の課題だと思っています。
岡垣:僕も楠原さんと同じなのですが、楠原さんの調子が良かったぶん僕が乗り切れない場面が多くすごく申し訳なく思っています。けれど今できることは何とかやり切ることができたのではないかとも思います。
-試合前に考えていたことは
楠原:特にありませんでした。
岡垣:(流れに)乗れたらいいなと思いました。やれることだけやろうという気持ちでした。
-試合中に考えていたことは
岡垣:そのあたりも少しチャンスがあればな、という気持ちでした。自分たちができることをやっていこうという気持ちでプレッシャーはありませんでした。
-第2セットについて
岡垣:やはり僕のサーブゲームが取れていないので、その点が不安材料でありやりづらさがありました。
-修正していったことは
楠原:修正というより、どんどん悪くなっていってしまった気がします。最後の最後まで悪いところを修正できなかったので、あまり良くなかったです。
-シングルスからの切り替えは
楠原:僕はシングルスですぐに負けてしまったので、ダブルスにすぐ切り替えました。すぐ負けてしまったらやはりポイントも落ちてしまうので、ダブルスを頑張ろうと思いました。
岡垣:僕はシングルスでは体力的に厳しいこともあり、本戦を決められたらいいかなと思いました。ダブルスも勝ち進みたかったのですが、あと少し気持ちが足りていませんでした。
-スーパータイブレークについて
楠原:相手の千頭がギアを上げてきた気がしました。第1セット、第2セットでは出てこなかったようなプレーをしてくるなど相手が上回ってきた気がします。
-インカレへ向けて意気込みをお願いします
楠原:シングルスは本戦へしっかりと上がって、ダブルスも上位に食い込めるようにしたいです。
岡垣:今年のインカレは勝負だと思っているので、今日の結果を生かしてタイトルが取れるように頑張ります。
フォトギャラリー
- サーブ前に話をする楠原と岡垣(左)
- ストロークを打つ岡垣
- ガッツポーズをする岡垣
- 前衛で構える2人
- サーブを放つ楠原
- 力強い球を打つ楠原
- 奮闘するも春関はベスト8という結果に