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【アメフト】「今回アメリカに勝ったことで、彼らを本気にさせられたのではないか」U-20日本代表インタビュー① 〜選手編〜

U-20日本代表取材
2024年7月27日(土) 法政大学川崎総合グラウンド

6月にカナダで開催されたアメリカンフットボールのU20世界選手権(国際アメリカンフットボール連盟=IFAF主催)の決勝(現地6月30日)で、日本代表がカナダ代表1に9-20で敗れ準優勝となった。しかし、国際大会で初めてアメリカ相手から勝利を得るという歴史的快挙を成し遂げたU-20日本代表選手たち。今回はそんな代表メンバーとして活躍した3名の選手、2名のスタッフにインタビューを行った。今回はその第一弾、選手編である。

選手インタビュー

QB 菊地慶(きくちけい)

【プロフィール】
学部/法学部
出身高校/法政大学第二
高校
身長・体重/176cm・79kg

ーー大会を振り返って
渡航する前に予想していたより出番をもらえて、良い経験をさせてもらえたと思います。逆にもう少し良い準備をできていれば、もっと良いプレーができたという後悔があります。そういう所は、今後の取り組みに活かしていきたいと思います。

ーー具体的にどういった準備か
決勝に先発させてもらって、その時に戦術は頭に入っていたんですけど、心の準備ができていなくて生きた心地がしなかったです。実際に試合が始まったら大丈夫だったんですけど、いつ出ても良いような心構えをするべきだったと思います。

ーー試合を通してご自身のプレーで通用したなと思うことは
走り回って投げるのが得意なんですけど、海外の選手相手でも決めることができました。あとは、タイミングが速いパスも決めれて通用したと感じました。

ーー実際に海外の選手と対戦して感じた違いは
サイズが日本と全然違かったです。投げ終わった後に日本人だとあんまりヒットしてこないんですけど、特にカナダ戦は投げ終わった後も執拗にヒットしてきました。しかも、ヒットしてくる人も強いので痛い思いをいっぱいしました。

ーーご自身のプレーで感じた課題は
ミドル系とロング系のパスの成功率があまり高くなくて、レシーバーと合っていなかったというよりは、自分のパスの精度に問題があったと思います。あと、日本では自分で走って持って行くのも得意にしていたんですけど、海外の選手相手だと捕まってしまったのでスピードアップして圧倒できればもっと強みになると感じました。

ーースピードアップのために今後やっていきたいトレーニングは
チーム全体として瞬発系のウエイトトレーニングが取り入れられていてるので、今まで以上にしっかりやっていきたいです。そうすることで、少しでもスピードが強化されれば良いなと思います。

ーー世界選手権でアメリカを倒したことについては
SNSなどで日本のアメフトファンの方にも喜んでもらえて、アメリカの選手も反応してくれてるのを見て凄いことをしたのだなと思いました。けれども、実際にやってみて正直あまりレベルが高くないと感じました。アメリカが今大会に対してあまり本気度が感じられませんでした。逆に言うと今回アメリカに勝ったことで、アメリカを本気にさせて強い相手を引っ張り出せればというのはあります。

ーー大会を通して刺激を受けた選手は
自分はQBなので日本大学の小林伸光選手に刺激を受けました。今大会はQBは二人で戦い、部屋も一緒だったのでコミュニケーションもいっぱい取れました。自分に無いものを持っていて敵わないなと思いつつ、こういうパスの決め方があるんだとか新たな発見を彼のプレーからできました。

ーー大会を通して得た経験で法政の選手に還元したいことは
自分自身の反省でもあったんですけと準備の部分です。スターターが心の準備をするのは当然だと思うんですけど、控えの選手もいつ出番が回って来るか分からないと思うので、自分の決勝戦のようにならないで欲しいです。控えの選手も心の準備やプレーの準備をしていれば、層の厚いテームができると思うので、自分から発信していければと思います。

ーー日本一に向けての意気込みや個人の目標は
個人としては春の試合であまりいいプレーができず不甲斐ないところがあったので、秋にも出番があれば観客を沸かせるようなプレーをしていきたいです。それをするために、あらゆる準備を怠らないように夏からしっかりレベルアップしていければなと思います。

TE 矢作一颯(やはぎいぶき)

【プロフィール】
学部/法学部
出身高校/足立学園高校
身長・体重/175cm・93kg

――大会を振り返って
やっぱり世界を相手にするっていうだけで、日本じゃ味わえない相手の強さだったりとか、体格の違いとかっていうのを肌で実感できたっていうことが、すごく自分にとっていい経験になったかなと思います。

