【陸上競技】シーズン開幕!主将&ブロック長インタビュー
六大学対校戦で総合優勝を果たし、学生個人選手権でも4名が表彰台に上がる活躍を見せ、関東インカレに向けて好調な滑り出しを見せた法大陸上競技部。今回は横地大雅主将、樋口夏美女子主将、内田隼太駅伝主将、秋山裕樹跳躍ブロック長、宍戸龍太郎投擲ブロック長にお話を伺った。(取材は3月末にオンラインで実施いたしました。)
インタビュー
横地大雅 主将
-昨年度を振り返っていかがですか
結果だけで見れば日本選手権ファイナリスト、日本インカレ2位という良い成績でしたが、自分の中ではもう少し上の順位であったり、記録を出せたかなと思っていて反省点は多かったです。
-20年ぶりに法大記録も更新しました
前の法大記録を高校の顧問が持っていて、一つ目標としていた記録を更新できたのは良かったのですが、日本のトップの選手と渡り合うにはもう少し良いタイムが必要だと痛感したシーズンだったと思います。
-東京オリンピックに出場した金井大旺さんと間近で練習していて感じたことはありますか
日本記録を作った選手ですし、日本のハードル界を牽引してきた選手ですが、根本的に僕とは違うタイプの選手で。僕は後半にかけて徐々にスピードを上げていくタイプなんですけど、金井選手は前半からトップスピードで入って維持していくというタイプなので、僕には無いものを持っていると感じました。
-アドバイスをもらったり、参考にした部分はありますか
ハードルは細かいところは自分でないと分からないなので、僕の動きを見てもらって「こうした方がいいんじゃない」と言ってもらっていました。
-今年の冬季練習はどういったことに力を入れていましたか
筋力アップを第1の課題としてウエイトトレーニングに取り組み、つけたパワーをスピードの方に移行していって更に加速力をつけていきました。この冬期は走ることはもちろんなんですけど、筋肉を大きくして少ない力で大きい力を出せるようにトレーニングしていました。
―チームとしては
3年ぶりに沖縄で合宿をすることができて、全部員が参加できたわけではないのですが、行けたメンバーは沖縄の暖かい気候の中、走ったことで質の高い練習ができたのかなと感じています。
―日本選手権室内を振り返っていかがですか
ウエイトトレーニングをして、下半身の筋肉はもちろん上半身の筋肉がすごくついたと感じるレースでした。スタートから一台目の入りが本来は8歩なんですけど、僕は7歩で一歩少ない歩数で一台目に入ります。なので、一つ一つの動きが大きくなりながらも速いスピードで入らなければいけないのですが、上半身(の筋肉)がついたことで腕振りがすごく楽になったと感じました。スタートが得意ではないので、すごく速いかと言われればそうではないのですが、上半身の筋肉がついたことで今までよりも楽に7歩でいけたと感じました。
―今年度は主将とブロック長を務めますが
正直、僕は同期の中でも引っ張っていくタイプではなくて。僕よりリーダーシップのある同期がたくさんいる中で選ばれたので、何だろうなという印象はありました。ただ選ばれたからにはチームをどういう形であっても、引っ張っていかなければいけないという使命感があるので、結果で引っ張っていくしかないとは感じました。
―昨年主将を務めた樋口陸人選手(現スズキアスリートクラブ)から掛けられた言葉は
細かいことは言われていないんですけど、肩をたたきながら「主将はお前に任せた」という感じで一言だけもらいました(笑)。
―目指す主将像はありますか
「俺についてこい」というよりは僕が結果を出して、「主将が結果を出しているから僕たち、私たちも頑張ろう」という感じで、少しずつ士気が上がっていったらいいなと思っています。
―現在のチーム状況は
冬季練習でけがをしてしまった選手もいるんですけど、沖縄合宿ができたことでいい練習ができたというのもありますし、全体的に見てみんなよく取り組んでいるので、すごく良い冬季期間だったと思います。
―部としての今年の目標は
短距離としては、(関東インカレで)トラック総合優勝を目標として掲げています。
―期待している選手はいらっしゃいますか
後輩で言えば、去年オリンピックに出た黒川(和樹)が結果で引っ張っていってくれるのかなと思います。新入生にはインターハイで活躍した選手が多くいるので、その選手が力をつけてくればいい選手になるのかなというのもありますし、それに刺激を受けて先輩メンバーもよい走りができればいいなと思います。同期で言えば山路(康太郎)、児玉(悠作)辺りが力のある選手で、僕もその二人にはいろいろ支えられているので、一緒に結果が出せればすごくうれしいなと思います。
―関カレでの個人目標は
