東京六大学準硬式野球春季リーグ戦
対立大戦
2022年5月19日(木)
早大東伏見グラウンド
悪天候によるノーゲームなどを経て迎えた立大2回戦は、両先発が粘りの投球を見せる投手戦となった。法大先発の伏見颯真(営4)は、7回1失点の好投。攻撃陣は先制を許した直後の2回裏に、4番・堀尾浩誠(社4)の本塁打ですぐさま同点へと追いつく。さらに3回裏、2死二塁から2番・古屋一輝(経4)の適時内野安打で勝ち越し。この1点を守り切り、勝ち点を獲得したチームは最終週を連勝で終えた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
立大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 |
法大 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ☓ | 2 | 5 | 0 |
(法大) ○伏見、古川端-澤野
(立大) ●竹生、上岡-森川
本塁打:堀尾(2回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 唐橋悠太(経3) | 桐光学園 | 4 | 0 | 0 | 0 | .387 |
2 | (8) | 古屋一輝(経4) | 健大高崎 | 4 | 2 | 1 | 0 | .333 |
3 | (9) | 鈴木歩夢(社3) | 明星 | 4 | 0 | 0 | 0 | .277 |
4 | (3) | 堀尾浩誠(社4) | 報徳学園 | 3 | 1 | 1 | 0 | .255 |
5 | (4) | 高橋凌(社3) | 花巻東 | 3 | 0 | 0 | 0 | .370 |
6 | (5) | 須賀椋也(現2) | 新田 | 3 | 0 | 0 | 0 | .267 |
7 | (7) | 森涼太(経1) | 三重 | 2 | 0 | 0 | 1 | .091 |
8 | (2) | 澤野智哉(社3) | 国士館 | 3 | 1 | 0 | 0 | .204 |
9 | (1) | 伏見颯真(営4) | 帯広緑陽 | 1 | 1 | 0 | 0 | .333 |
1 | 古川端晴輝(社2) | 花巻東 | 1 | 0 | 0 | 0 | .500 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
伏見 | 7 | 7 | 6 | 2 | 1 | 2.15 |
古川端 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2.43 |
戦評
土壇場の一打が光り、劇的な勝利を飾った1回戦。絶好調の法大は、東大戦以来の2連勝で勝ち点を獲得すべく試合に臨んだ。
先発を任されたのは、伏見颯真(営4)。抑えとして第1戦では立大打線を2回無失点に抑え、一方で打者として明大2回戦では公式戦初安打をマークするなど攻守ともにマルチに活躍している副将だ。
この試合、先手を打ったのは立大。2回表、法大は先頭打者に二塁打を被打。続く打者にも四球を許し、そのまま流れを止められず1点を先制される。しかしその裏、先頭の4番・堀尾浩誠(社4)が今季2本目となる左方向への本塁打を放ちすぐさま同点に追いついた。さらに追加点がほしい法大は、3回に先頭の8番・澤野智哉(社3)が右安打で出塁する。2死二塁で回ってきたのは、2番・古屋一輝(経4)。第1戦、9回2死二、三塁フルカウントの場面で値千金の同点打を放った勝負強い主将は、この日も運のよい内野安打を放ち澤野が生還。見事1点を奪取した。
援護を受けた伏見は、7回に2死二、三塁とピンチを背負う場面もあったが、味方の好守にも助けられ追加点を許さない力投をみせた。8回からは継投に入り、古川端晴輝(社2)がマウンドに。テンポよくアウトを重ね、最後の打者を空振り三振で抑え込みゲームセット。5安打2得点とチャンスを最大限に生かした法大は、1点のリードを最後まで守り切り勝利をつかみ取った。
悪天候による順延や試合打ち切りなど変則的な日程にはなったものの、抜群のチームワークで勝利をものにした法大。人事を尽くした法大は天命を待ちつつ、いよいよ慶大との今季最終戦に挑む。
(記事・写真:田中さや)
7回1失点の好投に加え、安打も放った先発・伏見
選手インタビュー
伏見颯真
―試合を振り返って
結構締まった試合というか、ロースコアになった試合の中で1点をどう守り抜くかというのを考えて、ピッチャーと野手全員が集中して守備できたと思います。
―前回登板(5/16)は2回途中で雨天中止に。変則日程の中で調子は保てているか
月曜日の登板は「良い練習ができた」という風に気持ちを切り替えて、今日に合わせて数日間しっかり調整できたなと思います。
―立大打線の印象は
初球から強く振ってくるイメージなので、初球を甘い球で入りにいかずに、初球から決め球で勝負できるように心がけました。
