東京六大学野球2023秋季リーグ戦 早大2回戦
2023年10月15日(日)
神宮球場
1回戦では逆転負けを喫した法大。秋の長雨の中、2回戦のプレーボールがかかった。先発の尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)は3回まで無安打投球も、4回に突如崩れて4点を失う。直後に高原侑希(法4=福井工大福井)が適時打を放って反撃の烽火は上がったかに見えたが、その後も失点は止まらず。打線は反撃ならず終わってみれば1-10と大敗を喫し、勝ち点を失った。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早 大 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 2 | 2 | 1 | 0 | 10 | 13 | 0 |
法 大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 2 |
(早大)○伊藤樹、前田浩、澤村—印出
(法大)●尾﨑、塙、古川、武冨、丸山―𠮷安
[本塁打]
法:
早:
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 武川 | 2 | 0 | 0 | .333 | .412 | 三振 | 四球 | 四球 | 三振 | |||||
2 | (8) | 中津 | 4 | 1 | 0 | .324 | .381 | 一ゴ | 一飛 | 右安 | 二飛 | |||||
3 | (6) | 今泉 | 3 | 0 | 0 | .308 | .426 | 四球 | 遊ゴ | 三振 | 三振 | |||||
4 | (3) | 浦 | 4 | 0 | 0 | .378 | .439 | 右飛 | 三振 | ニゴ | 遊ゴ | |||||
5 | (9) | 姫木 | 2 | 0 | 0 | .250 | .333 | 二ゴ | 四球 | 遊飛 | ||||||
9 | 鈴木照 | 1 | 0 | 0 | .143 | .143 | 一ゴ | |||||||||
6 | (7) | 西村 | 4 | 1 | 0 | .258 | .303 | 三振 | 右安 | 中飛 | 三振 | |||||
7 | (4) | 高原 | 4 | 1 | 1 | .111 | .158 | 三振 | 左安① | 遊ゴ | 中飛 | |||||
8 | (2) | 𠮷安 | 3 | 0 | 0 | .179 | .273 | ニゴ | 遊飛 | 中飛 | ||||||
H | 松下 | 1 | 0 | 0 | .250 | .250 | 遊ゴ | |||||||||
9 | (1) | 尾﨑 | 1 | 0 | 0 | .000 | .250 | 三邪 | ||||||||
1 | 塙 | – | – | – | ,000 | .500 | ||||||||||
H | 真鍋 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 遊ゴ | |||||||||
1 | 古川 | – | – | – | .000 | .000 | ||||||||||
1 | 武冨 | – | – | – | .000 | .000 | ||||||||||
H | 大沢 | 0 | 0 | 0 | .000 | .333 | 四球 | |||||||||
R | 石黒 | – | – | – | — | — | ||||||||||
1 | 丸山 | – | – | – | — | — | ||||||||||
計 | 31 | 3 | 1 | .245 | .321 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
尾﨑 | 4 1/3 | 86 | 23 | 5 | 3 | 5 | 5 | 4.95 |
塙 | 0 2/3 | 5 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2.20 |
古川 | 0 0/3 | 17 | 3 | 1 | 0 | 1 | 1 | 5.40 |
武冨 | 2 | 34 | 10 | 4 | 1 | 0 | 0 | 2.89 |
丸山 | 2 | 29 | 9 | 3 | 2 | 0 | 1 | 10.80 |
計 | 0 | 171 | 47 | 13 | 6 | 6 | 7 | 3.27 |
ベンチ入りメンバー
10 | 今泉颯太(法4=中京大中京) | 32 | 中西祐樹(法1=木更津総合) | 35 | 浜岡陸(法2=花咲徳栄) |
1 | 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) | 3 | 内海貴斗(人4=横浜) | 2 | 鈴木大照(文3=明徳義塾) |
13 | 塙雄裕(法4=常総学院) | 5 | 真鍋駿(文4=広島商) | 9 | 浦和博(キャ4=鳴門) |
15 | 丸山陽太(スポ2=成東) | 6 | 高原侑希(法4=福井工大福井) | 33 | 西村友哉(法3=中京大中京) |
17 | 武冨陸(営4=日大藤沢) | 24 | 武川廉(人3=滋賀学園) | 34 | 姫木陸斗(人3=日大藤沢) |
21 | 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) | 25 | 山下陽輔(営2=智辯学園) | 36 | 中津大和(営3=小松大谷) |
