【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー⑤~篠木健太郎投手~

篠木 健太郎 投手

ーーこの秋の結果をどう受け止めているか
4年間優勝なく終わるのは悔しいですが、その中でも自分の中で成長できることも多かったし、この秋は今までで1番投げさせてもらって、1番充実したシーズンを過ごせたなとは思ってます。

ーーこの秋リーグ期間、投球数も多かった中で体力面については
ずっと1戦目と3戦目を投げて勝ちたくてやってきていて、練習もそのためにやっていることもあったので、めっちゃきついとかはなかったです。

ーー体力強化として取り組んできたことは
絶対このチームの中で翔瑛(吉鶴、営4=木更津総合)と自分が1番走ってたと思います。週5、6でずっとトレーニングを続けてきて、誰よりもやった自信はあるので、そういったところは自信を持ってますし、活きたかなと思ってます。

ーー疲労が溜まった時のケアで自分なりに工夫したことは
ケアは、投げた日に絶対マッサージを受けに行くこと。あと、年々たくさん食べられるようになってきてるので、リーグ戦中はよく親と食事に行くのですが、そこでもたくさん食べさせてもらって回復しています。(もともと食は細かったのか)いや、そんなこともないです。ただ入学当初は食べるの遅かったりして、みんなを待たせてしまうこともありました。(同期で1番食べるのは)安達(壮汰、営4=桐光学園)と、ヤス(𠮷安遼哉、法4=大阪桐蔭)は量も食べられるし早いです。

ーー入学からどれくらい体重が増えたのか
入学してから多分6、7kgです。MAXで9kg増えたのですが、動きやすいようにしたりしていたので現状だと6kg程増えました。

ーー秋のリーグ戦、立大戦第3戦を振り返って
3戦目以降は、先発するにしても何にしても、もう気持ちだと思ってやっていたので。すごく勝ちたい気持ちがそのまま形になってくれた試合だったかなと思ってます。

ーー投げた試合8試合、全て7回以上投げて3失点以下だったがこの安定感の要因は
もう少し防げた失点もいっぱいあったので安定感については完全に納得していないです。ただ、下級生の頃よりどうやって試合を運んでいきたいかであったり自分がどういうピッチングをしたらイニングを重ねた時に有利に進められるかというのを、ある程度頭で整理した中で試合を投げられるようになったからだと思います。

ーーメンタル面の成長については
2年生の頃から先発を始めて、年々周り見ながら投げられるようになったと思います。1番はピンチの時にギアを何度も上げられる、熱いところは成長させてもらったかなと思ってます。

ーー試合前に対戦相手のデータをどこまで頭入れるのか
ぼやっと見て、1発のあるバッターは1発出るコースだけ頭に入れておいて、それ以外はマウンドで感じたように投げてます。(結構感覚で投げているのか)そうですね。データは最後の最後に頼るものだと自分の中では思っていました。試合中はその場で感じた雰囲気を大事にするようにしてます。

ーー今季は高校の後輩・中西祐樹(法2=木更津総合)選手と全試合バッテリーを組んだ
中西が入学してきた時から、組める時があったらいいなとは思っていたので実際に組めてうれしい気持ちもありました。 僕が違うって思った球を投げた試合もありましたけど、それは中西の勉強になってくれたらいいなと思って投げました。中西だからそういうこともしようと思えたし、努力積み重ねられる選手なので、これからも頑張ってほしいなと思います。

ーー高校の時から中西選手の印象が変わったことや変わらないところは
野球に対してすごく真面目なのは高校生の時から変わらないです。高校生の時より、ズバッと思ったことを伝えてくれたり「これどう思いますか」と提案もしてくれるようになりました。考える幅を自分の中で持っているんだないうのは組んでて感じてました。

ーー今季キャッチャーが変わったことで、球種の増減などは
カーブを意図的に増やす試合もあったり、あとは大きめに曲げるスライダーの方が多かったり、試合によって色々ありました。

ーーキャッチャーとして中西選手の良さは
守備の面はすごい安定感ありますし、盗塁を刺してほしい時に刺してくれる印象が僕の中であります。(リーグ戦の中での成長は)最初は多分緊張してたと思うし、2年生で気を遣うことも多く大変なリーグ戦だったと思うのですが、その中でも最後は最初の頃には無かった自分への声かけがありました。

