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【硬式野球】大島公一監督が振り返る今季の戦いぶり!4位に終わった悔しさを晴らすべく指揮官は秋の優勝を見据え夏を迎える(春季リーグ戦振り返りインタビュー①)

大島 公一 監督

ーー今シーズンを振り返っていかがですか
どうなんでしょうね。苦しいシーズンでしたかね。優勝を目指していった中では、結果的には優勝できなかったっていう状況もありますし、なかなかうまくいかなかったシーズンかなと思います。

ーーご自身の中で最も印象に残っている試合は
早稲田戦の2戦目ですかね。

ーー早大2回戦がベストゲームということだが1戦目と2戦目見違えるような戦いぶりだった。何か声かけやミーティングはしたのか
特に僕が何かしたっていうわけじゃないですけど、早大の初戦や立大戦の反省を活かし、選手たち自身が「このままではいけない」と意識を変えた結果、チームとして方向性が見え、まとまりが生まれた試合になったと思います。

ーー早大2戦目はスタンドにも「執念」が伝わってきたが、あの空気は選手が主体となって作りだしたのか
うん、それは松下を含めた学生コーチとかスタッフがよく働きかけたのかなと思います。

ーー早大2回戦を機に藤森康選手の気持ちがよりスタンドにも伝わってくるように感じた。藤森康選手の今季の活躍ぶりの評価は
年々ね、本当に野球の質が上がってきてるし、成績も伸びてきてるので、積極的に行きながら、でも冷静な部分もあって、さらに追い込まれてから粘り強さと、非常にいい働きをしてくれてるなっていう感じはしています。

ーー立大1回戦と早大2回戦、永野投手の投球がまるで別人のようだったが、何か変えさせたのか
いや、それも特にないんですけど、本人たちがやっぱりやっていきながら、経験を少しずつ活かしていってくれたなっていう思いで見守ってました。当然全部がうまくいくわけではないんだけど、やっぱうまくいかなかった部分をやっぱ好転させたりとか、うまくいってる部分を継続させたりとか、そういうのが少し成績に繋がりつつあるかなっていうのを感じたのがこの早大2回戦だったと思います。

ーー開幕戦から振り返っていきたいと思います。開幕戦では、松下選手の送球が遅れてサヨナラ負けとなってしまったが、大島さんご自身はあの場面をどのように捉えているか
場面というよりも、全体の流れとして、やっぱり全体固かったなっていう、経験値って大きいんだなっていうのをすごく考えさせられた1試合でした。オープン戦でやれていることが、やっぱり開幕になるとやっぱガチガチになってできなくなるし、思うように体が動いてないなっていうのがありましたね。開幕戦の難しさを本当に感じた試合でした。

ーー立大2回戦ではいきなり松下選手、浜岡選手ら4年生を外したが、意図は
まあまあ、他のいい選手もたくさんいるっていうところと、いろんな複雑なところはありましたね。

ーー小川選手が4番サードというのは開幕前おっしゃっていたように内野の穴埋めだとは思うのだが、6番レフト川崎選手は正直意外であった。なぜ川崎選手だったのか
川崎もバッティングにやっぱいいものを持っていますし、オープン戦の時もレフト守っていました。そういう意味では、あの時点で浜岡の次に次ぐのは川崎だったっていうのが、正直なところです。

ーー東大戦よりそのレフトに片山選手を起用した。起用の決め手は
ずっと状態も良かったしですし、リーグ戦代打代打で経験をしながら、どっかのタイミングで得点力を上げたいっていう気持ちがあったので、3番にハマるのは誰かなっていうところで、今回片山がハマったっていう状況ですかね。ちょっと意外と迷ってるところがあったんで、そこはいつかは使いたいっていうところと、片山状態が良かったのと、相手投手が渡辺向輝だったところが加味された結果かなと思います。

