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【硬式野球】東京六大学野球2023秋季リーグ戦 明大3回戦 中津の本塁打、犠飛で先行も逆転負け 最終戦を白星で飾れず

東京六大学野球2023秋季リーグ戦 明大3回戦
2023年10月23日(月)
神宮球場

最後に笑うのはどちらか。昨日に引き続き雲一つない快晴の下、法明3回戦が行われた。初回、中津大和(営3=小松大谷)が右翼スタンドへ本塁打を放つと、3回にも中津の犠飛で2点をリード。しかし4回、2失点で追いつかれる。その後丸山陽太(スポ2=成東)が抑えるも、7回に代わった古川翼(キャ1=仙台育英)が2死から3連打で2点を失うと、最後までこの2点を跳ね返せなかった。2-4で敗れた。この日で4年生と加藤重雄監督は神宮を去る。


試合後、応援席へ挨拶する選手たち

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
明 大 0 0 0 2 0 0 2 0 0 4 11 1
法 大 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 5 0

(明大)村田、○浅利、蒔田、石原—菅原
(法大)吉鶴、武冨、丸山、●古川、尾﨑―𠮷安
[本塁打]
明:
法:中津(1回ソロ、村田)

打撃成績

打順 位置 選手 打率 出塁率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (5) 武川 4 1 0 .321 .406 三振 中安 右飛 中飛
2 (8) 中津 2 1 2 .292 .345 中本① 中犠① 一ゴ 四球
3 (6) 今泉 3 0 0 .300 .417 一飛 三ゴ 四球 捕飛
4 (3) 4 0 0 .333 .407 ニゴ 捕飛 左飛 二飛
5 (9) 姫木 3 0 0 .261 .320 三振 遊飛 左飛
1 古川 .000 .000
9 浜岡 1 0 0 .143 .188 三振
6 (4) 松下 2 0 0 .231 .302 死球 遊飛 四球 三振
7 (7) 西村 4 2 0 .302 .333 三振 遊安 一飛 左安
8 (2) 𠮷安 3 1 0 .170 .250 右安 右飛 左飛
H 高原 1 0 0 .095 .136 三ゴ
9 (1) 吉鶴 1 0 0 .167 .167 三振
1 武冨 .000 .000
1 丸山 1 0 0 .000 .000 三ゴ
9 鈴木照 .222 .222
H 内海貴 1 0 0 .121 .194 二ゴ
1 尾﨑 .000 .200
H 石黒 1 0 0 .000 .000 ニゴ
31 5 2 .240 .318

 

投手成績

球数 打者 防御率
吉鶴 3 45 11 2 4 0 0 1.87
武冨 0 1/3 17 5 3 0 1 2 4.63
丸山 2 2/3 31 11 3 3 0 0 6.35
古川 1 25 6 3 1 0 2 10.13
尾﨑 2 17 6 0 1 0 0 5.87
9 135 39 11 9 1 4 3.43

 

ベンチ入りメンバー

10 今泉颯太(法4=中京大中京) 22 田所宗大(キャ3=いなべ総合) 35 浜岡陸(法2=花咲徳栄)
1 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) 27 𠮷安遼哉(法3=大阪桐蔭) 2 鈴木大照(文3=明徳義塾)
11 山城航太郎(キャ3=福岡大大濠) 32 中西祐樹(法1=木更津総合) 9 浦和博(キャ4=鳴門)
13 塙雄裕(法4=常総学院) 3 内海貴斗(人4=横浜) 33 西村友哉(法3=中京大中京)
15 丸山陽太(スポ2=成東) 6 高原侑希(法4=福井工大福井) 34 姫木陸斗(人3=日大藤沢)
17 武冨陸(営4=日大藤沢) 24 武川廉(人3=滋賀学園) 36 中津大和(営3=小松大谷)
18 篠木健太郎(営3=木更津総合) 26 藤森康淳(営1=天理) 39 大沢翔一郎(法3=上尾)
21 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) 28 石黒和弥(法2=高岡商)
47 古川翼(キャ1=仙台育英) 29 松下歩叶(営2=桐蔭学園)

