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【テニス】2020年度関東学生テニストーナメント大会 男子ダブルス準決勝 2ペアが準決勝で幕… この悔しさはインカレで晴らす!

2020年度関東学生テニストーナメント大会
2020年11月8日(日)
早稲田大学東伏見テニスコート

準決勝に2ペアが残り、両者勝てば決勝で『法政対決』が実現する。まずコートに入った佐野有佑(経3)・高清水研人(経3)ペアは得意の形で攻めるも、相手に押され2-0で敗戦。その試合に続いて行われた中川舜祐(社3)・大田空(スポ1)ペアも大接戦の末、惜しくも準決勝敗退が決まり、法大勢はベスト4で姿を消すことになった。

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インカレで雪辱を誓う!

男子ダブルス準決勝

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
佐野有佑(経3)・高清水研人(経3) 2-6,6(3)-7 川島颯・佐々木健吾(慶大)
中川舜祐(社3)・大田空(スポ1) 7-6(5),5-7,7-10 熊坂拓哉・堀内竜輔(亜大)

戦評

  最初に東伏見のコートに立ったのは佐野有佑(経3)・高清水研人(経3)ペア。大学公式戦では昨年の新進以来となる準決勝に臨んだ。ただ、第1セットでは序盤から格上相手のテニスに苦戦した。1ゲーム目でいきなりブレイクを許すと、キープの続いていた第7ゲームでもブレイクを奪われ2-6でこのセットを落としてしまう。

 「ここで上げていこう」とメンタル面の改善を意識して臨んだ第2セット。第3ゲームでブレイクを奪われるも、ファーストセットでは少なかったロブを多用し、緩急をつけたテニスを展開した。その甲斐あって第6ゲームでブレイクを取り返すと、セットカウント6-6のままタイブレークにもつれ込んだ。
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第2セットでは戦略を変更した佐野・高清水組

しかし、連戦の疲れからか思うように足が動かない。相手の強烈なショットに翻弄(ほんろう)され、3-7。タイブレークをものにすることができなかった。

それでもベスト4という結果はここまでの激戦を乗り越え掴んだ栄誉だ。「インカレに向けてしっかり準備していきたい」と高清水。インカレまでの残り少ない期間で調整し、この雪辱を三重の舞台で果たす。S 198230045 R
インカレでの雪辱を誓う

直前に行われた準決勝のもう一試合で、同じくここまで勝ち残った佐野・高清水組が敗れたため、法大勢で唯一決勝進出の望みが託された中川・大田組。今大会はノーシードから勝ち上がるなど、大躍進を遂げている2人に期待がかかる。

両ペアともに好プレーを披露したこの試合。第1セットから終始どちらに転ぶか分からない緊張感のある展開が続いた。互いにゲームを取り合いタイブレークへ突入すると、今大会で成熟されたコンビネーションを見せ、7-6(5)と接戦をものにする。勢いに乗りたい第2セットであったが、集中力を欠きゲームカウント1-4と大きく引き離される苦しい展開。しかしこのままで終わらないのが今の2人だ。怒涛の追い上げで5-5まで挽回し、ブレイクポイントを迎えるなど勢いを見せた。しかし、試合後に大田が語った『何気ない』失点で流れは再び相手に移ってしまう。第2セットを落とし、そのまま試合はファイナルセットへ。大事な最初のポイントを落とすと、その後も流れを引き戻せず敗戦となった。
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あと一歩のところで敗れた中川・大田田組

決勝進出とはならなかったものの、タイトルが射程圏内であることを証明した今大会。インカレでの戦いにも注目だ。
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予選からの過密日程を戦い抜いた

(記事:加瀬航大、宮川昇 写真:加瀬)

選手コメント

佐野有佑・高清水研人組

ー今日の試合を振り返って
高清水:経験もあるし、シード的にも2番なので強かったですし、僕らが悪かったという感じではなくて、改善点が見つかってできない所が分かって。そこのせいで負けたという感じですね。
佐野:相手ももちろん強かったというのはあるんですけれど、最初の僕のサーブでいつもはミスすることは無いですし、ある意味悪いスタートだったのかなという感じです。お互いに連戦の疲労があったので、動きも悪くてそこの部分がファーストで影響出たのかなと思います。セカンドセットも食いついてはいたんですけれど、準々決勝みたいに相手の穴をつくことができなくて、自分たちの展開をやっていたにもかかわらず、相手に押されて挽回するというパターンが終始無かったかなという感じです。