ーー東大戦からは熊谷選手を6番に当てはめた。3番より6番に適性を感じたのですか
下位打線のところにチャンスが回ってくるなと感じていたので、非常に6番バッターは僕にとってキーポイントだったんですね。そういう意味では3番とか2番とかっていう選択肢もあるんですけど、松下の後にやっぱ得点力を上げたいっていうところで6番にその時は置きました。

ーー打線の組み替えの甲斐もあり、東大2回戦では打線が爆発して10得点以上を奪った。チームとしても特に勢いが出るきっかけになった試合になったのでは
やっぱり3カード目っていうところで、やっぱだんだん、だんだん自分たちのやるべきことがわかってきたというか、ペースを掴めてきたというか、それが少し東大戦でうまく噛み合ったのど、それが自信になったかなとは思います。

ーー巷では「東大キラー」と呼ばれるほど熊谷選手は東大を得意としているが、今季も東大戦をきっかけに調子を上げた。大島さん目線で理由を
いや、それはわからないですけど、ほんと渡辺向輝投手はやっぱり強敵なんでね。そう言った状況の中でほんとに熊谷がよく打つなって感心してました。

ーー熊谷選手は逆方向に低く強い打球を意識しているの昨年のインタビューで伺ったが、渡辺向輝投手を攻略するコツはそこだったのか
それもそうなんだけど、それを意識しすぎちゃうと、結構詰まってフライアウトが多くなってしまうので、非常に難しいところかなと思います。結果的には熊谷は特にいいライナーがたくさん飛んでましたね。

ーー慶大初戦では開幕前にレギュラー固定とおっしゃっていた中村騎士選手が、リーグ戦初本塁打を打った。リーグ戦を通し非常に伸びた選手の1人に思えるが、大島さんの評価は
いやいや、まだまだこんなものじゃないです。もっと打たないと。彼の力からすると、こんな成績で終わる選手じゃないし、まだまだ成績を上げられるのかなと思います。(その中であの本塁打はどう思いましたか)ホームランも打てる力も見ての通りあるし、もっと率も残せるいう選手でもあるので、野球が上手な選手だと思いますし。まだまだ結果が試合に出てこないのでもっと頑張ってほしいなという気持ちです。

ーーこのカードから、投手陣に赤間投手という選手が加わったと思うのですが、赤間投手の登板はどう映ったか
難しい場面で初登板だったとは思うんですけど、満塁からフォアボールを出して三振、三振と、赤間らしいというか、いつも飄々と投げるタイプなので、当然初登板のいきなりのワンアウト満塁のところは動揺してフォアボール出してしまったけど、そのあとはほんとに落ち着いて自分の力を発揮してくれたなと思います。

ーー赤間投手に並び、慶大戦では山床投手をかなり積極的に起用していることが印象的だった。山床投手への信頼は
どの場面でも自分の力発揮してくれるし、状態もほんと良かったのでね。本当に慶大線、または明大戦は相当信頼して起用したなと思います。

ーーこのカードより結構キャッチャーの起用法が、只石選手→中西祐選手→土肥選手と3人で繋ぐ起用法が確立されたと思うのだが、どういうお考えだったのか
特にそんな理由はないですけど、只石の足の状態が悪くなったんです。只石がなんかあった時には中西祐を起用することは決めていました。
なので中西祐と、土肥の起用に関しては、赤間も含めて左ピッチャーに対しては非常に上手なリードをするなといつも見てたので、左と組ませて起用するというのは考えていました。(だから赤間さんとセットの起用が多かったのですね)赤間ともそうだし、古川ともそうなんだけど、左ピッチャーとは非常に上手にリードするっていうのが僕の印象だったので、今回は活用させてもらいました。

ーー慶大4回戦では永野投手が2回でアクシデントで降板になってしまった。その後緊急登板の小森選手にどのような声かけをしたか
どのような声かけ。特にはないけど、永野がもうギリギリのとこで投げてたんで、無理をさせてしまって本当に申し訳なかったなと思うけど、行けるとこまで行ってもらうという状況だったので、よく投げてくれたなと思いますし、そのあとはもう小森でいく予定でしたから。ちょっとアクシデントはあったといえ、起用に関しては想定内だったかなと思います。

