【バドミントン】第72回全日本学生選手権 団体戦 男子 悲願の優勝まではあと一歩届かなかったが、強さと安定感を見せ堂々の準優勝!!
2021年10月15日(金)~ 17日(日)
ロートアリーナ奈良
一昨年は台風の影響で個人戦のみ開催、昨年は大会自体が中止となった全日本学生選手権(インカレ)。今年は団体戦、個人戦ともに開催され、3年ぶりの団体戦に挑んだ。法大男子は秋季リーグ戦で優勝した勢いそのままに勝ち進んでいき、決勝では明大と対戦。手に汗握る熱戦を繰り広げるも、一歩及ばず準優勝で団体戦を終えた。
試合結果
詳細結果
試合 | 対戦校 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|---|
1回戦 | 福岡大 | S1●金子優太 1-2 高木凱登(21-12、17-21、15-21) S2○増本康祐 2-0 津田祐成(21-10、21-19) D1○長峰善・中島巧 2-0 廣瀬泰生・尾山瑛祐(21-14、21-13) D2○小川翔悟・佐野大輔 2-0 高木・古賀健太郎(21-10、21-15) |
2回戦 | 青学大 | S1○一井亮太 2-0 吾妻健太郎(21-17、21-17) S2○嶺岸洸 2-0 江口慶(21-15、21-11) D1○小川・佐野 2-0 福村龍・吾妻(21-12、21-15) |
準々決勝 | 筑波大 | S1●増本 1-2 高上麟龍(21-18、16-21、19-21) S2○嶺岸 2-0 中村舜(21-17、21-13) D1○小川・佐野 2-0 杉山潤・永渕雄大(21-7、21-17) D2●長峰・中島 0-2 森田新太郎・藤澤佳史(15-21、14-21) S3〇小川翔悟 2-0 永渕(21-18、21-12) |
準決勝 | 早大 | S1○嶺岸 2-1 緑川大輝(22-24、21-18、21-15) S2●増本 0-2 大林拓真(11-21、19-21) D1○小川・佐野 2-0 友金利玖斗・町田脩太(21-16、21-12) D2〇長峰・中島 2-0 大林・緑川(21-19、21-15) |
決勝 | 明大 | S1●後藤サン 0-2 百上拓海(15-21、18-21) S2○嶺岸 2-0 菊川旭飛(21-17、21-18) D1●小川・佐野 1-2 武井優太・遠藤彩斗(21-19、20-22、15-21) D2●長峰・中島 1-2 筑後恵太・農口巧弥(21-17、16-21、17-21) |
戦評
1・2回戦を順調に勝ち進んだ法大男子。続く準々決勝で当たったのは筑波大である。第1シングルスを接戦の末取られてしまうも、第2シングルスと第1ダブルスで取り返しゲームカウントは2-1に。その後、第2ダブルスを相手に取られてしまい、勝負の結果は最後の第3シングルスに委ねられたが見事ストレートで勝利。一時危ない場面もあったが、ベスト4進出を決めた。
そして迎えた準決勝の相手は早稲田大学。実力のある選手がそろった強豪校である。二面展開で行われ、第1シングルスと第2シングルスが同時に開始されたこの試合。先に勝敗がついたのは第2シングルスを任された1年生の増本康祐(経1)だった。インターハイのシングルで優勝経験のある大林拓真と対戦し、1ゲーム目は11-21という大差で取られてしまう。2ゲーム目は後半粘るも勝利とはならず、早大が一歩リードする展開に。第1シングルスに出場したのは主将の嶺岸洸(社4)。1ゲーム目はデュースを繰り返し、お互いに譲らないラリーが続いたが22-24で取られてしまう。しかし、その後の2ゲームは調子を上げ2-1で勝利。「主将として全ての試合に勝たなければならない」という言葉通り、チームに白星をもたらした。
続く第1ダブルスは3年生ペアの小川翔悟(経3)と佐野大輔(社3)が出場した。2人が交互に繰り出す素早いスマッシュで、相手を翻弄し快勝。これで2-1となり、決勝進出まであと1勝となった第2ダブルスには長峰善(経4)・中島巧(経2)ペアが出場した。「前日の準々決勝は負けてチームに迷惑をかけてしまった。準決勝では絶対に勝つという気持ちで臨んだ」という2人は、前日よりも息のあったプレーを見せ見事に勝利した。これで3-1となり決勝進出決定。悲願の優勝を目指し、チーム全員の集中力も一気に上がった。
