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【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 対日大 2勝を上げるも、王者にあと一歩及ばず

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【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 対日大 2勝を上げるも、王者にあと一歩及ばず

第69回関東大学ボクシングリーグ戦
2016年5月14日(土)
後楽園ホール

昨年度入れ替え戦に勝利し、1部残留を果たした法大。ハイレベルな1部リーグの中で、今年はAクラス入りを目指す。初戦の相手は、三連覇を狙う日大。初戦にして最難関の山場に、一致団結して挑んだ。結果は2-7と力の差を見せつけられるものとなったが、主将・鎌田稔生(文4)と森脇唯人(法2)が2勝を上げ、会場を沸かせた。

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Aクラス入りのカギを握る森脇

試合結果

トータル試合結果

法政大学

日本大学

 

試合結果

 階級 勝敗 選手名 スコア 対戦相手
LF

齋藤優雅(法4)   0-3(27-30,27-30,27-30)  飯村樹輝弥

F

 榊原達也(営2) 0-3(28-29,27-30,27-30)  坪井智也 
B1 ●  竹原毅(文3) 0-3(27-29,27-29,27-29)  金子虎旦 
B2 ●  田中風雅(営4)  0-3(27-30,27-30,28-29)  河野圭汰 
L1 ●   黒田虎之介(キャ2) 0-3(25-30,25-30,26-30)  小林将也 
L2 ○   鎌田稔生(文4) 2-1(26-30,29-28,29-28)  三田拓也 
LW ●   中原隆太朗(文3) 0-3(27-30,27-30,27-30)  李健太 
W 石田智裕(文3) 0-3(27-30,27-30,27-30) 鈴木稔弘
M 森脇唯人(法2) 2-0(29-27,29-27,28-28) 高倉久生
 

戦評

 遂に開幕を迎えたリーグ戦。相手は昨季2連覇を果たした日大。開幕戦にして、最大の難敵との対戦となった。
 まず初めに登場したのはLF級の齋藤優雅(法4)。1Rからボディを中心に相手を攻める。しかし、なかなか決定打は決められず、3Rにはコーナーに追いやられる場面も。0-3の判定負けを喫し幸先の良いスタートを切ることはできなかった。続く、F級には昨年度出場頻度の少なかった榊原達也(営2)が出場。序盤から壮絶な打ち合いを展開するも一歩及ばず敗戦。B1級には昨年度F級での出場だった竹原毅(文3)が階級を挙げて出場した。1R目こそ本来の動きが出せなかったが、2R以降主導権を握り始める。初戦を飾ることはできなかったが次に期待の持てる試合となった。

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試合前、円陣を組む法大勢

 続くB2級とL1級を落としチームとしての敗戦が確定してしまった法大。
 しかし何としてでも勝ち星を挙げるべく、L2級のリングに上がったのは主将の鎌田稔生(文4)。1Rはペースをつかむも、2Rでダウンを取られてしまう。だがそこで諦めずに果敢に前に出た鎌田。「主将としての意地を見せてくれた」と穎川德夫監督が話したように気迫のこもったボクシングでチームに初勝利をもたらした。

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試合直前の鎌田㊨と穎川監督

 主将に続きたいところであったがLW級、W級の2人は本来の力を発揮することができず、判定負け。残す試合はM級だけとなった。M級にはリーグ戦前選手たちが口々に注目選手と話していた森脇唯人(法2)が登場。ランキング2位で昨年敗れている格上相手に序盤からフックなどで試合を組み立てていく。ダウンこそ奪うことはできなかったが2-0の判定勝ちでリベンジを果たした。

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森脇の勝利に拍手を送る部員たち

 昨年度王者の日大を下すという番狂わせを起こすことはできなかったが、昨年から確かな成長を見せた選手たち。昨年は入れ替え戦で残留を決めた。しかし、今年はAクラスという高い目標を掲げている。その目標に向けて、1日でも早い勝利の瞬間を待ちわびる。(八木下伸一)

監督・選手コメント

頴川德夫 監督

―本日の試合を振り返って
リーグ戦に突入するまでに選手のけがなどいろいろなアクシデントがありまして、充分な練習ができていないかなと思っていました。例年に比べると上回る練習はしていたのですが、他大学のレベルが高くなっていて、それに追い付け追い越せという気持ちでいくら練習しても不安が打ち消せないくらいプレッシャーがかかっていました。前年度覇者との初戦を振り返ってみると接戦の試合が多くて、惜しかったな、負けたなではなく、あとここをこうすれば勝てたなという勝ちの見えるような1戦だったので、次につながる良い試合だったと思います。

