atarimaeni CUP 2回戦 法大ー桃山学院大
2021年1月8日(金)会場非公開
初戦で西の強豪・阪南大を下し、2回戦に駒を進めた法大は、中一日で同じく関西代表の桃山学院大との一戦に臨んだ。1回戦からスタメンを大幅に入れ替えたこの試合。前半は服部が自ら獲得したPKを決め先制するが、直後に相手にPKを献上し失点。同点で試合を折り返す。後半に入り、相手ゴールへと迫り決定機を作るものの、チャンス決めきれない法大であったが、終盤にコーナーキックから松井が2試合連続となるゴールを決め勝利した。続く3回戦は、今季関東2部リーグ優勝の流通経済大学とベスト4をかけ戦うこととなる。
試合結果
トータル試合結果
2 法政大学 |
1 | 前半 | 1 | 1 桃山学院大学 |
---|---|---|---|---|
1 | 後半 | 0 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
39分 | 得点 | 法大 | 服部 | 1-0 |
41分 | 得点 | 桃山学院大 | 若山修平 | 1-1 |
60分 | 交代 | 法大 | 今泉→長谷川 | |
60分 | 交代 | 法大 | 佐藤(大)→平山 | |
76分 | 交代 | 法大 | 服部→今野 | |
82分 | 交代 | 法大 | 飯島→大塚(尋) | |
84分 | 得点 | 法大 | 松井蓮之 | 2-1 |
93分 | 交代 | 法大 | 関口→鳥居 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
1 | GK | 中野小次郎 | 経済4・徳島ヴォルティスY |
16 | DF | 陶山勇磨 | 現福3・帝京長岡高 |
13 | DF | 城和隼颯 | 社会4・柏レイソルU18 |
5 | DF | 宮部大己 | 経済4・法政二高 |
23 | DF | 関口正大 | 現福4・新潟明訓高 |
28 | MF | 佐野陸人 | 現福2・清水エスパルスY |
6 | MF | 松井蓮之 | スポ3・矢板中央高 |
8 | MF | 今泉富 | 現福4・浜松開誠館高 |
11 | MF | 服部剛大 | 社会4・横浜FC Y |
20 | FW | 佐藤大樹 | 経済3・北海道コンサドーレ札幌U18 |
15 | FW | 飯島陸 | 経済3・前橋育英高 |
サブメンバー | |||
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12 | GK | 近藤壱成 | 経済2・ジュビロ磐田U18 |
2 | DF | 森岡陸 | 現福4・ジュビロ磐田U18 |
3 | DF | 高木友也 | 経済4・法政二高 |
4 | DF | 鳥居俊 | 理工4・東京ヴェルディY |
10 | MF | 長谷川元希 | 現福4・大宮アルディージャY |
14 | MF | 田部井涼 | 経済3・前橋育英高 |
29 | MF | 今野息吹 | 経済1・三菱養和SC Y |
9 | MF | 平山駿 | 経済4・三菱養和SC Y |
32 | FW | 大塚尋斗 | 社会2・矢板中央高 |
マッチレポート
ついにたどり着いた最高峰の舞台、波乱のシーズンを締めくくる#atarimaeni CUPに乗り込んだ法大は、1回戦で阪南大を苦しみながらも撃破し、中1日で2回戦に臨んだ。迎えた相手は桃山学院大。今季は関西リーグ一部で4位と、決して気を抜くことができないチームだ。
序盤はボールを繋ぎながらゴールへ迫る法大と、その背後を狙う桃山学院大といった形となった。城和隼颯(社4)、松井蓮之(スポ3)らがコーチングをしながらボールを運び、佐藤大樹(経3)が最前線でボールを収め、スペースに飯島陸(経3)、服部剛大(社4)らが顔を出し好機をうかがう。5分頃には今泉富(現4)の正確なフリーキックをファーで折り返し、エリア内に法大の選手が飛び込むも決めきれない。9分頃にはエリア正面から佐野陸人(現2)がシュートを放つも、大きく枠を外れた。試合が動いたのは39分、右からのコーナーキックの流れから、服部がエリア内でボールを受ける。得意のドリブルを仕掛けると、たまらず相手が服部を倒してしまいPKを獲得。これを落ち着いてゴール左へ沈め、待望の先制点をゲットした。しかし、直後の41分に法大ゴール前で相手選手を倒し、PKを献上。これをゴール左へ決められ、同点で試合を折り返す。