戦評

勝っても負けても最後となる明大3戦目。昨日意地を見せつけた勢いそのまま勝ち点を取って終わるべく、選手たちの思いがぶつかった。

1回裏いきなり試合が動く。2番・中津大和(営3=小松大谷)が追い込まれながらも粘って迎えた8球目。低めの変化球をうまく叩き、右翼スタンドへ先制本塁打を放った。「なんとか塁に出ようという思いがホームランという結果になったので、チームに勢いをつけられたのではないかと思います」と今季初の本塁打で自身も笑顔を見せ、ベンチも大きな歓声が上がった。

先制弾の中津

援護をもらった先発・吉鶴翔瑛(営3=木更津総合)は明大打線に火をつけさせず、一昨日の投球とは違う安定な投球とテンポの良さで3回無失点4奪三振の好投で明大打線を引きつけない。

好投の吉鶴

3回裏、先頭の武川廉(人3=滋賀学園)が中安打で出塁すると、すかさず盗塁を狙い、捕手の悪送球により三塁まで到達する。ここでまたもや中津が中堅に大きな犠飛を放つと、武川は本塁上でガッツポーズをしながら帰還した。

拳を握りしめる武川

4回のマウンドには武冨陸(営4=日大藤沢)が上がった。しかし先頭の宗山塁に右安打を許すと、続く上田希由翔には四球を与えてしまう。1死二、三塁で斉藤勇人、榊原七斗に連続適時打を浴びせられ、同点となりやむ無く降板となった。
なおも1死一、二塁のピンチで任されたのは丸山陽太(スポ2=成東)だ。「勝ち越しは許してはいけないと思ってました。とにかく丁寧に投げることを考えてました」と意気込みマウンドに立った。直球と変化球をうまく使い、球威のある投球で菅原謙伸は1ボールから3球連続でストライクを奪って三振。さらに村田賢一は内野ゴロで3死。7球でピンチを脱した。

好救援の丸山。「自分のピッチングに自信が持てました」と振り返る。

その後は両校ヒットが出るも、投手の好投により、得点にはなかなか結び付かず、明大は6回から浅利太門に継投する。2四球で得点圏へ走者を進めるも打ち崩せなかった。

丸山も入学後最長となる2回2/3を投げる。「監督が自分を使い続けてくれたことに感謝しています。最後の試合で最長を投げさせていただいて嬉しいです」と無失点で期待に応える投球だった。

7回、法大は古川翼(キャ1=仙台育英)に継投する。2死からだった。すでに2安打の宗山に右方向に運ばれると、上田希の当たりは西日が目に入ったか。このから右翼手・鈴木大照(文3=明徳義塾)が落下点に入り切れず、適時三塁打となって勝ち越される。その後の木本圭一にも適時打を許し、2-4と2点差になった。

なんとか追いつきたい法大。7回裏には代打で内海貴斗(人4=横浜)が出るも、応えれずこの回は3者凡退となる。

8回からは前日先発した尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)が登板。「最後は尾﨑に閉めてもらおうと言われてたので楽しもうと思いました」とマウンドに立った。この日の尾﨑は直球のキレとカーブの緩急で打者を翻弄し、不調を払拭するものがあった。9回も好調・宗山に対して外角低めへ直球で空振り三振を奪い、攻撃を望みをつなげた。完璧な投球を披露した尾﨑には笑顔が見えた。

2回を1人の走者も許さず零封の尾﨑

尾﨑の好投に応えたい打線は、1死から西村友哉(法3=中京大中京)が「このままでは終われないという気持ちと何としても自分が塁にいる状況で次の高原さんに回したいという気持ちで打席に立ちました」と三遊間を破ってこの日2本目の安打を放つ。バトンを受けた代打・高原侑希(法4=福井工大福井)が打席に立つ。簡単には終われない高原は4年生の意地を見せたいところだったが、一塁にヘッドスライディングするも、叶わず2死。9番・尾﨑の代打で石黒和弥(法2=高岡商)に任される。2死2塁のチャンスだったが、二ゴロに倒れ、試合終了。悔しい敗北を喫した。

最後の打者となった石黒

終了後スタンドに深々とお辞儀をした選手たちからは涙を浮べるものや、笑顔で清々しい姿も見えた。いつもなら帰り支度をするところだが、両校のエール交換を整列して聞き、これまで応援してくれた同期、後輩、OB、保護者などの方々に対して感謝の思いが見られた。