―接戦の試合というのは
もうちょっと積極的にいってさえすれば判定がこちらに回ってくると思うこともありましたし、判定ではなく試合自体の運びが一転してTKO取りにいけるような僅差な試合もありました。明日からの練習にしっかり生かしていきたいと思います。今日の負けを謙虚に受け入れて明日の練習をしたいと思います。休みなし、明日からです(笑)。

―どういった練習をしていきますか
やみくもにやってもしょうがないので、今日撮った映像を明日みんなで見て、どういう原因で負けになったのかを客観的に見てそれを受け入れるところからスタートしたいです。攻撃力、攻撃が終わって次に仕掛ける瞬間どちらが攻撃を意識して動いているかは見ている側はすぐにわかるので後手に回らず、先に手を出すという積極性にこだわったボクシングをさせていきたいです。

―勝利を挙げた選手について
鎌田はキャプテンとしての意地で勝ち取ったと思います。ボクシングでいうと、今までは直線的な動きが多くて打った後の動きがあまり見られず、そのまま立ち止まったり真っ直ぐ下がったりしていたのですが、最近は左右の動きが加わり攻撃のバリエーションが増えました。日大の三田くんも良い選手ですが、キャプテンとして勝たねばならないという気持ちが上回ったと思います。森脇は去年負けている相手です。ランキングでも彼は4位で相手の高倉くんは2位で、勝たなければいけないという気持ちが強かったと思います。彼には更に活躍してほしいと思います。

―鎌田選手はダウンを取られましたが
正面からもらって、打った後に止まっているところにやられたのでダウンでした。あれも次ああいうパンチをもらわなくて済むような練習を明日からしていきたいと思います。倒れる理由はあったはずなので、それを改善させます。

―昨年度勝利を挙げた黒田選手について
今日は彼の良さが出なかったです。どう攻めれば良いか迷ってる間に下がりながら打つようなシーンが多くてロープを背負うシーンが多く見られました。ボクシングは守りではないということをわかってほしいと思います。そのためには私が言ってもしょうがないので、彼自身に気づいてもらえるようなアドバイスをしたいと思います。

―2対7という結果については
昨年度から1ポイント前進したということではあります。負けは負けですが、負け方として成長した負け方をした選手がいますので、次は勝てるようにしたいと思います。良いところは出たので、そこを伸ばして、悪いところは明日から改善させていきたいです。明日のミーティングはあなたはこれが理由で負けましたという厳しい言い方になるかもしれません。

―TKO負けはありませんでしたね
練習はラウンド数を増やしたり、ロードワーク、ボアソ(ボアソナードタワー)のかけあがりトレーニングであったり、サーキットトレーニングというハードなトレーニングを増やしました。そういう意味では脚力の強化がダウンなどを防止したのではないかと思います。

―階級を変えた選手が何名かいましたが
だんだん体が大きくなってきて、減量がきついなかで戦った学生もいますが階級をあげて戦わせる選手が何人かいます。少し不安はありましたが、今日の試合を見る限り充分やっていけると思いますので、筋力を強めて、しっかり戦えるようにしていきたいです。

―昨年1年間はいかがでしたか
1部リーグに上がった年で、プレッシャーもありましたし、4年が多くいました。今年は4人ですので、戦力的には若手に期待するところが大きいです。不安でもあります。チームワークは鎌田のカラーがあって良かったと思います。

―新入生については
けがをしてる人が何人かいますので、今後けがを治してからどんどん起用していきたいと思います。実戦で使える1年もいますので期待しています。

―今年のリーグ戦の目標は
勝ち星らしい勝ち星をあげて、近い将来Aクラスに入りたいと思います。1戦1戦を大切にこの試合が最後だというくらいの集中力をもって挑んでいきたいと思います。

