全日本学生アメリカンフットボール選手権 準々決勝 対立命館大
2025年11月22日(土)
神戸ユニバー記念競技場
負けたら終わりの一発勝負。全日本大学選手権・準々決勝は昨年甲子園ボウルで敗れた立命館大学と激突した。試合は第1Qから先手を取られる展開となる。それでもWR山本健二朗(情4=日大二)のTDもあり、必死に食らいつく。後半も反撃に出た法大だったが、最後まで逆転することが出来ず。勇敢に闘い抜いたが、悔しい敗戦となり、悲願の日本一は来年以降へ持ち越しとなった。
試合結果
トータル試合結果
|
法政大学ORANGE |
0 | 1Q | 14 |
立命館大学PANTHERS |
|---|---|---|---|---|
| 10 | 2Q | 7 | ||
| 0 | 3Q | 7 | ||
| 12 | 4Q | 14 | ||
| 法政大学ORANGE | 22 | Total | 42 | 立命館大学PANTHERS |
試合得点
| Q | ポジション | 選手 | 得点方法 | トライフォーポイント(以降:TFP) |
|---|---|---|---|---|
| 2 | WR | 山本健二朗(情4=日大二) | タッチダウン(以降:TD) | ○ |
| 2 | K | 鎭野涼太(社3=法政二) | フィールドゴール(以降:FG) | ー |
| 4 | WR | 阿部賢利(営3=法政二) | TD | × |
| 4 | LB | 瀧川元熙(営3=佼成学園) | TD | × |
戦評
全日本大学選手権・準々決勝、負けたら終わりの一発勝負。昨年甲子園ボウルで敗れた立命館大学と激突した。
試合はK高城颯真(経4=法政二)のキックオフで開始され、立命館大の攻撃は敵陣37ヤードから。すると相手の蓑部、漆原の両RBのランプレーを止められず。3度1stダウンを更新され、自陣25ヤードまで前進されてしまう。さらにランプレーで8ヤードゲインされて迎えた、2nd&2。漆原にランTDを許し、TFPも決められ、0-7と先制されてしまう。再開後の法大最初のシリーズは自陣25ヤードから。しかしこの攻撃を3rdoutに抑えられ、攻撃権は立命館大へ。敵陣34ヤードからの攻撃は1st&10で法大にパスインターフェアランスの反則があり、15ヤードの罰退となってしまう。その後はDB浅賀大生(デザ4=法政二)やLB林凌平(営4=法政二)らのタックルがあるも、相手のランを止められず。自陣ゴール前9ヤードまで前進されると、相手がフォルススタートにより5ヤードの罰退があるも、3rd&7 でTDパスを通され、0-14とリードを広げられたところで第1Qが終了した。

何度も鋭いタックルを見せた浅賀
第2Qは自陣35ヤードから、法大の2nd&12の攻撃で開始。いきなりRB小松桜河(文4=日大三)がロスタックルを受けるも、続く3rd&13でQB 齊藤空大(法4=駒場学園)からWR高津佐隼世(キャ4=佼成学園)へのパスが通り、自陣48ヤードまで前進する。さらに中央へ入ってきたWR阿部賢利(営3=法政二)へのパス成功により、敵陣35ヤードまで前進し、高津佐のランにより5ヤードをゲインして迎えた2nd&5だった。齊藤からバックパスを受けた阿部が、WR山本健二朗(情4=日大二)へのパスを通し、そのままTD!TFPをK鎭野涼太(社3=法政二)が沈めて7-14と点差を縮める。

流れを引き寄せる山本のTD
再開後の立命館大の攻撃は敵陣46ヤードから。ランプレーにより自陣46ヤードまで前進されるも、その後の2nd&6 で立命館大にパスインターフェアランスがあり、15ヤードの罰退となる。さらに直後の2nd&longでDB岡村裕(キャ3=佼成学園)が激しいロスタックル。法大に勢いをもたらすも、直後の3rd&longだった。左サイドへパスを通されると、RACを止めることができず、そのままTDを奪われてしまい、7-21と再び突き放されてしまう。それでも再開後のキックオフをRB今手太陽(キャ1=駒場学園)がビッグリターン!敵陣27ヤードからの攻撃となる。しかしこのシリーズでは1stダウンを更新できず、4th&3となったところでFGを選択。これを鎭野がきっちりと沈めて10-21と点差を詰める。