応援席の応援団や観客へ挨拶する選手たち

また、試合後には、コロナ禍以降取り止められていた送別会が今年から復活した。一塁側のアーケード下で応援団や選手が集まると、応援団の3年生以下3名がチャンスパターンメドレーを披露。間近での応援に選手たちはとても楽しんでいた。さらに「オール法政神宮友の会」からは主将の今泉颯太(法4=中京大中京)だけでなく、応援団幹部へも花束などが贈呈された。送別会の恒例行事となっている野球部主将を担いで神宮一周は知らない選手も多く、今泉も驚いた顔で戸惑いを見せたが、大きな盛り上がりを見せ、終始笑顔が絶えなかった。今泉は「改めて応援の素晴らしさを感じました」と話し、応援団の支えを感謝した。

今年の法大は優勝に向けて、4年生を中心にチームを改革。私生活から見直し、『克つ』チームの土台は作った。春は2位に終わるも一時は優勝争いを繰り広げるなどの大活躍を見せ、法大ファンを楽しませてくれた。秋は下級生の台頭もあったが、4年生の存在がなければここまでの結果はなかったはず。
また、21年から3年間にわたって法大を率いた加藤重雄監督も試合後に退任を発表。背番号『30』は優勝無しでユニフォームを脱ぐ。この4年生、そして監督の無念の思いは翌年、3年生以下が優勝をもたらすことで晴らす。
(記事、写真:高橋芽唯)

クローズアップ:中津大和『法大が誇るクラッチヒッター 本領発揮の2打点&先制弾!』

今秋、神宮に何度も快音を響かせた中津大和(営3=小松大谷)。この日も鋭い当たりで持ち前の巧打力を発揮した。

初回の第1打席、「なんとか塁に出よう」と臨んだ中津。3球で追い込まれるも、そこからファウルで粘ると、1つボール球を挟んでさらに2球粘った。2ボール2ストライクからの8球目。明大エース・村田賢一が得意とするシンカーを拾い上げると、澄み渡る青空に大きな弧を描いた。春のリーグ戦後に行った取材で「打ち崩せなかったのが悔しいというか、印象に残っています」と話す村田から滞空時間の長い一発でチームに先制点をもたらす。

さらに3回の第2打席では初球に武川廉(人3=滋賀学園)が盗塁を決めると、捕手の菅原謙伸が悪送球。一気に三塁へ走者は進むと、「ランナーを返すことだけを考えました」。今度はきっちりと外野へと運ぶ犠飛で貴重な追加点ももたらした。

3打席目は一ゴロに倒れたが、捉えた打球を放って改めて好調ぶりを見せた。
しかし、この活躍にも「負けてしまったので悔しいです」と一言残した。フォアザチームの精神を持つ中津。来年は必ず打率3割越えも達成し、リーグ優勝へと導くフラッグシップとなる。

(皆川真輝)

選手インタビュー

今泉颯太 主将

―今日の試合を振り返って
最終戦で負けてしまったのですが、法政らしい試合をできたのではないかと思います。

―最終戦でした。試合前にはどういったことを意識されましたか
学生生活最後の試合だったので思いっきり楽しもうと思いました。

―第3打席では四球を選ばれました。今季は四球を選ぶ場面も多くあったように思えます。後ろにつなぐことは打席内でも意識されていた
後ろに頼もしい内海・浦がいたのでとにかく塁に出て繋げようと思って打席に入っていました。

―試合を終えた率直なお気持ち
苦しいことばかりの4年間でしたが人間的にも技術的にも成長することができました。幸せな大学野球生活でした。

―試合後には送別会がありました
改めて応援の素晴らしさを感じました。

―後輩たちへメッセージ
必ず優勝してください!加藤監督・4年生にいい報告してくれるのを待ってます!

