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【アメフト】関東大学秋季リーグ戦 第6節 対早大 前半一挙28得点も逆転負け… 甲子園への道断たれる

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【アメフト】関東大学秋季リーグ戦 第6節 対早大 前半一挙28得点も逆転負け… 甲子園への道断たれる

2019年度関東大学リーグ戦 対早大
2019年11月10日(日)
横浜スタジアム

勝利の女神は微笑まなかった―― リーグ優勝への望みをつなぐ大事な一戦、後がなくなっているORANGEは開幕から全勝中の早大と対峙した。試合開始のキックオフからリターンTDを決めいきなり先制点をもたらすなど、前半までに28得点を挙げる。しかし、後半に入ると早大が牙をむく。着々とTDを奪っていき、4Q終盤についに逆転。法大は最後の攻撃で敵陣8ydsまで攻め込むも、同点を狙い投じたボールは無情にも早大DBの手の中に。関東制覇の夢が潰えた瞬間だった。

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試合終了後のLB小澤優太(営4)と早大WRブレナン翼。2人はU-19日本代表でチームメイトだった

試合結果

トータル試合結果

28 14 1Q 7 35
14 2Q 7
0 3Q 7
法政大学 0 4Q 14 早稲田大学
 

試合得点

Q 時間 ポジション 選手 得点方法 TFP
1 0:14 RB 星野凌太朗(キャ1) TD
1 3:24 QB 勝本将馬(社4) TD
2 2:01 WR 神優成(人3) TD
2 11:26 RB 阿部快斗(法3) TD

 

戦評 

横浜スタジアムには熱気が渦巻いていた。昨季、法大はこの地で早大の前に散り、目の前で優勝を見せつけられた。今季の法大はここまで4勝1敗。4勝負けなしの早大を追いかけている。甲子園ボウル出場がかかる今季の早大戦も、決して負けられない。両校の応援歌が入り乱れる中、ついに運命を握る戦いの火蓋が切って落とされた。

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応援団も応援に駆けつけた

スーパープレイが生まれたのは、開始直後だった。キックオフで蹴られたボールをレシーブしたRB星野が、軽やかなステップでディフェンス陣を巧みにかわすと、相手側のエンドゾーンまで一気に駆け抜け、TD成功。目にも鮮やかな速攻だった。その後のTFPも決まり、強敵相手に願ってもない先取点がもたらされた。さらにその3分後、勢いそのままにじわじわと攻め上がると、最後はQB勝本がTDに成功。序盤にリードを広げ、優位な試合運びが可能となった。しかし昨季王者・早大に動揺の色は無くすぐさま反撃が始まり、ディフェンスは苦戦を強いられた。結局TDで点差を再び7点とされ、1Qを終えた。

迎えた2Q、まだ流れは法大にあった。RB阿部のランなどで着実にゲインを重ねると、エンドゾーン内のWR神へパスが通り、TD。これ以上詰め寄られたくないなかで、貴重な追加点となった。その後早大に2つ目のTDを決められたものの、前半終了間際、QB平井将貴(法1)のパスが見事に通りRB阿部がTDを決めた。早大の攻撃に手を焼いたディフェンスに対し、オフェンスではミスもあったが、概ね思い通りの試合運びが実現できていた前半だった。

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早大を相手に2ポゼッション差をつけ、試合を折り返した

28-14と前半をリードして終えた法大。後半もこのままリードを保ち、なんとしても勝利を手にしたいところだ。3Q開始後もLB小澤の見事なタックルが炸裂するなど随時に良いプレーを見せる。このまま膠着状態が続くと思われた。しかし、試合が動いたのは7分42秒。早大はパスでフレッシュを重ねると、敵陣20ydsから左へランを決められTDを許す。

なんとか自分たちのもとに流れを引き戻したい4Qだが、早大のペースははさらに加速する。パスでTDを決められ同点とされると、10分30秒にもTDを決められついに逆転されてしまう。試合終了まで時間はあとわずか。法大オフェンスはQB平井が投じるパスが次々と決まり、ゴール前8ydsまで進軍し絶好のチャンスを作り出す。後半2回目のタイムアウトをとり、残り時間は15秒。しかし、エンドゾーンへのパスはインターセプトされ、えんじ色の一塁側は歓喜に沸いた。ニーダウンで試合は終了し、28ー35で惜しくも敗れてしまった。