FGを決める鎭野
再開後の自陣44ヤードからの立命館大の攻撃はDB 佐茂竜太朗(法4=箕面自由学園)のノーゲインに抑えるタックルもあり、4th&7まで追い込む。ここで立命館大はギャンブルプレーを選択。これがパス不成功に終わったかに思われたが、法大にオフサイドの反則があり、5ヤードの罰退となり、4th&2となってしまう。立命館大が続けてギャンブルプレーをするも、DL中村季音(営4=駒場学園)の激しいタックルにより、1stダウン更新を許さず。攻撃権は法大へ。自陣36ヤードからの攻撃は齊藤のキープと阿部へのパス成功により、敵陣31ヤードまで前進する。しかし2nd&10でディレイオブゲームの反則による5ヤードの罰退もあり、TDは奪えず。それでも4thダウンで法大はFGを選択。しかしこれを沈められず、10-21で試合を折り返した。

ギャンブルプレーをタックルで抑えた中村
第3Qは阿部のリターンで開始され、法大の攻撃は自陣34ヤードから。しかしこの攻撃は3rdoutに抑えられ、攻撃権は立命館大へ。敵陣26ヤードからの攻撃は右サイドへのパスや相手QB竹田のキープもあり、ハーフライン50ヤードまで前進される。さらに3rd&10で法大にフェイスマスクの反則があり、15ヤードの罰退となってしまう。さらに2度のパスプレーにより、自陣ゴール前7ヤードまで前進されると、最後は3rd&1でランTDを許し、10-28と点差を広げられてしまう。再開後の攻撃は、自陣26ヤードからとなるも、3rdoutに抑えられてしまい、攻撃権は立命館大へ。敵陣32ヤードからの攻撃は蓑部と漆原の両RBのランにより、自陣39ヤードまで前進されるも、その後の攻撃で立命館大に無資格レシーバーのダウンフィールドへの侵入の反則もあり、TDは許さず。10-28で勝負は最終第4Qへ。

リターンで存在感を示した今手
最終第4Qは自陣31ヤード、立命館大の3rd&2の攻撃で開始。DL赤穂谷怜旺(法1=法政二)のタックルがあるも、ランプレーにより自陣15ヤードまで前進され、迎えた1st&10。中央を駆け抜けられるランTDを決められ、10-35と苦しい展開になってしまう。今手のリターンにより、再開後の攻撃は自陣43ヤードから。小松のランプレーや、WR須加泰成(営4=足立学園)へのパス成功もあり、敵陣16ヤードまで前進する。すると1st&10で齊藤から阿部へのTDパスが成功!さらに点差を詰めたい法大は2ポイントコンバージョンを狙うも、これは失敗に終わる。それでも13-35と点差を詰めることに成功。

TD後に大場秀人(法2=駒場学園)と喜ぶ阿部
再開後のオンサイドキックは相手に抑えられ、立命館大の攻撃は自陣46ヤードからとなるも、浅賀の鋭いタックルやLB瀧川元熙(営3=佼成学園)の3ヤードに抑えるタックルもあり、迎えた3rd&7だった。ここで瀧川がpick6のビッグプレー!再び狙った2ポイントコンバージョンは失敗となるも、22-35と流れを法大に呼び込む。

pick6のビッグプレーを見せた瀧川
それでも再開後のオンサイドキックを抑えられ、自陣46ヤードからの攻撃となると、2nd&7だった。右サイドを駆け上がられ、痛恨のランTDを奪われてしまい、22-42とまたも突き放されてしまう。意地を見せたい法大は、再開後の攻撃で高津佐へのパス成功により前進を図るも、敵陣37ヤードからの2nd&10で痛恨のパスインターセプトをされ、万事休す。その後はニーダウンにより時計の針を進められて試合終了。22-42で敗戦を喫した。

