東京六大学春季リーグ戦
明治神宮球場
今回は2面にて取り上げる法大の『新スラッガー』特集をお届け。昨季に主軸だった選手が多数卒業し、新戦力の台頭が必須の今チーム。4番に座るのはいったい誰だ!
※この記事は第250号(4月号)発行までの限定公開です。詳しくはこちら
東京六大学春季リーグ戦
明治神宮球場
今回は2面にて取り上げる法大の『新スラッガー』特集をお届け。昨季に主軸だった選手が多数卒業し、新戦力の台頭が必須の今チーム。4番に座るのはいったい誰だ!
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今季の主軸候補として名前が挙がるのが羽根龍二(社4)だ。羽根は長打を放てるのが魅力の大型内野手だ。いまだリーグ戦で本塁打は出ずにいるものの、昨春はリーグ戦に6試合出場。さらに昨秋の最終戦ではスタメン出場を果たすと、マルチ安打を放つなど今季につながる活躍を見せた。冬は長いリーグ戦を戦い抜くために基礎体力を付け、食事も栄養バランスを考えたものにし、今季活躍するための準備を着実に進めてきた。
羽根は今季から高田孝一(法4)と共にチームの副将を任された。オープン戦でも率先して声を出していて、常に主将の中村迅(キャ4)と共にチームを引っ張っている。実際に副将を経験してみての感想を聞いてみると「副将という立場なので誰よりも練習してその練習している姿を見せることによって、みんなの刺激になってくれればなと思います」と語った。決して口だけで指示するのではなく、羽根は行動でも示していた。その言葉通り先日行われた鴨川キャンプでは充実したキャンプ生活を送ったという。朝から晩までこれまでにないくらいバットを振り込み、形を体に染み込ませた。そして課題としていた守備も土のグラウンドで練習することで、足を動かせるようになり苦手意識をなくすことに成功。その結果オープン戦でもキャンプでやってきたことが実を結び形になってきていると言う。
羽根の今季の目標は本塁打王の獲得、通算打率3割越え、そして何より打点を多く稼ぐことだ。「ホームランもそうですけどチームの勝ちにつながるような打点を稼げる勝負強い選手になりたいです」と語った羽根。主軸としての心構えは既にできている。『法大の主砲』を襲名する日はもうすぐそこだ。
(鈴木滉平)
羽根には打撃を参考にしている選手がいる。そのため打席でのフォームがある選手とうり二つだ。誰を参考にしているのか予想してみよう!
主軸としての活躍に期待がかかる
今年に懸ける思いは誰よりも強い。村田雄大(人4)からはそう感じることができる。村田は全国屈指の名門・横浜高出身。高校3年次には夏の神奈川県大会で大会通算チーム最多本塁打という記録の樹立に貢献し、チームを3年ぶりの甲子園へ導く主砲として大活躍。そして満を持して法大野球部の門をたたいた村田だったが、順風満帆な大学野球とはいかなかった。大学野球のレベルの高さ、そして法大には2つ上の向山基生(平30年度卒=現NTT東日本)、1つ上には宇草孔基(令元年度卒=現広島東洋)といったレベルの高い外野手がいたため、なかなか出場機会に恵まれなかった。さらに昨季の東大戦では、同じ横浜高出身の齊藤大輝(人2)が一足先にリーグ戦で大活躍。「高校の後輩が活躍してうれしかった反面、悔しい思いもありました」と語った。
その悔しさを晴らすために冬はけがをしないような体作りから励んだ。トレーニングの効果で体がひと回り大きくなり、打撃と守備のレベルアップに成功した。さらにもう一つ昨年とは違うことがある。それは意識の変化だ。昨年までは気持ちの部分で負けているところがあったという。「今年は4年生でもあるのでどんなことがあろうと自分の信念を曲げずにやろうと心掛けています」。そう話した村田からは既にやる気が満ちあふれていた。
4年生になった村田にとって今年はラストイヤーとなる。その村田には試合に臨む上で自分の信念がある。それは個人の成績よりもチームの勝利を優先するということだ。「自分どうこうよりも結果チームが勝てばいいと思うので、その中でも一つ二つチームに貢献できるような選手になりたいです」。自己犠牲の精神でチームを支え続ける。今年は村田がチームの英雄となって大きく活躍する姿が見られるだろう。
(鈴木)
最終学年としての意地を見せられるか
昨年まで正二塁手を務めていた相馬優人(令元年度卒=現東京ガス)が卒業し、新戦力として期待されるのが齊藤大輝だ。名門・横浜高から入学した昨年は、1年生ながら昨春の出場を経験。昨季最終戦では1番・一塁手で出場すると、その高い走力を生かして二塁打を2本、三塁打1本を放ち、合計3安打3打点と大活躍。神宮にその名をとどろかせた。11月に行われた秋季フレッシュトーナメントでも、全試合で二塁手として上位打線で出場し、経験を積んだ。
そんな1年を「大学リーグの怖さを知ることができた」と振り返った齊藤は、今季の定位置獲得ヘ向けて今オフに銚子利夫助監督や佐藤勇基(法4)のアドバイスを受けるなどして、守備力の向上に努めたという。昨年のレギュラー陣の多くが卒業して迎える今季、齊藤のような新戦力の台頭が優勝に向けて必要不可欠だ。持ち味の積極性と高い走力で、齊藤が『法大のスピードスター』として新たな時代を切り開く。
(五嶋健)
『法大のスピードスター』襲名へ
「今季はしっかり恩返しをしていきたい」と力強く誓う姿に法大打線の未来を見た気がした。今季期待の新戦力は間違いなく野尻幸輝(営2)だろう。昨年、野尻はU-18日本代表という看板を引っ提げスーパールーキーとして入学すると昨春からベンチ入りを果たし、リーグ戦初安打も記録。順調に野尻の大学野球はスタートを切った。しかし「自分の実力不足が露骨に出た」と語るように昨季の出場は無し。それでも秋季フレッシュトーナメントでは全試合に出場。東大戦では打点も記録し今季につながる結果を残した。冬場には打撃を自分のものにするため一球一球ひた向きに振り込みをこなし、周りが帰った後でもバットを振り続けた。
悔しさを胸に過ごした冬は終わり、今季に懸ける思いは人一倍だ。「誰よりも打点をあげられるようにしていきたい」と語るように好機で走者を返す一打に期待がかかる。大学野球2年目となる今季は羽根、村田といった4年生に割って入る4番・野尻の姿も見てみたい。
(吉本侑樹)
2年目の今年はさまざまな起用に応える