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残り15秒でインターセプトを喫し、万事休す

目の前で早大が優勝を決めるという結果に終わってしまった法大。本日の早大戦に敗れたことで甲子園ボウルへの道が途絶えてしまった。
次戦の相手は現在4位につけている立大。リーグ戦最終節となり、また、トーキョーボウル出場をかけた大事な一戦だ。4年生にとって少しでも長い冬にするため、なんとしても勝利を手にしたいところだ。

(記事:海津航・野村昌平、写真:渡辺詩織・須藤大樹)

監督・選手コメント

有澤玄 監督

ー今日の試合を振り返っていかがでしたか
前半良い流れでいったんですけど、後半仕切り直しで「0対0の気持ちで、点差関係なくいこう」ということ戦いましたが、こういった結果になってしまって残念だと思っています。選手はもちろんよく頑張ってくれたと思うんですけど、残念です。

ー惜しくも目の前で優勝を決められてしまいました
点差以上の実力差があったのかなと終わってみて思います。強い良いチームでした。

ー早大の印象は
全体的に勢いもあり、タフですごく強い良いチームでした。

ー試合前のイメージと実際に戦ってみての差はありましたか
試合前から強いと思ってましたけど、やってみて一人一人のフィジカル、ファンダメンタルがしっかりしているなと改めて思いました。

ーキックオフリターンTDから始まりました
星野が1年生ですけど一発で持っていってくれて、勢いつけてくれたので、その勢いをそのまま続けたかったんですけど、そう甘くはなかったです。

ーQB平井選手については
平井くんも1年生ながらこの大舞台で良いプレーしてくれているので、それに答えてあげたかったですけど、こういう結果になってしまって残念です。

ーワイルドキャットフォーメーションが見られましたが
簡単には勝てないということでいろいろと戦略的に、フォーメーションを工夫したり、QBを変えたりいろいろやりました。

ー後半は無得点でした
オフェンスが陣地の悪いところからばかりだったので、一概にオフェンスのせいとも言えないです。選手、スタッフ含めてよくやってくれたと思うんですけど、前半の勢いで安心してしまったところもなくはないかなと思います。

ーディフェンス陣については
ディフェンスもズルズルやられすぎた面もありました。相手のブレナン(翼)選手の対策についてよくやってきました。要所要所で良くやれたんですけど、その分ランプレイをずるずるやられてしまいました。

ー次節に向けて意気込みをお願いします
優勝はなくなりましたが、4年生最後の試合かもしれませんし、今年のチームの集大成として攻めの法政フットボールを見せたいと思うので、引き続き応援よろしくお願いします。

 RB 岩田和樹 主将

―試合の感想を率直にお願いします
この2週間早稲田に対して全員で取り組んできて、オフェンスもディフェンスもスペシャルチームも本当に全員で戦ったので、どこが悪いとか何が悪かったとかはなくて。結果的に最後勝った方が強いので、早稲田が強かったということですね。

―どんなチームテーマを掲げて今試合に挑んだ
『覚悟』と掲げて、その中に『アクション』という裏テーマもありました。覚悟を持ったからにはそれは行動に起こさないと意味がないので、明治に負けてからチームのグループがあるんですけど、そういうチャンネルができてから『自分がどういうアクションを起こす』というのを一人一人が発言しました。試合出てる人出てない人関係なく、全員でやるというのが早稲田に対しては特に強かったです。

―試合内容としてはいかがでしたか
前半は最初のキックオフリターンTDしかり、本当に予定よりもうまくいきすぎて。うまくいきすぎだったので『後半締め直していこう』という感じだったんですけど、後半も何が悪いというのはなくて。ただただディフェンスが頑張ってくれていたのに、全然オフェンスが出ない中、最後勝負所で勝ちきれなかったというのが一番大きいと思います。

―後半、チームとして雰囲気が落ちることもなかったと
それはなかったですね。別に出なかったからと言って何か『やばい』というわけではなくて。全員自信はあったので。この2週間やってきたことを信じて全員貫いていたので、そこに関しては雰囲気が落ちてるとかはないです。