試合後の選手たち
日本一に向けて何としてでも倒さなければいけない相手だったが、悔しい敗戦を喫した法大。4年生は今試合をもって学生フットボールに幕を閉じることとなった。下級生はこの悔しさを糧に来シーズンへ。悲願の日本一に向けて再び歩みを進めていく。(記事・白戸大貴)
選手インタビュー
DL・主将/矢満田衛良(文4=法政二)
ーー試合を振り返って
今日の試合に関しては、正直に言うと本当に勝てるんじゃないかなと思った試合だったけど、最後細かい部分の詰めの甘さが出てしまって、スコアとしては負けるという結果になってしまったのかなと思ってます。
ーー改めて1年間を振り返って
本当に全員に支えられた主将だったなと感じています。僕自身何か特別な選手でもないですし、何か長けた能力があるわけでも、長けたリーダーシップがあるわけでもないなか、ここまで最後までフットボールが出来たというのは、本当にチーム全員が僕を支えてついてきてくれたからかなというふうに思う、そんな1年間だったなと思います。
ーー同期はどんな存在だったか
俺らの同期は本当にふざけてるやつらが多くて、楽しいやつはなんですけど、それゆえ結構コーチとかに怒られたりとかもありました(笑)。でもフットボールが大好きなやつらなので、切り替えが出来る本当に良い同期だし、フットボールを今日で引退しますけど、引退した後も定期的に会ったりしたいなと思える同期でした。
ーー応援してくれた方へ
法政フットボールをいつも応援してくださり、本当にありがとうございます。本日立命館大学戦に敗戦いたしまして、我々の目標とする日本一には届きませんでした。しかし、我々の組織の目的として人間的な成長、また社会出て活躍できる人材になるという目的は、ここから引退した自分たちが体現していくので、今後とも法政フットボールの応援、よろしくお願いします。また1年間本当にありがとうございました。
(取材・白戸大貴)
WR/高津佐隼世(キャ4=佼成学園)

