【ハンド】2019年度関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 第9節 対明大 『黄金世代』の本領発揮で大躍進! 明大に逆転勝利で今季の2位が確定し、インカレのシード権を獲得!
2019年度関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 第9節 対明大
2019年9月29日(日)
日大八幡山
勝てば2位が確定する明大との大事な最終戦。インカレのシード権もかけた戦いは、一進一退の攻防となった。前半は明大に主導権を握られ、3点のビハインドで折り返したたものの、後半、立て続けにゴールネットを揺らした。途中出場していた佐々木隆斗(社2)のゴールで逆転に成功すると、その後明大に追い上げられる時間もあったものの、最後はエース・松岡寛尚(経4)のゴールで勝利を決定づけた法大。見事最終戦を勝利し、今季を2位が確定。インカレのシード権を獲得した。
試合結果
トータル試合結果
26 法政大学 |
11 | 前半 | 14 | 25 明治大学 |
---|---|---|---|---|
15 | 後半 | 11 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 今節得点 | 今季得点 |
16 | GK | 高木アレキサンダー | 経1・市川 | 0 | 0 |
2 | CB | 山本晃大 | スポ健4・雄城台 | 5 | 52 |
3 | RB | 山本祐輝 | 社4・浦和学院 | 6 | 26 |
7 | RW | 能條裕太 | 国文4・法政二 | 0 | 20 |
5 | LB | 松岡寛尚 | 経4・藤代紫水 | 9 | 73 |
18 | LW | 小林昇太 | スポ健4・法政二 | 0 | 6 |
9 | PP | 橋口博隆 | 社2・雄城台 | 3 | 11 |
交代選手
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 今節得点 | 今季得点 |
34 | LW | 佐々木隆斗 | 社2・浦和学院 | 2 | 6 |
21 | GK | 河村直人 | 生命1・昭和第一 | 0 | 0 |
9 | PP | 柿沼健吾 | 社3・雄城台 | 1 | 26 |
11 | RW | 本田悠也 | 社3・大分 | 0 | 1 |
27 | LB | 利光良介 | 社1・雄城台 | 0 | 3 |
試合後順位表
順位 | 大学名 | 勝-分-負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 勝ち点 |
1位 | 日体大 | 7-0-1 | 243 | 202 | 41 | 14 |
2位 | 法大 | 5-1-2 | 209 | 202 | 7 | 11 |
3位 | 中大 | 5-0-3 | 198 | 178 | 20 | 10 |
4位 | 明大 | 3-2-3 | 201 | 197 | 4 | 8 |
5位 | 国士大 | 3-2-3 | 211 | 215 | -4 | 8 |
6位 | 筑波大 | 4-0-4 | 210 | 184 | 26 | 8 |
7位 | 日大 | 3-0-5 | 172 | 205 | -33 | 6 |
8位 | 東海大 | 2-0-6 | 177 | 208 | -31 | 4 |
9位 | 早大 | 1-1-6 | 189 | 219 | -30 | 3 |
10位 | 立大 | — | — | — | — | — |
※立教大は秋季リーグ戦未登録の役員をベンチ入りさせたため、VS立教大戦は全て参考試合とする。
秋季リーグ戦結果
節 | 日付 | 対戦校 | 結果 | 会場 |
1 | 8月31日(土) | 中大 | ○27–24 | 日大八幡山 |
2 | 9月1日(日) | 立大 | ●27-37 | 日大八幡山 |
3 | 7日(土) | 早大 | ○24-23 | 国士大多摩 |
4 | 8日(日) | 筑波大 | 台風のため中止 | 国士大多摩 |
