【自転車】RCS第15戦 埼玉県行田市 第4ラウンド 最終戦直前の戦い!
全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ 第15戦 埼玉県行田市 第4ラウンド
2015年2月22日(日)
埼玉県行田市 古代蓮の里
RCS最終戦まで残すところあと一試合。長かった行田の戦いも最後のステージ、チーム一丸で勝利を目指す…そしてリーダージャージの行方は…
試合結果
クラス1
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
2位 | 荒井佑太 (営1) |
5位 | 相本祥政 (人3) |
8位 | 島袋大地 (文3) |
9位 | 白垣良祐 (人1) |
12位 | 菊山将志 (人2) |
クラス2A
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
6位 | 新村譲 (法3) |
20位 | 北條顕登 (法1) |
クラス2B
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
22位 | 江口彰志 (文1) |
戦評
クラス1
法大からは、現在までリーダージャージを保持し続けている相本をはじめ、島袋、菊山、荒井が出場。また前回のRCS第14戦第3ラウンドのクラス2で優勝、昇格を果たした白垣良祐も今回よりクラス1への出場となった。
スタート直後、集団から飛び出した岡本隼(日大)と荒井による2人の逃げが形成される。その後ろからメイン集団が2人を追いかける形となった。3周目時点で逃げとメイン集団のタイム差は15秒。差はレースが進んでも縮まることは無く、終盤時点で最大35秒まで広がった。荒井以外の4人はメイン集団の中で他大をけん制しながら前方を追った。ラスト1周、最後のコーナー付近で逃げの2人が落車。レースが乱れると思われたが、両者は素早く復帰した。メイン集団に追いつかれることのないまま、先行していた岡本が1位でフィニッシュ。数十秒遅れで後を追った荒井が2位でゴールした。さらに数十秒遅れてやってきたメイン集団はスプリント対決に。相本は集団の前方で走り抜けるも5位に終わる。島袋、白垣、菊山はそれぞれ8位、9位、12位という結果となった。
相本は今回も暫定1位、リーダージャージを守り抜いた。暫定2位の小林和希(明大)は本レースで3位。前回、そして今回で2人のポイント差は12点まで縮まった。
残すレースは2週間後の最終戦、明治神宮外苑クリテリウムのみ。このレースで小林を大きくおさえることができれば、相本が年間総合チャンピオンとなる。法大はチーム一丸となって、その座を守り抜くことができるのか。是非とも有終の美を見届けたい。(野口愛優)
試合前に円陣を組むクラス1の選手たち
クラス2
今回クラス2では出場者が多いため、AとBの2つのグループに分けてレースが行われた。RCS13,14戦で、クラス2から昇格者を輩出した法大。今大会でも、クラス1への昇格が期待された。クラス2Aには、前回と同じく新村と北條が出場した。レースは10周から7周と、周回数が減ったこともあり、ハイペースに進んだ。集団の中で、アタックが何度か飛び出すが、どれも決定的なものにはならなかった。レース中盤、展開の速いレースの中で選手たちにも疲れが見え始める。北條がメイン集団から徐々に遅れをとり始めた。新村は単独で先頭を追い、粘りの走りで新村がアタックをしかけるも捉えきれず、集団に吸収された。結果、新村が6位、北條が23位におわった。続くクラス2B、法大からは江口が出走。序盤から積極的にアタックを仕掛ける。4周目、メイン集団先頭へ追いつくも失速。再びアタックを試みる。残り1周のところで、集団に飲み込まれ、思うようにタイムを縮めることが出来ず22位でフィニッシュ。クラス2出場選手の少ない法大にとっては、不利な状況だった。目標の順位に届かず、選手も悔しさを滲ませていた。その気持ちを糧に、さらなる躍進を遂げた走りを最終戦では期待したい。(梶山麗)
リラックスした表情の北條(左)、新村
選手たちのコメント
相本祥政
―今大会を振り返って
本当は小林(明大)の後ろでゴールしたかったんですけど、それができなかったので。100点かというとそうではないです。でも、周りの荒井の動きであったり、白垣の動きは予定していた通りなので、後輩の動きに関しては100点です。
