【準硬式野球】第68回全日本大学選手権大会2回戦 対久留米大 打線が奮わず、無念の初戦敗退…。日本一の夢ここについえる
第68回全日本大学選手権大会2回戦 対久留米大学
2016年8月21日(日)
仙台市民球場
ついに初戦を迎えた全日本大学選手権大会(全日本)。次々に強豪が敗退していく波乱の大会となっているが、法大は力で圧倒することができるか、、、。
試合は幸先よく先制するも、4回に逆転されると、その後は相手の好投手を前に凡打を重ねていく。
迎えた最終回。土倉徳(社1)の適時二塁打で1点差に迫るも、後が続かず2-3の惜敗。まさかの初戦敗退となった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 5 | 0 |
久留米大 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | 3 | 7 | 2 |
(法大)●室木、竹内ー土倉
(久留米大)○小野、宮崎ー秀島
二塁打:小野(2回)、土倉(9回)
盗塁:萩原(8回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 萩原幹斗(社3) | 報徳学園 | 3 | 0 | 0 | 1 |
2 | (4) | 藤口帝(社3) | 遊学館 | 3 | 0 | 0 | 1 |
3 | (7) | 中村聖弥(経4) | 藤代 | 4 | 0 | 0 | 0 |
4 | (9) | 小野慶典(経4) | 静岡 | 4 | 2 | 0 | 0 |
5 | (3) | 永田直(経4) | 桐蔭学園 | 2 | 1 | 0 | 0 |
6 | (6) | 三品勇人(社2) | 報徳学園 | 3 | 0 | 1 | 0 |
7 | (2) | 土倉徳(社1) | 遊学館 | 4 | 2 | 1 | 0 |
8 | (1) | 室木大(経3) | 星稜 | 1 | 0 | 0 | 0 |
PH | 福井寛(社4) | 富山第一 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
1 | 竹内悠(社2) | 藤代 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
PH | 内川慶一(経4) | 佐賀北 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
9 | (8) | 甲本裕次郎(社3) | 鳴門 | 4 | 0 | 0 | 0 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
室木 | 6 | 5 | 3 | 1 | 2 |
竹内 | 2 | 2 | 1 | 0 | 1 |
戦評
初戦のマウンドを任されたは室木大(経3)。「球が走っていた」と本人が語るように、ノビのあるストレートを主体に相手打線を打ち取り、初回を3人で抑える。すると2回表、小野慶典(経4)が二塁打で出塁し、後続の犠打と犠飛で先制。リーグ戦の法大ではあまり見られなかった「スモールベースボール」で好調の室木を援護する。
その後は膠着状態で投手戦の様相を呈していたが、4回裏、室木が相手のクリーンナップに連打を浴び1死一、二塁をピンチを背負う。迎えた5番原に初球を捉えられ、打球は無情にもセンターオーバー。走者一掃の三塁打となり1-2と逆転を許してしまう。
2回、三品の犠飛で本塁に生還する小野
安打1本で先制点を奪った法大であったが、相手の先発小野を攻略することができない。空振りは決して多くはなかったが、捉えたかに思えた打球は芯を捉えておらず、ことごとく内野ゴロとなってしまう。7回を終えて法大の安打は3本のみ。反撃の糸口をつかめないでいた。
続く8回裏。室木に代わって7回からマウンドに上がっていた竹内悠(社2)が先頭打者に安打を許すと、犠打、内野ゴロの間に走者は三塁へ。打席には代打河原。なんとしても抑えたい場面であったが、振り抜いた打球はセンターの前に落ち、三塁走者が生還。これで1-3。9回の逆転を目指す法大にとって、痛い痛い失点となってしまった。
迎えた9回表。マウンドには小野に代わり左腕の宮崎。先頭永田直(経4)が右中間へのヒットで出塁。主将らしい勝負強さを見せつけた。続く三品勇人(社2)の打球は一、二塁間へのゴロに。しかしダブルプレーは回避し、永田は二塁へ進む。続くはルーキーの土倉徳(社1)。捉えた初球は右中間への大きな当たりになり、永田が生還。これで点差は1点差で尚もランナー二塁。ここで竹内に代わり、代打内川慶一(経4)。フルカウントまで粘るも、最後は緩い変化球にタイミングが合わず、空振り三振。2アウトに追い込まれた法大の命運を託されたのは9番甲本裕次郎(社3)。しかし甲本はセカンドゴロに倒れゲームセット。2-3の惜敗。初戦で姿を消すこととなってしまった。