ーー明大1回戦の先発を野崎投手ではなく古川投手に任せた理由は
結局野崎も慶応4試合で3試合に投げていたので。中2日で行くことになるっていうところを考えると、もう1日空けるべきかなって思ったんです。球の状態と内転筋の痛みにこのシーズンずっと苦しんいたので、無理をさせられなかったです。古川を先発させた理由は東大戦で先発を経験してる分経験値があることと、左ピッチャーの方が分がいいかなっていう、この2点を考えて古川を先発させたと記憶しています。

ーー野崎さんが明大2試合目で好投を見せて、明大の優勝を阻止したが、どのような思いでその試合を見守っていたか
法明戦なのでね。やっぱり簡単に負けたくはなかったし、もうあとがないのはわかってたので、最善を尽くすこと。ピッチャーも連投も辞さない状況で待機もさせましたし、次の日のことをあんまり考えずに明大2回戦はやったっていう状況だったのですが、選手たちもすごく燃えてくれたというか、初回からやっぱいい攻撃があって、先制点を取れたっていうところが、早大2回戦と近いものがあって、すごくいい試合だったかなと思います。

ーー選手達の空気感含めてどうしても明大に優勝をさせないという思いがあったのでは
もちろんです。優勝が決定する試合ですし、法明戦っていうのも我々にとっては燃える条件なので、なかなか明治には近年勝ち点を挙げられていないっていうところもあり、今回も勝ち点は取れなかったけど、あっさり負けて行くわけにはいかないっていう気持ちは非常に選手たちも持ってくれてたなとは思います。

ーー今季の最終戦では松下さんの本塁への送球が逸れてしまい、その失点が負けに直結してしまった。送球は課題になるのでは
そうですね。スローイングっていういうのはやっぱり永遠の課題になるかなって思います。
守備のやっぱり6割から7割ぐらいは送球ミスう、人工芝になればまたミスの確率が高くなるのかなとも思うので、それは永遠の課題です。
その上であの場面のエラーがって言うけども、その前に、取れるとこで得点が取れなかったりとか、僕の継投ミスで継投がちょっと遅れたとこで点が入ったりとかしてるので、そこだけがクローズアップされる負けではないんじゃないかなとは思います。

ーーこの試合で見事ホームランも打って、1年生ながらベストナイン受賞も果たした境選手の活躍は
本当に難しいリーグ戦だったとは思います。まず新たな環境に慣れるだけでも大変だった中で、ここまで成績を上げたことには、彼の持っている力の大きさを改めて感じましたよね。その一方で、最後の打席が三振で終わった場面には、まだ課題も残っていると感じましたし、ここで満足せず、今後さらに飛躍してほしいと思います。慶大戦では外の変化球で三振する場面もあり、調子を少し落としていたと感じる場面もありましたけどそれでもリーグ戦の合間をうまく活用し、自分なりに修正を重ねてきたのかなと思います。そういった切り替えのうまさや、気持ちのタフさが彼の強みなのではないでしょうか。どんな状況でも自分のスタイルを大きく変えない姿勢に、内に秘めた強さを感じますよね。

ーーシーズン通して松下選手は主将としても選手としても苦しんでる印象だったが、リーグ戦全体を通して松下選手を総括すると
全体を見ながらね、自分のプレーをしなきゃいけないっていうところの難しさはあったと思いますし、その経験が今後大きく生きてくれたらなとも思いますし、彼は賢い人間なのでよくわかってるとも思いますし、苦しい中でもやっぱり3割もしっかり打ってるし、いいところでもやっぱホームランも出してるし。そういう意味ではますます伸びていってもらいたいなと思います。