ーー打者としては
周りのバッターが初球から行けるようにツーストライクまで自分の中で決めて振らないようにしたり、試合の中での役割を自分で整理しながらやるべき事の選択ができるところです。

ーー今季1番の投球はどの試合か
最後の明治戦です。1番ストレートの感覚がよかったです。(ブルペンから調子がよかったのか)そうです。(試合の間隔が開いた方が投げやすいのか)1週間に1回が1番いいペースです。間隔が空きすぎても打者感がなくなってしまうので。

ーー1試合投げる上で、自分の中でコンディションの調整は
試合の2日前が最後のプルペン調整なので、それまでに軽いキャッチボールから強度を上げていく感じです。オフの日はノースローにします。(オフの日は)トレーニングにいきます。

ーー1年生の最初は怪我で始まっているが
高校の最後から痛くて投げるのをやめていて、大学入学してからゆっくりでいいよと。(高校までで怪我は)特にしたことはなかったです。

ーー1年の春は出場していないが、いつから投げ始めたのか
1年夏のオープン戦です。そのオープン戦から投げさせてもらってそのまま秋のリーグ戦です。

ーー初めて神宮のベンチに入った時の思い出は
1年生から神宮に立たせてもらえる人はすごい限られた一握りの選手だと思うので、その数少ない経験をさせてもらえたのはすごく自分としても活きるものがあったと思います。

ーー初登板を今思い返してみて
ただ全力でバッターに投げるだけの、余裕のないピッチャーだったなと思います。(1年秋の早稲田戦でのピッチングに関しては)その試合は0対0だったので、絶対点を取られたらダメだなと思っていました。多分山下さん(輝、令4年卒=現・ヤクルト)が投げた試合で、山下さんが投げやすい声掛けをしてくださったので意外と楽しめた試合でした。

ーー背番号18になった時について
新チームが始まって、年明けに背番号が振り分けられる時に決まりました。(自ら欲しいと言ったのか)自分は26のままでもいいかなと思ってましたが、先輩方やいろんな人の声もあってつけさせてもらいました。

ーー最初の背番号26は三浦銀二選手(令4年卒)がきっかけなのか
はい。最初の26は、銀二さんの番号を受け継がせてもらいました。

ーー最初に同期から受けた印象は
関西の人が多い学年なんで、方言すごいな、関西弁すごいなとは思ってました。

ーー自分以外の同期の投手の中ですごいと思った選手は
山城(航太郎、キャ4=福岡大大濠)と安達はYouTubeなどで元々知っていました。なので1番衝撃を受けたのは阿部(巧雅、文4=上田西)です。(どのようなところが)球が速かったし、スライダーとチェンジアップがいいなと思いました。

ーー同期は最初フレッシュに出てた中で、スタンドから見ていて焦りは
焦りがないわけではない。自分も負けないようにしたいなと思いました。

ーーストレートの回転数は
データをもらっているのですが、2300から2400ぐらいです。(成長的な部分は)僕が気にしてる数値はちゃんと理想に近いようになっています。(気にしている数値とは)エクステンション、縦変化、縦入射角の3つです。

ーー数値を気にするようになったきっかけは
今年の代表の時にトラックマンの星川さんから説明を受けたことです。今年まではデータの数字よりも対バッターをとても気にしていましたが、今は数値も見ながらやるようにはなってます。

ーー髙村祐助監督に教わって印象的だったことは
球速帯の話と、変化とストレートをグラフにした時の変化がこう曲がったらいいなみたいな話はされたと思います。あと夏場に、「勝つために投げろ」と言われたのが1番印象に残っています。(野球以外の話をすることは)結構あります。僕もふざけて話しかけるので、返してもらえてありがたいです(笑)。
ーー大学に入ってから1番衝撃受けた選手は
青山さん(美夏人、現・西武)のカーブに衝撃を受けました。2年生の時の大学日本代表のピッチャーの変化球がすごいなと思いました。橋本さん(達弥、現・DeNA)のフォークもすごいと思いました。(DeNAで一緒になるが連絡は)よろしくお願いしますと連絡しました。代表の時から仲良くさせてもらっていて、とても優しいです。