優勝が目標で、最低でも表彰台というのが僕の中ではあって、あまり負けたくはないです。
―ライバルはどなたになりそうですか
順天堂大学の村竹ラシッドが一番のライバルになると思うので、ラシッドに負けないようにここからさらに練習を積んでいけたらと思います。
―最後に今季に向けての目標と意気込みをお願いします
今年はユニバーシアードであったり、世界陸上があるので国際大会の代表争いに絡めればいいなと思います。また、関東インカレは優勝を狙っていき、日本選手権では3位以内に入りたいです。今後、自分が活躍していくためにはそれくらいの力がないといけないと思いますし、チームを引っ張るという意味でもこれが今シーズンの目標です。
樋口夏美 女子主将
―昨年度を振り返って
昨シーズンは、個人としてはまあまあでした。全体としては、昨年度の関カレではマイルで『女子入賞』を果たしたこともありますし、新人戦でも数名入賞者がいたので、徐々に力をつけてきたのかな、と感じています。
―昨年ご自身で成長できたと思う部分は
関カレの標準記録を切ったことが大きい出来事でした。力をつけてきたからこそ、「自分ももっと成長しなければならない」と考える一年になりました。自分のなかで向上心が大きくなったことは成長した点だと捉えています。
―主将になると聞かされたのはいつでしたか
2年生の時から私が次の主将になるという話は同期の中でも先輩の中でも出ていました。
―その時の率直な感想は
女子の主将は男子と違い責任感の重さはあまりありません。ただ、良い雰囲気づくりを先輩たちが作ってきてくれたので、それを自分が受け継いでいけるのか、周りを引っ張っていけるのかなど不安はあります。
―昨年主将を務められていた齋藤碧彩さんとお話はされましたか
主将になったからといってこれといった話はありませんでしたが、頑張ってねとは言ってくれました。
―冬季の練習で強化・意識した部分は
これまで男子に合わせていた部分もありましたが、メニュー会議をする中で女子の意見を聞いてメニューを変えたり、一番きつい40秒間走も飽きないように工夫を加えたりしました。
―現在のチームの雰囲気は
すごくいい意味で自由奔放だと思います。上下関係もありますが、周りが一線引いているような態度もありません。OBやOGの方ともすごく良い関係性が築けています
―その雰囲気を作るために意識している部分は
私自身引っ張っていくのが苦手なので、縁の下としてみんながいじりやすいような雰囲気を出し、みんなが意見を出しやすいような主将でいたいと思っています。
―昨年の関カレを振り返って
関カレ前日に事故を起こしてしまったので、昨年も走ってはいますが、思う存分走ることはできませんでした。
―今回の目標は
今年の関カレは、正規メンバー3人のうち、400mHの専門が4人いるので、まずはメンバーに選ばれることが目標です。また、高校からベストが更新できていないので、自己ベスト更新を目指して頑張ります。
―現在のコンディションは
コロナで練習が停止した時もありましたが、現在はウエイトトレーニングの効果が徐々に出てきているのかなという印象があります。
―最後に今シーズンの意気込みは
徐々に力をつけているので、マイルで去年に引き続き入賞したいと思っています。また、昨年は4×100mRで惜しい結果だったので、今年は決勝に残れるようにチーム全体で意識の高い練習を積んでいきたいと思っています。また、雰囲気としてはピリピリするのではなく、楽しくワイワイやっていきたいと思っています。
内田隼太 駅伝主将
ー駅伝主将に就任した経緯は
箱根駅伝が終わって次の日のミーティングの際に言われました。それまでは、監督に言われたりとかもなかったので、1月4日に初めて聞きました。
―主将に指名された気持ちは
「自分になるだろうな」というのは、想定していたので心の準備はできていました。1月4日に初めて聞かされましたが、そのときには一年間やるべきことを果たそうと、覚悟は決まっていました。
―副将の中園慎太朗選手とのコミュニケーションは
僕らの学年は全体を通して、仲が良いので元々話す関係でした。(中園は)行動力があったり、発信してくくれるタイプで僕とタイプは違うので、僕のできないところはお願いしようかなというのは二人で話しました。
―新チームの雰囲気は
始まってすぐの2月辺りはまとまりがなかったのですが、3月に入ったくらいから雰囲気が良くなってきて、新しいチームとしてやっていくという体制がやっと出来上がってきました。
―前主将の清家陸(令3年度卒)さんから何か言葉は
「主将として大変なことはある」、ということや「不安なことや分からないことは来年になってからも聞いていいよ」と言われました。
―自身が目指す理想のチームは