――オーストラリア戦でのTDを振り返って
あのTDが僕の大学初のTDだったんですけど、結構意外とあっさり来たな、という感じですね。

――思ったよりあっさりTD出来て驚いた?
そうですね。驚いたというよりかは、気が付いたらTDしていて「あれ?」というような感じでしたね。

――大会を通して自分のプレーが通用したと感じたとことは
自分の強みは、『体重が重めだけど早く動ける』というところを強みにしていて、それをやっぱり世界でも強みにすることができたかなと思います。

――実際に海外の選手と戦ってみて感じた違い
やっぱり身長と体重と、圧倒的に自分より“この辺”(大きい?)の人とかいて、普段だったらヘルとヘルで当たれたりするんですけど、胸元に突っ込むしかないような感じの相手ばっかりだったので、すごいいつもと違う感じはありました。

――大会を通して感じた課題
やっぱりまだ粗削りなところがあるという風に思っていて。決勝で2本パスを落としてしまったので、それもいろいろ原因はあると思うんですけど、やっぱり最後まで詰め切ることができなかったかなというところかなと思います。

――国際大会初のアメリカ戦勝利について
正直、めちゃくちゃ嬉しかったですね。人生で一番うれしい日になったんじゃないかなと思います。

――アメリカ戦の前にチームでどんな話をしていたか
チームでは『教科書に載るぞ』という風に話していて、歴史を作る、自分たちの名前を刻むっていう話をしていて。すごく気合を入れていました。

――チーム内で刺激を受けた選手は
関大の東君が、みんなの前に出て喋ることもすごく心に響くことを言ってくれたり、プレーも、すごく気合を感じる熱いプレーをしていたので、自分から見て良い刺激をもらえたかなと思います。

――日本に帰って法大の選手に還元したり話したりしたか
やっぱりジャパンが集まっているので、みんなが勝ちに向かって進んで、全員がそろって勝ちに向かって前を見ているというのがすごく感じられたので、その雰囲気を伝えていけたらいいなと思っています。

――今後の意気込み
去年と違って出場機会も増えてくると思うので、出場するプレー全部、1プレー1プレーに全力を注いで、チームのために勝利に貢献できるように頑張っていきたいです。

TE 瀧川元煕(たきかわはるき)

【プロフィール】
学部/経営学部
出身高校/佼成学園高校
身長・体重/174cm・86kg

ーー大会を振り返って
結果は準優勝だったんですけど、カナダとの決勝戦は勝てたのかなと言うのが正直な感想です。チームでも個人でも勝ち切ることができませんでした。僕としては課題の残る大会だったと感じています。

ーー自身のプレーで通用したなと感じた部分は
リアクションと最初の当たりは勝ててたかなとは思いました。ただそのあとのプレーの部分で負けているなとは感じました。

ーー海外の選手と戦って感じた日本の選手との違いは
日本と比べて体のサイズが違いましたし、タックルしても全然倒れないしつこさ、しぶとさは違って感じました。

ーー戦っていく中で見えてきた自身の課題は何だったか
スピードでもっと相手選手に追いつけないといけないなと感じました。パワーではそこそこ渡り合えたので、もっとスピードを磨いて相手に触られないような動きを身につけていきたいです。

ーーそのために今後行っていきたいトレーニングは
スナッチのような瞬発系のトレーニングの意識を上げていきたいです。体力面の課題も見えたので、外での持久系のトレーニングを増やしていければと思っています。

ーー国際大会で初のアメリカ戦勝利。感想は
素直に嬉しかったです。自分がいいプレーもできましたし、悪いプレーも出たので今後に繋がる収穫も多かった試合でした。

ーー刺激を受けた選手はいるか
日大の選手たちが5人程いたんですけど、彼らは気迫が違いました。アメフトへ対する熱量の高さ、周りを鼓舞する姿勢は自分も見習っていきたいなと感じました。

ーー今回の経験を法政の選手たちにどのように還元していきたいか
日本一を目指してやっている中で、勝たなきゃ意味が無いということを伝えたいです。1位以外は注目してもらえないので、何としてでもこの夏の練習で自分が得てきたものを伝えていけたらなと思います。

ーー今後に向けて
まずはこのチームで日本一を取りたいです。その先は、社会人も含めたアメフトの日本代表に選ばれる選手を目指していきます。

(取材:白戸大貴)

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