第86回日本学生氷上競技選手権大会 準々決勝 対早大 厚かったベスト8の壁…GWSまでもつれる大熱戦も惜敗…
第86回日本学生氷上競技選手権大会 対 早稲田大
2014年1月7日(火)
帯広の森第二アイスアリーナ
またも壁を壊すことはできなかった…。大会は大一番、リーグ戦では五分五分の成績だった早大を相手にお互い譲らない試合を展開した。粘り強く追いすがった法大。勝負は60分では決着がつかず、行方はGWSに委ねられるも、一歩及ばず。これまで一番ベスト4に近づくも、その大きな壁に跳ね返されてしまった。
試合結果
トータル試合結果
5 (63) |
1(18) | 1P | 3(16) | 6 (44) |
---|---|---|---|---|
2(26) | 2P | 1(12) | ||
法政大学 | 2(19) | 3P | 1(15) | 早稲田大学 |
※(カッコ内)は、シュートの本数を表示しています。
ゴールデータ
チーム | ピリ | 時間 | ゴール | アシスト | アシスト | PP/PK |
---|---|---|---|---|---|---|
早大 | 1 | 04:43 | 6 山田虎太朗 | 21 池田一騎 | 10 勝田貴之 | ― |
法大 | 1 | 11:33 | 18 山田淳哉 | 91 中口郁弥 | 30 小原日向 | ― |
早大 | 1 | 12:39 | 10 勝田貴之 | 21 池田一騎 | 26 青木優之介 | PK |
早大 | 1 | 19:00 | 21 池田一騎 | ― | ― | ― |
法大 | 2 | 01:29 | 18 山田淳哉 | ― | ― | ― |
法大 | 2 | 15:10 | 16 岩槻翔悟 | 18 山田淳哉 | 81 横山恭也 | ― |
早大 | 2 | 16:30 | 5 堰合芳樹 | ― | ― | ― |
早大 | 3 | 09:35 | 21 池田一騎 | 6 山田虎太朗 | 10 勝田貴之 | PK |
法大 | 3 | 14:47 | 81 横山恭也 | 18 山田淳哉 | ― | PP |
法大 | 3 | 16:59 | 30 小原日向 | ― | ― | PK |
早大 | GWS | ― | 9 松浦晃 | ― | ― | ― |
※PPは法大のパワープレー、PKは法大のペナルティキリングを表示しています。
メンバー
SET | FW | FW | FW | DF | DF |
---|---|---|---|---|---|
1 | C 16 岩槻翔悟 | A 17 村上亮 | 89 吉村紀耶 | 4 佐々木祐希 | 88 石橋智輝 |
2 | 30 小原日向 | A 18 山田淳哉 | 91 中口郁弥 | 81 横山恭也 | 20 酒井大之 |
3 | 23 末廣直樹 | 90 木戸啓太 | 10 間山慎也 | 6 松本勝利 | 5 高橋峻 |
4 | 19 磯田祥平 | 11 吉田厳介 | 13 松本力也 | 7 今井慶和 | 27 奥田陽久 |
※GKは#35藤田拓丸が出場。
戦評
7年間阻まれてきたベスト8の厚い壁。今年こそ打ち破るべく挑んだ準々決勝の相手は、これまで何度も激戦を演じてきた早大。準々決勝屈指の好カードに、夜20時30分開始ながら狭い会場一杯に観客が集まった。
第1ピリオド序盤、パックをキープし流れを握ったのは早大。そして互いに反則を犯し4-4となった直後の4分43秒、攻め上がってきて来た相手DFの山田にゴールを許し、先制点を与えてしまう。すぐさま反撃したい法大は、早大の弱点と言われていたGKに遠目からでも積極的にシュートを浴びせていった。すると11分33秒、中口がドライブからゴール正面からシュートを放つと、相手GKがパックをこぼしたところをFW山田淳哉が滑り込みながらゴールに押し込み、狙い通りの形から同点に追いつく。ここから攻勢に出たい法大だったが、直後にFW木戸啓太の反則によって再び数的不利に陥ると、ターンオーバーからのカウンターを早大FW勝田に押し込まれ、すぐさま勝ち越されてしまう。さらに19分には、相手のカウンターにDF松本勝利が審判との交錯により転倒、そのままシュートを許して痛恨の3点目を喫し、2点ビハインドでピリオドを終えた。
第2ピリオドは開始直後、左に切れ込んだ山田がシュートを放つと、そのままパックがゴールに吸い込まれ1点を返した。このゴールで勢いづいた法大はこの後猛攻を仕掛け、早大ゴールにシュートを次々と浴びせる。しかし山田がフリーで放ったシュートが外れるなど、相手GKのスーパーセーブもありなかなか得点をあげることが出来ない。それでも粘り強く攻め込むと15分、山田のシュート性のクロスにFW岩槻翔悟が詰め同点。試合を振り出しに戻した。しかしその30秒後、ゴール前に押し込まれたところでミドルシュートを許すと、コースが変わったパックにGK藤田拓丸が反応出来ず、またも追いついた直後に勝ち越し点を献上してしまった。
運命の第3ピリオド。3度追いつくべく法大は再度怒涛の攻撃を仕掛ける。山田、中口、DF横山恭也等が決定的なシュートを放つが、後一歩のところで得点に結びつけることが出来ない。そしてまたもPKに入った直後の9分、フリーとなったFW池田にシュートを許し、痛恨の3点目を許してしまう。厳しい状況に追い込まれた法大だったが、この日はなおも諦めることなく果敢に攻撃を仕掛ける。そして14分、PPのチャンスを得ると、横山の強烈なミドルシュートが相手GKの腕を弾き1点差に迫る。16分にはPK中にカウンターから抜け出したFW小原日向が、DFのマークをも振り切りドリブルからシュートを決めて見せ、5-5。土壇場でついに同点に追いついた。沸き上がる法大ベンチと、スタンドの観客。流れは法大に来ていたが、このまま試合はタイムアップとなり、勝負の行方はGWS(ゲームウイニングショット。サッカーのPK戦のようなもの)に委ねられた。
8年ぶりのベスト4が掛かるGWS、最初のシューターはここまでチームの得点源を担ってきた山田が任された。しかし山田のシュートは相手GKの好守にあい失敗。早大は1人目がきっちり成功した。負の流れは連鎖したか、2人目の小原、3人目の木戸もシュートを外し、万事休す。歓喜に沸く早大の目の前で、法大の選手は誰もが氷上で崩れ落ち、涙を流した。
シュート数は44対63。敗戦という結果は変わらずとも、内容面は過去の敗戦とは全く異なり、早大を圧倒していた。「今まで一番良い試合が出来た」「悔いはない」。後一歩の差でまたも厚い壁を超えることが出来なかった。しかし試合後、この試合で引退となった4年生はやりきった表情を浮かべていた。(田中宏樹)
フォトギャラリー
- 準々決勝敗退・・・
- 2ゴール2アシストの山田
- 残り3分に同点弾を放ち喜ぶ小原(左)
- 強烈な一撃を放った横山
- 今大会で存在感を示した木戸
- GWSの1本目をGKに弾かれうつむく山田
- 最後のGWSを外しうなだれる木戸
- 試合後立ち尽くす松本勝(上)と藤田(下)