2021年度関東学生テニストーナメント大会
2021年6月2日(水)
大宮けんぽグラウンド
5月24日から開催されている関東学生テニストーナメント大会(春関)本選。男子シングルスは今大会予選会から勝ち抜いている佐藤太耀、男子ダブルスは佐野有佑・高清水研人をはじめとする3組が、女子シングルスは猪川結花がベスト8進出を果たした。
男子シングルス4回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 佐藤太耀(現福2) | 6-1,6-3 | 岡悠多(亜大) |
● | 矢島淳揮(スポ3) | 6-4,0-6,7-10 | 丹下将太(早大) |
● | 大田空(スポ2) | 0-6,2-6 | 田形諒平(筑大) |
男子ダブルス3回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 守屋達貴(人3)・加藤木塁(経2) | 7-6,6-4 | 岡悠多・石井智也(亜大) |
○ | 佐野有佑(経4)・高清水研人(経4) | 6-4,7-6 | 伊藤竹秋・赤西大樹(慶大) |
○ | 田中諒弥・ 矢島淳揮 | 2-6,6-1,10-8 | 田形諒平・中村元(筑大) |
女子シングルス4回戦
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|
○ | 猪川結花(社3) | 6-1,6-0 | 末野聡子(慶大) |
戦評
男子シングルス4回戦
着実に勝利を重ね4回戦まで駒を進めた大田空はインカレ準優勝の実績を誇る田形諒平(筑大)と対戦した。試合開始から攻めの姿勢を見せようと臨んだが、その意気込みが裏目に。ミスが増え、流れをつかめないまま、1ゲームも取ることができずファーストセットを落としてしまう。一矢報いたい大田はセカンドセット。ネットプレーを中心とした得意な形で奮闘するも、時すでに遅し。ストレートで敗れ、大会を去ることとなった。
予選から勝ち進み勢いに乗る佐藤太耀は、試合序盤から持ち前の攻撃的なテニスを展開し流れをつかむと、第4ゲームでブレイクに成功。その後も優位に試合を進め、ファーストセットを6-1で獲得する。その後も安定したプレーで相手のミスを誘うなど、危なげなく試合を進め、ストレート勝ちで準々決勝進出を決めた。「緊張しすぎることなく試合に臨むことができた。体も動いていたし、冷静な判断ができた」。試合後に語る佐藤の言葉には自信が満ちている。男子シングルスでは、法大勢から唯一準々決勝進出を決めた佐藤。快進撃はまだまだ続く。
矢島淳揮は丹下将太(早大)と対戦した。緩急のあるテニスで相手を翻弄すると、第2ゲームでいきなりブレイクに成功し、ファーストセットを先取する。しかし、セカンドセットは一転して苦しい展開に。相手の反撃を前に流れをつかむことができず0-6。試合はファイナルセットへ。悪い流れを断ち切りたい矢島は3連続ポイントで最高の入りを見せるが、相手も負けじと3連続ポイントと食い下がり、一進一退の攻防を繰り広げる。格上相手と互角の戦いを演じるも7-10でゲームセット。悔しい敗戦となった。
女子シングルス4回戦
女子で唯一ベスト16入りを果たした猪川結花。猪川は第1セットから圧倒的な強さを見せる。相手のミスを誘うショットを連発すると、第1、第3ゲームのブレイクに成功し、6-1。続く第2セットでも、猪川の勢いは止まることなく、持ち前の力強いストロークで相手を翻弄し続け6-0の圧勝でベスト8進出を果たした。
男子ダブルス3回戦
佐野・高清水ペアは伊藤・赤西ペア(慶大)と対戦。ファーストセットは第7ゲームで先にブレイクに成功するも、直後のゲームで相手もブレイクバック。互いに一歩も引かない接戦となるが、第9ゲームには再びブレイクに成功し、6-4でこのセットをものにした。セカンドセットも変わらず拮抗した展開となり、タイブレークへ突入するが、集中力を切らすことなくプレーを続け、見事ストレートでの勝利。どちらに転ぶか分からないシーソーゲームを制し、翌日の準々決勝へ駒を進めた。
