第35回出雲全日本大学選抜駅伝
2023年10月9日（月）
島根県出雲市

初の三大駅伝で落ち着いた走りを見せた安澤

総評

昨年の総合7位を上回る『総合5位以内』をチーム目標に掲げ臨んだ今レース。約3ヶ月後に迫る箱根に向けても重要な位置付けとなる大会だ。法大の当日出走メンバーに名を連ねたのは、6名中3名が三大駅伝を未経験のフレッシュな面々。経験の差を凌駕する思い切った走りに期待したいところだ。夏の気配が残る暖かさの中、出雲大社に号砲が鳴り響いた。

法大のスターターは松永伶(経4)。1区にエースを投入しただけに、上位でたすきをつなぎたいところだ。
序盤は先頭のアイビーリーグ選抜・ヒューゴ・ミルナーらを追う第2集団でレースを展開。後半は代名詞となっている『松永ワープ』を発揮し、さらに上位へと食い込みたいところだったが、順位を落とし区間9位に沈んだ。

2区を走ったのは今回が初の三大駅伝出場となった大島史也(社2)。
松永から9位でたすきを受け取ると、序盤から自慢であるスピードを生かし積極的な走りを見せ、6位へ浮上した。城西大、関大との3校で小さな集団を形成しレースを進める。しかし、前を追う城西大学のペースアップについて行くことができず順位を落とし、9位でたすきをつないだ。

今大会が初の出雲路出走であった武田和馬(社3)はエース区間の3区でたすきを受け取る。試合後「ひとつでも順位を上げることを意識して臨んだ」と話した通り、一度順大には抜かれたもののアイビーリーグ選抜を追い抜き、9位を死守する意地の走りを見せた。

4区は初の三大駅伝となった安澤駿空(社3)。同期の武田から9位でたすきを受け取りスタート。「不安と緊張が大きかった」と話していたが、必死に食らいつき前の順大が見える位置でレースを進める。「後半は暑さがあって失速した」と語るように最後は差を広げられたものの、沿道の声援も力に9位をキープして、たすきをつないだ。

5区を任されたのは永島悠平(社3)。学生三大駅伝初出走となった永島は、同じく3年生の安澤から9位でたすきを受ける。次の最終区を走るランナーへ少しでも優位な状況でつなげたいところだが、なかなか前を行く大学の背中を捉えることができない。それでも、夏合宿を経て一皮剥けた永島の力強い走りで、懸命に前を追い続けた。順位を1つ落とし10位でたすきをつないだが、永島は風光明媚な出雲路を楽しんで走り終えた。

初出走の永島からたすきを受け取った稲毛崇斗(社4)。昨年も6区で出走したが、法大の順位を落としてしまい、「自分のせいで」と悔やんでいた。しかし今年の稲毛は顔つきが違った。中継所時点で法大は10位。前には順大と中大がいる状況でひたひたと追い続けると、順大を交わして9位でフィニッシュ地点へ飛び込んだ。『総合5位』の目標は達成できなかったものの、「去年のリベンジを果たせた」と晴れやかな表情で最後の出雲路を振り返った。

全員で魅せた出雲駅伝。出雲駅伝の経験者が松永、稲毛のみという布陣だったが、他大学にも臆せず果敢な走りを見せた選手たち。残る大会は箱根駅伝。今回エントリーから惜しくも外れた選手、当日の出走がかなわなかった選手たちも含め、箱根に向けてさらに熾烈なメンバー争いを繰り広げるのだろう。次こそ『総合5位』へ。選手たちも、すでに箱根を見据えているようだ。

走り終えた選手たち

※選手・監督インタビューは後日掲載いたします。今しばらくお待ちください。

（記事・写真：嘉藤大太、艶島彩、森田さつき、矢吹大輔、髙瀬真帆、芦川有）