写真中央
ーー現在の心境は
率直に悔しいです。日本一を目指していたので、達成できなかったことが悔しいです。このチームでもっとアメフトがしたかったです。
ーーオフェンスリーダーとして過ごした1年間はどうだったか
オフェンスリーダーとして中川達也(法4=明治学院)と共にやってきました。達也も頑張ってくれましたし、QBの齊藤空大(法4=駒場学園)が1番頑張ってくれました。何事にも隙なくやってくれましたし、オフェンスを最終的にまとめるのも空大でした。達也と空大には感謝しています。
ーー4年間を振り返って
長いようで短い4年間だったと思います。1年生のときから試合に出させてもらって、1年生のときは早大に負けて甲子園に行けませんでした。2、3年生のときは甲子園ボウルで負けて、最後の年でいろいろな方への恩返しも含めて、日本一になりたかったですが、達成できずに悔しいです。
ーー法大で成長したと感じる部分は
より一層アメフトを楽しむことを、法大に入ってから学びました。
ーー4年間で思い出に残っているプレーは
大学2年生の甲子園でのTDが、自分にとって自信につながりました。
ーー現在の4年生はどんな同期だったか
アメフトも楽しんでやっていますが、プライベートでも仲が良くて、おもしろい学年だったと思います。その反面悪い部分も出ていたので、そこは後輩たちが反面教師にして取り組んでほしいです。
ーー後輩たちへのメッセージ
自分たち4年生の良い部分を拾って、自分たちが達成できなかった日本一を目標にやってもらいたいです。そして、何よりもアメフトを楽しむということが、かけがえのないものになると思うので、そこを意識してほしいです。
ーー今後も競技を続けるのか
社会人で続けます。
ーーファンの皆さんに一言
日本一になって皆さんの期待に応えたいと思っていましたが、このような形で終わってしまい申し訳ないです。長いシーズンで応援してくださったおかげで、自分もアメフトを続けてこれましたし、力をもらいました。学生フットボールの4年間感謝しかないです。
(取材・松野要)
QB/齊藤空大(法4=駒場学園)
ーー現在の心境は
悔しいです。めちゃくちゃ悔しいですし、手も足も出ない負けって感じじゃなかったんで、その分、悔しいです。
ーー今日のオフェンス陣の出来は
すごくよかったのかなと思いますし、結局、4年間積み上げてきた物が、よくも悪くも最後の試合に出て、今年1年間やってきて嬉しかったです。
ーーシーズンを振り返って
結構いろんな方面に迷惑かけたシーズンだと思っていて、プレイスタイルも(相手陣へ)突っ込む感じですし、QBは本来守られるポジションだと思うかもしれないんですけど、親にも「ひやひやしたわ」と言われて(笑)。結構いろんな方面に心配をかけたんですけど、その分のびのびとプレー出来ましたし、自分のプレイスタイルを表現できました。
ーー四年間戦ってきた感想は
すごく苦しいし辛い4年間だったんですけど、その分やっぱ得る物も大きくて。
なので、法政って「アメフトを通じて人として成長しよう」みたいなチームなので、そこはすごく成長できたのかなと思います。
ーー同期への想いは
うちの同期は結構扱いづらいとか、我が強い人達がいて、すごく大変だったんですけど、その分色々なことが起きて面白かったですし、何よりそのアメフトがうまいメンバーがすごく多いので、もうシーズン通して助けられて、本当同期様々だなと思います。
ーー後輩に向けてどんな言葉をかけたいか
本当に僕らの4年生の願いは、「来年勝ってくれ」とプレッシャーをかけるつもりではないですけど、それをできるだけのポテンシャル持ってる選手がすごく多いと思うので、全員でシーズンを苦しんで、最後に勝って終わって、一緒に写真撮ってほしいです(笑)。
ーー自分の思いを誰かに託すとするなら
3年のQBの菊池慶(法3=法政二)です。同じQBですし、今度はあいつが今度は苦しむ番なので、「苦しめ」と(伝えたい)。
ーーファンに向けて一言
今日もだったんですけど、やっぱファンの皆様の声は何よりもすごく選手の力になりますし、アメフトだと「モメンタム」って言って、気持ちの流れをそう表現するんですけど、ファンが盛り上がるとやっぱメンタルが傾くし、シーズン通してすごく助けられた歓声でした。
ほんとうにありがとうございます。来年からも法政オレンジを応援してください!
(取材・加納正義)
LB/林凌平(営4=法政二)
ーー現在の心境は
去年の甲子園ボウルも出ていたんですけど、立命館に負けて正直強かったなっていうのが一つです。あとは昨日足首を怪我しちゃって、それが自分の中で本当悔しいっていうか。怪我で自分のパフォーマンスをあまり発揮できなかったし、常に我慢しながらやるのがしんどかったなっていうのが率直な感想です。
ーー1年間ディフェンスリーダーとしてやってきて
本当に楽しかったですね。リーダーだからってわけじゃないですけど。本当にディフェンス楽しかったです。去年も楽しかったんですけど、今年の方が楽しかったです。
ーーその要因は
本当に面子がいいですね。後輩も同期もですけどみんななんか面白いし、盛り上がれるところはめっちゃ盛り上がれるんで。自分は毎回ディフェンス前のハドルで何言おうかなって考えているんですけど、みんな気持ちよく綺麗に上がってくれるんでやりがいがありました。
ーー4年間を振り返って
自分は怪我とかも少なかったんですけど、こういう大一番の試合の前日に怪我しちゃってちょっと残念だなって。
ーー期待したい後輩は
たくさんいますね。やっぱり自分のポジションの瀧川、犬飼、盛は秋ずっと一緒に戦ってきてくれたので本当に期待してます。特に盛は1年生なのでこれから本当にすごい気がします。
ーーファンの皆様に一言
今日もディフェンスをやっている時に応援席から「ディフェンス行こう」みたいな声が聞こえたときに、なんかめっちゃいい人だなって思いました。こうやって神戸まで応援に来てくれる方々がたくさんいるっていうのは本当に幸せなことだなと思ってます。応援してくださって本当にありがとうございました。


