【フェンシング】第67回関東学生選手権~男女フルーレ団体~ 男女ともに頂点へ!女子は大接戦に競り勝つ!
第67回関東学生選手権
2015年10月22日(木)
駒沢オリンピック公園体育館
2日目はフルーレ団体戦が行われた。昨日の個人戦での疲れが残る中、男女ともに順当に勝ち進む。男子は日大に勝利した早大を決勝で下し優勝。女子も準優勝、決勝と大接戦が続いたが見事に競り勝ち、頂点までのぼりつめた。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子フルーレ | 長島徳幸、東哲平、石島匡、小久保航汰、大石利樹、野口凌平 |
○45-5上智大 ○45-17拓大 ○45-26中大 ○45-36早大 |
優勝 |
女子フルーレ | 久良知美帆、柳岡はるか、真田玲菜、緒方実奈海 |
○45-28明大 ○37-36早大 ○ 35-31専大 |
優勝 |
男子戦評
朝早くから始まった男子団体戦で法大は順調に勝ち進んでいく。二回戦では上智大に45-5、そして準々決勝では拓大に28点もの差をつけ快勝し、ベスト4へと突き進んだ。
準決勝は中大との対決。第1セットは東哲平(営4)は先制点を上げるもペースをつかむことができず3-5。大石利樹(法3)と長島徳幸(文4)も相手を追うものの第3セット時点で13-15とリードを許す。第4セット目では東が7点を奪って逆転し、波に乗り始める。続く第5、6、7セットでも攻撃の手を緩めない法大は4連続、5連続得点を上げ中大との得点差を大きく広げる。残りのセットも安定したプレーで試合を運び最終的には45-26もの快勝で決勝戦へ駒を進めた。
迎えた決勝戦。準決勝で一昨年の覇者日大に43-45と接戦の末勝利を収めた早大との対決は、開始早々大石の剣さばきで相手を圧倒し5-1となる。しかし第2セットでは苦戦を強いられ、早大選手に5連続得点を上げられるも、なんとか10-8とリードを維持し長島へバトンが渡る。その後はギアを加速させ、着々と点差を広げていき主導権を握る。第6セットが終わる頃には、30-20と10点差が開き法大の強さを見せつける。第7セットでは東がモメンタムをつかめず5つの点を取るまでに10得点を奪われ、35-30と点差が縮まるも長島、大石が流れを崩すことなく攻めきり45-36で優勝を果たし、2年連続王者となった。
大石のガッツポーズ
長島は関カレで個人・団体の2冠
昨年優勝を果たした関カレから一年。王者という負けられないプレッシャーがある中実力のある相手に対しても、臆することなく試合を展開できることを証明した。是非インカレでも思う存分男子フルーレのチーム力を発揮してほしい。(和多慎之介)
女子戦評
昨年同大会で専大に3点差で敗れ涙をのんだ女子フルーレ団体。悲願の優勝を目指し厳しい戦いが始まる。
2回戦から始まった法大は明大を相手に久良知美帆(法4)、柳岡はるか(法3)、緒方渚(国3)の布陣で快勝し準々決勝に駒を進める。
早大との準決勝、第1セットで久良知が1年生の狩野と拮抗した戦いを見せ2-3で柳岡に託すとここで一挙に7点を奪う。続く真田も6点追加し15-5で早々に流れを掴むが、第5セットで真田が狩野に12点を許し24-19まで差を縮められてしまう。第6,8セットで柳岡、久良知が奮闘し31-27で最終セットを迎える。最終第9セットのピストに上がったのは柳岡と狩野。同じナショナルチーム所属の両者のハイレベルな3分間が始まった。序盤から一歩も譲らず点を取ったら取り返す互角の戦いとなる。残り20秒で36-34で柳岡がリードし勝負あったかのように思われたが、残り10秒で同点に追いつかれ決着は一本勝負へ。息詰まる空気の中、剣を伸ばしたのは狩野だった。しかしこれを柳岡は待っていた「自分から行ったらだめだと思った」、相手の剣を華麗にかわしコントルアタック。法大に最後のランプが灯されベンチは歓喜に沸いた。