後半は開始直後から一瞬の隙を突き、服部がシュートを放つも相手ディフェンスに体を張って守られる。その後も、関口正大(現4)主将のアーリークロスから飯島の飛び出し、佐藤大のエリア内での振り向きざまのシュートなど、矢継ぎ早にゴールに迫ったが、なかなか決めきれない時間帯が続く。14分には10番の長谷川元希(現4)とチーム得点王平山駿(経4)を投入。すると、狭いスペースで両者がボールを受け、落ち着いて前進する時間を作れるようになる。後方から運び、前線の選手に当て、落としのボールを再度回収し、高い位置を取ったサイドバックや、スペースに顔を出した選手にボ―ルを送り込んでいく。30分にはドリブラーの今野息吹(経1)を投入し、37分には強靱なフィジカルを持つ大塚尋斗(社2)を投入し、ゴールへの勢いを強めていく。
勝負を分けたのはやはりセットプレーだった。後半39分、長谷川が右から送ったコーナーキックのボールに頭で完璧に合わせたのは松井。2試合連続ゴールは値千金の勝ち越し弾となった。終了間際には鳥居俊(理工4)を投入しディフェンスを固め、そのまま試合は動かず長い笛。試合巧者ぶりを見せつけ、3回戦へ駒を進めた。
次戦は強豪、関東リーグと今大会に全面協力してくれている流通経済大だ。手強い相手だが、役者に不足はない。最終決戦へのサバイバルはまだまだ続く。
(記事/撮影・磯田健太郎/宮川昇)
選手コメント
長山一也監督
ー今日の試合を振り返って
中1日の試合で、メンバー選考のところをコンディションを考慮したりだとか、関西の強豪で簡単な試合にはならないと思っていました。セットプレーがキーになる中で、PKやコーナーキックから点を取れたので、良かったかなと。ただ、失点が得点のすぐ後だったので、隙を見せてしまったなというところと、流れの中からのチャンスを決めきれなかったので、そこはまた次の試合までに改善したいですね。
ーこの試合は佐野陸人(現2)選手、今泉富(現4)選手がスタメンに名を連ねました。どのような狙いがありましたか
陸人はリーグ戦最後の方で出てきて、セットプレー含めていいキックを持っているので、効果的に攻撃に関わってほしいなと思って起用しました。今日もスルーパスなどを見せてくれてたので良かったですね。今泉もキックやシュート、直接フリーキックも(決める技術を)持っているので、今日はそのような場面はありませんでしたが、特徴を出してほしいなと思って起用しました。
ー連戦が続くことで動きが重くなることもあるかもしれませんが、その部分のマネジメントはどのようにされていますか
まずは個人でコンディションを整えてもらうことはしていますが、出場時間もうまくコントロールしながら起用しています。
ー前半は少し押し込まれる時間もあり、同点で試合を折り返しましたが、ハーフタイムにはどのような指示をされましたか
基本的にはうちのゲームだったので、フィニッシュを決めきることと、リスク管理を徹底すること、なにより得点の後に一喜一憂しないこと、一つ一つのプレーをおろそかにせずに、流れをコントロールしながら戦うことを話しました。
ー今日も勝負を決めたのはセットプレーでした。精度などに手応えはありますか。
この大会はセットプレーのチームになっているんですが、流れの中からの一対一を決められるともっと楽になるかなと。ただセットプレーの準備はしっかりしてきているので、そこが出せた試合になりましたね。
ーシステム上相手と噛み合って前からプレスをかけられる時間がありましたが、そこでの指示は選手と監督どちらが主導しているのでしょうか
コーチも含めて、相手が何枚でプレッシャーをかけてくるかで、後ろは何枚で回すかをこっちでも話していますが、こっちからの目線だけというわけでもなくて、(ピッチの)中では城和(隼颯、社4)が主体となってやってくれているので、こっちからの目線と釣り合わせながらやっていますね。後半からは陶山(勇磨、現3)を含めて3枚で回すことでうまく回るようになりました。前線のところで長谷川(元希、現4)や平山(駿、経4)を入れたことで間受けができるようになったので、マイボールの時間と落ち着いた時間、サイドバックが高い位置を取る余裕ができてきましたね。
ー3回戦に向けて
コンディションを整えることと、流経さんは力のあるチームで、今年の法政の実力を確かめることができると思うので、今持っている力を出し切れるように良い準備をしていきたいです。
飯島陸
ー今日の試合を振り返って
メンバーが前の試合から変わったことで少し難しい試合になったのですが、トーナメントでは勝ちきることが全てなので、勝ててよかったです。
ー前半はなかなか決めきれないシーンがありましたが、どのような前半でしたか
なかなか自分たちのやりたいサッカーができなくて苦しい時間が続きました。早い時間で自分たちフォワードが決めていれば、もう少し楽な前半になったのではないかと感じます。
ー佐藤大樹(経3)選手と2トップ気味の配置となりましたが、ポジショニングの棲み分けはどのような意識がありましたか
