第97回日本選手権
2021年4月3日〜10日
東京アクアティクスセンター
大会3日目は中島千咲代(現2)が1500m自由形で自己ベストを大幅に更新し、初の決勝に進出した。決勝では予選から記録を縮めることができなかったが「経験として次に繋がる」と語った。
※取材は大会後にオンラインで実施しました
3日目・4日目 結果
予選結果(女子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
200m自由形 | 6位 | 柏崎清花 (営4) | 2分01秒90 | 準決勝進出 |
16位 | 柴田夏海 (スポ4) | 2分03秒08 | 準決勝進出 | |
1500m自由形 | 6位 | 中島千咲代 (現2) | 16分41秒08 | 自己新・決勝進出 |
200m個人メドレー | 17位 | 田中瑞姫 (現3) | 2分17秒68 |
予選結果(男子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
800m自由形 | 22位 | 小野吏久人 (経3) | 8分26秒06 | |
200m平泳ぎ | 5位 | 山尾隼人 (経2) | 2分10秒98 | 準決勝進出 |
準決勝結果
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
女子200m自由形 | 13位 | 柏崎清花 | 2分02秒04 | |
15位 | 柴田夏海 | 2分03秒63 | ||
男子200m平泳ぎ | 5位 | 山尾隼人 | 2分09秒71 | 自己新 |
決勝結果
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
女子1500m自由形 | 7位 | 中島千咲代 | 16分45秒71 |
Pick Up
中島千咲代
「16分41秒08」という数字に思わず目を疑った。その驚きは「本当に自分のタイムなのか」と思ったほど。2ヶ月前に出した自己ベストを16秒も上回る大記録だった。
大幅自己新
大会3日目の1500m自由形予選。第3組に出場した中島は「段々と上げるイメージ」で自分のペースを貫いた。序盤こそ最後尾につけていたが、100mあたり1分07秒台の安定したラップを刻み、徐々に追い上げを見せていった。終盤にかけて「キツくなった」と言うが、決勝に残りたいという気持ちからラスト100mのラップを1分03秒0まで引き上げ、見事に目標を達成。初の日本選手権で決勝進出を果たしてみせた。
悔しさ残る
一方で、一番の目標としていた800m自由形では思うような泳ぎができなかった。「最低でも8分45秒」と意気込んでいたが、中盤あたりから自己ベスト8分48秒66を出したときのペースから遅れ始め、記録達成はならなかった。「考えてみると疲労が溜まっていたのかなと思います」。800m自由形は今大会で3レース目。「まだ1500mを2本泳ぐ体力が自分にはありませんでした」と冷静に受け止めていた。
ただ、やはり「最後800m自由形で結果を残して終わりたかった」と本音を漏らす。調整期間に良い練習が積めていただけに残念がった。今後の目標を聞くと「インカレで決勝に残って、決勝で上位と戦って1点でも多く法政大学に貢献したい」ときっぱり。本格的に自由形のトレーニングに乗り出してまだ間もない中島の伸びしろはどこまでも青天井だ。
(記事/取材:根本 成)
インタビュー
中島千咲代
ー日本選手権を終えて今の率直な気持ちは
1500m自由形で決勝の舞台で泳ぐことができ、良い経験になったなという嬉しい気持ちと最後800m自由形で結果を残して終わりたかったなという悔しい気持ちもあります。
ー 大会前の手応えは
ジャパンオープンが終わってから思うようなタイムで泳ぐことができなくて、4月に向けて焦りと不安がありました。その中で3月に行われた東京都シニアでは特に合わせていなかったのですが400m自由形で自己ベストタイと思ったよりいい記録が出ていたので、このまま日本選手権に向けて合わせていけばタイムが狙えるのかなと考えていました。
ーどういった目標を持って臨みましたか
800m自由形で決勝に残れるように練習していたので、しっかりタイムを出して入賞というのが目標でした。最低でも予選は8分45秒というのを考えていて、決勝でさらに上げて8分43秒が出ればいいなと思っていました。1500mに関しては出場選手的にも自分が決勝に残れる位置にいたので16分45秒あたりを目安に泳いでいました。
ー 1500mの予選はどういったレースプランで泳いでいましたか
最初は力まないでリラックスして泳ぎ、段々と上げるイメージを想定していましたが、実際は途中からキツくなって最後まで出し切ることを考えて泳いでいました。
ー 16分41秒というタイムについては
泳いでいる感じからして想像以上だったというのが正直なところです。組で4番だと決勝に残れないと思っていたので、ラストは3番になりたいっていう気持ちでスパートをかけていました。ゴールして記録を見た時には本当に自分のタイムなのか疑ったくらいびっくりしました。
ー 決勝前はどういった気持ちでしたか
今回が初めての日本選手権でしたが、無観客ということもあって雰囲気に呑まれるということはなかったです。決勝でレベルの高い選手と一緒に泳ぐというのは緊張しましたが、やっぱり初めてだった分、楽しみという気持ちの方が強かったです。
ー 決勝を振り返って
100分の1秒でも予選より速く泳ぎたいと思っていたのですが、思ってたレースができなくて、ラストも予選のようなスパートをかけることができなかったです。予選よりも順位とタイムを落としてしまったのが悔しいです。
ー どのあたりが上手く泳げなかったか
最初の500mはリラックスして泳いで、そこから徐々に上げていくイメージで泳いでしましたが、500m過ぎてからキツくなって気持ちと身体が噛み合わずにそのままレースが終わってしまいました。
ー1日空いての800mのレースでした
800mのレース前はこれは疲れているのかなという感じはしていたのですが、特別身体の動きが悪いわけではなかったので普通に泳げばタイムは出せると思っていました。ただ、実際はベストが出なくて、800mは逆に遅い方でびっくりしてしまいました。レースプランは200mずつペースを上げていきラストは最後まで出し切るというのを考えていました。調整期間ではメニューの最後に50m4本ハードというのを取り入れてきていたので、最後上げる自信はあったのですが、できなかったです。その点、終わって冷静に考えてみると疲労が溜まっていたのかなと思います。まだ1500mを2本泳ぐ体力が自分にはありませんでした。
ー 1500mの結果は今後につながるのか
1500mは自信になるレースだったと思います。今後800mでは今回の1500mよりも高い位置のラップを揃えることができるはずなので今後につながります。
ー 今大会の収穫と課題は
決勝で泳ぐことができたのは経験として次につながる収穫になりました。課題としては、今大会はレースに出場する期間が長かったので集中力の持たせ方が難しかったです。空いた日の過ごし方、練習のし方を今後は工夫しながらやっていきたいです。
ー 今後の意気込み
インカレで決勝に残って、さらに決勝で上位と戦って1点でも多く法政大学に貢献できるように頑張っていきたいです。