―荒井選手がメイン集団から大きく離れていましたが、それも想定内ですか
できれば2人ではなくて、3,4人で行って欲しかったんですけど、まあ2人で決まったので。もう1人の1年生も強い奴で、1位、2位獲ってくれればいいかなって感じだったので、予定よりは人数が少なかったかなってぐらいです。
―今日の自身のコンデションは
悪くはなかったですけど、寒かったです!(笑)
―今回のレースは7周でしたが
周回が少なくなった分、ペースは上がるかなと思ったんですけど、人数も多かったので、予想通り最初だけペースが上がったんですけど、そのまま逃げが決まって少しペースが落ち着いて、周回が短かったから逃げが決まったっていうのも、たぶんあると思います。だから、周回短くなって良かったのかなって気はします。
―レースの直前円陣を組んでいましたが
ラスト2戦っていうのと、皆緊張してるのでほぐすために、焦る必要はないので確実に自分がやるべきことをやれれば、勝ちは見えてくるので気持ちを緩ませるためにも。あとはチーム力です。1人では勝てないので絶対。自分1人では勝てないので、皆の力を借りて勝てると思うので結束力を持たせるために、今回はやってみました。
―明治の小林選手の走りはどうでしたか
申し訳ないなっていうのもあるんですけど、ずっと後ろについてたので、いらいらしてるのは分かってて1回ブレーキかけられて、でも諦めたっていう感じで。強いのは認めてるので、スプリントになったら勝てない強さを認めてるので、ただ自分もリーダーは絶対守らないといけないんで、申し訳ないですけど総合優勝は獲らせないよっていう感じです。
―就活と部活との兼ね合いは大変ですか
今1つ、上場企業で最終面接4次までいってるやつがあって、それが内定でたら就活やめようかなと思ってます。金が稼げる職に就ければいいので、内定もらえれば金は稼げるのいいかなっていう。あとは就活しなくても手段は色々あるので、まあ何とかなりそうです。神宮までには、たぶん安定してると思います。
―そうしたら、練習に集中できますね
そうですね、もう半分最終面接も先週の木曜日に終わって、まだ結果待ちっていう感じなんですけど、それの結果が火曜日くらいに連絡来るので、来なかったらダメなんですけど。来たら、それでずっと練習集中できるので。
―今回の改善点は
最後、小林に勝ちたいなっていう思いから、後ろにずっとついてたんですけど、最後の最後に違う方から行って、結果的に間に1人入っちゃったので。勝ちたい気持ちを抑えて、後ろについていたら間に1人入らなかったかなと思うと、最後まで冷静さを持たなくちゃいけないのかなと思いました。
―RCS最終戦に向けて
チームで勝つ競技だと思ってるので、リーダーを守り抜きます
―最後に、新入生が多く入ってくると思いますが、その中に期待の選手はいますか
まだ全然分からないので。とりあえず、ぼこぼこにしてやろうと!自転車で!(笑)たぶん高校でそれなりの成績を出して鼻の高い奴らが多いと思うので。入ってきて、それを折るのが俺たち先輩の役目だと思ってるので。それを折らずに、伸ばし続けちゃうと大学でもうひと伸びできないと思います。まず、神宮でリーダーをちゃんと見せてあげて良い環境を作っていくのが自分の役目だと思ってます。良い環境を作った上で、春合宿2日後始まって鼻折って、ぼこぼこにして!そこからじゃないと自信持ったまま1年生からいってたら、生意気になるだけなので、正直にならなくて。そいつたのためにもならないので、1回折ります!(笑)
新村穣
ー今日のレースを振り返って
今日のレースはクラス2も二つあったので、比較的人数が多すぎないレースだったんですけど、中でも自分たち(法大)、2Aは二人いて、人数の多い大学さんが積極的にレースを動かしていって。自分でもレースをつくっていきたかったんですけど、中々思い通りにはいかなかったので、そのままラスト一周を迎えてしまって。自分には勝ち目がないなあと感じながら走っていました。
ー狙っていた順位は
走れるからにはもちろん1位を狙っていたんですけど、一緒に走るのも1年生の北條くんで、あまりクリテリウムを得意としていなかったので、お互いにチームとして何か決めて走ることはなかったんですけど。実際走ってみると、他の大学の選手さんもどんどん強くなっているので少し焦っています。