男子ダブルス3回戦に登場した田中・矢島ペア。相手はインカレ準優勝の経験を持つ田形・中村ペア(筑大)だ。ファーストセットを2-6で落としたものの、セカンドセットからは得意のネットプレーへと持ち込み、相手に自由を与えず6-1。試合はファイナルセットへ突入する。その後も確実にレシーブを返しながら、得意な形へと継続して持ち込み10-8で接戦を制した。序盤の劣勢から見事な修正力で持ち直した2人。大金星を挙げた勢いそのままに、昨季の成績越えを狙う。
今大会第6シードの守屋・加藤木ペアは第1セット、1ゲームからブレイクを許してしまう。しかしその後は互いにキープし続けて、試合が動いたのは第8ゲーム。守屋の力強いボレーでブレイクに成功する。そして試合はタイブレークへ。相手が繰り出すテクニカルショットに翻弄されつつも、流れを取り戻し見事第1セットをものにする。続く第2セット、試合は一進一退の攻防を繰り広げ試合はそのままタイブレークへ。そこから巧みなネットプレーなどで相手を圧倒し試合終了。持ち前の粘り強いプレーで見事ベスト8進出を果たした。
選手コメント
佐藤太耀
―試合を振り返って
最初から緊張しすぎることなく試合に臨むことができて、体も動いていましたし、冷静な判断ができたのでよかったです。
―緊張などはなかったですか
あまり緊張で固まるとかはなく、昨日の夜もぐっすり眠れました(笑)。
―相手の印象は
相手の情報がなくて分からなかったので、最初は自分のプレーをして、通用しなかったら変えようと思っていたんですけど、結構自分のプレーでポイントを取ることができたのでよかったです。
―自分のプレーとは具体的に
フォアに回り込んで打ち込んだり、前に入ったり、攻めるプレーが得意です。
―準々決勝に向けて
ドロー運とかもあってここまで勝ち上がることができました。次は強い相手になるので、胸を借りるつもりで頑張りたいと思います。
大田空
―試合を振り返って
想像の倍くらい強かったです…(笑)。
―相手の印象は
余裕を持ってテニスをしているなと。2回戦くらいから隣のコートで試合していたのを見ていたんですけど、余裕があるなって思っていました。そんな何かしてくる感じではないんですけど、その余裕のあるプレーをさせてしまったことで、自分がキツくなってしまいました。中川(舜佑)さんみたいなフォアがあるとか、そういうのがあるわけではないですけど、固いプレーを確実にしてくるので、こっちが嫌になってしまいましたね。
―どういった作戦を考えていましたか
最初から攻めていこうと思っていたんですけど、逆にその意識が強すぎてリスクの高いプレーをしてしまって、ミスが多くなってしまいました。ファーストセットは何もできなかったので、セカンドセットはゆっくりやろうと心がけて、ゲームは取れるようになったんですけど、もうその段階で相手は余裕をもって攻めるところまできていました。はじめのところで丁寧にプレーしていれば、負けたにしてももっとできたんじゃないかなと思います。
―監督と試合後に話したこと
もっと振り切ってプレーした方がよかったということです。もっともっと前に出るタイプなんですけど、固いプレー、自分らしくないプレーが多かったので、そういった自分らしさを出せるようにインカレまでの1カ月練習していこうと話しました。
―インカレに向けて
学生大会でシングルスは勝てていなかったですし、1回戦から気合いを入れていかないといけないなと思っていた中で、自分と同格の選手に勝ってベスト16まで来ることができたのは良かったです。ただ、勝った中にも良くないプレーがあるので、もっと練習をして、インカレではシンプルに上を目指すだけですし、日頃の行いも良くして、良いドロー引けるようにしたいです(笑)。
矢島淳揮
―今日の試合を振り返って
普通のラリー戦では明らかに相手のほうが質のいい球を打つので攻め込まれる展開だったんですけど、相手が結構最初緊張していたので、そこに付け入ることができて、ファーストセットをなんとか取れました。でも向こうは力の半分くらい出して僕は8割くらい出してとれたって感じだったんですよね。それに、ファーストのあとに僕が達成感が生まれてしまったところに相手が上がってきてセカンドはダメでした。ファイナルは相手の勢いがある分、攻め込まれるとどうしても自分のポイントにつながらなかったので急ぎすぎちゃって、最後は僕のミスで負けちゃったかなと思います。最後の5ポイントくらい自分のミスだったのでもうちょっと球の質を落としてでもいいからラリーをして相手にリスクを負わせるっていうプレーをすればよかったなと反省してます。