47 | 古川翼(キャ1=仙台育英) | 26 | 藤森康淳(営1=天理) | 39 | 大沢翔一郎(法3=上尾) |
22 | 田所宗大(キャ3=いなべ総合) | 28 | 石黒和弥(法2=高岡商) | ||
27 | 𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭) | 29 | 松下歩叶(営2=桐蔭学園) |
戦評
優勝の可能性を賭け、負けられない早大戦のカード。1戦目は2点を先行するも、惜しくも逆転負けを喫した。勝ち点を取るべく、負けられない1戦は悪天候で試合開始が1時間半遅れた。
小雨と強い風が吹き荒れる中、先発・尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)が奮闘する。3回までテンポ良く投げ抜き、被安打0で早大打線を抑える。しかし法大も早大先発の伊藤樹に歯が立たずこちらも3回まで完全に抑えられる。
高校時代からの後輩・武川廉(人3=滋賀学園)から返球を受ける尾﨑。3回を安打0に抑える。
試合が動いたのは4回表、先発尾﨑が捕まる。2死1塁とするも、球が荒れ、四球とリーグ戦初出場の代打・田村康介などに連続安打を浴び、一挙4点を取られてしまう。
このまま流れを持っていかれたくない法大は、意地を見せる。2死から5番・姫木陸斗(人3=日大藤沢)が四球で出ると、続く西村友哉(法3=中京大中京)が右方向に安打を放つ。ここでスタメン復帰を果たした高原侑希(法4=福井工大福井)が打席に立つ。「4点取られてからの攻撃だったので、こっちのリズムに戻したいと思ってました」と熱い気持ちが見事叶い、左適時打で1点を返した。「できれば長打が欲しかったです」と話すも、スタメン起用に応え、笑顔で両手を上げた。
高原の当たりで激走し生還する西村
これ以上の失点を避けたい法大であるが、早大は止まらなかった。印出太一の適時打により5点目を失うと、尾﨑はここで止む無く降板。2番手に塙雄裕(法4=常総学院)が昨日に続き登板し、安定な投球を見せこの回を終わらせる。
ここまで10試合に登板する塙(右)。この日は無失点救援。
6回表には注目の1年生投手・古川翼(キャ1=仙台育英)がマウンドに上がる。東大3戦目では安定した投球を見せたものの、この日は厳しい内容となる。四球に犠打を古川自身が失策。そこに安打が絡み、無死満塁のピンチで降板となってしまった。後を託された武冨陸(営4=日大藤沢)だったが、勢いを止めることができず。この回2失点でさらに点差が開いて7-1となった。
一方の法大も四球や安打が生まれるも活かせず、先発・伊藤樹に抑えられ、反撃の余地がない。
悪い流れを断ち切れないまま、7回も2失点で9-1と点差をつけられて迎えた8回、丸山陽太(スポ2=成東)が登板。ところがいきなり3連打で無死満塁とされると、加藤重雄監督がマウンドへ行き指示を出す。しかし、結果は実らず、内野ゴロの間に生還を許してこの回も失点。
5番手の丸山。1点を失うも、春に打ち込まれた早大相手に最後までマウンドを守った。着実に成長を遂げている。
反撃を見せたい法大であったが、早大の継投策にはまり、最後まで追加点を挙げることはならず。そのまま1-10で敗北を喫した。
小雨に降り続ける中、大敗を喫した法大。チームの目標である優勝の可能性はなくなってしまった。しかし主将・今泉颯太(法4=中京大中京)は「チームでの守り事や、新チームからやってきた事を出しきれるように修正していきたいです」と明大戦に向け、気持ちを切り替えた。
(記事:高橋芽唯、写真:皆川真輝)
クローズアップ:高原侑希『得点圏に熱い想いを持つ強打者 スタメン起用に応える一打』
9月23日慶大1回戦以来のスタメン起用に「負けの流れを変えたくて、監督も起用してくださったので、チームに勢いをつけてやろうと思いました」と語った高原侑希(法4=福井工大福井)。その起用に応える一打だった。
4回裏、この日7番・二塁で先発出場した高原に打順が回ってきた。
「こっちのリズムに戻したい」と打席に向かうと、早大先発・伊藤樹が4球目に投じた外角へのスライダーを弾き返して三遊間を破った。
その後さらに失点を重ねて重苦しいムードになる中でも高原は声を張り上げチームを鼓舞し続け、存在感を示した。
1-10とチームは大敗を喫するも、高原に1安打が出たことは明るい兆し。春の明大戦では一時勝ち越しとなる三塁打も放っている。得点圏での1打に並々ならぬ強い思いを持つ男は最終カードに4年間の集大成を披露する。
(皆川真輝)
選手インタビュー
今泉颯太 主将
―今日の試合を振り返って
投打噛み合わず、完敗してしまいとても悔しく思います。
―このカード全体を振り返って
自分たちのペースで野球をできなかったので、2連敗してしまい勝ち点を落としたので、もう一度自分たちのやるべき事をやり切りたいと思います。
―チームとしてこれから修正したい点
チームでの守り事や、新チームからやってきた事を出しきれるように修正していきたいです。
―次週は明大戦への意気込み
最終節となるので明治から勝ち点を取ります。
高原侑希 選手
―今日の試合を振り返って
全てが後手に回ってしまった。先に点をとりたかったです。
―スタメン復帰を果たされました
負けの流れを変えたくて、監督も起用してくださったので、チームに勢いをつけてやろうと思いました。
―4回には適時打がありました
4点取られてからの攻撃だったので、こっちのリズムに戻したいと思ってました。
―適時打のご感想
できれば長打が欲しかったです。
―明大戦に向けての意気込み
勝ち点とります。