2021年11月9日(火)
オンライン取材
2年ぶりとなる全日本大学駅伝に出場した法大。惜しくもシードには届かなかったものの、全体9位でフィニッシュし、存在感を見せた。今回は、宗像直輝選手(6区)・中園慎太朗選手(7区)・河田太一平選手(8区)のインタビューの様子をお届けする。
2021年11月9日(火)
オンライン取材
2年ぶりとなる全日本大学駅伝に出場した法大。惜しくもシードには届かなかったものの、全体9位でフィニッシュし、存在感を見せた。今回は、宗像直輝選手(6区)・中園慎太朗選手(7区)・河田太一平選手(8区)のインタビューの様子をお届けする。
—ご自身の走りを振り返っていかがですか
他大学の選手を使って、自分らしい粘りの我慢できる走りができたかなと思っています。
—チーム全体の結果は
チームで組めたベストメンバーではあったので悔しい気持ちはもちろんありますが、あと一歩届かなかったというところで、他の大学との差はあまりないなという思いもあったんですけど、それでもまだ足りなかったというところが正直ありますね。
—当日のご自身のコンディションはいかがでしたか
ベストコンディションで臨めたかなと思います。特に身体に不安な部分もなく、予選会からいい流れでは来ていたので、かなり良い状態だったと思っています。
—監督からの指示はありましたか
天候の変化が予想されたので(事前に)水分をしっかり摂るようにという指示がありました。自分はそれができていたので途中で給水を取ることもなく、予選会でも同様だったんですけど、そういうところでロスがないようにというのはできたと思います。
—終盤、駒大に追いつかれてから粘りを見せました
正直駒大の選手が来た瞬間、「なんでいるんだ」と思いました。隣に早大がいて、早大はこのまま離れるだろうなというのは動きを見て分かりました。駒大に離されたら単独走になってしまうし、前とどんどん離されるだけになってしまうので、行けるところまでつこうと。もちろん限界はあると思いますし、そこでへたったら意味がないんですけど、残りの距離を考えた時に、人についていくことが自分は得意だと思っていました。ここで「駒澤速いな」と思って離されたらチームにとって良い影響も与えられないし、もちろん次の区間、駒大は大エースの田澤(廉)さんで、ついていったからといって離されるのも見えていたんですけど、チームの流れを作る上で我慢するべき所だなと思っていました。かなり苦しい映像が映っていたと思うんですけど、そこはしっかり粘ってついていくことができたかなと思います。
—初の三大駅伝出場はいかがでしたか
スタートする直前まで、付き添いの先輩に「緊張してます、やばいです」と言っていました。去年卒業された先輩方も「頑張れ」と言ってくださって、その中で「楽しむように」と何人かに言われて、楽しむってどういうことだろうと正直思っていたんですけど、走り始めて「こういうことか」というのが分かりました。そこからは長いとは思いませんでした。始まる前までは緊張していたんですけど、走り出したら緊張もなく、大丈夫でした。
—区間6位という個人成績はいかがですか
正直そこまで行けるとは思っていなかったというのはあります。全体的に6区はあまり速くなかったと思うんですよね。全日本全体として考えると、タイムとしてはいい走りはできていなかったかな、まだチームの主力となるには足りないな、とは思っていました。ただ、区間6位というのも、駒大の選手についていったからこそ掴めたものですし、ひとつ自分の自信にはしていいのかなとは思います。もちろんその中でも自分の足りない部分をしっかりと見極めて今後練習していくべきだなと思いました。
—箱根に向けてのチームの課題は
正直、他の大学よりも層が薄い思っています。一人走れなかった時に崩れやすくなってしまうというのがあるので、そこに僕ら1、2年生の下級生でしっかりと下から突き上げて、今後チームを担っていくようにしないと駄目かなと思っています。3、4年生に頼ってばかりだと卒業した後僕らの代でボロボロになってしまうので、1、2年生がどれだけ箱根までにチームの力を上げるのに貢献できるかが大事になってくるかなと思います。
—箱根に向けての個人としての意気込みをお願いします
去年はずっと補欠という形で終わってしまっていました。目の前で箱根を見ることはあっても、悔しい思いばかりでした。今回いざ全日本を走ってみて、自分もチームのために戦える力は一年間でつけてきたと思っています。このまま調子を崩さないようにしたいです。今、チームも自分も、良い流れで来ていると思っています。箱根では、今まで一年間やってきた中で一番良いパフォーマンスができるよう、あと2カ月間調整していきたいと思います。
宗像直輝(むなかた・なおき)
2年
出身校:東農大二(群馬)
—全日本に向けての調子はいかがでしたか
予選会が終わってから早い段階で疲労が抜けたので、状態自体は良い方だったと思います。
—6位でたすきを受け取りましたが 、その時の心境は
1区から上手くチームとして流れていたので、良い順位で来ることは想定していました。ただ、いざたすきを受け取るときに駒大の田澤選手であったり、青学大の近藤選手という学生トップレベルの選手がいることは想定していなかったので、そういったところでは気後れしていたと思います。
—走る前に監督とはどのような話をしましたか
「予選会をもともと速いペースで走るはずだった松本康汰と川上有生が良く走れていたから、お前も間違いなく走れる。自信を持って、弱気にならず、攻めたレースをしてくるように」と言われました。
