関東大学リーグ戦1部
対関東学院大
2022年10月15日(土)
セナリオハウスフィールド三郷
前節、今シーズン初黒星を喫した法大。負けられない戦いが続く後半戦最初の相手は関東学院大。序盤から積極的に攻める法大は、石川のトライを起点に前半だけで3トライを奪取。21ー3で試合を折り返す。後半、関東学院大の追い上げに遭うも終盤に2トライを追加し、今シーズン最多の5トライを奪い34-15で見事勝利。後半戦最初の試合も勝利で飾った。
試合結果
トータル試合結果
34 法大 |
21 | 前半 | 3 | 15 関東学院大 |
---|---|---|---|---|
13 | 後半 | 12 |
ポイント詳細
3/2 | T | 0/2 |
---|---|---|
3/0 | G | 0/1 |
0/1 | PG | 1/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:坂田、石川、山下、寺前、北川 G:石岡3 PG:石岡 |
※前半/後半、得点者は法大のみ記載
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 石母田健太 | 4 | 國學院栃木 |
2 | HO | 石川空悟 | 3 | 佐賀工業 |
3 | PR | 河村龍成 | 4 | 明和県央 |
4 | LO | 竹部力 | 3 | 大分舞鶴 |
5 | LO | 木村開 | 3 | 秋田中央 |
6 | FL | 山下武準 | 3 | 法政二 |
7 | FL | 吉永昴生 | 4 | 東福岡 |
8 | NO.8 | 寺前琉達 | 2 | 目黒学院 |
9 | SH | 小山田裕悟 | 1 | 桐蔭学園 |
10 | SO | 熊田経道 | 3 | 大阪産業大附属 |
11 | WTB | 小高巧 | 4 | 目黒学院 |
12 | CTB | 金侑悟 | 2 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 中井駿 | 2 | 大分舞鶴 |
14 | WTB | 坂田龍之介 | 4 | 東海大仰星 |
15 | FB | 石岡玲英 | 3 | 御所実業 |
16 | Re | 仙波陸 | 2 | 新田 |
17 | Re | 中野一樹 | 3 | 國學院栃木 |
18 | Re | 渡辺明志 | 2 | 佐賀工業 |
19 | Re | 渡部創太郎 | 3 | 桐蔭学園 |
20 | Re | 佐野祐太 | 2 | 目黒学院 |
21 | Re | 北川拓来 | 1 | 昌平 |
22 | Re | 高城喜一 | 3 | 金光藤蔭 |
23 | Re | 田中大誠 | 1 | 國學院栃木 |
戦評
圧倒的な力の差を見せつけられた東海大戦から2週間。リーグ戦もいよいよ後半戦に突入し、大学選手権出場に向け絶対に負けられない戦いが続く。そんな今節の相手は昨シーズン4位の関東学院大。今シーズンはまだ勝利が無く苦しんでいるが、昨シーズンの対戦で逆転負けを喫しているため油断はできない。大学選手権が少しずつ見えてきているからこそ、もう一度原点に立ち返り、勝利で再び勢いに乗りたい。
スタメンには、春季大会で全試合先発したLOの木村開(3)が今シーズン初先発。また、No.8の寺前琉達(2)、WTBの小高巧(4)、 CTBの中井駿(2)の3人も今シーズン初先発を飾った。
10月の秋空の中キックオフの笛がなり、まず試合を動かしたのは関東学院大。11分、自陣10mラインからPGを決められ、先制を許す。しかし負けじと法大も反撃。15分、敵陣5mラインでのラインアウトからモールで押し込み、最後はボールを持ち出した石川空悟(3)が相手の意表を突いてトライ。すぐさま逆転に成功する。その後は一進一退の攻防を見せるが、新宮監督が「この2週間はもっと前に出てディフェンスを強化していくという形で取り組んできた」と言うように、積極的に前に出るディフェンスで相手のトライを許さない。すると35分、敵陣5mライン付近でのスクラムから寺前が素早く持ち出し、相手をかわしインゴール中央にトライ。先発起用に応える活躍を見せる。さらに38分、法政らしい素早いパスで熊田経道(3)→金侑悟(2)→寺前→竹部力(3)と繋いで行き、最後はサイドを走り込んでいた坂田龍之介(4)がパスを受けそのままトライ。石岡玲英(3)のコンバージョンも決まり、21-3で前半終了。攻めては3トライ、守っては相手をノートライに抑え、リードして試合を折り返す。
前線で体を張り続けたフロントローの3人