ー昨日の調整は
高清水:昨日は基礎的なサーブアンドボレー、サーブレシーブ、ストロークラリー、ボレー、ブレストみたいな練習をしました。意外と足にきていたので、各20分ずつ調整をしていい感じのところで終わりました。
佐野:僕も一緒にやっていたんですけれど、他にやった事は接近戦だとか、エイトの時のようなことが考えられるなと思ってボレーの感覚と、あとはお互いにロブを打つ回数が少ないので、いずれ必要になるかなと思って感覚養ったりとかはしました。

ー格上が相手でした、試合前の作戦は
高清水:相手が上でも自分たちのやることは変わらないので、いつもどおり入りました。
佐野:ここまで来たら楽しんでやることが一番だったんですけれど、決勝で『法政対決』がしたかったという意識もあって、自分たちの思うように行かないと少し苛立ちが出ちゃっていたかなと思います。

ー第1セットは押され気味で落としてしまった、第2セットの入りは
高清水:1セット目でやられたことを見て、相手が攻めてきているからロブを入れようとか、バックボレーミスが多いからそっちを狙おうとか、どちらかというと技術的な面よりは「ここから上げていこう」というメンタル的な部分を意識していました。
佐野:研人が技術的な分析を要所要所で言ってくれているので、2人ともミスが続くとイライラしてしまうタイプなので、研人がミスをしたらカリカリしている時に切り替えさせるのがペアとしての役目だと思うので、そこを意識してセカンドセットは悪い流れでやらないように意識していました。

ーその結果タイブレークに持ち込みました
高清水:僕はもうやるだけでしたね。それで相手にやられちゃって、しょうがないという感じです。
佐野:ファイナルに繋げたかったですね、とにかく。でもタイブレークなので出だしもすごく大事だったんですけれど、相手がギアを上げてきたのかなという感じはしました。

ー春関を総括して
高清水:ベスト4という結果は決して悪い結果ではないので、ただベスト4に来たからには決勝に行きたかったと思っています。序盤は調子が悪くて、そこから上げてベスト4だったのでインカレに向けて良い大会だったのかなと思います。
佐野:前も言ったように、研人の調子がなかなか上がらなくて。最初の大野(文也)・森田(凌矢)には負けたくなかったという気持ちがあって、インカレも決めたかったですし。その後は本当にどうなるか分からなかったんですけれど、試合重ねるにつれて良くなかった部分も良くなっていったので、自分たちらしいダブルスができてきたなと思っていました。そこもあって、お互いが気持ちを下げずにペアを引っ張っていこうという気持ちがあったので、3回戦と準々決勝は接戦をものにできたのかなと思います。前回の新進もベスト4だったので、決勝に行くには厚い壁だなと思うんですけれど、久々にここまで勝ち上がれてこられたのは大きな自信になったと思うので、ここからインカレに向けてしっかり準備していきたいです。

ーインカレまでの短期間で取り組みたいこと
高清水:さっき監督と話をして、今日できなかったボールの緩急だったり、ロブ、ボレーボレー。そこだけに絞ればある程度1週間でもできると思うので、そこにポイント絞って調整していきたいですね。
佐野:ロブだったり、相手の足元に沈める球だったり、できるはずなのに使いきれていないというのがあります。そこをもう少しこの短期間で感覚だけでも確かめたりして、使えるようになれば使った方がいいですし、限られた中でできることをしっかりやっていきたいです。

ーインカレに向けて一言
高清水:頑張ります!
佐野:ペア歴としては結構組んでいて、前回(のインカレ)は1回戦で負けてしまったので、だいぶ今は仕上がっていると思うので、そこを自信にしながら楽しみながらやっていきたいです。

中川舜祐・大田空組

―今日の試合を振り返って
中川:どこかでブレイクできると思っていたんですけれど、意外とできなくて。ただブレイクして、その後に僕のファーストサーブが入らなかったり、2人がミスして取れなくて、そこがちょっとダメだったかなと思います。そこで僕がしっかりファースト(サーブを)入れてキープできていれば、タイブレークまでいかずに取れていたと思います。ファーストはタイブレークで取れて、勢いに乗れてセカンドの5-6の(大田)空のサーブがキープできなかったのが痛かったですね。
大田:本当に1ポイントだけでセカンド5-5になった、そこでどっちに転ぶが分からないキーになるゲームがあって。ブレイクポイントが1本だけあったんですけれど、そこで何気ないボールを送っちゃったのが僕は絶対的な敗因だと思っています。そこで(ポイントの)落とし方にしても、打ってミスしたりとか、もうちょっと展開があって落としていたら試合展開としても良かったと思うんですけれど、そこで完全に向こうの形で落としてしまいました。相手がこれまで見せてこなかったパターンを1つ使ってきて、そこで無難にいっちゃたことが本当にダメだったと思います。もうちょっと工夫してれば取れていなかったにしても、流れがもう一回こっちにきた可能性はあったんですけれど、そこで弱気になっちゃったのが自分としたらポイントだったと思います。それ以外は、相手もいいしこっちもいいプレーがあって試合が進んでいるんで、勝ち負け的にはどっちに転んでもおかしくなかったですけれど、その1ポイントを取れたか取れなかったというところが、キーポイントだったと思います。

