【サッカー】全日本大学サッカー選手権 準々決勝戦 法政大1-2桐蔭横浜大 連覇をかけた戦いは準々決勝で終焉 悔しさ残る”無冠”で今季を終える
【サッカー】全日本大学サッカー選手権 準々決勝 法政大ー桐蔭横浜大
2019年12月16日(月)
柏の葉公園総合競技場
頂点まで後3勝。準々決勝の相手は今季関東大学リーグ戦2位と勢いに乗る桐蔭横浜大。序盤から激しい攻防が続く中、16分に相手のコーナーキックから失点を許す。なかなか決定機を作ることができない法大は後半開始と同時に関口正大と紺野和也を投入する。しかし、55分、自陣でのミスを突かれ、思わぬ形で追加点を許す。78分に途中出場の佐藤大樹が自ら獲得したPKを決め、追い上げを見せるも、試合はこのまま動かず。連覇にむけた戦いは準々決勝で終焉となった。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大 |
0 | 前半 | 1 | 2 桐蔭横浜大 |
---|---|---|---|---|
1 | 後半 | 1 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
16分 | 得点 | 桐蔭横浜大学 | 遠藤凌 | 0-1 |
45分 | 交代 | 法政大学 | 宮部→関口 | |
45分 | 交代 | 法政大学 | 竹本→紺野 | |
55分 | 得点 | 桐蔭横浜大学 | 岩下航 | 0-2 |
74分 | 交代 | 法政大学 | 松澤→佐藤(大) | |
78分 | 得点 | 法政大学 | 佐藤大樹 | 1-2 |
86分 | 交代 | 法政大学 | 末木→下澤 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
12 | GK | 中野小次郎 | 経済3・徳島ヴォルティスY |
2 | DF | 森岡陸 | 現福3・ジュビロ磐田Y |
3 | DF | 髙木友也 | 経済3・法政第二高 |
5 | DF | 加藤威吹樹 | 経済4・サンフレッチェ広島Y |
24 | DF | 宮部大己 | 経済3・法政第二高 |
7 | MF | 末木裕也 | スポ4・ヴァンフォーレ甲府Y |
6 | MF | 大西遼太郎 | 社会4・ジュビロ磐田Y |
11 | MF | 橋本陸 | 経済4・西武台高 |
31 | MF | 北川公貴 | 経済4・札幌第一高 |
17 | MF | 竹本大輝 | 経済3・成立学園高 |
9 | FW | 松澤彰 | 現福4・浦和レッズY |
サブメンバー | |||
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1 | GK | 山岸健太 | 経済4・前橋育英高 |
4 | DF | 蓑田広大 | 現福2・青森山田高 |
23 | DF | 関口正大 | 現福3・新潟明訓高 |
33 | DF | 村上秀斗 | 社会4・西武台高 |
13 | MF | 長谷川元希 | 現福3・大宮アルディージャY |
8 | MF | 紺野和也 | 現福4・武南高 |
10 | MF | 下澤悠太 | 社会4・柏レイソルY |
20 | FW | 佐藤大樹 | 経済2・コンサドーレ札幌Y |
28 | FW | 田中和樹 | 社会2・浦和学院高 |
マッチレポート
初戦で120分間の激闘を制し、準々決勝へと進出した法大の次なる対戦相手は桐蔭横浜大。関東2位の強敵との一戦に臨んだ。
互いに慎重な入りとなった序盤、法大は7分に高木友也がシュートを放つも枠を捉えられず。試合が動いたのは15分、桐蔭横浜大のCKから遠藤凌にヘディングシュートを決められてしまう。21分には橘田健人にゴール前の密集地帯を突破され、最後はGK中野小次郎まで抜き去ってシュートを許したがゴールライン際で宮部大己が間一髪ブロック。スタメン起用に応えるビッグプレーを見せた。しかし、攻撃面では桐蔭横浜大の組織的なプレスに手を焼き、組み立て中にボールを奪われるシーンも見受けられ中々チャンスを作れないまま0-1で試合を折り返す。
点を取るしかない法大は後半開始時に関口正大と紺野和也を投入。紺野は2日前の福岡大戦で足をつった事が懸念されたが、長山一也監督は何度もゴールを生み出してきた右サイドのホットラインに反撃を託した。しかし、思わぬ形で追加点を許してしまう。55分に相手の左サイド攻撃を防いだ法大は反撃に転じようとしたが、中野からスローを受けた末木裕也のバックパスが攻め残っていた左SB岩下航のもとへ。落ち着いてゴールに流し込まれ、ビハインドは2点に。崖っぷちとなった法大は62分に橋本陸がDF裏へ抜け出してシュートを放ったがGKに阻まれ、続く67分に関口が放ったシュートもブロックされた。更に攻勢を強めるべく、74分には佐藤大樹を投入。すると78分に佐藤(大)がエリア内で倒されてPKを獲得。これを自ら決めて1点差に詰め寄る。桐蔭横浜大が試合を締めにかかる中で迎えた89分、タッチライン際で紺野が絶妙なアイデアのループパスを関口に通したが、橘田の敵ながら見事なカバーに阻まれて万事休す。4分のアディショナルタイムも実らず、法大のインカレは準々決勝で終わりを告げた。(岩瀬斗真)
監督・選手コメント
長山一也監督
ー今日の試合を振り返って
最後のゲームでこの負け方をしたくなかったというのが一番の感想です。失点の仕方も含めてルーズだったのかなという所がありましたね。けど4年生は本当に4年間しっかり頑張ってくれて、今年は天皇杯で躍進したり。日本一も2回経験している世代なので、法政のサッカー部が強くなる過程に力を貸してくれた事に感謝しています。