—どのようなレースプランを想定していましたか
たすきをもらう時点で田澤選手や近藤選手がほとんど同時に入ってくるというのは、直前にテレビを見ていてわかっていました。なので、その2人にはつかないで、いったん自分のリズムを作って、そこから後半落ちてくるタイミングでもう一回、自分の中でリズムを整えていこうという風に思っていました。
—ご自身の走りを振り返っていかがですか
たすきをもらう前まで自分の状態は良いと思っていたんですけど、2km過ぎから足に力が入らなくなってしまって。自分でもその原因がよく分からないまま焦ってしまい、どんどん足も空回りして、必死に腕だけ振ってなんとか体を前に進めようと思っていました。そういう感じでずっと必死だったので、あまりレースの途中は覚えていないです。
—箱根に向けて、どのようなことを意識していきますか
今の状態だと、監督はもちろん、自分自身の自信という面でも、箱根駅伝で使ってもらえるか分からないです。まずは一回少しリセットしたいです。やってきた練習は間違っていないと思うので、それをしっかり発揮して、大一番の舞台で自分の納得する走りをするために、自分をコントロールする力を残りの期間で養っていきたいなと思います。
—今後に向けて一言お願いします
今回は僕のせいでチームが目標に及ばず、期待してくれた方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。「次頑張ります」という言葉を言っても信じてもらえないと思うんですけど、今できることをしっかりやって、必ず大きい舞台で結果を残し、法政大学というチームに貢献できるような選手になりたいと思います。
中園慎太朗(なかぞの・しんたろう)
3年
出身校:八千代松陰(千葉)
(取材・齋藤彩名)
—レースを振り返っていかがですか
チームとしては9位、個人としては区間7位ということで、満足はしてないですけど、とりあえずはしっかり走れて良かったと思います。ただ自分がもっと走れていれば、シードの可能性はあったので、悔しいです。予選会を休んだこともあって、まだ万全ではなかったという所が響いてしまったのかな、と思います。
—けがの状態はいかがですか
試合に出れるくらいまでは戻りました。試合の直前でまた足が痛くなったりして不安はありました。ただ走っている最中は気になりませんでした。
—レース前、監督からはどのような指示がありましたか
アップが終わったあとに一回電話をして、「(シード権を)狙える位置にいるから、攻めた走りをして、8位を取りに行け」という話をしました。
—今回のレースで見えた課題はありますか
走りやすい状況ではあったんですけど、シード権を狙うという所で、ほぼ終盤まで引っ張ってもらって余力は残しました。ただ、ラストの5kmだけだと前に追いつけないので、中盤辺りで出ようと思っていたんですけど、引いてしまって強気になれない部分がありました。けがの影響もあったんですけど、強い選択肢を取れなかったです。その選択をしない方が良いときもあるんですけど、アンカーで順位が決まってしまう所でそのような選択ができなかったのは今後の課題だと思います。
—反対に、良かった点は
上手く相手を使えたのは良かったと思います。今は、夏合宿終わりの良い状態にはまだ戻ってきていなくて、不安はあります。ただ、その中でも、他校のエース級の選手とも戦えて、区間7位に入ることができたのは、自信になると思います。
—1~7区までの選手の走りを見ていかがですか
上位の学校でも区間1桁が取れない所もあったんですけど、7区でアクシデントがあったとは言え、1~6区までは、地力がついて実力を出せているなと感じました。箱根予選会のときは、力を発揮しきれず、良い順位は取れなかったことに対して、調整をしっかりしようと話に挙がりました。今回は、そこの調整がみんなできていたと思います。
—周りには東洋大や東海大といった強豪校がいました
東海大はほぼ並んでいて、まさか東洋大まで追いついてくるとは、という感じでした。僕の意識としては、前の中央大学を抜かすことを考えてました。後ろにいると、前の選手の状態がある程度わかるのですが、前の選手もきつそうだなと感じていました。なので9番で来たときはプレッシャーだったんですけど、走り始めてからは特にプレッシャーは感じなかったです。
—今後、箱根駅伝へ向けて強化したポイントは
ここからは実力をつけていくというより、勝負勘や動きを確認していく形になると思います。一旦、全日本の疲労を抜いて、箱根まで時間はあるので、調子を合わせて、身体の状態を磨いていきたいです。
—箱根での役割は
往路なら上位で来ると思うので、僕のところで順位をあげるか保ちたいです。復路なら9区か10区になると思っていて、そういう場合のときは今回できなかった攻めた走りをして一つでも順位を上げたいです。
—今後の意気込みは
今年は、あまり良い結果を残せておらず、全日本でも不完全燃焼でした。箱根で結果を出してチームとして良い結果を出せればと思います。
—最後に一言お願いします
ようやく自分の調子が戻ってきて、チームとしても上がってきているので、箱根で良い姿を見せられれば良いと思います。
河田太一平(かわだ・たいへい)
3年
出身校:韮山(静岡)
(取材・大井涼平)
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