ーー来年、期待してる選手
藤森粋七丞(キャ3=青森山田)です。(魅力は)野球に対して熱心ですし、1番は負けず嫌いなところで日々の積み重ねができる子なのでいい方向に頑張って欲しいと思います。

ーー4年間過ごしてきた監督への想い
優勝をプレゼントすることはできなかったんですけど、僕の投げさせてくれっていう気持ちを汲み取ってくれて投げさせてもらってましたし、そういう経験があるから、色んなものを得れたと思うのでとても感謝しています。

ーー高校から7年間共に過ごした吉鶴翔瑛選手(営4=木更津総合)とは別の道に進むが
仲間でありライバルである選手と7年間一緒に野球できることはなかなかないと思うので、貴重な出会いをさせてくれた木更津総合高校や法政大学には感謝しています。やっぱり翔瑛がいなかったら今の僕もないので、すごく感謝しています。またいつか同じユニフォーム着て、どんな形でも野球できる日が来たら幸せかなと思ってます。それまで翔瑛も頑張ると思うので、僕も負けないように頑張っていきたいです。(先日はテレビでも放送されたが反響は)僕もあれ見て涙出ましたし、周りの人からも感動したって連絡がきました。マネージャーの上中咲葵(文4=西武学園文理)も泣いたみたいなのであとで聞いてください(笑)

ーー引退した今、したいことは
あまり遊びたいとかお酒飲みたいとか思わないので、やっぱり美味しいものが食べたいです。(食事を)今までは近場で済ませていたのを、少し範囲を広げてみたいです。野球しないとうずうずしちゃうので、今日も朝6時から粋七丞を外に連れ出して野球してました。

ーー引退してから毎日練習しているのか
とりあえず1週間は投げないようにしたかったので、ゆっくりしていました。今週からちゃんとボール投げてます。チームには混ざれないので、多分翔瑛と一緒に練習すると思います。年内いっぱいまでは残って野球をするつもりです。

ーーファンの方へ一言
4年間応援ありがとうございました。来年以降も後輩たちが『強い法政』を取り戻せるように頑張っていくと思いますので、 ぜひ神宮球場に足を運んでいただいて応援していただけると僕としても嬉しいです。よろしくお願いします。

(取材:矢吹大輔)

篠木健太郎(しのぎ・けんたろう)
経営学部4年・2002年5月7日生まれ
群馬県出身・木更津総合
177cm 75kg・右投左打
今季成績:8試合 59回 52奪三振 与四死球22 防御率2.59 3勝2敗
『法大のエースとして神宮に長きにわたり君臨した右腕。10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議では、横浜DeNAベイスターズに2位指名を受けた。ノビのある直球と切れ味抜群の変化球を武器に、”圧倒的な投手”になることを目標にプロの世界へ。』

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

【秋季リーグ直前インタビュー一覧(公開次第更新いたします)】

𠮷安遼哉主将(法4=大阪桐蔭) 【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー①~𠮷安遼哉主将~ – スポーツ法政
武川廉副将(人4=滋賀学園) 【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー②~武川廉副将~ – スポーツ法政
西村友哉副将(法4=中京大中京) 【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー③~西村友哉副将~ – スポーツ法政
黒坂夏希主務(営4=法政) 【硬式野球】秋季リーグ振り返りインタビュー④~黒坂夏希主務~ – スポーツ法政
篠木健太郎(営4=木更津総合)
吉鶴翔瑛(営4=木更津総合)
山城航太郎(キャ4=福大大濠)
安達壮汰(営4=桐光学園)
野崎慎裕(営3=県岐阜商)
倉重聡(営1=広陵)
松下歩叶(営3=桐蔭学園)
石黒和弥(法3=高岡商)
藤森康淳(営2=天理)
中西祐樹(法2=木更津総合)
熊谷陸(人1=花巻東)
内海壮太(法4=御殿場西)
中津大和(営4=小松大谷)
姫木陸斗(人4=日大藤沢)
鈴木大照(文4=明徳義塾)
姫野翔学生コーチ(現4=大分鶴崎)
鈴木大紀学生コーチ(法4=法政二)
中山大輔アナリスト(営4=法政二)
大島公一監督
髙村祐助監督

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