ーーリーグ戦通して左の代打で井上和選手、右の代打で山田選手だったり期待の1年生、ビッグネームと呼ばれる1年生が代打で活躍したが、彼らの存在の意味は
どんな意味があるんだろう。今実力があるし、僕は打ってくれるだろうとやっぱり信頼して使うわけで。その先には彼らが早くレギュラーになってもらいたいっていうのがあるし、その順序の中で今回は代打が多かったかなと思うけど、その中で結果を残す、内容のいいものを示してくれるっていうことは、レギュラーに近づいてるところでもあるので、どんどん、どんどんそういう選手はたくさん増えてきてもらいたいな、高いレベルでやっぱ競争してもらいたいなと思ってます。

ーー今季は投手陣の課題が浮き彫りになったが、この夏投手陣の強化ポイントは
やっぱり結局タフさが必要だよね。2、3連戦を勝ち切るっていうのは。今回1つ勝っても3連戦を勝ち切れなかった。技術的な部分も体力的な部分も含めて、足りない部分が多かったかなと。そういう意味ではタフさが必要になるとは思ってます。だから完投できるピッチャーはどれだけ作れるかっていう。今回1番最長イニング投げた投手でも6回か7回ぐらいだったと思うので、完投できる選手をどれだけできるかっていうところが今後の課題かなと思ってます。

ーーその中で投手陣の中心となってほしい選手を今一度あげるとするなら
野崎であったり、それこそ小森であったり。今季の経験ををやっぱ活かしてもらいたいですよね。春エース級として登板した2人。この経験をどう秋に活かしてくれるかなと。土日に先発できるピッチャーは1戦目、3戦目とか2戦目、3戦目連投できないと意味がない。価値がない。相当過酷で。今回は慶大、明大戦で9日間で7試合あったんですよ。これに耐えうる投手力を作っていかないとってなると、相当な練習量と精神的なタフさが必要になるかなとは思います。

ーー槙野投手のような新戦力も台頭しましたが、将来の柱として期待しているのでは
1年生から使ってる選手とか下級生で使ってる選手は当然今実力あるのはそうなんだけど、まだまだ伸びるだろうと。1年後、2年後、または1ヶ月後、成長するであろう選手を使うべきだと思ってて。大学生で1番成長速度が上がってきてもおかしくないので、現状維持しようとするよりは、挑戦する人ばっかりの集まりになってもらいたい。成長するっていうことが大前提だから。
当然槙野もそうだよね。4年生の時には当然中心選手になってもらわなきゃいけないし、来年からでも、もしくは秋からでも中心になってくれたら、土曜日投げれる選手になってくれればそれは1番ありがたいことで、そこに学年は関係ないと思います。

ーー最後に秋に向けた意気込みを
この春の悔しさとか経験をどう活かしていくか、私自身の課題でもありますから、他大学に負けないチーム作りのために日々努力していくしかないと思いますし、私自身も小宮山監督や戸塚監督、堀井監督、木村監督、大久保監督に負けない監督になれるように努力したいと思っています。

(取材:中山達喜)

大島 公一(おおしま・こういち)
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄→オリックス→東北楽天

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

【秋季リーグ直前インタビュー一覧(公開次第更新いたします)】

大島公一監督
髙村祐助監督
松下歩叶(営4=桐蔭学園)主将
野崎慎裕(営4=県岐阜商)
永野司(営4=倉敷商)
赤間梢吾(キャ4=法政二)
小森勇凛(キャ2=土浦日大)
槙野遥斗(営1=須磨翔風)
山床志郎(文2=高鍋)
中西祐樹(法3=木更津総合)
土肥憲将(キャ3=鳴門)
今泉秀悟(キャ2=石見智翠館)
只石貫太(営1=広陵)
井上和輝(営1=駿台甲府)
中村騎士(営2=東邦)
熊谷陸(人2=花巻東)
小川大地(営2=大阪桐蔭)
浜岡陸(法4=花咲徳栄)
藤森康淳(営3=天理)
片山悠真(文3=八王子学園八王子)
境亮陽(営1=大阪桐蔭)

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