優勝に大きく貢献した柳岡
準決勝で早大戦に勝利し喜ぶ女子フルーレチーム
昨年同大会と同じく決勝戦の相手は専大と、まさに昨年のリベンジを果たすのにふさわしい舞台となった。立ち上がりで久良知が早々に連続得点を挙げると、専大の高橋もすぐに2点を取り返し、3セット目までは均衡した戦 いを繰り広げる。同点に並ばれてしまう場面はあったが4セット目にはとうとうこの試合で初めてリードを許してしまう。しかしここで、キャプテンの久良知が気迫のこもったアタックで4連続得点を奪う。7セット目には、この日あまり調子が上がらなかったという真田も「最後なのでやるしかなかった」と語ったように4連続で得点を重ね、法大の流れを呼び寄せた。そして2点リードで迎えた最終セット。早々に28-28と振り出しに戻されるも、アンカーの柳岡は落ち着いて取り返す。一進一退の攻防が続くが、上手なのは柳岡だった。焦りを隠せない相手に対して冷静に試合を運び、最後は駄目押しの3連続得点で専大を突き放して優勝を決めた 。2年ぶりに関カレ優勝を果たした女子フルーレ団体。早大戦後に涙をかべる選手も見られ優勝への熱い思いが感じられた。次はインカレで団体3連覇を狙う。(竹内大将・向井知優)
選手のコメント
長島徳幸 男子フルーレ主将
―団体戦を振り返って
昨日の疲れがすごくあって、今日もコンディションがよくなかったので、最後回りを逃げました(笑)
でも良い組み合わせで戦えたと思います。
―中大戦では途中まで競った試合でした
特に焦りとかはなかったです。ただ最初にちょっとしたミスで取られてしまったので、徐々に修正していこうという気持ちでした。後半はあまり相手に点を与えることなく勝てたので、そういう気持ちが点差を離すことができた要因だと思います。
―日大を下して上がってきた早稲田に嫌なイメージはありませんでしたか
早稲田の松山恭介(早大)がすごく苦手で、実際にかなり強いので。本当に嫌ではありました。
でも決勝ということでこれが最後だと思って頑張れました。これからインカレもあるのでしっかり締めようと思っていました。
―試合内容には満足していますか
あまり満足していないですね。
拓大戦くらいから足もあまり動かなくて、今日は体があまり言うことをきいてくれなかったですね。
―キャプテンとして何か声をかけたりなどはしましたか
そういのは全くないですね。話すのは苦手なので(笑)
背中で引っ張っていきます。
―インカレに向けて
関カレでやったことにもっと磨きをかけて、インカレでも団体でも個人でもしっかりタイトルを獲れるように頑張っていきたいです。
東哲平
-優勝をおめでとうございます。お気持ちはどうですか
ありがとうございます。でもあんまり嬉しくないです。自分は取った点よりも取られた点数の方が多かったので残念です。体力面や精神面などの課題が見つかりました。チーム全体としては嬉しいことなんですけど、個人としては内容面であまりよくありませんでした。長島と大石の2人が頑張ってくれたから勝てた試合だと思っています。
-今日の全体的な内容はどうでしたか
今日自分は最初の方から試合に出場していて、個人としては決勝戦はあまり出来は良くなかったですけど、そこまでの試合はいい部分もちらほらとありました。
-下級生の活躍はどうでしたか
下級生の個人戦は上位まで入る人がおらず、そこまで良くなかったので団体に参加する機会が少なかったですね。個人戦でも結果を残せるようになったら団体戦にも自然に入ってくるようになると思うので今後に期待したいです。野口と敷根は来年も出るんじゃないかなと思っています。
-夏はどんな所を意識して練習しましたか
四年生ということもあり就活をしていたので、練習という練習はできませんでした。なので課題克服とかはできていませんでした。