1人1人が『箱根駅伝総合5位以内』に向けて向き合ってほしいです。それができればチームとしてもまとまっていくと思うので、個々人が自覚を持ってやるべきことをやっていくチームを作っていきたいです。
―『箱根駅伝総合5位以内』という目標は昨年度から継続するのですか
そうですね。ですが、この目標ももう一度選手と話し合って決めた目標です。(箱根)5番の東京国際さんとあまり差がなく、今年走った8人が残るので、そのことを加味して、改めて選手たちで話して決めました。
―チーム全体として強化したいポイントは
昨年度は清家さんを中心に色々変えていきながら、挑戦しながらやってきました。しかしそれでも10番と目標には遠い結果になってしまいましたが、昨年度で良かった部分は多くあったので、その部分を今年度に残していきたいです。ただそれでも5番には足りないので、また自分たちで新しいことに挑戦して、目標を達成したいなと思います。
―今年度、新たに挑戦したいことは
個人個人が考えて走るということで、そのために今年度から始めてることもあります。駅伝でどの区間で、どの順位で、そして今後はどれくらいのタイムで走りたいかまでも自分で設定してもらいます。それがないと計画立てて練習することは難しいと思うので、昨年度よりも具体性を持たせて、『区間順位』『タイム』というように数字にもこだわりを持ってやっていきたいです。
―駅伝の目標は
箱根駅伝は1区ならば区間賞、2区ならば区間10位以内です。走りたいのは1区ですが、かなりレベルも上がっていて、来年もハイペースになると思うので、できれば2区を走れる選手が出てきて、僕が1区というのが理想だと思います。ただ、2区を走れる選手が出てきていないので、そこを走れる準備を僕も今のうちからやっておきたいです。
―トラックでの目標は
関東インカレでは10000mと5000m両方に出場する予定なので、そこは入賞を目標にしています。それ以降のトラックは、今年度は出雲(駅伝)が入ってくるので、関東インカレまでになってくると思います。
―チーム全体として関東インカレでの目標は
関東インカレに関しては、練習を積めている人や一年生何人かが出場という形になると思うので、そこを大きな目標とするよりは、全日本予選を3番以内で通過するということが目標になると思います。
―関東インカレよりは駅伝シーズンに重きを
そうですね。僕も全日本予選は出場しますし、その前で潰れてしまってはいけないので、全日本予選というのを意識しながらトラックシーズンは試合に出ていこうと思います。
―今年度のエースは
まだ鎌田(航生=現ヤクルト)さんのようなエースは出てきてないので、前回の鎌田先輩の2区というのをチーム全員で補っていければと思います。
―新入生については
前回の箱根駅伝を見てから入ってきているので、そこへの意欲は強いと思います。ただ、最初から飛ばし過ぎると潰れてしまう選手もいるので、先輩ともコミュニケーションを取りつつ序盤は抑えつつ箱根駅伝に向けて状態を上げていければと思います。練習には新入生も参加していますが、距離や質はまだ全員抑えつつやっています。
―意気込みをお願いします
箱根駅伝は個人では『1区区間賞、2区10番以内』の目標を崩さず、また主将としてチーム全体をまとめ『箱根駅伝総合5位以内』に向けて取り組んでいきたいと思います。
秋山裕樹 跳躍ブロック長
ー昨シーズンを振り返って
コロナで練習があまりできなかった中だったんですが、2年生の時もそんな感じで、その時にもできることをやり切れて関カレで入賞できたので、まあまあだったのかなという感じです。
ー冬季はどのような練習をしていましたか
シーズン中にパワーが足りていないと思ったので、ウエイトトレーニングを多めにやっていました。
ー現在のチーム状況は
これからシーズンに向けて、だんだん士気が高まっていて良い感じだと思います。
ー今後目指すチームの形は
跳躍ブロックは人数が少ない中ですが、みんなで高めあって、一緒になって上を目指していけるチームになれば良いかなと思います。
ー関東インカレでの個人の目標は
去年は4番だったので、優勝も狙いたいですが3位以内を狙っていこうと思います。
ーブロックとしての目標は
出場できる人数を増やすことと、さらに入賞できる選手をどんどん増やして行ければ良いかなと思っています。
ー期待の選手は
幅跳びの新2年生の曽我(宙矢)くんです。結構残り練習もして練習を真剣にやっているので、期待できるのではないかと思います。
ー跳躍ブロック長としての意気込みをお願いします
跳躍ブロックは毎年あまり目立った成績を残していないと思うので、これからシーズンに向けてできる時間はないんですけれども、少しでもいい結果を残せるように頑張っていけたら良いなと思っています。