同日に行われた決勝戦。相手は近年実力を伸ばしてきた明大。第1シングルスに出場した後藤サン(社2)の相手はバドミントンの強豪校、埼玉栄高校出身の百上拓海。相手のキレのあるスマッシュも果敢に食いつき、転んでも何度も立ち上がる姿はチームに勇気をもたらした。しかし、点差を埋めることはできずストレートで負けてしまう。同時に進行していた第2シングルスに登場した嶺岸は、得意のジャンプスマッシュで得点を重ねストレート勝利。「相手は高校時代の後輩で勢いのある選手だったが、冷静にできたので良かった」と主将の貫禄と余裕を見せ、ゲームカウントを1-1に戻した。
続く第1ダブルスと第2ダブルスは全く同じタイミングで進んでいった。今大会、ダブルスのペアは変わることなく、決勝も第1ダブルスは小川・佐野ペア、第2ダブルスは長峰・中島ペアが出場した。どちらも入りは良く、得意の流れを作ることができ1ゲーム目を先取。2ゲーム目もこのまま勝ち取り、一気に優勝をつかみ取りたいところだったが、明大も実力者ぞろい。そのままの流れでいくことはできず、どちらも2ゲーム目は明大に取られてしまう。特に小川・佐野ペアは先にゲームポイントとなり、勝利のチャンスはあったが、決めきれず20-22で取られてしまい相手に流れを渡してしまうことになった。最後の3ゲーム目も同時に始まった。ここで一気に優勝校が決まる可能性が大きいということもあり、張り詰めた空気が会場を覆う。小川・佐野ペアは互いを鼓舞し合う姿を見せ、相手に渡った流れを戻そうとした。長峰は4年生としての意地、中島は4年生へ勝利をという気持ちが伝わってくるような姿を見せ、相手ペアのスマッシュも何度も拾い上げた。しかしどちらも一歩及ばず負けてしまい、一気に明大に王座を持っていかれる結果となった。
「優勝を選手一人ひとりが狙えると思って目指していた」という嶺岸の言葉からも分かるように、目指していたのは優勝ただ一つ。準優勝という結果は誇るべき輝かしい成績だが、それで満足している選手は誰一人としていなかった。試合後のミーティングは長い時間行われ、その後の選手の目は充血しているようだった。コロナの影響で思うように活動できない期間が長く、例年とは違った大変さがあった4年生。そんな4年生の背中を見てきた後輩はさらに強くなって戻ってくることだろう。来年こそ優勝し抱き合う姿をカメラのフィルムに収めたい。(佐々木みのり)
監督・選手インタビュー
升佑二郎 監督
―まずは準優勝という結果について率直な感想を
毎年2位ですし、優勝を目指していたのでやっぱり悔しいですね。
ーシングルスの選手を試合によって変えていましたが、何か作戦があったのでしょうか
気持ちひとつで勝ち負けが変わるスポーツです。基本的には常にトップシングルスを変えて、その子にはこの試合は勝ちましょうというような目標を持たせました。みんなでやるということをすることで練習の質も上がります。強い人だけでチームを作るのではなく2番手~5番手の子たちも役割を果たせるようにして、全体のレベルアップを図ったという感じですね。
―試合の途中では選手にどのような声掛けを
シングルスはどちらかと言うと戦術的な所を話していました。相手のどこを張るのか、自分たちが攻めることのできる状況をどうやって作るかなどです。ダブルスは本人たちが話しているのでそれをサポートするという感じですね。
―今日のチームの雰囲気は
すごく良かったと思います。高校時代の実績だけ見れば、(準決勝の相手の)早稲田大学は日本代表が2人いるのでそこを破ったことは大きいです。明治大学も初優勝ですが、メンバーを見ればインターハイトップレベルです。法政は他の大学と比べるとそういう選手が少ない中で、高校時代に勝てなかった子たちに勝とうというのがひとつの目標でした。そういう意味では良い雰囲気でできたのではないかと思います。