―マウンドで心掛けていたことは
1人でなくチームみんなで戦っているという意識を持つために、後ろを見て野手に声をかけたり、ベンチとアイコンタクトしたりしていました。そういったところで自分のメンタル面を保っていました。
―併殺に打ち取る場面が目立ったが、バッテリー間のコミュニケーションは
ダブルプレーに関してはたまたま良いところに転がってくれたなという感じだったので、キャッチャーとは「今日もいつも通りできることをやっていこう」という話をしていました。
―最終戦を控え、チームの雰囲気は
今年はチーム全体が「優勝したい」という気持ちを強く持っている年だと思うので、次の試合もチーム一丸となって、優勝を目指していきたいなと思います。
―最終戦に向けて
最後も勝って、しっかり優勝を決めたいと思います。
古屋一輝
―試合を振り返って
だいぶ大味な試合になってしまったところは、今日は反省するべきところかなと思います。
―打席で意識していたことは
相手が左ピッチャーということで、いいピッチャーで初戦は打てなかったですし。そういった部分で何か変えようかなという風には思ったんですけど、あのような試合展開だったので、とにかく塁に出ようという気持ちで打席に入りました。
―あえて自分のバッティングは変えずに臨んだということか
チームの勝ちが最優先なので、自分のバッティングというよりはとにかくなんでもいいから塁に出ようという気持ちでした。
―悪天候や第3戦が続く変則日程の中で調子は保てているか
自分自身も就職活動があって、月曜日が終わってから火曜、水曜と練習ができませんでした。正直そこは自分自身でも調整ができなかったので、正直不安でした。
―調整不足の中でも今日は2安打。今季の好調の秘訣は
まず1カード目の東大戦ではヒットを一本も打てなくて、最初は正直不安だなと思っていたんですけど、そういった(シーズンの)入りだったからこそそこから練習とかを見つめ直すきっかけになりました。そういったところは後半にかけて好調になった要因かなと思います。
―主将の立場から見て、チームの雰囲気は
後輩たちは明るいですし、そういったものを自分たち上級生が受け止めて後輩たちがやりやすい環境づくりを心掛けてきたので、みんなの良さが出ていると思います。あとは「全員で勝ちたい」という思いを自分は例年に比べて強い意識を持っていたので、全員が全員声を出してくれて、本当に明るい雰囲気の中で試合ができていると思います。
ー最終戦を控え、今思うことは
今週自分たちが2連勝して、もし明治と慶応が第3戦に行けば勝率で自分たちの優勝が決まるので、プレッシャーも慶応にかけられたと思いますし日程的にもこっちの方が分があると思います。自分たちも今日は打線が湿っていたので、そこはしっかり調整して、だいぶ自分たちも心の余裕を持って準備できるかなと思います。
ー優勝すれば昨年の春季ぶりとなります
ここで獲っておかないと全日本選手権(全日)の予選もだいぶ厳しくなってきますし、全日に行かないと自分たちの価値は正直ないかなと思っているので、やはりここはなんとしても優勝したいですし、去年の先輩は勝ち点5で完全優勝をしているので、自分たちも来週勝って、完全優勝したいなと思います。
ー最終戦に向けて
あと1戦なので、全員で力を振り絞って。多分(先発は)日比谷(元樹、慶大)選手だと思うので、そういった好投手に対して、好投手も全日に行けばいっぱいいると思うので、そういった面からも日比谷選手を倒して、慶応を倒して、「法政が一番強いな」と思われるような試合をして勝ちたいなと思います。
堀尾浩誠
―試合を振り返って
接戦の中で、しっかり1点を守りきれたところは良かったかなと思います。
―立大に先制されてすぐの打席となったが、打席にはどのような気持ちで
大きいのを狙うのではなく、とりあえず塁に出ることを意識してバッターボックスに立ちました。ストレート系のボールを狙っていた結果、自分の得意なコースにボールがきたのでホームランを打てました。ラッキーでした、良かったです。
―本塁打の感触は
打った時には入ったかなと思いました。
―最近、プレー中に堀尾選手がベンチで声を出しているのが印象的ですが、チームのために意識していることは
もともと声を出すキャラではないですが、試合中はやっぱり勝ちたいという気持ちが強いので自分から声を出して周りを盛り立てるようにしています。プレーだけではなくて、声でもしっかりチームを引っ張っていけるようにと意識しています。
―自身の役割という点で、これまでの試合を振り返って
少し思うような結果は出ませんでしたが…。でも今日は大事なところで一本が出たので、今日はチームに貢献できたかなと思います。
―来週の慶大戦に向けて
慶大がこの土日に負けても勝っても、僕たちはこの慶大戦でしっかり慶応を倒す意識でやっていきたいです。ずっと日比谷投手に苦しめられてばかりなので、この土日の練習でしっかり自分たちのチームをつくりあげて、本気で試合に臨みたいと思います。