昨年は準々決勝に0-1で惜しくも敗れ、ベスト8。この無念を晴らすため、「日本一」という目標の下、この日まで戦ってきた。しかし結果は初戦敗退。特に先発の室木は、4年生であるエース末次慶一郎(社4)につなぐことができなかった悔しさを涙ながらに口にした。萩原幹人(社3)の連続試合安打も31でストップ。奇しくも萩原のノーヒットは涙をのんだ昨年の準々決勝以来。
来年こそは必ず。全員がこの悔しさを胸にしまい、「リスタート」を始める。(戎井健一郎)
監督・選手コメント
本間隆洋 監督
ー2回戦敗退ということになりましたが、この試合を振り返って
まだまだ力が足りないということですね。走攻守、チーム力全体を高めていかないとなかなか勝てないですね。
ー一発勝負、トーナメント戦の怖さを知る結果となりました
そうですね。うちの方がヒット数が少なくても、ここぞという時の一本が出ればいいんですが、出ませんでしたね。その辺を今後の課題としながら、リーグ戦で挽回していきたいと思います。
ー終盤につれて、焦り等も出てきましたか
7回、8回でともにチャンスを逃してしまったので、あそこからはしんどかったですね。
ー昨年の大会もそうですが、好投手を相手にしたときにどうするかが今後の課題になってきそうですね
まだ弱いですね。それに尽きますね。ちょっとピッチャーのクラスが上がったり、初めての相手になりますと、手こずってしまうと。それはなかなか難しい問題なんですけどね。トーナメント戦は対戦データがないので。場合によっては、サブのスタッフが偵察などして相手を研究していくことも必要になって来ますかね。
ーこの試合での選手たちの雰囲気はいかがでしたか
特に気負ってるわけでもなく、そこは普段通りでした。打線も普段通りいけば良かったのですが、やはりそこは波がありますよね。相手は一戦終えて入ってきていて、うちはこの試合が初戦で、勢いに差もありましたかね。
ー4年生にとっての最後の夏が終わってしまいましたが、監督にとっての4年生は
手のかかる学年でしたね(笑)。ミーティングでも優勝したらバカ騒ぎしていいぞと言ってましたが、それくらい、この4年生と一緒にという気持ちでやっていました。いろいろ小言を言う回数が多かった学年なんですけど、なんとか最後、旗を持って帰りたかったなという思いでしたね。
ー全日本は終えましたが、もうすぐ秋季リーグ戦も始まります。そこに向けての意気込みは
少なくともリーグ戦だけは連覇を続けたいです。周りから見たら、全国に出たら弱いなという評価になってしまうかもしれませんが、リーグ戦だけはトップレベルをキープして一年後のために頑張っていきたいと思います。
永田直 主将(主将として迎えた最後の全日本はまさかの初戦負けに)
ー最後の全日本を終えて
まさか最後の試合になるとは思っていなかったし、今までで1番悔しい大会になりました。僕たち4年生は下級生の時から出続けている選手も多く個性的なメンバーでしたが、色々な問題を解決しながら、みんなが一致団結して練習してきたつもりだったんですけど、こういう結果になったということは練習量も足りないし、それ以外のところも改善しなければいけないのかなと思いました。すごく悔しいですね。
ー合宿では土倉選手のような新戦力が台頭してきました
人数が多くなって色々練習方法を変えたり、工夫したりして試行錯誤するような合宿ではあったんですけど、Aチームのみんなは今まで以上に練習したと僕は思っています。充実した合宿だったと思います。
ー全日本ではどういったチームを目指そうと思っていましたか
去年は守備のミスで負けたので、とりあえず(打球を)捕る量を増やしていこうということで守備に力を入れつつ、その中でも法政の自慢は打撃なので、全員が調子がいい形で全日本に臨めるようにバットを振り込みました。
ー思っていたようなチーム作りはできましたか
最後の大事なところで凡退してしまうところがあったので、どうやったらチャンスで打てるんだろうというところを突いていきたいと思いました。細かいミスはあったとは思いますが、正直投手が3点以内で抑えてくれていたので、僕らが打てなかったというのは来年以降の反省として生かしていってほしいです。
ー主将としても最後に意地の一打をみせました
そうですね。もちろん俺がキャプテンだからここで1本打ちたいなと思ってました。結果ヒットにはなりましたが試合には負けてしまったので、単打ではなく長打を打てていたら、もしかしたら勝てたかもしれないし、以前先頭に立っているというよりは俺がチームを引っ張っているという気持ちで打席に入っていると言いましたが、そのつもりで打席に入りました。
ー秋のリーグ戦が目前に迫っています
全日本は不完全燃焼で終わってしまったので、本当の意味で4年生がチームを引っ張っていきたいです。まだ全然背中で語れてないんでね。最後しっかり秋優勝して、関東王座も優勝することが目標です。