5 | 14日(土) | 国士大 | △27–27 | 中大多摩 |
6 | 15日(日) | 日体大 | ●26–31 | 中大多摩 |
7 | 21日(土) | 日大 | ○24–17 | 日体大健志台 |
8 | 22日(日) | 東海大 | ○32–27 | 明大和泉 |
9 | 28日 (土) | 筑波大 | ●23–28 | 国士舘大多摩 |
10 | 29日(日) | 明大 | ○26–25 | 日大八幡山 |
戦評
リーグ戦を2位で終わるべく、最後に立ちはだかるのは、強敵明大。インカレのシード権をかけた大事なリーグ戦最終戦を勝利で飾れるか。
先制点を取られた法大であったが、松岡寛尚(経4)のカットインにより生じたスペースを山本裕輝(社4)が突きすぐさま取り返す。序盤は、一進一退の攻防が続いた。しかし、11分、松岡の橋口博隆(社2)へのパスが通らず、明大ボールに。それを決められた後、速攻を仕掛ける山本晃大(スポ4)だったが、セーブされ点差を埋められない。21分にも柿沼健吾(社3)の放ったシュートはバーを弾いた。悪い流れであったが、河村直人(生命1)のセービングが随所で光り、離されることなく3点ビハインドで後半へ。
後半開始後、互いに2点ずつ取り合い、迎えた34分。明大の選手が2分間の退場処分となったため、明大はGKを下げ、コートプレーヤーを6人とする。この隙をついた法大。明大のセットオフェンスを抑え、ボールを奪うと、すぐさま山本祐がロングシュート。無人のゴールネットを揺らした。そこから34分、35分、36分と立て続けに決め、怒涛の追い上げをみせる。そして、50分に佐々木隆斗(社2)のゴールによりついに逆転に成功した。その流れに乗り、橋口、山本晃らのシュートでさらに3点差に突き放す。ここですかさず明大がタイムアウト。その後、2連続失点を許し、嫌な流れになりかけたものの、山本晃のパスカットからボールは松岡に渡り、それを見事に沈める。25-24で迎えた59分。明大は必死のマンツーマンディフェンスで法大に襲いかかる。しかし、この場面で冷静だった法大。山本祐から松岡へパスをつなぎ、今季得点王のエース・松岡がこれを沈めて勝負あり。その後1点取られるも26-25でリーグ戦最終戦を勝利で飾った。
これによりリーグ2位が確定し、大躍進となった
劇的な逆転勝利を収め、リーグ戦を2位で締めくくった法大。インカレのシード権を獲得した。ここ数年、入れ替え戦にも回っていた以前の姿は今季になく、法大は間違いなく『強いチーム』へと変貌した。高校時代に日本一を経験している山本晃、山本祐、松岡がラストイヤーを迎えた今季の法大はまさに『黄金世代』。その確かな力が結果に結びついている。「メンバー外の応援が勝ちにつながった」と今季を振り返った主将の山本晃。メンバー全員が『結束』し、4年生最後の大会となるインカレでの優勝に向け、法大は再び走り出す。
(木庭優斗)
監督インタビュー
佐藤浩 監督
—今日の試合を振り返って
とにもかくにも勝てば2位が確定するという試合を勝てて、とにかく良かったと思います。
—リーグ戦2位で、インカレのシード権を獲得です。今シーズンの総括を
順位に関しては満足しています。もともとインカレ優勝を目指すために、リーグ戦4位以上を目指していました。その中で4位よりもいい2位という順位で終われたことは良かっと思います。しかし中身として負けている試合もあり、日体大に離されてしまい、私も学生も満足してません。それはインカレへの課題かなと思います。
—春リーグからのチームの成長は
まずは山本祐輝が復活したということがチームのディフェンスとしての大きな点です。山本祐輝が抜けている中で、橋口(博隆)や柿沼(健吾)の2人が、春リーグは苦しみましたが、そこの経験が生きてきて、さらにそこに山本祐輝が加わり大きな3枚看板になったところは大きかったと思います。また、山本晃大と松岡(寛尚)がU-22の代表に選ばれ、韓国で活躍して、自信を持って、帰ってきたことで、これまで勝てずに迷いがあった部分もありましたが、自分たちのプレーを思いきりできたと思います。