―相手の印象やそれを受けての対策は
中川:前に2人が出てくることは分かっていて、もうちょっと抜けるのかなというのは思っていたんですけれど、全然抜けなくて。相手のボレーが固いし、自分のストロークもめちゃめちゃ良いわけじゃなかったから。相手の印象としては、前に出てきて固かったですね。
大田:僕が前に詰めたときはあまり動かないで、舜さんに基本はやともらおうと思っていたんですけれど、それだけでは苦しいと分かったんで、崩したところで自分が動くようにしました。そうしたらそこが空くので使われてというのが大事なところであったかなと思いますね。

―タイブレークで第1セットを取った後、第2セットの入りに意識したことは
中川:ファーストのタイブレークに入る前までは、僕もリターンが通っていなくて。相手のサービスゲームがなかなか取れないなという感じだったんですけれど、ちょっとタイブレークのときにポジションも変えたらリターンが通ったので、この感じでいければブレイクできていけるのかなと思ってはいました。流れ的にはいけるかなという感じでしたけど。セカンドはリターンは結構通っていたと思うんですけれど、サービスゲームが最初取れなかったのが大きかったですね。

―今大会を振り返って
大田:成長できたとは思います。ダブルスでこんなに勝てるとは実際思っていなかったところもありますし、勝っていくうちにどんどん強い人と試合ができて、今日は負けちゃいましたけど、いい経験にはなりました。逆に今日こういう風に負けたからよかったなと思う日は、インカレなのか来年なのか分からないですけれど絶対来ると思います。この今日負けた原因をプレーだけじゃなくて流れや雰囲気も忘れたいかもしれないですけれど、忘れないようにしたいです。そうすれば次に同じような展開の試合が来た時に、こうなったら負けるというのは分かっているので、それで勝つにはどうするかというのは考えられると思いますし。ダブルスはすごく成長できたと思います。シングルスはノーコメントでお願いします(笑)。
中川:シングルスはテニス的には今までよりは一番良かったと思うし、ベスト8までいったのも良かったんですけれど、すごい選手に勝ったわけでもなく、それなりの選手にそれなりに勝つぐらいで、自分としては優勝目指してやっていたのですごい悔しかったですね。全然満足できない結果でした。大学に入って、高校の時もですけれどそんなにダブルスに縁が無くて、全然勝てなかったし下手くそだったけど、(今大会は)予選からチャレンジャーとしてきて、ここまで来られたのはすごい驚いていますね。岡垣(光祐、経4)さん柚木(武、スポ4)さんに勝てたのはすごい大きかったし、そこに勝って『優勝』というのがずっと見えていたので、そういう面ではすごい悔しいですね。でも、ベスト4なんてあまりいけないのでよかったですね。ただ、満足はしていないです。

―お互いにペアを組んでの印象は
中川:僕はここまで大学入と組んできて、自分もそんなにダブルスができないからペアの足を引っ張ったりしていたんですけれど、空は1年生だし「思い切りやって」という感じでいつも言っているので、こっちもやりやすい、プレー的にも相性はいいから今までの中だったら一番やりやすいですね。
大田:舜さんは自分ではダブルス下手と言っていますけれど、ダブルスがうまいか下手かというよりは、個が強くて。リターンとかサーブとか全部僕より上のものを持っているので、そこを僕は引き出せるようにというか。結構舜さん頼りになるところがあるんですよ。リターンゲームとかで舜さんに通してもらって、助けてもらうとか。自分が触らなくてもチャンスが来るというか、サーブで崩してくれて僕がいいところをもらうみたいな。そこはめちゃめちゃ助かとます。
中川:空のおかげでダブルスもできるようになってきたというのはありますね。
大田:先輩とは思えないくらい後ろで走ってくれて、どっちが後輩か分からないくらい、僕の2倍くらい走ってくれてるから(笑)。その技術とかフィジカル、体力面があるから、思い切りやってと言われていますけど、思い切って動いても、後ろは任せて抜かれても(中川が)いるからという意識で、ミスしてもいいから捨て身でやっていますね。最初はなんか信じられないじゃないですか。でも春関で組んでいるうちに、こっちはやってくれるからと思えました。
中川:こいつが本当にリターンが入らない試合があって、自分が全部取って、「なんでも全部俺が取るから思い切りやれ!」とずっと言っていましたね。
大田:2人共いい試合って無いんですよね。
中川:それをカバーするのがダブルスだと思います。結構いいペアだと思いますよ。