ーレース前北條選手に何と声掛けをしていたのですか
すごく、隣で緊張していたので(笑)、集中するのは良いことだと思うんですけど、肩に力が入るほど緊張する必要はないよ、と声を掛けていました。本人もそれで少し楽になったと言っていたので。
ー今回は7周でしたが
スタートリストを見たときにスプリントを得意とする選手が多かったので、自分はどちらかというとそこまでスプリントは得意ではないので、距離が短くなったことはやっぱり自分にとっては不利だったのかなあと思っています。
ー今日のコンディション
気持ち的には結構感じも良かったんですけど。やっぱり体は正直で。来週からオーストラリアに行くので、それに向けてのトレーニングの影響もあって、ちょっと思ったパフォーマンスができなかったかなと。
ーでは前回のレース後、今日までオーストラリア遠征を見据えた練習を行っていたのですか
はい、そうですね。
ー今日見つかった課題
意外と1月から先週くらいまでは体の調子が良くて。思い通りのトレーニングができていたんですけど、ちょっと詰め込み過ぎてしまって。ずっと体のコンディションを維持することの大変さが分かって。そういう状態でレースに臨んでも、もちろん周りの選手も練習されているので、簡単には勝てないんだなあと。
ー今年度のRCSを振り返って
自分はRCS最終戦(神宮外苑クリテリウム)には出ないんですけど、RCSとロードレース出てきて、去年よりも走りながらいろいろなことが見えて、考えながら走れたんじゃないかと感じました。でもロードレースはやっぱりトラックレースより個人的に難しいところがあると思うので、思い通りできるようになって、初めて勝てるんだなあと思いました。
ーオーストラリアではトラックの大会に出るのですか
トラックとロード半分ずつくらいを予定しているんですけど、メインの一番大きい大会はトラックレースで。現地の世界チャンピオンと一緒に組むマディソンを予定しているので。もちろん足を引っ張らないように、優勝を狙って賞金をとって法政の知名度をあげていきたいと思います。
ーロードはどのくらいの長さですか
1時間くらいのレースですかね。町の中を走ったり、サーキットを走ったり、色んなところを予定しているんですけど、オーストラリアの人はみんな強いので(笑)、少しでも順位を上げて日本人も強いんだぞと見せつけていきたいです。
ー日本の学生は大会に出場するのですか
鈴木康平選手も一緒に行く予定で。他の大学からも選手が5人くらい行くと思います。
ーその方たちとスケジュールは基本的に一緒ですか
一緒です。
ーオーストラリア遠征に向けての意気込みを
今回は去年に続いて2回目のオーストラリア遠征なので、去年は挑戦だけで一週間がほとんど終わってしまったと思うんですけど、レースの仕組みとか向こうでのレース体系を少し理解できているので、今回は自分のレースができるように。それを目標にして向こうでやっぱり良い経験をすることが、4月の全日本選手権につながっていくと思うので、少しでも実りのある遠征をしていきたいです。
菊山将志
―今日のレース内容は
特に何もしなかったなという感じですね。
―試合前の作戦は
相本先輩の近辺にいて後ろにいる選手をどかしたり、最後はアシストをするはずだったんですけど何もせず終わっちゃいましたね。相本先輩の得点を守るために、荒井を送り出して大きい点のところを潰しにいく作戦でした。
―そういった意味では作戦はうまくいったということですか
当てはまったんですけど、最後に小林選手(明大)と相本先輩の間に日大の選手が割り込んだので、4点差つけられてしまいました。そこに割り込まれてしまったのは自分のミスだと思うので迷惑かけたなと思います。
―試合前の円陣の意味は
自分がやりましょうよって言ったので流れでやりました。(笑)
―最終戦前で気合は入っていましたか
今日がキーポイントになると思っていたので、ここでどうなるかで最終戦が決まるので皆で気合を入れました。
―最終戦に向けて
特に作戦とかは考えていないんですけど、コンディションをベストまで持っていかなければいけないので、ベストまで持って行って最後に相本先輩を優勝に連れて行きたいですね。
―ズバリ相本選手は総合優勝できますか
はい、します!