―ファンの方へメッセージ
4年間多大なるご声援・ご支援誠にありがとうございました。思うような結果を出すことはできず、結果で恩返しをすることはできませんでした。この1年間主将として苦しいことは多かったですがたくさんの応援のおかげでいつも支えられ最高のチーム・最高の応援の中でプレーすることができて幸せでした。来年こそは頼もしい後輩が必ず優勝してくれます。これからも野球部へのご声援よろしくお願いします。

尾﨑完太 投手

―本日の試合を振り返って
4年間の気持ちを全員で思いっきり出した試合でした

―どのような気持ちでマウンドへ
最後は尾崎に閉めてもらおうと言われてたので楽しもうと思いました

―昨日からどういったことを修正された
昨日のことは一切考えずに今日の登板のことだけを考えました。

―ドラフト会議に向けた今の心境
緊張や不安なことだらけですが呼ばれることを信じてます。

―ファンの方へメッセージ
4年間自分含め法政大学を応援して下さり本当にありがとうございます。
結果は決していい結果とは言えませんが死ぬ気で本気で法政大学は優勝を目指していました。期待に応えることが出来ず申し訳ないと言う気持ちでいっぱいです。
しかし、これから3年生の篠木、吉鶴、吉安、武川を筆頭に絶対に優勝してくれるチームです。ファンの方々はこれからも期待の詰まった法政大学の応援を引き続きよろしくお願いします。4年間ありがとうございました。

中津大和 選手

―勝っても負けても4年生が引退となる試合で何を考えた
優勝とはなりませんが、最後に勝ち点をつけて終わりたいと思ってました。

―先制となる本塁打を放たれました
なんとか塁に出ようという思いがホームランという結果になったので、チームに勢いをつけられたのではないかと思います。

―3回にも無死三塁というチャンスで打順が回りました
ランナーを返すことだけを考えました。

―今日は2打点の活躍でした
負けてしまったので悔しいです。

―4年生は引退ということで何か話されたことは
「来年優勝しろよ」と声をかけてくださいました

―秋応援してくださったファンの方々に一言
来季は必ず優勝します!

西村友哉 選手

―勝って終わりたい試合だったと思いますが、試合前意識されたことは
必ず勝って終わろうという気持ちで試合に臨んだのですが、負けてしまい悔しかったです。でも自分たちの野球が最後までできたと思うので良かったと思います。

―2安打の活躍でしたが、バッティングで意識されていたことは
とにかく塁に出て得点したいという気持ちだけを考えて打席にたちました。

―9回裏、第4打席へはどういった思いで向かわれた
「このままでは終われない」という気持ちと「何としても自分が塁にいる状況で次の高原さんに回したい」という気持ちで打席に立ちました。

―その前の守備では好プレーもありました
抜けていれば得点される可能性が高かったので、死ぬ気で取りにいきました。

―4年生との最後の試合になりました
4年生とは3年間プレーさせて頂いて、とにかく優しく、後輩思いな先輩ばかりで毎日4年生の方々と野球をするのが楽しかったです。最後の試合となり、もうこれで4年生の方々と野球をする事ができないと思うととても寂しいです。でも、色んな先輩から来年は優勝しろよと声をかけて頂き、必ず来年は優勝して先輩方に恩返ししたいと強く思いました。

―秋応援してくださったファンの方々へ
今秋は優勝することができず、自分たちの力がまだまだだということを認識することが出来ました。来年こそは必ず優勝してファンの皆様にいい報告ができるように頑張ります。

丸山陽太 選手

―今日の試合を振り返って
法政らしい試合ができたと思います。

―ピンチでの登板でした。マウンドに向かう際には何を考えられましたか
勝ち越しは許してはいけないと思ってました。とにかく丁寧に投げることを考えてました。

―三振を3つ奪いました
自分のピッチングに自信が持てました。自分のスタイルを見つけれたのも良かったと思います。

―入学後最長のイニングを投げました
監督が自分を使い続けてくれたことに感謝しています。最後の試合で最長を投げさせていただいて嬉しいです。

―今日は4年生との最後の試合になりました。4年生へのメッセージ
4年生の皆さんにはとてもお世話になりました。自分は迷惑をかけてばかりでしたが、練習や試合で声をかけ続けていただいてとても助かりました。たくさんのアドバイスもいただけて自分は成長することができました。もっと成長できるよう精進します。ありがとうございました。

―今後への意気込み
リーグ戦出続けることです。

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