—4年生にとっては最後のリーグ戦となりました。4年生にはどのような思いがありますか
山本祐・松岡・山本晃の3人がそれぞれ、高校3年の時に日本一になっていて、1年生の時から自分たちは日本一を取ると言っていた中で、それが少し見える位置に来ており、口だけでなく結果もついてきており、まずは1つ抜け出すことができたと思います。常に入れ替え戦にいたようなチームが、リーグ戦2位になり、しっかり優勝を狙える位置にいると思います。
—次の代を担う次世代ホープは
今は左手のケガを抱えてなかなか試合には出れていませんが、3年の本田悠也です。彼はあの身長で得点王に輝くなど活躍しています。本人自身今は悔しいと思いますが、十分一部リーグでも通用するテクニックは持っているので、彼の活躍によってチームが勢いづいて、今年に負けず劣らずの成績を残せると思います。もう一人はキーパーの高木アレキサンダーです。ジュニアユースで世界選手権でも活躍して、自信を持ってチームに戻ってきてくれ、これによってディフェンスの安定感がさらに増すと思います。今の先輩たちが抜けますが、自分たちの強みを生かして、勝てるチームになってくれると思います。
—これからのインカレまでの調整、練習は
やはり負けた試合はディフェンスに課題があり、やられている状況でシステムの変更やマンツーマンをすれば、勝てたのではないかという試合もありました。負けた試合の自分たちを研究して、そこでどうするべきだったのかというのをしっかり用意して、ディフェンスのバリエーションや試合の中の思い切りなどを持っていれば劣勢になったとしても、自分たちのペースに持っていけるようになると思います。攻撃は両サイドの得点が少ないので、そこのレベルアップが必要になると思います。左サイドの小林(昇太)と佐々木(隆斗)が交代で出てますが、右利きでいなければならない人が入れていないので、レベルアップが急務です。右サイドは能條(裕太)が入っていますが、本田悠のケガの完治をまって、左利きのサイドを入れることによって、相手チームの脅威となれるはずです。
—インカレに向けての意気込み
自分たちで勝ち取ったインカレのシードです。法政として40年以上優勝できていないので、今の4年生たちと日本一を取りたいと思います。
選手インタビュー
山本晃大 主将
—今日の試合を振り返って
明治のディフェンスは固くて、僕の中で一番攻めにくいイメージがありました。後半でセットオフェスに持ち込むことと、速攻でガンガン攻めることがどちらもできていたので、そこが勝因かなと思います。
—互いに2位をかけての試合となりました
そこはあまり深く考えていなくて、勝ったら2位ということはわかっていたんですけど、それよりもシンプルに勝つということだけを僕としては考えていました。
—筑波大戦の敗戦から立て直した部分は
昨日はやっぱり、ディフェンスが上うまくいかずに失点して、その流れでオフェンスもうまくいかないという悪循環でした。今日は祐輝(山本、社4)とか、健吾(柿沼、社3)がしっかり頑張ってくれて、ディフェンスから流れを作れたことが良かったかなと思います。
—今季のリーグ戦全体を振り返って
一番感じたのは、メンバー外の応援が勝ちにつながったという事です。応援席の応援には、一番感謝しています。
—具体的にこの選手の応援が力になったというのは
断トツで中村健太(スポ4)ですね。(応援を)引っ張ってくれて。(中村選手を中心に)メンバーに選ばれていない選手が声を出してくれて、そのおかげでプレーしている僕らも集中力をもってやれましたし、本当に良かったと思います。
—ここ数年、入れ替え戦に回ることも多かった中、今季は2位と大躍進を遂げました
もともと、秋リーグはシード権を狙うということで、その中でリズムよく勝ち続けて今の形までもって来れました。でもやっぱり、目標は達成できたんですけど、1位までいきたかったという思いはあります。そこはまた、インカレに向けて切り替えて、修正するところを修正して、頑張っていきたいと思います。
—最後にインカレに向けての意気込みをお願いします
インカレはトーナメントで、どこと当たるかわからないので、どこと当たっても良いように、自分たちの土台をしっかり作って、インカレ優勝という目標を達成できるように頑張りたいと思います。