―インカレに向けて調整したいところ
どちらかというとバックハンドのほうが得意なので、狙われるとしたらフォアハンドでした。一応攻められても返すことはできるんですけど、やっぱりその質がないです。僕のフォアが甘くて打たれるっていう展開があるので、相手に打たれないボールを返せるようになったらいいなと思います。
―最後にインカレの目標を
去年インカレベスト16までいきましたけど、正直自分にはできすぎた結果だったので、もっと頑張ります。
猪川結花
―今日の試合を振り合えって
いつもより調子が良くて、あと相手の方もいつもはもっとぐいぐい来るタイプの方なのですが、今日はそんな感じでもなかったのでうまくいきました。
―コンデションは
いつもよりストロークが安定していていい感じでした。
―課題は
サーブが少しまだ安定しないところがあるので、そこを次の試合までにどうにかできたらと思います。
―次に向けて
ベスト8まで来て、次に戦う相手も強い方なので自分プレーを忘れずいつも通りプレーしていきたいです。
佐野有佑・高清水研人
―試合を振り返って
高清水:ほんとに何も考えずに試合に入りました。相手も1人は就職活動であんまり練習ができていなくて本調子ではなかったと思いますし、泥試合を最後勝てたかなという感じです。次はもっとレベルが上がるので、また勝てたらいいなと思います。
佐野:スコアを見ても、1回サービスゲームを落とすと命取りというか、お互いに譲れない戦いだったのかなと思います。リードした後にサービスゲームを落として追いつかれても、切り替えてなんとか持ちこたえることができました。
―就活もありコンディション調整は難しいのではないですか
佐野:そこは考えるだけマイナスになってしまうので、あまり考えないようにしています。ずっと組んできていて、やることがハッキリしていますし、そういったプラスの部分、自分たちの実力を出せているから勝てているのかなと思います。
―そうした中でベスト8進出を決めました
佐野:1回戦に勝てたのが大きいかな。
高清水:そうだね。
佐野:今日もインカレが懸かっていた1回戦に比べたらそこまで緊張しなかったですね。
高清水:勝たなきゃという使命感よりは、楽しんでできればいいかなという気持ちが大きくて、メンタル的に最初から固さはないので、柔軟にできているのかなと思います。
守屋達貴・加藤木塁
―今日の試合を振り返って
守屋:出だしが悪くて沈んだ状態からのスタートだったんですけど、要所要所をちゃんといけて、最終的には上がっていったので良かったのかなと思います。
加藤木:出だしはよくて、取らないといけないところは取れなくて、シーソーゲームみたいな感じになってしまいました。後半自分たちで気持ち上げれてプレーも上げれたんでよかったですね。それを序盤にできてたら楽に勝てるのかなと思います。
―試合中に点を決めた際などに出す声がひときわ大きいイメージですが、士気を高めるために出しているんですか
守屋:それもありますね。声出さないと性格上ふわふわしたまま最後までいってしまうので、緊張しないといけない時は結構でかい声出して自分を上げるのも含め、彼を引っ張るつもりでも声を出してますね。
―2回戦から1日しかたっていませんが、昨日は練習はしましたか
守屋:僕は全然してないです。
加藤木:僕は1時間くらい打ちました
―相手の印象は
守屋:相手は結構声出してきて1歩も引かないぞっていう感じだったので、結構プレッシャーはかかりましたね。
加藤木:ガッツありましたね。勢い大事なんで。
―今日の試合で良くなかったなと思ったプレーは
守屋:僕のサービスゲームが最初ブレイクされて始まってしまったり、セカンドセットの3,4でキープしたいなって時にラブゲームでブレイクされてしまったので良くなかったです。僕はサーブが遅い分、サーブの後のファースト、ボレーで成り立ってるプレーヤーです。ちゃんとサーブとかファーストボレーで出ないといけないところで、いつもより入らなかったって感じでした。
加藤木:僕はリターンゲームのバックが恐ろしく下手なので、明日までに錦織圭の動画でも見ながらご飯食べたいと思います!