荒井佑太
―今日のレースを振り返って
試合の前から自分が積極的に前に出て優勝を狙うのがチームの目標でした。周回数が7周になったこともあって、前半から積極的にいこうと思って、逃げる選手がいたらついていこうという気持ちで臨みました。
―最終周で落車されましたが
落車もあったんですけど、良いスピードで逃げれたかなと思います。オーバーペースでコーナーに突っ込んでしまって、結構派手に転んでしまいました。けがもちょっとしたんですけど、すぐ自転車を立て直して復帰しました。
―落車しても集団に追いつかれる可能性はなかったのですか
集団が後ろに見えていたので、このままだと相本先輩やチームメイトに申し訳ないなと思って必死に最低でも二位にはなろうと思って逃げました。
―試合前の作戦は
小林選手(明大)と相本先輩の点差を開かせないように、法大が一位から三位までを独占しようと思っていました。
―試合前に円陣を組んでいましたが
思いつきといいますか、法大はクラス1出場人数が一番多いのでみんなの力で相本先輩を勝たせようという気持ちが表れたんだと思います。
―今日のコンディションは
今日は気温も低くてアップとかも入念にやりました。逃げてる途中で苦しい場面もあったんですけど最後の局面を考えることができていたので、コンディションは良かったと思います。
―最終戦に向けての意気込み
明治神宮という大舞台で相本先輩の総合優勝が懸かっているので、個人的にもいい順位にいければいいし、相本先輩のリーダージャージを守ることができればいいなと思っています。
白垣良祐
―今日のレースを振り返って
自分の仕事がしっかりできたと思います。良かったと思います。
―クラス1に昇格後、初めてのレースとなりますが、変わったことは
今日はすごく考えたレースをしたと思いました。初めて、どうしたらいいのかをいっぱい考えてレースができたので、すごくいい経験になったと思いました。
―今日の作戦
相本先輩と明治の小林さんの点差が開かないようにするための作戦でした。1、2、3位の得点が高いので、自分たちが逃げてそれを取るという感じで。自分と荒井のどちらかが逃げて、もう1人は集団をおさえて(片方を)逃がすということになっていました。今日自分は逃がす役目になって、荒井を逃がすことができたので良かったです。
―今回は普段の10周ではなく7周でしたが、それによって変化はありましたか
スピードは上がったんですけど、自分は持久系ではなくスピード系なので楽でした。
―行田のコースは走りやすいですか
自分的にはもう4回目だったので、コーナーとかも全然怖くなくて。走りやすくて、コーナーも攻められました。
―前回のレースから少し間が空きましたが、その間はどのような練習をされていましたか
競輪場でスピード練習をしたりしました。あと、ちょっと自分の自転車が壊れちゃって。今日は別の人に借りたんですけど、これくらい走れたので良かったです。
―自分の自転車ではないと結構変化はありますか
そうですね、全然違います。なので戦力にならないかなと思っていましたが…良かったです。
―クラス1のレースのスタート前、皆さんで円陣を組まれていましたが、どういった流れで
ノリです(笑)。あとみんなの気を楽にするために、ですね。
―今日見つかった課題は
まだちょっと持久力が足りないなって思いました。あのくらいではあはあなってたんで。距離伸びたらって思うと、もっと持久力をつけていかないとと思います。
―最終戦のエントリーについて
一応自分は神宮の学校対抗じゃない方に出る予定です。
―学校対抗とそうでない方とは
学校対抗と、普通のクラス1クラス2の方が別れていて、学校対抗は学校から3人選ばれてその3人だけが走ります。それ以外はクラス1とクラス2が同じになって走ります。自分はそっちで走るかもしれないです。でもまだ変更が可能で、自分も(学校対抗で)走りたいと思っているので、もっと走れるぞというアピールをしていきたいと思います。
―最終戦に向けて
自転車が直らないと思うので、とりあえず慣れて、もっと走れるようにしておきたいです。あとは走ることができれば、学校対抗で走りたいとは思ってます。
フォトギャラリー
- 荒井は最後まで逃げ切った
- リーダージャージを守りきれるか
- 今回は完走した江口
- 安定した走りを見せた島袋
- 白垣は初クラス1で存在感をみせつけた
- 菊山は何もできなかったと振り返る
- 表彰台には届かなかった新村
- すべてを出し切った荒井