ー最後に意気込みをお願いします
全国大会は終わってしまったけど、野球人生は続くので秋こそは4年生が引っ張っていきたいです。負けたということは何かが足りなかったということなので、もっと4年生が頑張って優勝したいですね。
小野慶典(マルチ安打を記録するなどチームの主砲としての意地を見せた)
ーまず今日の試合を振り返って
1年から出させてもらって最後だったので、全国制覇したかったんですけど。新潟合宿は頑張ったと思うんですけど、この結果はちょっと不完全燃焼という形ですかね。悔しかったです。
ーリーグ戦では就活を挟みながらの活動ということもあって、そこからの調整は難しかったですか
そこで全然打てなくて3年生に助けてもらったので、今回は就活も終わって夏に集中という形だったんですけど、ここで本当は引っ張っていかないといけないのに自分の結果を含めて全然だめだったので、本当に後輩たちや監督さんに申し訳ない気持ちでいっぱいですね。
ー今日のチームの状態や雰囲気はどうでしたか
雰囲気自体は良かったと思うんですけど、どこかおごりがあったというかそういった気持ちは必ずどこかにあったと思うので、後輩たちにはおごりなく優勝したかったら練習もちゃんとして、相手を見るんじゃなくてしっかり自分たちの野球をしてほしいなと思います。
―全日本を通して新たに出た課題は
毎回全員の調子がいいというわけではないので難しいところではあるんですけど、自分を含めてもう少し点を取ってあげないとピッチャーがいい投球をしてるので申し訳なかったなと。これでは去年と一緒なので、打のチームなりにしっかりバットをこれから振っていきたいなと思っています。
ー秋季リーグ戦やそこで優勝すると関東王座が控えていますが、これからどうしていきたいですか
自分のできることを精一杯やるだけですね。
ー最後に秋季リーグ戦に向けて意気込みを
どうなるか分からないですけど、チームとしては優勝で、個人としては役割をなんでもいいので、やるべきことをしっかりやってチームの雰囲気を壊さないようにやっていきたいと思います。
室木大(初戦の先発投手という重役にも2失点の好投で応える)
ー今の率直なお気持ちは
僕が負けてしまって、末次さんにつなぐことができなくて悔しいです。
ー重要な初戦のマウンドを任されて
少し緊張していて。球は走ってたんですけど。ちょっと高めに浮いてしまったというのもあるんですけど、簡単に(ストライクを)取りにいったことを、あのボールを選択したことを後悔しています。
ーストレート、変化球共に好調だったように見えました
狙ってとれる場面で三振がとれて、今日は球が走っていたので打たれる気はしなかったんですけど、油断というか、気を抜いてしまったのかもしれません。
ー相手投手に打線が苦しんでいた印象でしたが
うちの打線ならすぐ打ってくれるだろうと思ってがんばって投げてたんですけど。相手のピッチャーに僕が粘り負けた、それだけです。
ーすぐ先には秋季リーグ戦が控えています
リーグ戦で苦戦するようでは、全国のレベルでは打たれてしまうので、圧倒的にねじ伏せて、法政には勝てないなというイメージを植えつけていきたいと思います。
ー室木選手は来年も全日本の舞台に立つチャンスがありますが、抱負は
今日の負けを忘れずに来年絶対日本一とりたいです。
土倉徳(最終回に1点差とするタイムリーヒット)
ー試合を終えた今のお気持ちをお聞かせください
キャッチャーなので配球が試合を全部左右します。悔しい気持ちしかないです。
ー試合を振り返って
4回に取られた2点、8回に取られたセンター前ヒットでの1点、どっちも勝負にいった球でした。自分の中ではアウトを取れると確信していた球でしたが、上手く打たれたので自分の考えが甘かったと思います。
ー4回、逆転されたものの追加点は与えませんでした。あの時、まだまだいけるという感覚はありましたか
ありました。ここから、法政の打撃ならまだまだ勝てると思っていました。
ー8回の追加点は防げた、という気持ちはありますか
簡単に勝負しにいった感じはあります。
ー9回、意地のタイムリーヒットを打ったあのときの気持ちは
自分はまだ1年なので、下手に気負うことなく、思いきっていってやろうと思って、振っていきました。
ー今後に向けて何かありますか
これから自分が引っ張っていかないといけないと思うので、もっとチームに溶け込み、自分を出していきたいと思います。
フォトギャラリー
- 最終回に意地の一打を放った主将・永田
- 初戦の先発を任された室木は見事に試合を作った
- 先制点となる犠飛を放つ三品
- 1点ビハインドで登板した竹内だったが、その差を広げられてしまった
- リーグ戦こそ苦しんだチームの主砲も、大舞台で躍動(小野)
- 土倉は1点差に迫る適時打も放ち、若い世代の台頭をアピールした
- 31試合、実に1年間続けてきた萩原の連続安打記録もストップ
- 主将が見せた魂は確実に次の世代に受け継がれていくだろう