大樹は前で体を張ってくれるので、それを自分が回収したり、そこから裏に抜けたりすることを意識していました。
ー12月に入ってから調子が上向きになっているように感じられます。なにか意識の変化などはあったのでしょうか
変えた部分というか、大学に入って積み重ねた部分が今結果となって出せているのではないかなと思います。シュート練習一つをとっても実戦を想定してやることや、頭の中でイメージするだけで徐々に(プレーが)変わっていきましたね。
ー斜めへの抜けだしが特徴的ですが、動き出しや抜け出しの部分では誰か参考にしている選手はいますか
アグエロ(マンチェスター・シティー)やスアレス(アトレティコ・マドリー)などの海外の選手は参考になりますし、近いところでは(上田)綺世(鹿島アントラーズ)くんやレレくん(ディサロ燦シルヴァーノ、清水エスパルス)の存在は大きかったですね。「ここまでやれたらプロで通用するのかな」と思ったり、刺激になりましたね。また、自分の持っている感覚も大事だと思うので、そこも大切にしていきたいなと思っています。今日はシュートの部分では焦ってしまう部分もあったので、そこは改善していきたいです。
ー4年生と一緒にサッカーができるのも残り少ないですが、やはり思うところはありますか
自分は特に4年生と仲が良いのでさみしさがあるのですが、だからこそ少しでも長く一緒にサッカーができるように頑張っていきたいですね。
松井蓮之
ー中1日での試合でしたがコンディションは
自分は前の試合はあんまり出ていないですけど、センターバックの選手とかはずっと出る形になると思うので、中1日の準備というところでリカバリーとかチーム一丸となって練習できている雰囲気があるので、そこは問題なくチームとしてやれているかなと思います。
ー流れの中で決めきれず焦りなどは
その中でも自分達にはセットプレーという強みがあるので、別に焦ることなく試合を進めることができました。そんな中で、ああいう狙い通りのセットプレーで決めることができたのはよかったと思います。
ー関西勢との連戦となりました。事前のスカウティングやそれを受けての対策などは
関西の大学は結構前に強いというか、ロングボールが多めだということはスカウティングしていました。そうしたスカウティングをした中で、センターバックにヘディングの強い選手を置いて、その1つ前のボランチである自分達はセカンドボールをしっかり拾う意識を強く持っていました。やっぱり今日の試合はそういう場面が多かった中で、上手くセカンドボールを回収して、前に繋げたことがチームとしていいポイントだったのかなと思います。
―コーナーキックの駆け引きについて教えてください
自分達自身、練習でセットプレーを意識してやっていて、スカウティングで相手にそこまで大きな選手がいなかったので、ニアで13番の城和君に潰れてもらってその後ろで自分が叩くという形も練習したので、特に変わることなく練習通り決めることができました。
―後半はキックの精度で差が出たのかなと思います
法政には本当にいいキッカーがいて、試合に出ていない選手でもたくさんいるので、中は常に合わせる意識でやっていますし、そこで合わなかったら練習後にも話をしてもう一回セットプレーをやったり、そうやって緻密に練習している自信はあるので今日の結果に繋がったのかなと思います。
ー次の相手は流通経済大学です
流通経済大学は2部で優勝していて、アミノバイタルでも1部の大学を倒して優勝しているので、力的には1部上位にいてもおかしくないくらいだと思います。相手はやっぱり前からくると思うので、そこは自分達の良さであるビルドアップではがせたら上手くチャンスを作れると思います。中1日ですけど、いい準備をできたらいいなと思います。そこをしっかり叩いて、1部と2部の差を見せつけられたらいいなと思います。
ーその中で松井選手の役割は
自分に求められているのは守備の部分なので、相手のカウンターであったり、相手の上手い選手のボールを奪って得点の芽を潰したりっていうところは、今日の試合でもできたんじゃないかなと思います。
ー4年生と戦う最後の大会となります
本当に法政はみんな仲が良くて、上下関係もあるんですけど、4年生も優しくて自分達がプレーしやすい環境を作ってくれています。そんな中で、やっぱり4年生と一番長く試合をしたいというか、今の4年生を日本一にしたいという強い気持ちがあるので、今までは正直4年生に頼っていた部分があるので、最後の大会くらいは自分達3年生以下が活躍して、4年生に頼ってもらえるような存在になっていきたいと思っているので、この大会に対する思いは自分も強くありますし、4年生と長く試合をしたいという強い気持ちもありますね。