―そういった苦しい場面ではどのような声をかけた
正直、自分が最初KR(キックオフリターン)の時にボールを落としてしまって、そこでオフェンスみんなにめちゃめちゃ声をかけられて元気づけられていました。後半は自分も、全員が「勝ちたい」という思いを持ってサイドラインでは声をかけてたので、自分が何か声をかけたとかではなく、全員でやってました。

―4年間を通した早大の印象は
自分は高校時代から早稲田に対して一勝もできていなくて。大学入ってからも一度も勝つことがなく引退するので、ずっとやられてるという印象です。

―最終節に向けてどのようにチームを動かす
甲子園ボウル出場という夢は絶たれて、ここからはトーキョーボウルを含めたらあと2試合あるので、そこに向けて自分たち4年生がどういう取り組みをしてきたかというのをもう1回洗い出して。来年に何が残せるかというのを考えて無駄な試合にしないようにやっていきたいと思います。

―ここまででチームとして成長できた点は
さっきも言った全員がなんでも発信できるチャンネルを作って、今まで1から4年生までそれぞれの思いを聞く機会がなかったので。もっと目に見えて『一人一人が真剣に取り組んでいくんだ』というのを練習もそうですけど、全員が『勝ちたい』という思いを持って取り組んでいるので、初戦の中央戦からチームとしても個人個人としても成長して、絶対に勝つという気持ちを持ってやれています。

―岩田選手個人にとしては大学フットボールの集大成を迎えますが、どんなプレーを見せていく
阿部を筆頭に星野もいきいきとRBとしてやっていて、その中で今日もボールセキュリティの部分(の甘さ)が結構出てしまったので、そこも含めて自分もそうですけど、RBとして最後は思い切ったプレーを、失うものはないのでミスを恐れず全員で戦っていきたいですね。

―立大戦に向けて
最後なので、自分たちがやってきたことをどれだけ立教を相手に出せるかと思うので、夢はもう絶たれましたけど、そこに向けてこの2週間で早稲田に対して取り組んできたことと同じように全員で取り組んで後悔のない試合にしたいです。

DL 山岸達矢 副将

―本日の試合を振り返って
最初のキックのプレーでTDが取れたりとか、早稲田相手に結構リードできてる場面があったのはすごく良かったと思いますが、あくまでチャレンジャーという(立場だと)意気込んでこの試合に臨んでいて。リードしたり点が取れた時に、自分たちが挑戦者であることを忘れてちょっと気持ちが浮ついていたりしたと思います。それは結局点が取れなかったであったりとか、ディフェンスとしては結構中でそういうことは気にせずにしっかりとやることは変わらないと言ってたんですけれども、結局点は取られてしまっていましたし、良い所もあれば悪い所があって出てしまったかなと思います。

―具体的な敗因のようなものは
相手のQBがすごく良いQBというのは元々知っていましたし、だからDLとかはプレッシャーかけようと言ってたんですけど、かけられている部分もあればかけられていない所もあって、それがレシーバーにパスがつながっている所もあって。そこは自分のポジションとしては点を与えてしまった原因なのかなとは思っています。

―ディフェンスのその良い所悪い所とは
相手のミスとかを誘えるというか、しっかりとスカウティングしていて、それがばっちりとはまって止められている所もあれば、さっきも言ったDLがラッシュかけられてなくてパスを通されてしまったことがあったので、ディフェンスとしてはそういう所が良い所と悪い所にあたります。

―前半が良かっただけに後半の失速が気になりました
ディフェンスとしては、フィールドの中でもサイドラインでもしっかりと「やることは変わらない、チャレンジャーだ」ということは言ってましたが、やはり11人の選手全員が本当にその気持ちで挑めていたかというのは正直自分もわからないですし、少し自分自身も浮ついていた部分はあったと思います。浮ついていないつもりでも浮ついている場面があったのかもしれないです。

―改善点は
この2週間、早稲田に対して自分たちがチャレンジするということはずっと言ってきたのですが、その練習の中でもっともっと自分たちが挑戦者だという意識を、もっと声をかけていれば良かったかなと思います。

―現在のチーム全体としては
明治前2週間では『change』と掲げて、変わろうという風に言っていました。明治戦でああいう結果になってしまって「変われていないんじゃないか」となって、それでこの2週間は早稲田に対して『challenge』あとは『覚悟』っていうのを持って臨んでいました。練習の中でも早稲田に対する意識の声とか出てたと思いますし、本当にこの2週間は良い風に持っていけたのかなとは思います。