―4年生は最後の団体戦でした。4年生に一言お願いします
4年生たちは、コロナの影響も含めて色々あったので、ちょっとかわいそうだなと。本当でしたら、飲み会や食事などを通してコミュニケーションを取ってチームをよくしていきます。それが全部だめで、特に監督である私はだめだよと注意する立場だったのですごく制限させてしまいました。もっと楽しく大学生らしくやらせてあげたかったです。その中でもみんな真面目に言うことを聞いてくれたのですごく助かりました。僕が大学生の時に比べたらすごく窮屈な一年間だったと思います。ですが、結果も出せましたし本当に頑張ったと思います。
嶺岸洸 主将
―準優勝という結果について
勝てそうだったのですごく悔しいです。ですが、勝負ごとなので正直しょうがないと思います。負ける時は負けます。みんな全力を尽くしてくれたので良かったです。
―まずは個人についてお聞きします。準決勝では1ゲーム取られていましたが、全体的に余裕があるように感じました。準決勝までの試合を振り返って
主将として必ず一本取らなければならないので、全試合気を抜かずにやりました。相手をしっかり抑えて勝つという気持ちでやっていました。
―決勝の試合を振り返って
決勝の相手は高校時代の2個下の後輩でした。まさか決勝の舞台で当たるとはと思いました。準決勝まではその後輩も勝っていてすごく勢いのある選手でしたが、しっかり抑えられました。冷静にできたので良かったです。
―全身を使って拍手したりなど、チームが暗いときも力強く応援している姿が印象的でした。試合以外の部分、応援などで気を付けたことはありますか
応援は戦っている選手たちの後押しになると思います。今回は声出しができないので、勢いづかせるためにも体で表現するといいますか(笑)。盛り上げていこうかなという感じでやっていました。
―今回が4年生最後の団体戦でした。チームの雰囲気はどうでしたか
優勝を選手一人ひとりが本当に狙えると思って目指していました。一回勝つごとに優勝が見えてきて、一丸となって戦えたチームだったと思います。
―明日からの個人戦の目標は優勝だと思いますが、調整していきたことはありますか
個人戦は振り出しに戻って一回戦から始まります。どこの選手と当たっても抜かりなくいきたいと思います。
長峰善・中島巧 ペア
―団体戦を振り返って
長峰:ベスト4決めの筑波戦でも負けてしまって、早稲田戦は勝たないといけなかったので気持ちを入れて試合に臨めました。決勝は1ゲーム目を取ったんですけど、勝ちを意識し過ぎて最後相手ペアを乗らせてしまいました。筑波、明治戦ともに詰めが甘かったのかなと思います。
中島:善さんも言っていたんですけど、ベスト4決めで負けてしまい、第3シングルスの翔悟くんに助けてもらって、負担をかけてしまいました。今日の準決勝は勝てたんですけど、決勝はどうしても勝たないといけない試合でしたが、勝てなかったことが悔しいですし、試合中も凡ミスなどをしてしまったので善さんに助けてもらって。(今回)たくさん試合に出させてもらったことに感謝して、来年はもう負けて悔しい思いはしたくないので、今度は勝てるようにまた練習を頑張っていきたいと思います。
―明大戦は1-1で回ってきましたが、どのようなことを意識して試合に臨みましたか
長峰:ダブルスを絶対に取らないといけなかったので、入りは早稲田戦同様、集中して気持ちを入れては臨めました。ただ後半、相手ペアのゲームメイクなどが上手くて、そこに対応できなかった時に引いてしまい、相手を乗らせてしまいました。入りは良かったんですけど、他のチームと比べてペアでの試合数も少なかったので、経験不足が出たのかなと思います。
中島:ファイナルセットが気持ちが引いてしまっていたというのがあって。善さんに大事な場面で勝負しにいこうと途中言われていたんですけど、それでもショートされるのが結構怖かったですし、そこで(気持ちが)引いていたかなというのはあります。