-秋の目標は
まずはまたインカレがあるのでそこを優勝して、そして全日本でも勝つことですかね。そこで勝たないとまだ何とも言えない感じです。
-昨日の準々決勝で敗れた法政大学同士の試合はどうでしたか
長島はやっぱり強かったです。でも普段練習しているよりかはわりといい試合ができました。練習では自分の手の内は全部見せたりはしなくて、試合でこそ全力で挑んだんですけど、素直に自分の実力不足で負けました。もっと練習して次の試合に挑みたいと思います。
-今後の試合の抱負は
チームで勝ち進んで行きたいです。
柳岡はるか
―団体優勝おめでとうございます
ありがとうございます。去年(関カレ)は獲れてなくて、このチームになってから大きいタイトルが獲れていなかったので嬉しいです。
―春(リーグ、王座)にリベンジという形になりましたが
春に負けてからお互い意識し合っていて、向こうも負けれないと思っていたと思うので、絶対に負けたくないという気持ちで挑みました。
―専大対策などはありましたか
前回やられた時の技とかは意識していましたね。
―試合前にフルーレで何か話し合われましたか
春負けたから今度は勝とうぜ、って感じですかね(笑)。
―準決勝(早大)で一本勝負を制しましたが
最後の相手(狩野選手)が昨日の個人戦で負けた相手で、その借りを返すっていうのもあるし、一緒に遠征にも行っていた仲だったので手の内はお互い分かっていたのでうまくはまってよかったです。
―勝負の時何を考えていましたか
最後を任されるのはすごい久しぶりで、いろいろ考えたんですけど試合の中で自分からいってやられることが多かったので、結局コントルアタック(相手の攻撃に合わせて反撃する)で思いっきり狙いました。
―個人戦はもっと上位を目指していましたか
そうですね。でも、狩野ちゃんに当たっちゃたんでしょうがないです(笑)。
―次のインカレ団体に向けて
3連覇かかっているので絶対優勝します。
真田玲菜
―団体戦を振り返って
私は今回全然だめだったんですけど、チームのみんなに助けてもらって優勝できたので、本当に良かったなと思います。関カレは去年負けてしまっていて「今年こそは」という思いがあったので嬉しいです。自分としてはあまり納得のいく試合ができなかったので、そこは悔しいですね。
―白熱した準決勝について
最初は良い感じで勝っていたんですけど、私が点数を取られてしまって、雰囲気もだんだん悪い方に流れていってしまったことが接戦になってしまった原因だったと思います。私は早回りだったので、本当は後ろの二人に少しでも点差を広げて回したかったんですけど、今回はそれができなかったので、インカレまでには頑張ります。
―決勝戦ではセットの後半に連続得点を許してしまう場面が多く見られましたが
最初は動いて、相手も様子を見ている感じだったんですけど、良いタイミングで自分から勝負に出ることができなかったことが原因だったと思います。
―一方で7セット目では不調を感じさせない攻撃でチームに流れをもたらしましたね
そこはもう最後だったので、他の人に迷惑をかけないようにおもいっきりやろうと思って、とにかく必死でやっていました。
―この大会まで取り組んできたことは
個人としては技術面をもっと向上させたいと思って、練習に取り組んできました。チームとしても練習中にアドバイスしあったりして、みんなで高めあってきました。
―サーブルでの出場に向けて
個人戦も頑張っていきたいですし、サーブル団体も関カレは連覇がかかっているので、それに貢献できるように頑張りたいと思います。
フォトギャラリー
- 全試合に出場した東
- 決勝では最後回りを戦った大石
- 女子フルーレ主将の久良知
- インカレでの復調に期待したい真田
- 男子フルーレメンバー
- 女子フルーレメンバー