後半、更に突き放したい法大だったが、相手の反撃に合う。51分、自陣5mラインでのラインアウトを起点にトライを奪われる。法大も58分に石岡のPGで3点を返すも、73分、またも自陣5mライン付近からのラインアウトを起点にトライを決められ、最大18点あった点差は9点に。しかし、ここから法大が意地を見せる。相手の追い上げムードとなった79分、敵陣5mライン付近で相手のルーズボールを渡部創太郎(3)が拾い、法大ボールに。最後は山下武準(3)が2試合連続のトライを決める。更に後半ラスプレーの43分、自陣20mライン付近まで攻めてきた関東学院大のミスから法大が一気に攻撃に転じる。渡部からパスを受けた石岡が左サイドを駆け上がり、坂田に倒れ込みながらのオフロードパス。そしてラストは最後方からサポートで80m近くを走ってきた北川拓来(1)がパスを受け、ボーナスポイント獲得となるダメ押しのトライを決める。北川はこれが大学入学後初トライとなった。このままノーサイドの笛がなり、終盤の連続トライで関東学院の追い上げを振り切った法大が34-15で後半戦初戦を勝利で飾った。なお、この試合のPOM(プレイヤーオブマッチ)には、チームファーストトライを挙げ、HOとして常に最前線で体を張り続けた石川が選出された。
今シーズン初先発の木村
この試合、今シーズン法大がやってきたことが試されるゲームだった。主将の吉永も「負けたら入れ替え戦が見えてくるし、逆に勝つことができたらさらに選手権に向けてのモチベーションにつながってくる」と言っていたように、今後のチームの行方を左右する重要な一戦で勝ち切れたというのは非常に大きな意味を持つ。攻撃では今シーズン最多の5トライ、守備では相手を2トライに抑え、「3トライ差以上の勝ち」で獲得できるボーナスポイントを今シーズン初めて獲得した。東海大戦での負けで途切れかけた勢いをもう一度取り戻す。そんな選手たちの気持ちのこもったプレーが終盤の2トライ、そして勝利を呼び込んだ。
今シーズンのリーグ戦は近年稀に見る大混戦。勝ち点16で首位の東海大に続いて、法大、流経大、東洋大が勝ち点13で並んでいる。この混戦を抜け出すためにも、残り3試合ひとつも落とせない。次戦は、昨シーズン2部で優勝し、ここまで2勝2敗と勢いを見せている昇格組・立正大。法大は今シーズン2度目の連勝目指して戦う。後半戦も法大の躍進に期待せずにはいられない!
(記事・写真:板倉大吾)
記者会見
新宮孝行監督、吉永昴生(4年・FL・東福岡)、石川空悟(3年・HO・佐賀工業)
—試合を振り返って
新宮監督:前回の対戦が東海で、うちのディフェンスシステムを完全に崩壊されたということで、この2週間はもっと前に出てディフェンスを強化していくという形で取り組んできました。前半のところはそこをみんな出来たとは思うんですけど、レフェリーとのコミュニケーションが上手くいかずに、そこでペナルティが多かったかなというふうに思います。後半に入って風下で、あまいところを突かれてトライされたというのもありますし、もうちょっと本当は後半の頭からエンジンを掛けないといけないのに、掛けきれないというところは、ウチのまだ弱いところかなと感じています。全体的にも、これから立正さん、東洋さん、流経さんと強いチームと当たるので、もっともっと精度を上げていくしかないかなと感じています。
吉永:今日の試合は「ディフェンス」を主としてやってきて、前半はPGはあったんですけどノートライに抑えることができて、我慢することができていたんじゃないかなと思います。後半になってトライを取られてしまった中で我慢が少し途切れてしまったんですけど、逆に相手のルーズボールに対してこちらがトライを取るという有利な位置に立つことができたので、我慢を前半後半絶やすことなく続けて、後半のルーズボールに対してのトライを取り切るというのを意識していきたいと思います。
石川:東海大学戦、関東学院大学戦と2番をやらせて頂いて、すごい緊張した中で激しくスクラム、FWをまとめあげながらプレーできたと自分では思っています。FWのテーマで「前進」というのを心がけていて、ディフェンスもオフェンスもセットプレーでも常に前進をする、前に出ることを2週間練習で取り組んできたので、これからの試合でも出せるようにしていきたいと思います。
—東海大戦からの2週間、どのような意識で練習してきたのか
吉永:初戦の大東文化大学戦と2戦目の日本大学戦で自分達の流れを作ることができて、そこで東海さんにボロボロにやられてしまったので、一回流れというのが途切れた中で、今回の関東学院大学さんとの戦いでまた流れを取り戻す、そういう意識を持っていました。ここで関東学院さんに負けたら入れ替え戦が見えてくるし、逆に勝つことができたらさらに選手権に向けてのモチベーションにつながってくると思うので、絶対に勝たなきゃいけないなという思いで練習をしてきました。
—スクラムで気を付けていたポイントは
石川:横のまとまりと縦のまとまりをFW全体で意識しようといふうに話していて、レフェリーの声と同時に先に出れるように声かけをして一歩でも前に前進するというのを意識していました。
—ラインアウトに関しては
石川:ラインアウトは部の中でもミスが多くて、まだまだ未完成だと思います。やろうとしてることができないというのは課題としてあると思います。
—今後の試合、FWとしてどのようなポイントで戦っていきたいのか
吉永:立正さんは外国人の強い選手がいると思うので、大東だったり日大だったり東海だったり法政以外は留学生が強いチームばかりなので、大東戦で前半に内側をやられてしまったので、そういうところを意識しながら前に出るというのと、ノーインサイドブレイクだったり低く入るというのを常に強い相手がいるというのをイメージしながらやっていきたいと思います。