―大田選手は入学してからイレギュラーな生活が続いているかと思います
大田:最初は全然モチベーションが上がらなくて、こっちにきて1か月でまた実家に帰と、また大会もあるかないかポイントがどうなるか分からなくて、指導もどうなるか分からなくてという感じが続いていた中で、ベスト4に入ったのはよくやったんじゃないかなと思いますね。でもここまでやったからにはもっと上に行けたんじゃないかなとも思います。
中川:こいつにはもっとシングルスで頑張ってもらわないといけないですよ。シングルスはがむしゃら感がないので。もっと泥臭くがむしゃらにやってほしいですね。

―やはりシングルスとダブルスでは違いがありますか
大田:高校のときはシングルスのほうが全然よかったんですけれど。
中川:シングルスとダブルスでは多分全然違うと思います。僕も見たら分かると思うんですけれど、シングルスのときはめっちゃ集中して、「集中集中」という感じですけれど、ダブルスだと楽しくやる感じで、結構分けてやっているので。

―今後に向けて
中川:個人として今回の春関は『単複優勝』を目指していてできなかったので、インカレでは優勝目指して頑張りたいですね。来年は、個人戦もあれば優勝目指して頑張りたいですけれど、一番はやっぱりリーグ戦ですね。キャプテンにもなったので、リーグ戦で勝って、チームの目標の『王座優勝』を、今年はそのチャンスすらなかった状況だったので、4年生のためにも優勝目指してチームを引っ張っていけたらなと思います。
大田:春関でベスト4入ったといっても僕らより強いペアはたくさんいるし、インカレにいっても挑戦者なので、別にどこを目指すとかは考えずに一個一個やれることをやって、1年目なので気楽な気持ちでやりたいですそこから来年に向けては考えていきたいです。でもやっぱり舜さんもリーグと言っていましたけど、メンタル面では3年生が引っ張ってくれるので、出るとなったらベストを尽くして、勝ちにこだわってやっていきたいと思います。

植村直己 監督

―各選手の特徴
中川(舜祐)は素直でよくアドバイスを聞くことのできる選手。これまではフォアを基本にストロークで勝負してきていたが、今年2月に行ったチュニジア遠征で外国人選手と対戦し、ストロークだけでは勝てないと実感した。そこからネットプレーやサーブを練習し、試合で使って自分のモノにしている。バックハンドもこれまではこすりすぎて相手に間に出られていたが、だんだんとよくなっている。この試合を見ていても、もっと相手コートの真ん中と狙わないと。ダブルスの『センターセオリー』っていうのがあるんだけどね。端に打ってもああやってポイント取れちゃうからなかなか打たないんだよ(笑)。相手とネットの距離とか、身長とかを考えて打たないとだめ。大田(空)はよく考えながら気持ちを入れてプレーできる選手。前に出ることもできるし、これだけ色々やれているってことはまだ余裕があるんじゃないかな。レシーブがコンパクトで、逆に中川はここがまだできていない課題となる部分。普段のストロークと同じように大振りしているから、タイミングが遅れてフレームに当たったり引っかかったりしている。苦手な部分を無理に強みにすることはなくて、弱点を減らすという意識で練習していけばいい。

―佐野・高清水組の試合を見て
2人も本当はもっと大田のように前に出ることができる選手のはず。ただ、後半からそれをやるのでは、ちょっと遅かったかな。

―大学テニスの特徴は
体ができてきて筋力や体力がついてくるので、必然的にラリーが長くなる。高校は3年間、実質2年半しかないので、指導者もあまりプレースタイルを変えるなどの冒険はしたくない人が多い。大学は4年間あるので、プレースタイルを変えたり、強みの部分をさらに強化することができる。

―今年の1年生は
1年生はみんないいですよ。自分のスタイルを押し通して勝負できる。大田は高校ランキング2位で、強化部特待にするからと来てもらった選手。

―今大会について
6月から練習を再開したけど、もともとコートの数が少ないこともあって本当は5~6時間は取りたい練習時間も1日4時間しか取れなかったり、他の大学の練習再開の時期とかコート数などの環境と比較しても苦戦するのは仕方ない部分はある。あまり言い訳はしたくないが、岡垣(光祐)も就活があったりとかね。やっぱり時間が短いとやれることも限られる、より多くの人数をコートに入れようと思うと、どうしてもダブルスになっちゃうでしょ。そういう意味でもシングルスの練習時間は少なかったし、これから増やしていかないといけない。インカレまでは時間がないけど、まずはやっぱりさっき言ったような日常生活からしっかりして準備をすることが大事ですよね。

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