山本祐輝 副将
—明大戦で勝利できました
今季は上位に食い込むことができていて、その中で1試合1試合勝ちきることが重要になってました。その中で、1点差ではあるんですが勝つことができたので良かったです。
—今日の試合を振り返って
前半明治のシューターのロングシュートが結構決められてしまって流れをつかむことができなかったんですけど、後半にGKの河村がしっかりと止めてくれてそれが速攻につながってので、勝てたと思っています。
—後半においてロングシュートへの対策は
ディフェンスでの対策というよりかは明大の選手は身長が高いので、走って勝つことを意識してやってました。守って走ることで勝つことができたと思います。
—ラストプレーでの監督からの指示は
監督からは気持ちで負けるなと言われました。その他に自分たちの中で話し合ってちゃんと見て、パスを出してカットされなければ勝てると思ってました。結果的に松岡がちゃんと決めてくれました。
—4年生最後のリーグ戦でした
早かったなぁーって思います。本当に最後自分たちの代で長年先輩たちが目標にしていたインカレのシード権を勝ち取れて非常に嬉しいです。
—最後の大会に向けて
自分のハンドボール人生の最後の大会なので、本当に今までやってきたことを最大限に出して全力で優勝目指して頑張りたいと思います。
松岡寛尚 副将
ー今日を振り返って
前半流れが悪かったです。昨日の試合の負けもあってメンタル的な部分でみんな疲れてたこともあって、後半はやられても気にせず、雰囲気を良くすることに集中しました。法政が勝ってる試合は全部盛り上がっているので、昨日の試合で疲れているのはわかるけど、気持ちを出していこうとハーフタイムで言って修正できて流れを持ってこれて良かったです。
ー順位が決まる大事な一戦でした
今日勝てば準優勝が確定で、技術的な面はその日の調子で悪くなったり良くなったりするので、気持ちの面では絶対に負けないようにしようと臨みました。
ー後半ディフェンスが良くなった
ディフェンスを1:5にしようという話が出てたんですけど、出遅れて当たれるのに当たれてないことが多かったのは、技術的なものではなく、気持ちの面だと思います。ディフェンスでの覇気や声かけをしっかりしていけば当たれると思ったので、一線のままでいこうという話し合いをして修正しました。
ー後半最後の得点について
相手がタイムアウトを取る前からマンツーマンに付いていて、タイムアウトの後も付いてくるとわかっていたので、自分が試合に出ているメンバーに、(審判の)手が挙がったら、相手がマンツーマンを外すから、(自分を)探してと言って、祐輝(山本、社4)がそれを見ててくれて、それで決めることができました。
ー自身にとって最後のリーグ戦でした
初戦を勝ちからスタートできたのがすごく良くて、春はずっと合わせてきていた祐輝が初戦でけがをしてしまって、その4年生の主力がいない中で春は戦っていたけど、秋は全員けがなく4年生がそろって試合に出れていたので、それでチームとしてまとまっていけたのかなと思います。
ー3季連続の得点王のかかったシーズンでもありました
リーグ最初の方は不調で全然シュートが入らなくて苦しかったんですけど、試合終わった後に反省したり、動画を見たりして後半はしっかり修正できて、得点王を獲得できてよかったです。
ーインカレに向けて
今回の準優勝は素直に喜んで、ここで気が抜けて初戦で負けたりしたら周りの期待を裏切ってしまうので、気を引き締めてインカレに臨みたいと思います。
フォトギャラリー
- リーグ戦を通して攻撃の要となった主将の山本晃
- 橋口(左)と山本祐などの安定したディフェンスが今季の躍進につながった
- ポストとして得点を積み上げた柿沼
- 佐々木は速攻やサイドシュートで貴重な得点をもたらした
- この試合ではスタートから出場した橋口
- エース・松岡は今季も得点王に輝き、これで3季連続となった
- ベンチも大きな盛り上がりを見せた
- 目標としていた『リーグ4位』を上回る2位で今季を終え、インカレへ良い流れを作った