―次の試合の意気込み
守屋:次は片っぽがインカレで負けてしまった相手です。結構すごい勢いで来るプレーヤーなので、それに負けないくらいガッツ出していきたいと思います。
加藤木:インカレでも負けた相手な上に、片方が同じ高校で元ペアなのでどういうプレーしてくるかは大体わかるので2人で声出して頑張れば負ける相手じゃないので頑張っていきたいです。
田中諒弥・ 矢島淳揮
―今日の試合を振り返って
田中:前半、相手の方が去年のインカレのチャンピオンということもあってすごく気負ってしまって緊張してしまって、ガンガン来られちゃったかなと思います。そのせいでファーストをポロっと落としちゃって、セカンドも出だし固かったんですけど(矢島)淳揮が引っ張ってくれて、そこから流れがよくなりました。2人で声と足だけは負けないようにしようっていう話はしていて、そういう初心に戻れたことがよかったなと思います。
矢島:僕も今、田中さんが言ってたように、ファーストを取られたことによって、相手はどちらかというとストロークが得意だと気づけたので、セカンドからはストロークじゃなくて自分たちが勝てる分野のボレーで勝負しました。その結果、相手が引いてくれてポイントを重ねられました。そして最後は6-5の田中さんのリターンエースから流れがきてもう気持ちと声だけ頑張ったって感じです。
―相手の印象は
田中:(相手の)サーブがいいっていうのがあって、すごく速いコートなのでサーブが有利だなというのは分かっていました。最初、僕らのリズムが作れなくて苦労したので、逆にセカンドから相手のサーブが入らなくなってきたところを僕らがすごい前に入って打てたのでそこがよかったです。
矢島:わりかし静かな人たちだったので、声で負けないようにしようっていう感じじゃなくて、声を出して相手の勢いを押し殺していこうっていう意気でいけたのでやりやすかったです。
―コンディションは
田中:可もなく不可もなくっていう感じです。
矢島:僕はダブルスの試合の前にあったシングルスで、惜しい試合をして負けてしまったので、悔しくて正直萎えてしまった部分がありました。でもそこは切り替えて、ダブルスがあるってことをポジティブに考えて、自分が先輩の足を引っ張らないようにできる限りのことをやろうと思ったら足も動きましたね。コンデションとしては、シングルス負けたことがかえってよかったと思います。
―試合後監督、コーチにはどんな言葉をいただきましたか
田中:もっと改善するべきところがあるだろとか、もっとあっさり勝てただろって言われました。(-褒められなかったんですか?)全然どちらかといえば注意されました(笑)。
矢島:確かに今日の試合完璧ではなかったので、ファーストをも2-6じゃなくて正直取られたとしてももっと6-7とか4-6とかで取られるべきではありました。課題はまだあるので次に向けてしっかり調整したいと思います。
―次への意気込みを
田中:去年は同校で負けてしまってベスト4っていう壁に阻まれてるところがありますし、今年の第2シードの中川大田ペアがけがで出れなくなったから上がってきたペアなので、ちゃんと主将の分まで頑張りたいなと思います。
矢島:田中さんもおっしゃったんですけど、本当は中川大田ペアが上がってくるはずでしたし、次僕たちが負けちゃうと中川大田ペアにも申し訳ないので、そこは最低限勝ってベスト4決めたいと思います。
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