―昨季同様目の前で早大の優勝が決まり、『社会人に勝つ』道は途絶えました。その上で来季の目標などは
やはりその『社会人に勝つ』というのを目標の大前提にしているにもかかわらず、じゃあ本当にこの練習で社会人を意識しているかというのも問題で。このシーズンに入っても「早稲田」、「早稲田より」という声が多くて、その『社会人に勝つ』という目標を最初に立てていて、もっともっと社会人を意識して、富士通(フロンティアーズ)の選手やパナソニック(インパルス)の選手に勝てるかということをもっと意識してやっていれば、もちろん自然とそのレベルに自分たちを持っていけると思います。そうしたら自ずと早稲田や明治にも負けないチーム作りになると思うので、本当にもっと社会人を意識するということが足りないかと思います。

―春から掲げていた『discipline』は達成できたか
もっと突き詰められたのかなとは思います。

―リーグ戦最終節である立大戦へ向けて
もちろん負けていい試合なんてないですし、しっかりと最後この秋のリーグ戦を勝って終わりたいと思います。応援よろしくお願いします。

DL 小山内聡平(文3)

―今日の試合をふりかえって
良いプレーもあったんですけど悪いプレーの方が多くて、試合前の準備が足りなかったなと思います。つかんでくる相手だとわかっていたんですけどつかまれてできなかったりしたので、しっかり想定して試合に取り組めなかったのが自分の中での反省です。

―良いタックルがいくつもありました
けがで最初の方試合に出れなかったんですけど、こうして試合に出て結果を残せたというのは自分の中でよかったと思います。

―後半苦しい場面が続きましたがチーム内でどのような話を
出されてもいいからTDだけはやめようと話していたんですけど、結局取られてしまってディフェンスとしてまだまだだと思います。

―本日負傷退場があり、その後試合に戻りましたがそれに関しては
控えにも優秀な選手がいて自分が出なくても良かった場面もあったんですけど、やっぱり出たくてわがまま言って出させてもらってそこで良い結果が出せなかったというのは、すごく自分の中で後悔というか、もっと練習しないとダメだなという気持ちがあります。

―次の最終節に向けてやるべきことは
今日出た反省をしっかり明日のミーティングで振り返って、次の試合に向けてしっかり取り組んでいきたいと思います。

―課題点とは
勝負所で結果を出せない点で、しっかり一対一の勝負を意識して2週間取り組んでいきたいと思います。

―次の試合に向けての意気込み
次の試合も相手はすごく強い相手なんですけど、しっかり一対一で勝てるように頑張ります。

RB 星野凌太朗

ー率直な今の気持ちは
悔しい気持ちが一番で、自分も2ファンブルでミスをしてしまったので、この悔しさを絶対に忘れないで次に生かしたいと思います。

ー今日の試合を振り返って
最初は勢いで持っていけたんですけど、そこから安心してしまった部分があるのかなと思います。そこからミスにつながってしまったので、良くなかったと思います。個人的には、最初リターンTDに持っていけていい状態だったんですが、途中の2ファンブルでチームの流れを変えてしまったかなと思っています。

ー前半と後半での違いは
点差に安心してしまった部分があります。(安心)してはいけないとみんなで言っていたんですが、それでも心のどこかに安心があったのかなと思います。

ーワイルドキャットでQBの位置に入りました
高校ではQBをやっていたので別にそこは大丈夫だったんですが、ゲインがあまりできなかったので、練習してゲインできるようにしていきたいです。

ー最終戦に向けて
甲子園ボウルには行けなくなりましたが、シーズンはまだ終わっていないので、あと1戦しっかり勝ちきって終わらせたいです。

フォトギャラリー

  • kr RRB星野のキックオフリターン。このままゴールへ独走した
  • katsumoto RキープでTDを挙げたQB勝本
  • jin RWR神が確実にエンドゾーン内間際でレシーブ
  • abe RRB阿部へのパスでTD。貴重な追加点をもたらした
  • osanai2 Rけがを抱えながらもナイスタックルを見せたDL小山内
 

 

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