―東洋戦に向けて意気込みを
選手のオーダーを見ると優勝争いに絡むメンバーが多くいますので、侮れないということで、今日と同じ覚悟で挑みたいと思います。

鎌田稔生 主将

―今日の試合を振り返って
相手がもともとはライトウェルター級で、12キロ減量して試合に臨んできているというのは分かっていたので、とにかく手数を増やしてスタミナで押していこうと思っていました。対戦相手の三田選手は、高校の時からインターハイで試合したことがあって手の内は知っていたので、気持ちで負けないようにしました。

―リーグ戦初戦を迎えて、チームの雰囲気は
今年は初戦から勝ちに行くつもりでいました。毎年日大とやる時は勝ちに行くというより一つでも多くの白星をあげる意識も強くて、それくらい日大と法政の差があったのですが、今年はもしかしたら勝てるのではというチームだったので、モチベーションは高かったです。

―主将としてのプレッシャーは
主将としては勝たなきゃいけないという思いはありました。あと、チームのモチベーションを上げるような試合をしないといけないという思いもありました。ですが、逆に自分は追い込まれたほうがやる気が出るので、今日は良い緊張感で試合ができたと思います。

―自身の試合の勝因はなんだと思いますか
今までは水分を抜くために水を飲まないような減量方法だったのですが、今回は1か月前から計画的に食べ物などにも気を使って、体脂肪から落とす方法で減量しました。相手の選手は12キロ減量するにあたってきつかったと思いますが、自分は計画的な減量でコンディションも良かったので、そこが勝因の一つかなと思います。

―今日は自分のボクシングができましたか
2R目にパンチをまとめられて、正直人生で初めてのダウンを喫しました。2Rはパンチも効いて足が言うことをきかなくなってしまって、本当にボクシング人生で初めてくらい体が動かなくなったので、やばいなと思っていました。でも、1Rはとっていた自身があったので、3Rで取り返せば勝てるという気持ちで諦めなかったのが良かったと思います。

―開幕に向けてどんな練習をしてきましたか
一週間前までは8キロくらいある皇居まで30分以内で帰ってきたりだとか、ボアソナードタワーを27階まで階段ダッシュしたりとハードワークでした。一週間切ってからは体重を落とすことに専念して、各自フリーで練習していました。

―チームとして、今後の試合につながる収穫は
全部の試合に共通して、勝負になってなかった試合は一つもなかったと思います。でもまだ少しずつ日大の選手と差はあったので、その差は埋めていくようにして次は勝ちに行けるようにしていきたいです。

―次の試合に向けて一言
次は東洋大戦です。4年だけみたら一番充実しているくらい一番上の代がしっかり強いチームなので、脅威になると思いますがもちろん勝ちにいきます!

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主将の意地を見せた!

森脇唯人

 ―今日の試合を振り返って
去年ポイントで負けた選手だったので、今回はリベンジできたので良かったです。

―相手の選手について
僕も長身なんですけど相手の選手も長身で、サウスポーで前の手が被るので、やりにくい部分はありました。

―今日の試合で意識したことは
前回はやみくもに前に出てさばかれて負けたので、今回は少し距離を取ったりとか、前回とは違う戦い方をしました。

―勝因は前回とは違う戦い方でしょうか
そうですね。あとは監督とコーチが決めた作戦で、作戦通り勝てたなって感じです。

―作戦の具体的な内容は
自分のスピードを生かすっていうのと、あと打ち終わりにプレッシャーをかけることです。

―特に印象に残っているラウンドはありますか
全部アドレナリンぷんぷんで緊張していたのであまり覚えてないです(笑)。
結構普段から仲のいい選手だったので、気持ち的にはいつもは仲良いけど、今回はボクサーとしてお互い戦いあえたかなって思います。

―今日見つかった課題は
(相手を)見すぎている部分があって。自分で攻撃を仕掛けて倒せるチャンスもたくさんあったと思うんですけど、やっぱり見すぎてしまったというのが今回の反省点です。

―初戦でしたが、チームの雰囲気は
ずっと初戦の日大をとりにいくぞって気でいたので、とても雰囲気が盛り上がる感じで試合に臨めました。

―鎌田主将の勝利について
ここちゃんと取り上げてくださいね!(笑)
主将は結構優しいんですけど、僕にだけ厳しいので、いつか後ろから一発ぶん殴りたいと思います。けど、普段から尊敬している先輩です!

―次の試合に向けて
前回個人戦で戦って勝った相手なので、リベンジされないように圧倒的に勝ちたいと思います。

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体格を生かしたプレーが光る森脇

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