ー明暗を分けたのは今年何度か指摘されていた隙の部分だったのでしょうか
そこが凄く見受けられて、セットプレーという失点の仕方も含めてですね。(2点目について)あんな失点は今年なかったですし、隙というかなんと言うか……ああいう事をしてしまったのはね。3年生以下の所にはちょっと物足りなさを感じたというか。(中野)小次郎はCKの場面でも出て欲しかったですね。彼は内定が決まってますし、もうちょっとやって欲しかったという所があります。
ー中1日での準備は慣れていると思いますが、桐蔭横浜大相手にどのような準備をして試合に臨みましたか
(初戦で)延長まで戦ってましたし、和也も足がつっていたので無理させられない状況で。ただ、11人だけでサッカーはできないし、2,30人で良い準備をしていました。今日は前半しっかり守備してという風に考えてたんですけど、結果的に点を取りに行く為に和也を使いたい状況になって。スタートはセットプレーにも対応できるような高さのある選手を揃えていたんですけど、そこでやられてしまいました。だから「その状況でやられちゃうか」というのはありましたし、点取りに行こう流れでイージーミスからの失点もあって。負ける時はそういうものかも知れませんけど、ルーズさがあったのかなと思います。しっかり準備したつもりでしたけど、なにか足りなかったかもしれないですね。
ーインカレではIリーグ組から北川公貴選手を抜擢しましたが、北川選手を選んだ理由は
キタコウ(北川)に関しては4年間通して凄く成長してくれて。去年はリーグ中盤で上手くいかない時(リーグ16節専大戦○3-1)に出て活躍してくれましたし。今年も就活しながらIリーグで結果を残していたので、リーグ戦で前線の選手が点を取れてなかった所も考えて頑張ってた彼を起用しました。点には絡んでないけど、守備の所からやれる事をやってくれたと思います。 スポーツ推薦ではない中で努力を続けてきた選手が頑張る姿を見られたのは良かったと思います。
ー同じく専大戦での抜擢からトップに定着した橋本陸選手について
なかなかチャンスが来ない時も、たまたま来る時もあると思うんですけど。ウチの場合はよく競争させる状況もありますし、その中で橋本もしっかりとやってくれました。入ってきた時はサイドバックで取ったんですけど、前でやりたいという事だったので2年の時からコンバートさせました。彼も悔しい思いをしながら積み重ねてきて、3年生になった時にそういうチャンスを掴んでくれて。今年は主務の仕事もやりながらチームを支えてくれましたし、プレー面でもヴェルディ戦で点を取って。人間的にも成長してくれて、プレーも良くなったので本当に頑張ってくれたなと思います。
ー長山監督が就任されてから1部昇格、総理大臣杯とインカレ優勝、フル代表選出、天皇杯ベスト16など多く実績を積み重ねていますが、法政サッカー部が変わってきたという実感はありますか
まずはピッチ外の所で学生として、人間として活躍できる人材を育てる所が指導者としてのミッションだと僕の中で思ってて。今の4年生は先輩の良い所悪い所を見ながら人として成長してきて、段々チームの事を考えて行動できるようになってきました。最初は僕から発信して落とし込んでいく感じだったんですけど、今の4年生は試合に出てない人も含めて自分達から法政のためになる事を考えて後輩に落とし込めるようになったので、そこが一番変わった所だと思います。サッカーの所で結果が出るようになってきたのもピッチ外での取り組みや考え方がピッチ内で粘り強く戦える状況に結びついたからだと思います。
ー4年生に向けて
日本一も経験して、天皇杯でも素晴らしい戦いを見せてくれて。それでも今日みたいにポロッと負けちゃう事はサッカーだけじゃなくて人生においてもあると思います。そうなる事には理由があると思いますし、今後に繋げて人生を歩んでいって欲しいです。そうやって自分から考えて進める人間が揃っていたと思うので、今後の活躍に期待したいです。
加藤威吹樹
―試合を振り返って
個人的にこんなところで負けるとは思っていなかったのでショックですが、自分たちがここまでやってきたのが全てですし、あのミスの失点(2失点目)があったのも自分たちの隙の甘さだと思います。もうしょうがないと思います。この四年間、法政でプレーできたことが一番良かったですし、どんな形であれ「思い」を持ってプレーできたので後悔はないです。
―法政で4年間過ごしてきました。どんなチームでしたか
上下関係がなく、選手一人一人の距離が近く、本当に人間性の部分で素晴らしい選手たちがそろったチームだと思います。最後のシーズンで日本一を取りたかったですが4年間で2回も日本一を取ることができたので素晴らしい経験ができたのかなと思います。
―同期への思いは
個人としても一年間キャプテンをできたもの4年間試合に出続けることができたのも4年生という仲間がいたからだと思いますし、出てる選手、出てない選手共にチームが勝つために一生懸命取り組んできた代だなととても感じるので本当に感謝しています。
―後輩やスタッフへの思いは
個人として4年間、いろいろトラブルがありましたが厳しいことを自分に言ってくれて、それが自分が成長することにもチームが注目されるようになったことにつながったと思います。ですのでとても感謝しています。
フォトギャラリー
- 積極的に仕掛ける竹本
- 2試合連続スタメンの北川
- 今日は右サイドバックでスタメン出場した宮部
- 後半から出場の関口
- 紺野は相手DF陣を何度も脅かすもゴールは決められず
- 佐藤大は自ら獲得したPKを決めた
- 途中出場の長谷川
- この悔しさは後輩たちに託す